『アポロンの嘲笑』中山七里

 

東日本大震災の直後に発生した殺人事件
原発作業員だった被害者と加害者
その加害者が、逮捕直後に逃亡
その向かう先は原発だった。

エンタメ作品ではあるけれど、
震災と原発作業員のことを書いた重みのあるストーリー

震災の原発に乗じたテロ行為
原発にしかけられた爆発物を処理した一人の逃亡犯
その死は、被疑者死亡として扱われ
真実が世の中に知れることはない。

あくまでフィクションではあるけれど、
もし現実にこれに近いことがあっても
やっぱり真実は隠されるんだろうな。

タイトルの“アポロン”はギリシャ神話の太陽の神のこと。
原子力に傾倒した民を、太陽の神は嘲笑っているだろうか、
というところからのこのタイトル。

アポロンかぁ。
太陽のチカラは偉大だと思う今日この頃。

 

	アポロンの嘲笑 (集英社文庫)
	集英社