「幼児向き」
10月号が発売になっています。そちらのご案内分です。 新しいいのちは、新しい時間と新しい絵本をつれてきます。赤ちゃん絵 本の分野って、今、絵本の世界の中で一番オモシロイと思います。 特に、この0・1・2シリ-ズからは、次々と傑作が生まれています。 この絵本は、もう表紙からモトナガスタイルがド-ンと。それでいてなん ともチャ-ミング。ペ-ジを開くたびにヨロコビの世界が出現します。ビビ ッドな色彩の鮮烈さ。ユ-モラスな形の斬新さ。おおきいとちいさいが対 等に堂々としているのが気持ちいい。
いろんな温泉に入ったことがありますが、ピカイチは川のそばにある温泉。 フキの葉っぱを頭にのっけて、川風に吹かれて入るのが最高。カッパにな った気分です。じっくりとお湯につかり、リラックスすると身も心も軽くなり変 身したような気分になります。この絵本の生き物たちもいろんな色の温泉に 入っていろんな色に変身です。きれいな色彩がはじけるようです。はだかん ぼうさんの女の子が変身しなかったのは残念だったけど、虹色の噴水って きれい、きれい!
「低・中学年向き」
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バスがきました 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2008-04-18 |
「かずあそびウラパン・オコサ」の谷川さんがまたまたユ-モラスで楽しい絵 本をつくってくれました。知的なスパイスの効いたカラフルな画面。レトロなバ スからおりてくる乗客たちが愉快です。数年前、5月の伊豆高原で谷川さん にお会いしたことがありました。森の息吹に包まれた小さなギャラリ-で展覧 会を開いていらっしゃったのです。この絵本に出てくる仙人によく似ていて、や さしいおじさんでした。それにしても、谷川さんの絵のあたたかさ、脱力感、い いナッ。
中国の昔話です。仲間たちより体も小さく羽もみじかいくじゃくの男の 子は、ある日森をぬけ出します。くじゃく仙女のやさしさの守られてい た、のどかな森に自分の居場所のなかったくじゃくの子。けれど森の 外の世界は苦しみの多い世界でした。くじゃくの子は苦しんでいる人 々を助けます。自分の羽をぬいて。やがてくじゃくの子は仙女のでしに なり、空いっぱいに咲く花火になる力を与えられます。画面いっぱいに 咲く花火が幻想的です。
「高学年以上」
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メジルシ 価格:¥ 1,260(税込) 発売日:2008-05-16 |
ヤングアダルトの旗手、草野たきのファミリ-スト-リ-。今回の舞台は 北海道。旭川、札幌、函館を旅する家族3人の物語です。主人公双葉 は14歳。中学を卒業して全寮制の高校への進学も決まっています。 しかし、両親は離婚を決め、この旅行が家族としての最後の記念となる はずでした。双葉の右手にあるヤケドのあと。その秘密が明らかになる ことで見えてくる連鎖する親と子の葛藤。そのくびきを断ち切ろうとする 少女の心の描写に、ぐいぐいと引き込まれるようにして、一気に読みま した。
8年という歳月をかけて作られた労作です。読みやすくわかりやすい文章、 やさしい筆づかいの絵が憲法のしん髄を表現しています。作者は「憲法の 絵本をつくりたい」と思いたち、憲法を学び続け、膨大な資料に当たり、細 かい考証に基づいた絵をひたすら描きました。その情熱を支えたのは「日 本国憲法の力強さと優しさをみんなで共有し、憲法を使いこなして、日本 を『だれもが安心してくらせる国』にすることができたら」という願いでした。 本の帯に書かれた「ケンポ-は友だち」。すてきな言葉ですね。