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船戸 与一/虹の谷の五月

2010年10月22日 | 小説

船戸 与一 著 虹の谷の五月を読みました。

 


トシオ・マナハン、13歳。

フィリピン、セブ島ガルソボンガ地区に祖父と住み、闘鶏用の軍鶏を育てる日々だった。

奥地の「虹の谷」には元新人民軍のゲリラホセ・マンガハスがひとり住みついて闘い続けている。

虹の谷」は”まんまるい虹が出る谷”だという。

そこへ行く道はトシオしか知らない。

日本から戻ってきたクイーンを谷に案内したことから、トシオはゲリラたちの内紛に巻きこまれていく。

トシオ・マナハン、14歳。

ゲリラのホセ・マンガハスが住む「虹の谷」への道を知っていたことから暗殺、誘拐の硝煙の宴に巻きこまれていく。

そしてトシオ・マナハン、15歳・・・。


日本人との混血児トシオの13歳から15歳の五月の出来事を描いています。

フィリピンの混迷した時代に、

どこかでたらめで薄汚れた大人たち

それでも自分の信念を貫いて生きる者たち

トシオの穢れなき目をとおして、

時代の中で揺れる人々の

リアリティー溢れる姿が描かれています。

そんな背景の中

トシオは一人前の人間として成長してゆく・・・。 

少年の夢。

怒りと誇り。

愛する者との別れ。

慟哭の叫び。

少年の成長が実に見事に表現された冒険小説です。

一気に読了!!

第123回直木賞受賞作
コメント
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