海藻を水田の肥料に 米の味高評価
鳥取、島根両県にまたがる中海は、海水と淡水 が混じり合う汽水湖。かってはアマモやコアマモ などの海藻をはぐくみ、付近の農家は改装を有機 肥料として田畑に入れて土壌を改良した。化学肥 料の使用拡大で忘れられていたこの農法を、NP O法人「未来守(さきも)りネットワ-ク」(鳥取県境 港市)が復活させ、話題になっている。こうした海 藻は、開発によってすみかとなる浅瀬が減って、 姿を消した。同ネットワ-クの奥森隆夫理事長は 「アマモを“植林”し、中海を浄化する活動が始ま りだった」と話す。だが、アマモは1年で枯れ、水中 に放っておくとせっかく取り込んだ窒素やリンが再 び放出されてしまい、浄化がうまくいかなかった。 このアマモの処分法として浮上したのが、古くからの農法。昨6月ごろ に集めたアマモを乾燥させ、翌年、田植え前の水田にまく。まだ試行 段階だが、前春には乾燥した海藻約30㌧を、県内の水田計140㌶に まき、30㌔入り2千袋分のコメを収穫した。鳥取県が実施した食味試 験では「最高級」の結果か゛出て、うわさを聞いた他県の農家からも「海 藻を利用したい」と申し込みがあった。「海水と淡水か゛ブレンドした水に 味の秘密があるのかも」と奥森さんは話す。