三重 中国への輸出狙う
三重県桑名市の食品製造会社「ヤマモリ」が、地元漁協などの協力 を受けて、国内最大規模の稚ナマコ養殖に成功した。現時点での年 産規模は二十万匹程度。来年度は五千万匹、5年後までには一億 匹を目標に量産し、日本産ナマコが高値で売買される中国向けに輸 出していく計画だ。独立行政法人「水産総合研究センタ-」によると、 国内ではナマコ養殖があまり進んでおらず、岩手県が産官共同で行 っている養殖事業が年間数万匹の規模。ヤマモリの取り組みはこれ を上回る国内最大級となる。中国では乾燥ナマコが高級食材として 珍重され、特に日本産は最高級品として一㌔当たり10万円以上で取 引されることもあるという。ヤマモリは同国大連市に昨年設立した現 地法人を通じて、しょうゆやレトルト食品を輸出販売してきたが、乾燥 ナマコ市場の大きさに注目し、養殖に乗り出した。同社の三林州生・ 新事業開発部長は、「中国から養殖技術者を招き、水温コントロ-ル や菌の処理などのノウハウを取り入れたことが(国内最大規模での養 殖の)成功につながった」と語っている。