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『散りしかたみに』近藤史恵

2013-12-27 00:36:27 | 本のこと

 

3作続けての近藤史恵作品。

探偵・今泉の梨園シリーズ。

歌舞伎の公演中、桜の花びらが降るはずのないところで舞い散る。
それに気付いた菊花師匠がその謎どきを今泉にたくす。
そこには、一卵性双生児として生まれた梨園の御曹司市川伊織と
死んだことにされた弟のせつない運命がかくされていた。

話が、小菊、伊織、紅子の一人称で語られているんだけど、
ちょっと時間軸がこんがらがっちゃうところがあるかな。
伊織が双子だったって謎が最後に解けるんだけど、
じゃあ破滅にむかっているようなあの語りは伊織だったの?
それとも死んだことにされた弟だったの?ってわかんなくなっちゃう。

伊織の弟のことをたくされていた紫のがなんともせつない。

読後感はなんとも後味悪いけど、
せつなくて冷たい世界観が好きかも。

しかし、梨園に同じ顔の役者は2人いらないっていう考え方は
今もあるのかなー。

 

散りしかたみに (角川文庫)
 
角川書店

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