チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 87

2019年01月24日 16時35分14秒 | 日記
マドリッドではプラド美術館に入り浸りだ
旧約聖書や新約聖書に精通していないとわからない絵が沢山
また中世の権力の構図を理解しないと絵の価値がわからない

そういうことでぼやいていたらグループの画家の一人が
「日本の浮世絵をとことん研究すると日本人の暮らし方や美意識がよく理解できるよ、また、日本人の神様は一人の神様ではなく、生きとし生けるもの、また目の前にあるもの、自然がすべて神様という捉え方なので、観察の仕方が丁寧なんだよ。日本はそういう意味でもプラドの絵画に負けてはいないよ」
(日本に帰って言われたとおり浮世絵の勉強をしていたらそこで湯文字に出会いますます湯文字の尊さを知ることになった)

またさらに別の一人は
「ここの肖像画のような精密な描写は日本の着物の柄を思い出させてくれる」
「日本画家の中では着物の絵柄を書いて生活をしている人も多いんだよ」
(着物の仕事をしているけどいま壁にぶち当たっていて皆様の仲間に入れていただき目的もなく絵を見ていると話してある)

ローマでは毎日一人行動していたので画家の皆さんとお話する機会がなかったが
マドリッドでの朝食の時みんなが優しく絵画の説明をしてくれるので大いに勉強になった
その中の有志と中世の街トレドで一泊しようと話がまとまりでかけた

トレドに行く途中にも数々の美術館に入り絵の鑑賞、今度は専門家がそばにいるので色の重ね方などの話は実に参考になる
おかげで色のコーデイネートの勉強ができた
つまりこの色にこれを足していくと全体がクールになるとかウオーム系になるなど
その後帯合わせ小物合わせにどれだけ役立ったか

さてトレドの街に入る前ロバの行列に出あった、そのロバたちの首にターコイズの首輪がかかっていてなんとも愛らしい
車から降りてロバを調教している人に日本語で「この首輪分けてもらえませんか?」とお願いするとなんと通じたらしく、おじさんは私の首に首輪をニコニコしてかけてくれた
お財布を取り出すと「いらない」と手を振る、持っていた扇を渡すと喜んでロバを促し去って行った
(この首飾りはいまも私の大好きな帯留めの一つ)

皆さんがトレドに来た目的は「エル・グレコの家と絵画」だったそして中世の町並み
プラドで一番心動かされたのがエル・グレコの宗教画だったのでグレコの住んでいたと言われる家に入ったときには戦慄を覚えた

16世紀の人なのだがアトリエ、居間、寝室、応接間、台所などが20世紀入って改造されていた。
プラド美術館で見たグレコの宗教画でグレコが使う色特にターコイズブルーに惹かれていた
(続く)

# エル・グレコ  #プラド美術館 #トレド #マドリッド #ターコイズ
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