チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 474

2022年02月19日 10時51分10秒 | 日記
ひな祭りが近づいた
古いひな壇はそれを見る人から右側が殿左が姫として並んでいる
特に京都はこの並び方
東京を中心に東の方は逆の並び方

さいたま市岩槻にある「人形の東玉」で衣裳考案の仕事をした時期がある
そのとき鈴木木目込み人形を売り出し中で、チャ子ちゃん先生はその売り出し方のプロジュースをさせていただくことになり、考えたのが平安時代の重ねの色目を草木染で作るということ

草木染を命名した父を持つ山崎青樹さんに、生繰りの布に草木染を史実に基づいて染めていただいた
少しずつ核家族になってきた時代で、東玉側は「段飾り」を考えていたのだが、「親王飾り」を私は主張し、会社側は「立ち雛」と「座り雛」を木目込み人形で表すことになった

木目込み人形作りの名手鈴木さんの作るお顔のなんとふくよかで優しい顔
出来上がった人形をテレビで宣伝することになり、鈴木さんは女優の大原麗子さんの顔を思い浮かべて彫ったとおっしゃるので、大原麗子さんに出演を依頼
「にんぎょうの、と―ぎょく!」という曲を作り放映した

人形の衣裳を目立だたせるために、大原麗子さんには白い着物を着ていただいた。白綸子で桃の花が織り込まれた白生地。帯は金地に焼き箔を散らした袋帯、袖口から覗く長襦袢を紫にした。帯揚げは総絞りの白、帯締めは金。大原さんの希望で、紫の伊達襟をしたいということで、長襦袢の紫よりやや強めの紫にしたところ
「これ京紫じゃあない?れいこ江戸紫がいい」
と反論され、ここで史実にのっとった江戸紫を青樹さんに染めていただき決着
そこに落ち着くまで、いろんな紫を持ってきてもノーしかもらえず、いやーー参った!

しかし努力の甲斐あってきれいなコマーシャルが出来たし、人形も出足快調
立ち雛と、座り雛一式頂いていたが、今は手元に座り雛か残っている

さて
チャ子ちゃん先生が頑として譲らなかったのは、親王の座り位置
向かって右が殿、左が姫、これには歴史的背景もあることを縷々述べ断固その並び方にこだわった。変に頑固なところがあるんだわわたし
その話は
2月23日の「チャコチューブ」でおききくださいませ 20時から

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