第一部 イチニツイテ
第二部 ヨウイ
第三部 ドン
サッカーの天才を兄にもつ新二が、サッカーをあきらめ、
強豪でもない高校の陸上部に入って天性のスプリンター・連と一緒に走り、
ただ“速くなること”を夢に仲間と走り続ける物語。
2007年の本屋大賞受賞作品。
読みながら、読み終わってしまうのがもったいなくてさみしくて。
読み終わっても、しばらく余韻にひたってしまった。
すごく好き。
佐藤多佳子さんの作品はどれもこれも好き。
図書館で借りて読んだんだけど、自分の本だったら
マーカーひきたくなるようなココロにひびく言葉がたくさん。
高校生の陸上にかけた青春物語なんだけど、
暑苦しくないアツさがいい。
佐藤さんの言葉や表現は、飾らなくて分かりやすい。
登場人物が生き生きとしている。
新二が兄・健一を本当に誇りに思う気持ちが伝わってくる。
Jリーグの寮に入る健一が、新二にスパイクをあげるところ。
新二が“もらったのはシューズじゃない。最高の男になれっていう健ちゃんの気持ち”って
いう新二の気持ちがいい。
連は天性のスプリンターなのに練習が嫌いでゆるくて、
そんな連を走らせるのは新二。
新二とかけっこしたいって理由で陸上部に入った連。
連を追いかけて速くなりたいと思う新二。
ムードメーカーで周りをちゃんと見られる新二をすごいな、かっこいいなと思う。
4継(100m×4)がね、かっこいいんだ。
バトンでつながる4人がね、魅力的なんだ。
リレーを走って、“人と人とのつながりに飽和状態なんてないのかもしれねえな”って
言う新二の言葉が印象的。
本のなかの高校生にいろんなことを教えてもらえる。
リレーのシーンは読んでいて、表現力ってすごいな、言葉ってすごいなって思った。
100mを走る加速やトップスピードが映像よりも伝わってくる。
とてもいい作品に出会えたな。
このお話って、2008年に謹慎してたジャニの復帰作でドラマになってたんだよね。
見なかったけど。
読みながら、新二は誰かな、連は誰かなと脳内キャスティング。
したけど、なかなか思いうかばないね。
マンガにもなっているみたいなんでちょっと読んでみたいな。