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今野 敏/果断―隠蔽捜査〈2〉

2010年10月12日 | 小説
今野 敏 著 「果断―隠蔽捜査〈2〉を読みました。




警察庁キャリアだった竜崎伸也警視長は、前作で警察上層部の不祥事と息子のヘロイン煙草喫煙の両方で、隠蔽の誘惑にかられる事態に直面し、共に明るみに出すこと選び、警察官僚の地位をはずされ、所轄署である大森警察署の署長に左遷されてしまう。

そこで彼は、部下や地域の人々から変人扱いされながら署長決済の膨大な判子押し作業に追われていた。

そんなおり、消費者金融強盗の犯人のひとりが、大森署管内の小料理屋「磯菊」に銃を持って人質をとり、立てこもるという件が発生する。

竜崎は慣例を無視して現場に駆けつける。


混乱する現場で対立する警視庁捜査1課特殊班SITと警備部に所属する突入部隊SAT

現場で指揮する竜崎の決断は。

襲いくる様々な圧力に竜崎は打ち勝つことができるのか・・・



06年「第27回吉川英治文学新人賞」を受賞した『隠蔽捜査』シリーズの第二弾。

キャリア竜崎伸也が左遷先の大森署署長に赴任して起きた事件。

現場での主導権争い。

説得に応じない犯人。

マスコミの無責任な報道。

警察組織内での責任のなすりつけあいや部下との関係の悪化。

さらには妻の緊急入院という難題が重なり、

竜崎は公私共に窮地に立たされる。 

しかし、竜崎の持つ「原則に従って合理的に物事を解決する」と云う信条が奏功し事件は解決したかのように思えた、が・・・。

大森署ベテラン刑事のちょっとした疑問とそれを重視した竜崎の指示から、事件は全く別の様相を表していく。

そこからが、まさに、
逆転劇!

ストーリーも、人物描写も、結末も一級品です。

流石に’08年、「第21回山本周五郎賞」と「第61回日本推理作家協会賞(長篇および連作短篇部門)」をダブル受賞した作品です!! 

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