小川洋子さんの小説はもともと好きでよく読んでいるんだけど
ビンボー人でハードカバーを買えないもんだから
文庫落ちを待ってるうちに『三国志』から抜け出せなくなり
そうこうしているうちに映画化決定。
映像化されてしまうとどうしても登場人物を俳優さんに脳内変換して
読んでしまうので映像化の前に読みたかった1冊。
今さらですがやっとこさ読みました。
80分しか記憶のもたない数学者-博士と、家政婦-私とその息子-ルート
3人で過ごしたかけがえのない時間の物語。
小川洋子さんの書く言葉は静かでキレイ。
ゆっくりと静かに時間が経過していく感じ。
とても心に響く言葉や表現がたくさんでてきて読んでいて気持ちいい。
素数、友愛数、完全数、フェルマーの最終定理・・
難しい数学の言葉さえキレイなものに思えてくる小川さんの文章は
すごいなぁ。
ストーリーはせつなかったけど、
博士はとっても丁寧に生きているなぁと思った。
楽しければいいやとつい思ってしまうけど、
限られた時間、丁寧にすごさなくちゃなと思った。