佐賀県唐津市七山の樫原湿原に3年ぶりに行ってみた。
暑いし、かったるいし、出かけるのも億劫だったけど、カメラやレンズが防湿庫のなかで腐りそうだったので。
行くんだったら最高気温を避けて午前中に写真を撮りたい。
それには朝早く起きなきゃいけない。
でも、晩酌はいつも通りしたいので、あまり早起きはしたくない。
結局、意を決して6:30起床。7:00過ぎ出発。
樫原湿原まで2時間弱のドライブだった。
樫原湿原は、湿原植物の宝庫と言われ、四季折々に100種類を超える植物が花を咲かせるという。
ここでの夏の目玉のひとつはハッチョウトンボだ。
一円玉の直径ぐらいの日本最小のトンボで、湿地帯に生息し、準絶滅危惧種に指定されており、滅多に見られない。
今回発見できたのは3頭だけだった。
ここは木道から撮るので望遠レンズでしか撮れない。
滋賀では、自宅から車で30分ぐらいのところにハッチョウトンボの生息地があった。
そこに行く森の中の、人一人がやっと通れる狭い山道は、いつも蜘蛛の巣に遮られているほど誰も来ない場所だった。
実際、そこでほかの人に会ったことはない。
マクロレンズで近寄って撮ることができ、たくさんのハッチョウトンボが生息していた。
ここでのもうひとつの目玉はルリモンハナバチ、通称ブルービーと呼ばれるハチで、これも滅多に見ることができないので「幸せを呼ぶブルービー」と言われている。
ただ、ブルービーを撮りに来た人には何人も会ったが、いまだにブルービーには出会ったことがない。
今回も出会えなかった。
ブルービーが好むオミナエシの花がまだ満開になっておらず、満開になればブルービーがやってくるはずとの地元の人の話だった。
ぱっと見には花が咲いているように見えるが
拡大すると、まだ蕾が多い状態だった。
以下、花やトンボの名前は省略。
樫原湿原は「九州の尾瀬」と言われているらしいが、さすがに「尾瀬」は言いすぎではないかと思う。
白樺の木やミズバショウ、ワタスゲなど植物が全然違う。
死ぬまでにもう一度尾瀬に行ってみたいと思うが、福岡に来て遠く離れてしまったので、もう無理だろう。
尾瀬に行くには、群馬県片品村の鳩待峠から北上して尾瀬ヶ原に至るルートと、福島県桧枝岐村から南下し尾瀬沼を経て尾瀬ヶ原に至るルートの二つがある。
片品村からのルートは多分3回(多分1回は家族で)、桧枝岐村からのルートは多分2回は行っている。
桧枝岐村からのルートは、尾瀬沼の手前の湿原がニッコウキスゲの花で黄色に埋め尽くされる7月がベストシーズンだ。
桧枝岐村には「裁ちそば」という十割そばのおいしい蕎麦屋さんがあるのを思い出す。
2004年6月
2005年7月