万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

立憲民主党とは何者なのか?-不自然な現象

2017年10月21日 16時26分40秒 | 日本政治
枝野代表、無所属・岡田氏と選挙後に協力の考え
 マスメディアの報道によりますと、立憲民主党は、希望の党を凌ぐ勢いを見せており、野党第一党を窺う位置にあるそうです。特に、中道層の支持集めているとも報じられておりますが、この現象、どのように考えても不自然なのです。

 民進党左派に踏み絵を踏ませようとした希望の党とは袂を分かち、新党結成を以って活路を開いた議員等の行動は、“判官贔屓”の気質がある日本国では、一定の評価を得た可能性はあります。また、立憲○○党という党名も、戦前の帝国議会における立憲政友会や立憲民政党を髣髴させ、どこか、古風な響きさえあります。しかしながら、立憲民主党の代表は、民主党政権時代にあって官房長官を務めた、かの枝野幸男氏です。氏の登場に、東日本大震災時の対応や経済の6重苦とも称された厳しい景気状況を思い出し、悪夢が脳裏に蘇る国民も少なくないことでしょう。名称に“立憲”が付されてはいても、かつての民主党そのものに他ならないのです。

 加えて、さらに奇妙な点に、立憲民主党は、中道政党を装っていることです。立憲民主党の選挙時のキャッチフレーズは“右でも左でもなく、前へ”であり、旧民主党内の左派が結集した極左政党のはずが、いつの間にか、中道政党を主張しているのです。しかも、立憲民主党はSNSを積極的に活用すると共に、枝野氏がいかにも若者層に受けているかのようなイメージ戦略を試みています(女子高生が“エダノン”と叫んで応援する?)。恰も、突如として政界に登場したフレッシュな政治家のように。

 そして、ここで“はた”と思い至るのは、フランスのエマニュエル・マクロン大統領との類似性です。マクロン大統領が創設した中道政党の名称は、“共和国前進”でした。上述した立憲民主党のキャッチフレーズは“右でも左でもなく、前へ”であり、「前」という極めて似通った表現を用いているのです。また、上述したイメージ刷新の演出も、同大統領の登場時を髣髴とさせます。こうした共通点は、単なる偶然なのでしょうか。

 立憲民主党がフランスの大統領選におけるマクロン大統領の戦略を真似たのかもしれませんが、これらの類似性から推測されるのは、同大統領を支える国際勢力が、立憲民主党をも蔭から支援している可能性です。恐らく、当初は、小池氏に日本国におけるマクロン氏の役割を期待し、希望の党の結党を後押ししたのでしょう。しかしながら、希望の党の“戦法”が裏目に出て失速したと見るや、急遽、シナリオを変更し、枝野氏に乗り換えたのかもしれません。憶測の域は出ないものの、立憲民主党が呼び掛けに応じて“前に進む”と、一体、そこには、何が待ち受けているのでしょうか。

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