チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

尖閣諸島

2010年10月13日 10時58分38秒 | 日記
私たち日本人はお付き合いの中で
「互いを思いやる」
という精神がある

そのため
どんなに親しい友人の間でも、仲間達との間でも
時には家族間でも
「宗教」と「政治」の話は避ける

何故なら
お互いの信仰の自由とか
政治的な考え方とか
其処に立ち入らないのが「思いやる」精神で
無駄な衝突を避けることを知恵としていたからだ

しかし今此処に来て
「政治」というより「小沢待望」をスパッと明るく言う人が多くなった

業界の仲間と食事をしているとき
「今回の尖閣諸島の政府の対応で全く迷惑している」
「何かあったの」
「中国が突然強気になって」
輸入生糸の値段をキロ倍額に引き上げ
それがいやだったら一ランク落としたのを前の値段で渡そう

「キロたしか1800円だったわよね其れが倍?」
「そうですよ」
「中国政府は日本との輸入にすぐ介入できるということね」
「これは生糸だけでなく、羽毛や野菜等も値上げされているでしょよ」
「いよいよ自分の国で出来ることをやるという時代かな」

「小沢さんだったらもっとうまく相手と交渉できたと思うけどね」
へえ
政治の話などトンと興味のなさそうな人たちが
それから暫く小沢待望論に熱中

私たちの生活は政治の舵取りが即日常に響くようになっている
今までこういうことに目をつぶっていたなあ
とお互いに戒め合う

食糧難になる前に
自力で食べ物や着るものの確保を真剣に考える時代が来た

日本人が捨てた日本のの文化を必死に掘り起こす必要もある
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31度

2010年10月12日 10時34分35秒 | 日記
昨日はなんと31度
茶事に出席の方は10月だからと
常識通り袷をお召しになっていらっしゃる
チャコちゃん先生は単、社中の人間ではありませんからね

ところで
我が姉宗静先生はエライ
「チョット見て」
と袖口から襦袢を引っ張り出す
見ると絽の長襦袢
「さすがですね!」
当然下着も絽で決めているという

さらに
「昔山崎さんの草木染の絽の小紋アンタに進められて買ったでしょう」
アレはとても良くてよく着たけど
さすがに膝とお尻の布が抜けて
どうしようかと考えて生地がいいから色抜きをした

「その絽がこれなのよ触って?いい感じでしょう」
まったりとしてしっかりしている
「いい物はこうやって何時までも働いてくれるわ」

それにしてもあなたはいいきもの着ているわね
「それなあに」
「塩漬け繭で織ったきものよ、さすがお目が高い」
「ほー私も欲しいな」

88にもなってまだ欲しいものがあるということは健康だということ
「そうだわね」
「毎日お薄飲んでいるからかしら」
「小さいときの親の食事が利いてるのよ」
「でも美っチャンは死んじゃった」
「あの人は大人になって飽食に走ったからね」

思いがけない暑さにこうやって知恵を働かせるのも経験の豊富さか

17日高崎で山崎一族をテーマに講演するが
そのときに40年前の斌先生の草木染小紋をご紹介したいと思ったが
すでに元の布に立ち返っていた

「草木染は平均的に色が抜けていい白になったのよ」
まさに象牙色であった
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若者の出発

2010年10月11日 16時53分46秒 | 日記
姪の娘理奈ちゃんが「茶事」を開いた
まだ30歳になったばかり
ずっと茶道に励んでいたけど
今までの師匠から別の社中に移るので
今までのお礼と、これからよろしくという身分をハッキリさせる茶事

お懐石から、お炭の手前、薄茶、濃茶と全部一人で行う
客人は両社中の先生ばかり20人
幸い彼女の祖母の小林宗静先生が御正客に入るので彼女も少しは安堵

早朝から道具を茶事の場所に運び
花を生けたりもろもろの支度をするので
チャコちゃん先生せめて着付けを手伝うことにした

準備を進めるうち
だんだんしっかりと目標が定まり
「これからの自分の道にしようと思う」

浜松から上京の宗静先生と時間が来るまで外でお茶をする
「物入りね」
「これでしっかり道を歩んでくれればね」
本来は一度入った社中からは外れないのが定式なのだが
理奈ちゃんは本気で続けるにはーーーー
という気持ちが働いたようだ

「なんかややこしい世界ね」
「比佐ちゃんやらなくってよかったね」
代議士や弁護士と一緒で跡継ぎが出るとありがたい
道具だけでも無駄にならない

物入りだとぼやきながらも
孫の成長は嬉しい

チャコちゃん先生お役目が終わり
新宿南口にあるチャコットへバレエ衣装を見に行こうと改札口を出た
「小沢真っ白」
と書いたチラシを持って若者三人が署名を呼びかけていた

こういうことは始めてらしくて声も小さく初々しい
「署名させてくださいね」
「ありがとうございます」
「大変でしょう?」
「なかなか分かっててもらえなくてーー」
と澄んだ目でにっこりと微笑む彼ら

今日の新宿31度
澄み切った空は美しいが
強い紫外線が容赦なく彼らに注ぐ

一人の政治家を信じて日本の未来のために立ち上がっている
いかにも頭のよさそうな清潔な三人だった

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スタッフの愛

2010年10月10日 17時53分21秒 | 日記
中谷比佐子著 角川書店「きものを着たらおとな思草」
断裁が決まったとブログに書いたところ
其れを読んだタナカが
「全部引き取りましょう」
「600冊近くあるのよ、とても無理よ」

いつもは出費に厳しいタナカが
必死の形相で言う
「だっていい本なんだもの」
「一応30冊はひきとることにしたけど」
「でも全くこの世からなくなるんですよね」とセキド
「あんな良い本をこの世から消してしまうのはよくないですよ」とヨシダ
「まだ読んでいない人も大勢居るんだもの」セキド

「全部引き取ったらいくらか」
と早速電卓をはじくタナカ
「断裁するんだから無償でどうぞはないんですかね」
と腑に落ちない顔のセキド

「とにかく交渉してみます少しでもいい条件にします」
と受話器に飛びつくヨシダ
「ちょっと心当たりの友人に一冊でも売りましょう」
とメールをするセキド

出張の時間が迫っていて
「出かけてきます後はよろしくお願い致します。」
常磐線に乗ってもスタッフたちの温かい心に涙がとまらず
慌ててグリーン車へ
(少しでも倹約しなきゃいけないのに)

「きものの着付けとかコウデイネートのコツでないときものの本は売れません」
と良く出版社の方に言われる
しかし
チャコちゃん先生は
きものを通して国づくりに励みたいので
どうしてもきものに教わる日本の知恵を書きたい
「ですからこういうのは売れないんですっ」

次ももう原稿が出来ている
「きもの解体新書」
きものを着ることで心や体がどう進化するか
でも出版の見込みはまだない


「懸命に稼ぐということで300冊引きとることにしました」
とヨシダからメールが入る

きものに対して同じ思いで臨むスタッフに
ただただ感謝
一番怖い小姑のタナカ
40年チャコちゃん先生を身近に見ていて
この本の裁断が心底忍びなかったのだろう

車窓の景色が雨にけぶっているように見える
心から感謝
そしてありがとう
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銭亀

2010年10月09日 16時19分35秒 | 日記
公園に居る亀は銭亀ではないらしい
あの甲羅の見事さには恐れ入る
人は何がしかの宝物を所持しているらしいのだが
先日Tさんは「ゼニガメ」を育てているということがわかった
(現実で育てているのではなく)

こういうわからないものが見える海里さんの話

そのゼニガメを育てるためには
お結びに「ありがとう」と言って食べるといいんだって
ゼニガメが大きくなり財が増えるという
「わたしもいいの?」
「いえこれはTさんのみ」
「なーーんだゼニガメ育てられないんだ」

ゼニガメが欲しいチャコちゃん先生

空海の言葉に
「三角は尊い」
というのを何処かに記憶している

つまり昔は白米を食べることはまれで
それはとてもおめでたいときにしか口に出来ない
お結びのように三角に握ることは庶民はしなかったらしい

たる型だとか○型

「結ぶ」という言葉が
天・地・人となって三角結びになるのだと
そのときの空海の言葉

今は日常に三角にぎりを口にしているが
そういえば母は
遠足とか運動会とか何かの筋目に
おにぎりを三角に結んでくれていた

いまみると
なんとも美しい形だ白と黒陰と陽
そして中に赤い梅干がある
日本の三色

ゼニガメを育てられなくても
ヤハリありがとうと言って口にしよう
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セイタカアワダチソウ

2010年10月08日 14時35分01秒 | 日記
通称「ぶたくさ」と呼ばれている雑草
茨城にある蚕業技術研究所にいくまで
いたるところにこの「ブタクサ」は自生している

「此の花の花粉にやられる人が多いですよ」

アレは何年前だろうか
外国の材木が輸入されるようになり
その中に混じってはるばるやってきた菌が
そのまま日本の土壌に根つき
全国にあっという間に広がった

当時は杉の花粉より
此花の花粉の方が忌み嫌われ
喘息になると大騒ぎされた

その「ぶたくさ」を
ひょっとしたら色が取れるかもしれないと
山崎青樹先生は思いつき
「見てくださいこの色 、なんで染めたかわかります?」
試しに染めた帯揚げを見せてくださった

手に取ると美しい青葉色
「黄味が感じられないけど綺麗な緑ですね」
「実はねセイタカアワダチソウで染めてみたの」
「エッあのブタクサと嫌われている?」
「そうマスクしていっぱい刈ってきてね染めたの」

考えられないほどいい色
緑色は藍と刈安などの黄色染料とあわせないと出ないのに
この草一つで出来る緑に
青樹先生は少年のように瞳を輝かせていた
青樹先生も今年の一月になくなった

17日は高崎で青樹先生の思い出講演をする
セイタカアワダチソウは綺麗な緑だけでなく
美しい音色の歌にもなった

嫌われている裏にとても役立つことも或る
何事も一方的な見方は全体を見失うとつくづく思う
青樹先生の直感がセイタカアワダチソウに別の使命を与えた

そんなことを考えながら
車窓から「ぶたくさ」の群生を興味深く眺めているうち
研究所に着いた
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独裁者

2010年10月07日 09時37分18秒 | 日記
一連の小沢一郎報道を見ていると
アガサクリステイーの冒険探偵小説
「ビッグ4」を思い出し
読み返した

ビッグワンは中国の悪魔の知恵を持った男
ビッグツーはキューリー夫人をしのぐフランスの科学者
ビッグスリーはアメリカの超富豪
ビッグフオーはイギリスの変装俳優の殺し屋

彼らは
有り余るお金と残酷な悪知恵化学兵器をちらつかせる頭脳
更に冷酷な殺し屋の四人で
世界の独裁者になり
自分達の利権で世界を動かそうとする

それに向けて計画を進めているのだが
最も邪魔になるのが
かのエルキュールポアロ

チャコちゃん先生の最も親しいお友達

いつもは優雅をきめこむポアロだが
今回は命がけ
なんたって世界がかかっている
1回は死んでしまうくらいの攻撃を受ける

ハラハラ・ドキドキしながらも
冷静沈着、精密なポアロの頭脳と実行力
人を動かす力が悪を征す

小沢一郎さんの存在そのものが
私たちに
司法のありかた
マスメデイアのありかた
外国との付き合い方
人の思考など
無言で教えてくれる

この小説のように
何処かに独裁者を目指しているグループが居るのだろう
小沢一郎さんを叩くことによって
その姿が垣間見える

日本を取り戻すいいチャンスと思う

明治維新から始まった
官僚主導の国家
きものの世界にも大きく影響を与えているが
それは「比佐子つれづれ」のフリーペーパーに
チラリと書いた
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断裁

2010年10月06日 10時37分37秒 | 日記
「きものを着たらおとな思草」角川書店
中谷比佐子著
担当の角川文芸出版のZ氏から
「断裁の対象になりましたのでご了承を」
という電話を頂く

560冊残っているそうだ

「動きがよくないので断裁の対象になりました」
もしお買い上げならば8掛けで今日の昼までに部数を決めてください

そりゃあ全部引き取りたいよーーーーーーー
わが子だもの
あの美しい本が切り刻まれるんだ
痛い 身を切られるような感じ

「8掛けなんていわないでどうせ断裁するなら無償でもらえないんですか?」
とセキド
「すこしでも収入を得たいのでしょう」
「売る努力をしないで動きが悪いからとはシツレイですよね」
「売れない著者は立場が弱いのよ」
「出版社ってそんなもんですか」
「そんなもんだわ」
「8000部刷って560しか残ってないんなら優秀ですよね」

しかし現実は現実
560部を買える財力があれば子供達を引き取れる
いくらかは引き取りたい

ルーフバルコニーに出て
胸いっぱい呼吸をする秋晴れの空が美しい
目の前の都庁舎が霧で包まれてしまった
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本音で生きる

2010年10月05日 10時25分20秒 | 日記
「終着駅」トルストイの晩年の映画を見た
平和と平等を一生のテーマにして
時の権力をそのペンの力で恐れさせた

ガンジーとか魯迅日本でも徳富蘆花がその思想に影響を受けた

もともと伯爵家に生を受けた富豪の人だが
更にその才能が生み出した莫大な財産を
ロシアの民衆が誰でも使えるように財産放棄を企てる

其処にストップをかける妻ソフイア
彼女は世界三大悪女として君臨しているがーー
ちなみに後二人は、ソクラテスの妻・モーツアルトの妻

三人とも今となると偉大な才能を持つ夫を必死で守ったのだと思うがーー

さてこの映画は若い人は
このソフイアを我の強い自己主張が激しい女ととるかもしれない
しかし
チャコちゃん先生の年になると
真直ぐな愛を持ち信念を貫く本音の生き方がまぶしい

トルストイの教えに心酔してコミニテイを作っている弟子達に
莫大な印税を残そうとするトルストイと
家族を守るために
それはならじと命がけで阻止しようとする妻
そのいがみ合いに疲れてトルストイは家出をし
田舎町で客死してしまう

しかし最後の死の場面はーーーー

一緒に観劇したサチコさんと
しばし夜道を黙って歩き
とある古いバーの止まり木でウオッカをなめながら

「私今本音で生きるということをテーマにして居るので回答をもらった感じ」
「わたしも」
本音は信念と愛が根本で其れが体に一本通っていないと
単なるわがままの自己顕示欲の強い人間になってしまう
と二人で結論付ける

ソフイア役のヘレン・ミレンはいつものことながら迫真演技
トルストイ役はクリストフア・プラマー慈愛のこもった大きな演技
他にも名優ばかりが人間の真の愛を見せてくれる

この真の愛は
仕事に対しても
国を思う心にも通じると思う

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金木犀

2010年10月04日 15時25分55秒 | 日記
はやどこからともなく
金木犀の香り
「秋だわーーー」
当方のベランダでも今朝は金木犀の花を認める

「今年は寒いわよ」
と土いじりの好きな友人からの報告
「どうして?」
「アリの数が多いわ」
こういうときは冬が寒い
アリはその厳寒を感知して
いそいそと餌を巣に運ぶのだそうだ

気象庁の長期予想を聞くより
こういう生き物の生体の方がチャコちゃん先生はは理解し易い

ビロードのコートつくりを勧める
今日も洸美さんがビロードの被布の仮縫いにいらした
仕立ての中島さん
「先生のより襟元を若々しくしました」とさ

洸美さんは昨日初舞台だったが
振袖を着て舞台の人気をさらっていた
メイクとヘアーは川邉サチコさん
舞台栄えしていましたねもともと美しい方ダガーー

さてチャコちゃん先生は
キャッツの歌詞を度忘れして作詞しまくり
オマケに日本の歌を歌うときに着るきものは
長襦袢を忘れ
半衿代わりに腰ひもを使って
なんとかーーごまかし

ごまかしの天才

こういうのは歌以前の問題
高校の同級生達が来てくれて
「声量が足りないね」って
「もっと比佐子らしく自分を出したら」って

見事的を得ているので何も弁解できませぬ
持つべきは若いときの男友達だわ

会場を後にしたら
夜風に金木犀の香りが頬を撫でて慰めてくれた

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