万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

第三次世界大戦シナリオにおけるプーチン大統領

2024年11月22日 10時45分42秒 | 国際政治
 先日、兵庫県で実施された県知事選は、マスメディアによる大方の予測に反して齋藤元彦知事が当選し、‘どんでん返し’のような結果に終わりました。マスメディアによるネガティブ・キャンペーンに抗って齋藤知事が勝利した要因は、SNSの活用にあったとも指摘されています。多くの有権者が、SNSを介してマスメディアの報道とは真逆に近い情報に接することとなったからです。もっとも、これで一件落着とはならず、目下、そのSNSの情報もデマやフェイクであったとする説も流されており、兵庫県民のみならず、多くの人々の頭が混乱した状態になりました。

 同現象は、情報によって人々の判断が180度ひっくり返ってしまう事例ともなったのですが、政治の世界で情報が最重要視されるのは、それが判断や評価の基礎なるからです。しばしば、判断や評価を二転三転させますと、一貫性がないとして批判を受けたり、最悪の場合には人格を疑われてしまうこともあるのですが、新たに別のルートから違う情報を入手したり、情報が更新されるような場合には、致し方がないことと言えましょう。

 そして、政治の世界では、意図的に相手に判断や評価を誤らせたり、自らの望む方向、否、利益となるように人々を誘導するために偽情報を流布することがあります。政府が必ずしも‘正直者’ではないことは、昨今、コロナワクチンの接種推進事業などの経験によって多くの国民も気がついているはずです。それでは、国際社会はどうなのでしょうか。各国にあってCIA等の情報機関が設置されているように、国際社会は激しい情報戦の舞台でもあります。二重スパイや三重スパイも珍しくはないのですが、誰が誰のために働いているのか、それを見極めることは極めて困難な作業となります。そして、世界権力が情報を操りながら第三次世界大戦シナリオを密かに遂行している可能性が高い今日、事実を突き止めませんと、人類は、滅亡の淵に立たされてしまうことにもなりましょう。

 第三次世界大戦シナリオの実在性を見極めるに際しての重要ポイントの一つは、ロシアのプーチン大統領の立場です。各国政府もマスメディアも、今日の国際社会をアメリカを中心とする自由主義国対ロシア・中国を核とする全体主義国という二項対立の構図として描いています。全世界を二分する二項対立の構図こそ、世界大戦に追い込むには好都合なのですが、自由主義国では、プーチン大統領は、内戦に便乗してウクライナを侵略した‘国際犯罪者’としてのイメージがすり込まれています。

 しかしながら、第三次世界大戦シナリオを想定しますと、ロシアのウラジミール・プーチン大統領も、世界権力側の‘操り人形’の一人に過ぎないこととなります。戦争を起こすには、戦争当事国となる双方を操る必要があるからです。もちろん、ウクライナ側のゼレンスキー大統領も例外ではないのでしょう(同大統領はユダヤ系ですし、ウクライナは‘隠れユダヤ教徒’を広めたフランク主義など、近代ユダヤ思想の発祥の地でもある・・・)。

 世界権力とプーチン大統領との繋がりについては、同大統領には、世界経済フォーラムが毎年選出しているヤング・グローバル・リーダースの一人に選ばれた過去があります。自由主義国のグローバル企業が参加する同団体が、旧共産主義国家の情報機関、即ち、KGBの勤めていた経歴を持つ人物を選んだ背景には、それなりの思惑があったことは想像に難くありません。おそらく、若きプーチン氏からKGB時代に収集されたロシア国内の情報を得る、あるいは、自らの組織の一員としてロシアを内部から“グローバル化”することが目的であったとも推測されます。

 もっとも、その後のプーチン大統領は、グローバリズムに背を向け、むしろ自由主義国との対立姿勢を見せるようなります。この態度の豹変については、内部にあってグローバリズムの本質を知った上での決別‘、あるいは、抵抗勢力への転向を決意した顕れとの解釈もあります。ネット上では、プーチン大統領を、強欲にして冷酷なグローバリストもしくはディープ・ステートと果敢に闘う英雄とする見立ても見受けられます。その一方で、フランキストの教えのように、’隠れグローバリスト‘としてロシアに潜伏し、世界を二分させるという’ミッション‘を誠実に遂行しているとの見方もあり得ましょう(ロシア革命がロスチャイルド家の支援を受けていたとすれば、ソ連邦への回帰も’ミッション‘の一つであるかも知れない・・・)。

 これまでのプーチン大統領の言動を見ておりますと、後者である可能性も否定はできないように思えます。ロシア・ウクライナ戦争そのものが両国の大統領が申し合わせたかのように起きていますし、紛争のエスカレーションを招くべく、相互に相手方に口実を与えているようにも見えます。今年6月のロシアと北朝鮮との軍事同盟の締結も、ウクライナから東アジアに火の粉を飛ばすための策略であるのかも知れません。度重なる核兵器使用の示唆に加え、本日も、ウクライナがロシア領内に対して米国製の長距離ミサイルを使用したことへの報復として、中距離ミサイルによる攻撃を加えたと報じられています。プーチン大統領がさらなるエスカレーションを望んでいるとしか思えないのです。

 その一方で、プーチン大統領については、健康不安説に留まらず死亡説や‘替え玉説’も頻繁に登場しており、その‘実在性’についても疑問が持たれています。‘ロシア大統領’が一つのシナリオ上の‘役’の一つであるならば、外観の同一性さえ保たれていれば誰でも構わないことになりましょう(姿が目撃されていないため、‘引きこもり説’もある・・・)。情報が統制されている今日、プーチン大統領の正体を見極めることは難しいのですが、その言動と結果から推測することはできます。そして、この‘正体’の問題が人類の危機に直結するからこそ、ロシアに限らず、アメリカのイーロン・マスク氏、さらにはディープ・ステートとの闘いを表明しているドナルド・トランプ次期大統領についてもあらゆる可能性を排除してはならないのではないかと思うのです。

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