万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

民主党の”闘争体質”が混乱の原因

2012年06月15日 11時00分43秒 | 日本政治
民主「内戦」状態 「反増税派」結集、執行部にも亀裂(産経新聞) - goo ニュース
 野田首相が提言している消費税増税をめぐって、民主党内では、賛成派と反対派との間で激しい抗争が展開されているそうです。民主党そのものが分裂しそうなのですが、左派に由来する闘争体質は、日本国の混乱の原因となっているのではないかと思うのです。

 東日本大震災と福島第一原発の事故の発生は、未曾有の被害と耐えがたい苦難を日本国にもたらしました。こうした苦境に直面した際には、本来、国と国民が互いに協力し合い、一致団結して復興に取り組むことこそ理想的な姿です。持てる力を結集する必要がある場合には、内部対立を深めたり、足の引っ張り合いは、できる限り避けるべきことなのです。にも拘らず、民主党政権は、危機を革命の好機とみる左派勢力の戦略思考を受け継いでいるためにか、あらゆる場面に闘争モードを持ち込み、内部対立を煽りました。外国や再生エネ利権とも結託した反・脱原発運動は、エネルギー政策の分野に留まらず、産業や国民生活をも脅かし、がれき受け入れ反対運動は、被災地の復興を大幅に遅らせることにもなりました(この点に関しては、地方自治体にも問題が…)。纏まるべき時に、国内が対立の方向に引き裂かれたのですから、混乱は長引くわけです。

 闘争には破壊力を伴いますので、やがて、民主党自身が、相互破壊のうちに消えてしまうかもしれません。民主党の自己消滅は自業自得としても、日本国は、自滅を避けるために、何としても、この闘争モードから抜け出なければならないのではないでしょうか。

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