生理学研 脳内の反応部位を特定
「かゆみ」を感じる脳の部位を自然科学研究所(愛知県岡崎市)の柿木隆介教授らが特定し、24日までに米学会誌に発表した。頭頂葉内側部の楔前部と呼ばれる部位で、類似点が指摘される「痛み」とは別の、かゆみ独自のメカニズムの存在を明きらかにしたのは初めてという。柿木教授は「アトピ-などのかゆみを抑制する薬の開発につながるかもしれない」としている。柿木教授らは、手首に取り付けた電極を通じ、かゆみを電気的に引き起こす装置を開発。機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)と脳磁図で被験者の脳内を調べたところ、感覚の情報を処理する楔前部が反応していることを突き止めた。かゆみの認知は痛みの認知との共通点もあるため、「かゆみは痛みの軽いもの」とり見方もあったが、楔前部は痛みを感じる際には反応しないという。ヒスタミン注射でかゆみを起こす方法もあるが、不快感やかゆみ以外の作用が同時に起き、かゆみの純粋な反応を調べることはできなかったという。