書道家の矢萩華恵さんの告別式が本日寛永寺の輪王殿で行われる
昨年の個展が和光のギャラリーで開かれ、そこでゆっくりお話をして
「近いうちに家に来てね、もうきものは着ないので一緒に整理したいから」
個展の整理もあり、ちょっとゆっくりもしたいだろうと気を利かせて連絡をしなかったら、お亡くなりになったという連絡が来た
変に気を使ったことを後悔しても、もう話をすることもできない
指折り数えると50年の付き合いになる
古いお付き合いの先輩たちが周りからいなくなり
「どうしよう」
と甘ったれなチャ子ちゃん先生は震える
彼女たちにどれだけ大切なことを教わったか
どれだけ大事にされたか
どれだけ可愛がってくださったか
あの人この人とただ遠くから頭を下げるしかない
この「恩送り」をさせてもらうしかない
さて昔の弟子(笑)から
「何着ていったらいいですか?」
「私は江戸小紋の麻の葉の絽ちりめんに紗の喪締めていくからそこから判断してね」
「黒は着ないのですか?」
「ええここのところ頻繁に会っていないし、親族でも弟子でもないので大げさすぎると思って」
「うわーどうしよう、喪服に準ずるきものはもっていない、黒喪服しかない」
「あなたはいつも派手だし、狂乱のコーデイネートだからね(笑)、喪服着なさい、お父様の代わりという思いもあるのでしょうから敬意を表して」
「絽でいいですね」
「いいわよ」
「帯も絽の帯でいいですよね」
「いいわよ」
「小物も真っ黒?」
「いいかげん自分で決めなさい!」
「黒い草履は無くて黒地に白い鼻緒が付いてるんですう」
「いいでしょう、私の草履もそれ」
「ホっ、帯揚げか帯締めどちらか白でいいですか?」
「だから自分で決めなさいってば、故人との関係性、あなたが告別式でどの席に座るかも想像してみてね?」
「帯揚げ白にします」
「はい」
行ってきます
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