張平(ジャン・ピィン)著 「凶犯」を読みました。
中国内陸部の国有林に派遣された誇り高き傷痍軍人・李(リー)狗子(ゴウズ)。
国有林監視の仕事をまっとうしようとしていた彼を待ちうけていたものは、金力の前にひれ伏す「腐敗した権力」と状況に流されるだけの「庶民」だった。
対立は深まり、ついには衝撃的な大事件へと発展する。
次々と明らかになるあまりにも残虐で戦慄すべき事件の全貌。
正直に生きようとする事は悪なのか・・・
人間・狗子(ゴウズ)はどう生きたのか
人々は何を考えたのか……。
一党独裁の弊害
横行する役人への賄賂
利権を得ようと画策する地元の実力者達
見て見ぬ振りをしないと、そこでは生き残れない庶民
実際に起きた事件をモチーフに現代中国の社会問題を描き、その背後にひそむ人間精神の深淵をえぐる
現代中国の現状と問題点が実感できる作品で読み進むうちにぐいぐいとその内容に引き込まれていきます。
今後の四川省大地震の復興事業でもこのような事件が起こらない事を願います。