La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

肉体労働

2024年05月29日 | 設備/外構/庭

【5/28の作業】 車庫へのランプ、伐採2本

 

朝一番に、設備がいろいろ間違えていることを親方に話した。ひとつは車庫内の照明を玄関内からオンオフできるように2ウェイにするはずがなってないことで、行程を考えると結構致命的。車庫のコンクリスラブを打つ気で来ていた親方もえーっ?っとなった。「そうでなくとも遅れている、今日来なかったら井戸ポンプの業者に変える」と堪忍袋の尾が切れたようで、設備屋を呼び出した。

結果、とにかく明日から気を入れ替えて(?)来て、ポンプの業者と協力しながらとっとと終えることになったそうで、本日は別の作業をすることになった。

  門から入ったところ。

道が高くなっているので、重量の大きい車がスタックしないようにいらない石を敷いてあったが、その上へ岩混じりの砂(膨湿性粘土?)を撒いて、敷地内に水たまりができないようにする。ヒルベルトの話では、この道は洪水にならないということだったし、岩混じりの砂が思ったより大量に余ったんだと思う。

  岩混じりの砂。

遅ればせながら、こんなの。水を吸って粘土みたいになる。

  高さの確認。

別に門から広ーいアプローチになってなくてもいいんだが、朝から設備のことで現場が全体的に妙な雰囲気になっていた(陽気なメキシコ人の親方はめったに怒らないから)ので、やる気出してやってくれるんならもう何でもいいw。

 ピックアップで均して、

 おしまい。ご満悦。

どかした岩が脇にゴロゴロ転がっているとか、どかし忘れた岩が地面から飛び出てるところがあるとか、細かいことは工事が全部終わった後で相棒と二人でやる。

 

続いて、西(ゴミ屋敷)側に生えている木のうち、位置的にいらない2本の木を切り倒す。木はなるべく残したいが、長年放ってあったジャングルなので、虫に食われてウロが出来てたり、残したいとは言ってもちゃんと手を入れた庭にしたいので、いらない木もある。全部で5本くらい切る予定で(親方はもっと切って果物がなる木を植え直せと言う)、そのうち相棒の庭造りにどうしても邪魔なのを先に切ってもらう。残りは家が完成してから。

 木のてっぺんにロープをかける。

が、言われた若い衆はどうしていいのか分からず、

 親方登場。

 他にも集まってきて、

棒をくくりつけたロープをカウボーイみたいに投げるのを何度かトライして、

  5回目で成功。

  ロープ組。

 切るのは1人。

 もうすぐ。

 倒れてきたので逃げる。

 続いてもう1本。

 ウアノの木。

幹はメリポナミツバチの巣に使えるので、後日友達が引き取ることになった。葉は屋根に使えるが、少量だしちょうどほしい人がいるかどうか。いなかったら我々で燃やす。

 ヒマラヤスギ。

有無を言わせず、自分ちの薪にするらしいw。

  大きい幹。

こちらも何かに使うらしいw。

 

設備のせいでここんとこ思うとおり進んでなかったので、思いっきり肉体労働して最後にはハッピーで帰っていったのがよかった。子供みたいw。


流水

2024年05月26日 | 設備/外構/庭

【5/22, 23の作業】 井戸ポンプ設置

 

  ポンプへの配線。

 水が出た!

これには感動した。水は出るに決まってるんだが、試運転中じゃんじゃん出続けて、地面を伝って流れる水を見て感動した。山も川もないユカタンに来て8年。蛇口から出る以外の流水というものを久しぶりに見た! 流れと、水底のきれいな砂つぶを見て、ああ日本人はコレだ!と。

おそらく周りのマヤ人は、「出て嬉しいのはわかるが、なんで20分も眺めてるんだ?」と思ってたと思う。彼らにとってありがたいのは「大量の水」だ。流れてなくてもいい。というかそもそも、ここには流れる水は存在しない。セノーテだってきれいではあるが、所詮溜り水だ。日本人は流れ!川! それが「なんでもよく洗う」「洗い流す」などの衛生観念と「水に流す」という言葉に表れるような日本の文化を生んできたのである。わーい!

 試運転を終えて、スイッチへの配線。

この家のブレーカーは引き込みに一番近いところにあるんだが、220Vのこの井戸のポンプのブレーカーは、そこにはない。なぜか、ポンプのブレーカーは彼らがつける。つまり、屋内の110Vのエリア別ブレーカーはまとめて洗濯室に、井戸ポンプのは井戸の近くにある(エアコンのもエアコンの近くにある)。ブレーカーなんか全部まとまってた方がラクな気もするが、別にそうじゃなくても構わない気もする。よく分からない。

というわけで、ポンプのブレーカーとスイッチボックスを家の外壁に付ける。ポンプに繋いだケーブルを最短距離で伸ばすため、埋まっている岩を除去。ケーブルだけじゃなくてタンクへのパイプもそこを通す。

 全様。

井戸に取り付けたポンプ(左下)からパイプとケーブルが伸びて、外壁にブレーカーとスイッチ(右)。

 ブレーカーの設置。

ここにポンプそのもののスイッチボックスも。電源は基本入れっぱなしで、屋根の上のタンクで水位が下がると自動でポンプが作動するようにする。この村では市が送水している時間帯に手動でポンプを動かしてタンクに水を上げる人が多い。我々は、まぁ面倒だし海辺の家もそうだったんで、自動で。で、その水位によってポンプを動かしたり止めたりするセンサー部品の調子が悪かったりすると、このポンプのスイッチを止めてブレーカーを落として修理する…と。

室内配線配管をしている設備屋と違って、ちゃんと水平器を使ってまっすぐ付けてくれるのがよかった。メキシコ人には、そういう細かいことは滅多に望めない。

 

ところで、以前親知らずを抜いたとき「おそらくダメ。いつかは抜かなければならないが、痛くなるまで放っておいてもいい」と言われた隣の歯が痛くなったので、23日の朝抜歯した。なので23日以降、現場に行ってない。

相棒の報告では、ブレーカー設置の後、残りの配管は水タンクを屋根に乗せてからということになったらしい。そちらは室内の設備屋の担当で、親方も無断欠勤を怒っていた。が、これまた日本みたいに大して問題にはしないので、ちゃんと来いとプレッシャーかけてるのかかけてないのか分からない。

 

 サクベ、ここまで。

 別角度。

奥の塀(ゴミ屋敷との境界)に沿って相棒が作っている遊歩道につなげる。若木が一番多く生えてて大変なところ。


4つの「あ」

2024年05月10日 | 設備/外構/庭

【5/8, 9の作業】 電気コンセント等取付、配管、間違い修正モルタル

 

以前から「別の現場に行っていて来ない」と書いていたが、ちょっと「なめんなよ」レベルになってきたので親方を呼んでテコ入れした。その少し前に、人工代の最終支払いをヨロと言ってきたんだが、それまでに払った分でカバーされる作業のうち、設備と壁の色違い修正が終わってないと突っ込んだところ、その後1週間、誰も来ず。ヘソを曲げていたらしい。

親方チームにとっては次の一大工程は床スラブで、その分はこっちが支払ってから…というのは承知している。が、設備の配線配管が終わらないと着手できないので、金がないから人を寄越せないという理屈は成り立たない。それはともかく設備はなぜ来ないのかと聞くと、こちらは言い訳できないのでごにょごにょ。要は、壁の色違いが目の上のたんこぶで、悪いのは自分なのでやらなきゃならないんだが臭いものに蓋で逃げてるうちにますますうちに来づらくなって、基礎工事など気分良く進められる別の現場にかかりきりだったわけですね。子供かよw。

とはいえ、日本の会社相手に非を指摘して「ちゃんとやれ、責任とれ」と言うようにはいきません。メキシコ人、面倒臭い。途中、色修正のための材料をこっちで買うつもりはないと言ったら、一時険悪になった。が、基本的に文句をぶちまけたいところを我慢して相手を追い込まないようにしつつ、逃がさないようにしなければなりません。とても難しかった。

まぁ、最終的には気持ちよく翌日から作業を再開した(壁の修正のための材料も自分でどうにかすることにした)。が、理詰めで攻め合うような会話じゃなかったんで、後から考えても何をどう言ったら話がまとまったのか、さっぱり思い出せないw。

 玄関脇トイレの排水管の穴。

 その他の排水管も繋がる屋外の管。

  トイレ完了。

  浴室エリアのトイレも。

ここのバスルーム(トイレ・シャワー・洗面台のあるエリア)と違って、便器と手洗い用の小さい洗面台だけの狭いトイレが2カ所あるので、彼らにとっては非常に面倒くさい。メリダや海辺だと各寝室に比較的ちまちましたバスルームがついてる家もあるんだが、田舎のマヤの村にはそういう家はない。絶対に面倒くさいと思っている。

  風呂場もほぼ完了。

 

 扇風機の取付位置を直す。

 忘れていた廊下のダウンライトを付ける。

あとはスイッチやコンセント類の位置なども直す。勝手に誤解したままつけていた話はこちら

 書斎のダウンライトの位置。

穴の右にある色の濃い部分が、もともとつけようとしていた場所。どう考えたって扇風機の羽が壁にぶつかる。が、こっちが言っても大丈夫大丈夫と無視し続けた親方と、何も考えずに天井の仕上げを終わらせた作業員。でもって、直すならちゃんと真ん中につけろと思うんだが、微妙に右寄り。もう、諦めた。

 こちらの壁付き照明の位置も、もう諦めた。

スイッチやコンセントのプレートも傾いてるが、それももう諦めた。海辺の家でカランがあっという間に緑青まみれになったのをそのままにして、面白がって日本からの客に「メキシコ品質」と言って見せてたんだが、今度は「ユカタンの田舎品質」になりそう。

 車庫の照明は、位置変更なし。

代わりに明かり取りの穴を埋めた。

 

 気温のとこ、見てください。

連日40℃超だが、ユカタン南部の内陸が暑いのは、引っ越す前から承知している。が、建ってる向きが悪く天吊扇風機もないアホ借家は灼熱地獄である。室内で38℃を超えている。「もう諦めた」が増えてきたのは、早く新居に移りたいためw。

昔どこかで、メキシコの4つの「あ」という話を読んだ。「慌てず、焦らず、諦めず、当てにせず」。確かにそうの通りなんだが、慌ててほしいときには諦めも必要だ。

 

 チュクムを買いにメリダに行った。

マヤの奇跡の漆喰(詳しくはこちら)。日本のお風呂をこれで造る。


遊歩道

2024年05月06日 | 設備/外構/庭

家はなかなか進まないが、庭は少しずつ。

 

ゴミ一家との境界の塀沿い。遊歩道が少しずつ伸びてきた。大きな岩を動かさなければならないのと、以前の石塀の下に埋まってたゴミを取り除くのが大変。

 遊歩道のスタート地点。

塀の下にゴミ一家の浄化槽が少しはみ出ていて、その上に投げ捨てていたゴミと土が一体化して盛り上がっているところ。掘れないので、そのまま高低差を生かす。写真の手前側は、道までずっと土をきれいにして何か植えるつもりだが、まだ分からない。畑の案もあるが、取り除いてもゴミの影響が残っているかもしれないし、植えた木が育つまで半日陰にならないし、市の水道がヒルベルトんち寄り(南東角)に引かれるのでそっちに作った方が水やりがラクなため。とにかく家ができてからじっくり考える。

  サクベも伸びた。

 別角度から。

この塀は裏(北側)の家が建てた汚いブロック塀で、汚れもそうだし、メキシコで多い「砕いたガラス瓶の欠けらを埋め込んである」防犯措置が塀の上に施してある。さらにその上に有刺鉄線。防犯目的はいいが、見栄えが悪いので嫌い。なんとかつる草が早く伸びて隠してくれないかと思っているが、植物ってのはいらんところにはギャンギャン生えて来るくせに育ってほしいところではなかなか育たないもんですね。

ここからゴミ屋敷に向かうエリアは、大きな岩が地上に顔を出していて岩の隙間からいろんな植物が伸びているので、より大変になる。相棒が作っている上の写真の遊歩道につなげる予定だが、その前に雨季が来るとドロドロで作業する気にならないので完成するかどうか。

 ゴミ一家の鶏。

うちの納戸から追い出された後、木の根元に卵を産み始め(安心してもらうために木材などで囲ってある)、最後にはなんと15個になったが全部抱えて孵そうとしている。頑張れ、お母さん。ゴミ一家の婆さんが「卵を産んでないか?」と勝手にうちの敷地に入り込んできたとき、ここで産んでるとは知らなかったんで「知らんがな。心配なら自分んちから出すな」と答えておいた(もっとやんわりですよ)が、母ちゃん鶏、もう必死の覚悟で目も座ってきて動かないw。15匹もひよこはいらんので、産まれたらそのときに婆さんに話す。

とにかくこの家は動物を大切にしない。我々の現場が始まってからだけでも、犬2匹と猫少なくとも1匹を死なせている。他の猫ら、入ってこなくなったんで分からないけどもっと死んでるかも。マリアが言うには、金になる七面鳥以外は放ったらかしで、今はうちに入って来てついばんでる鶏は卵を孵している母鳥の番いの雄鶏1羽だけなので、他の鶏も餌をもらえずに餓死していってるかもしれない、と。子犬はウリ坊みたいで可愛かったけど皮膚病だったし、もう1匹の犬は痩せこけて見ていられなかった。みんな天国で幸せに暮らしてますように。


配線工事

2024年05月04日 | 設備/外構/庭

【4/27〜5/3の作業】 電気配線

 

えー、この間、電気屋(こちらでは水道工事も同じ人たち)が家族がどうとかで来られない日が数日、それが終わらないと床スラブが打てないということで作業員は別現場へ。確かに床スラブは打てないが、まだ車庫上の庇とか色違いの壁とかアレコレしなくてはならない作業はあるはずなんだが、来ない。

アレコレについて親方は、小さいこと、すぐ終わると言うが、それが溜まると結構な作業量になる。が、そういうことを指摘すると気分を悪くされるので言わない。こっちはストレスが溜まる。なんというか、Lさんが連れてきたチームと違って、基礎・ブロック積み・コンクリ打ち以外の工程はやり甲斐が薄いのかもしれない

この辺ではブロックを積んだだけの家も多く、ちゃんとした家も金が溜まるたびに少しずつ造ってもらうというやり方が多い。うちみたいな新築ドーンという発注はほとんどない。そうかと思ってた近所の新築工事も、なぜか途中で止まっている。細かいところまで気を抜かずに造り上げて竣工引き渡し!って感覚がないのかも。

 ようやく来た。 

うちに関しては、とにかく設備が来なければ話にならないのは事実で、とにかく来た。機器やコンセントやスイッチの位置がことごとく違っていて、前にも一回そう伝えてあったんだが、再度正しい位置の確認をする。親方グループがまぁその辺…という位置に配線管を出してあるが、「正確な位置は後で…」と言ったまま内壁の仕上げをしてしまったせい。言わなかったら絶対にそのまま付けてたと思う。

 正しい位置に扇風機。

位置だけでなく、スイッチの数もおかしかった。このおじさんと親方と一緒に買いに行ったんだが、どうも数が合わない。親方に電気関係の図面は渡してあったんだが、2人が買おうとしていた数がやたら多い。

 その理由。

借家のスイッチ兼コンセント。スイッチがあるパネルには必ずコンセントがある。コンセントだけのパネルも、すべて3つも付いているタイプ。「この機器のスイッチはここ」とか「これはこことここでツーウェイ」とかは指定してあったが、まぁコンセントは何も言わなければ2つのパネルだろうと思っていたのが大違い。我々が図面で指定したスイッチにもコンセント、我々が指定したコンセント(2個想定)にももう1個コンセントをつけようとしていた。

この辺の家では全部こういう感じらしい。家は狭い(マヤの家なんかもっと狭い)が、家族は多くてみんな携帯のヘビーユーザーなので、コンセントはなるべく多く!ということらしい。そんなにいらないし、このスイッチと一緒のパネルは鈍臭いのでやめてくれと言ってあったんだが、忘れられていた。正しい数にしたら2千ペソ安かったw。

 

それから、まだマヤの家が半分ほど残っている村なので、天吊型の扇風機はほとんど使われていない。役場とか保健所ぐらい。隣村にも売ってないので、メリダまで行って買ってあった。

 間違った穴も開いたまま。

どうするんだよと思うが、そっち(親方チームの仕事)はもう放っておく。箱に入っていたパーツだけで取り付けていて吊り方に不安があったので、口を出した。長年使っている(ブンブン回っている)うちにバランスが悪くなったり、下手するとネジが緩んだりするので。おそらく、付けたことがほとんどないのだと思われる。

 コンセントなど。

こちらも全部、正確な位置を再確認(指示)する。まったくトンチンカンだったところは、我々が変更したのでなく、親方チームが間違えていたのだと言っておく。微妙にずれているところは、絶対に「細かいなぁ」と思っていると思う。

 ダメでしょ。

左が傾いている。実はこの件について、昔はメキシコ人はいい加減だと思っていたが、確かにそれもあるが、おそらく彼らにとってまっすぐとか直角とかちゃんと並んでいるとかいうことは重要でない。なんというか、例えば角度でいうと、30度、60度、80度、85、86…ときて90度はたんなる一度ずつの通過点でしかない。90度=直角も、91度も同じように重要でないというか。水平、平行なども同様。多分、文化的なもので、デザイン自由度の高いもの、例えば刺繍の民芸品とかなんかは、クリエイティブだと外人にも日本人にも人気です。

躯体工事のときは「ここは地震がないんだから、彼らがいいって言うならいいんだろう」って感じだったが、目に入るものは話が別だ。位置は細かく言うが傾きとなると、自分が現場監督でもない限り、管理しきれない。何か故障して付け直す時にでも直す。

 便器到着。

扇風機と同様、メリダにある設備関連の大きな店で買ってきた。便器なんか隣村の店でも売ってるが、商品ラインアップが違うので寄ってみたら、特売品でいいのがあったので。ついでにこれ!

 ウォシュレット。

一時、その店の外壁に大きな看板があったが、別の日に行ったらもう扱ってないと言われて諦めていた。それがなんと展示品の一つに付いていた。リクシルの米国子会社かなんかの製品らしい。これまでは日本の100均で買った「ペットボトルにつけるやつ」を使っていたが、これで快適なお尻生活!

メリダ中でなんと在庫はたったの2個であった。トイレは2ヶ所あるが、ちゃんと壊れないで動くか心配なので、まずは1個だけ買った。便器と一緒に配送を頼んだが手違いがあって、翌週の便(南部の村への配送は週1回だけ)で来た。問題だらけだが、ここはメキシコの僻地州のさらに僻地。この程度で怒ってはいられない。


マヤ式浄化槽 ③

2024年04月19日 | 設備/外構/庭

掘り作業7日目〜9日目

 

 7日目の朝。

 梯子の限界。

 8日目の朝。

  バケツが壊れた。

礫岩を入れて地上へ上げるバケツの底が割れたので、余って切り取った配線管の通線ワイヤーを使って縫う。ちなみに取っ手は付け根から針金で補強済み。

 

 9日目の朝。

  日本でいう「正」の字。

少し前から横へ掘り進めていて、形が円柱でなく歪になる。容積が分かるように、バケツを上げた回数を記録していく。

 9日目の夕方。

 ズームすると、こう。

出入りは伸縮梯子に替えた。

 増えた!

横穴の部分だけで1立米 ちょっと。あと1、2日らしい。

 

 車庫入り口の段差。

 岩と、浄化槽から出た礫岩。

敷地は道側から奥に向かって少し高くなっていて、家の床レベルを奥の高い方に揃えてもらったので、道側には地面と高低差がある。昼前に、相棒が苦労して作った遊歩道の岩を持って行こうとしていた(軽々とまではいかないが相棒よりずいぶんラクそうにw)のを見て、ちょっと待て、と。

 遊歩道、ここまで。

段差を埋めるのに岩が必要だというので、まだ作ってなくて転がってるのか道側の石塀を崩したところのを使ってくれと頼んだ。手頃な大きさのを探してそこから運ぶつもりだったのが、大きい岩を割ったりしなければならないと思ってるのが見え見え。壊した石塀のは道側にあるんだから、距離は近い。割るより遠くから運ぶほうがラクなんだろうか?

親方からは、石塀を作り直したりヒルベルトんちとの間に少し造ったりするのに使うとしか聞いてなかった。まぁ、考えたら段差を埋めるのにもちょうどいいし、岩を使いまくるマヤ人なら当然そうするんだが、思い至らなかった。ってか、庭も早くきれいにしたいんだよ。

 こんな感じ。

段差が大体埋まったところへコンクリスラブを打つ。おそらく床スラブと同じ日に取り掛かる。

 

 サクベもここまで。


マヤ式浄化槽 ②

2024年04月16日 | 設備/外構/庭

掘り作業4日目〜6日目

 

 4日目。櫓を組んだ。

 深さはこのくらい。

井戸じゃないけどつるべって言うのか?バケツを下ろして掘り出した土や岩を上げる。滑車が2個でラクだと自慢されたが、親方が言うように軽くなるわけはなくて、作業スペースが広い(穴の上に身を乗り出さなくて済む)からである。

ラクとは言われたが、当然、ラクな仕事のはずはない。炎天下で風も届かないところで掘っているのを見てかわいそうになり、借家から毛布を持ってきた。使っていないブルーシートがあったと思ったんだが、ボロボロになっていた。ちなみにブルーシートの寿命は、想像されてるほど長くない。震災か何かのとき、ずっともつと思っている日本人が多いのに驚いた記憶が…。メキシコ製なのを割り引くにしろ、屋外で使ってると(普通そうだが)結構すぐダメになる。

  ちょっとはマシ。

 5日目。

この白い地層は、井戸を掘っていたときに白い粉になってガンガン出ていた岩の層で、比較的柔らかい。ドリルが1秒に10センチくらい進む。それまでは見てるだけでも嫌になるほどだった。

 6日目。

いよいよ日光が届かない角度の深さまで。

 その午後。

 降りてみた。

 固い岩もある。

柔らかい地層とは言え、中には別の岩も埋まってるというか成分が違う部分があるというか、とにかく固そうに見えるところもある。

深さ的にはまだ掘る予定だが、場合によっては横穴を掘って広げることもあるという。一応、容量は15㎥ の予定。風呂桶からの排水を考えて、通常の五割り増しにする。

 

 相棒の遊歩道、ここまで。


トンプソンごっこ

2024年04月12日 | 設備/外構/庭

チチェン・イツァにもセノーテがある。ツアーでよく「チチェン・イツァとセノーテ」みたいにペアになってるセノーテ・イキルじゃなくて、チチェンの中にある。水が緑色に濁ってて泳げないのでセノーテ観光として魅力がないからか、あまり注目されないが、マヤ文明→生け贄のイメージをつけた遺物が発見された考古学的?に重要なセノーテである。

その遺物を最初に発掘した(底から見つけ出した)のがエドワード・トンプソンという人なんだが、彼の話はとても面白い。最初は櫓から張り出した棒に籠をくくりつけたり、次にボートを浮かべたりクレーンみたいなのを作って吊った籠で浚ったり。そして極め付けがこれ。

 潜った。

空気を送るホースを繋いだ潜水帽を被って。水中ではほとんど見えず、見えても遺物を持ち上げると泥が巻き上がって5分くらい何も見えないとか。とにかく苦労して、装飾品や人骨などを発見した。でも、この写真、手伝わされているマヤ人達が何を考えていたのかにも興味がある。

で、この村に引っ越してきてすぐにうちの敷地内で見つけたミニ・セノーテを、ちょっと掃除してみたんだが、気分はトンプソンだった。まずは地表近くの枯葉と土をどけたんだが、その後がえらい大変。ぐちゃぐちゃに朽ちた枝や葉と、長年かけて割れ落ちた石と、泥。途中、水も一旦抜きながらきれいにしてったんだが、思った通り、結構深い。浚っても浚っても底に達しない。

 2つの穴は地下で繋がってた。

 ここまでで数時間。

だんだん水の濁りが減ってきたが、ただのカメ穴と違って1回では終わらなかった。また別の日に続ける。

 骨と歯。

チチェンと違っておそらく牛の。

 心臓石と名付けた。

木の根が化石になって血管みたいで気持ち悪い。ちなみに、今でも生け贄を捧げて儀式を…という説に反対する学者はいる。縁から覗いてて落ちた/落としたんだろと言うマヤ人もいるw。

 

 小道作り。

隣のゴミ一家との間のブロック塀造りで出た岩の位置を変えて、ブロック塀沿いに遊歩道を作る(一番奥から並べ始めたの、見えるでしょうか)。資金全体が岩ゴロゴロで木もいっぱい植わってるので、歩き回りやすいように。あと、掘り出した岩も、道側まで運ぶには重いし大量だし、処理にも困るので。

 

 ヒルベルトの機械。

劇重。正確にはヒルベルトが手伝ってる農園のものらしいが、なぜかずっと置きっ放しで、置いた当時は彼らの敷地内だったが、今は我が家の中。置いてあるのは構わないんだが、立て掛けてあるのが苦いオレンジの木で、機械の重さで枝が傷んでいる。どうにかしたいと思ってたところ、ヒルベルトと親方(友達同士)で動かすことにしたらしい。

5人がかり。

1トンくらいだと思う。これの他にもやっぱりすごく重そうなパーツが3つ、ヒルベルトんちの庭に転がっている。何に使うのか、説明を聞いてもよくわからない。引っ越して余裕ができたら、持ってる「山」とか農地をを見学させてもらいたいと思っている。


マヤ式浄化槽 ①

2024年04月10日 | 設備/外構/庭

掘り作業3日目。

 

 この深さ。

彼らの身長より少し浅いくらいだったのが、朝の2時間ほどでここまで進んだ。そろそろ掘った岩(ドリルを使ってるので粉状)を地上にあげるのが大変そうになってきた。

  櫓を組んだ。

脇で、水を汲んだりモルタル混ぜたりコンクリ運んだりと何にでも使うペンキが入っていたバケツ(20リットル)の持ち手部分の補強を始めたが、掘る方が先と判断して半分くらいでやめた。滑車なども後日。

  

  縁を岩とモルタルで固める。

基礎工事と似た感じで、表の面をきっちり揃えてるんだが、基礎とは違って形成する形に合わせるのでなく、上から下まで縦穴が同じ直径になるように岩を選ぶ。つまり大きな岩がごそっと取れてるところは穴が広がってる状態で、そういう位置には大きい岩、岩が張り出してる位置には小さめの岩を積む。

 排水管を刺しておく。

 やっぱり岩とモルタルで。

 縁の部分、ほぼ完成。

これで崩れなくなったので、明日からガンガン掘る。それにしても、海辺とずいぶん違って興味深い。海辺は砂地なので、シャベルで比較的簡単に掘れるが崩れてきやすい。それを何とかして、壁面はブロック(こちらの記事の後半)。手掘りだから丸い方が楽なんだが、あちらには岩がない。こっちは掘るのは大変だが、岩はどこにでも転がっている。

当たり前のように岩とモルタルで固め始めて、なるほどなぁと思った。ピラミッドの時代から、岩を積み続けているのである。彼らが昔からの方法で積み続けていたとき、日本ではまっすぐな木材を求めて鉋を改良したりヒノキやスギを育種したりしてたのか…。


電気引き込み

2024年04月06日 | 設備/外構/庭

引き込みのために来た電気公社に、隣のヒルベルトの敷地との間に塀がないと文句をつけられて作ったのがこちらのフェンス。それが、公社の訪問に備えてうちの外壁まで伸ばしてあった。

 いかにも臨時設置物。

来たのは前回とは違う二人組で、難なく工事開始。

 ちゃんとした作業員。

海辺の村では新築ラッシュもあって、委託業者のおっちゃんが素人でも持ってそうな道具を使って作業していたが、こちらは公社の正規の作業員、さすがに道具装備服装すべてしっかりしている。

 道沿いの公社の線から

 うちの引き込み柱へ。

 メーターもついた。

ほんの15分ほどで完了。めでたしめでたし。

…なのに親方が、ひとり100ペソずつ渡せと言ってきた。200ペソくらいどうってことないが、親方の説明の賄賂という言葉が気に入らない。何かあっても連邦の公社には歯向けない…は分かる。賄賂が物を言う国だ…も分かる。が、うまくいったときに「賄賂を」わざわざ渡すというのは気に入らない。第一、メキシコ国民ってのは政治家や資本家や金持ちの汚職がどうとか、いっつも怒っているではないか。ここは日本人なんで、賄賂でなく寸志として渡す。のし袋とかないんで結果は同じだけど。

 

  裏庭の遊歩道。

石だけで作ってたが、敷地のあちこちにある「以前ヒルベルトが牛を繋いでおくために作った漆喰製の台座」の漆喰…というかボロボロと崩れかけた石灰の塊の処分に困るので、その塊を一旦砕いて粉にして、石の間に詰め始めた。水で固めるので、練って打ってからその上に石を並べてもいいんだが、もう石の道を作ってあって面倒なので。写真の右手前の白っぽいところが、その牛用台座。こういうのがあと2ヶ所ある。餌とか糞とかああとかが目的だと思う(よくわからない)。

 ここまで。先は長い。

  相棒の担当エリア。

何やらちまちまと石を避けたりラハの土を掻き出したり大きな岩を移動させたりしていたが、なんとなく庭っぽくなってきた。とにかく庭いじりは大変。ひとつは、これまでも草ボーボーなどと書いてきたが、実は草でなく全部「育てば大きくなる木の芽やそれより少し育った苗木」なのである。地面からの高さほんの30センチほどで、固い根っこが深〜く育っている。あとは昔切り倒した切り株から出るひこばえも半端ない。

 地層的にも大変。

地表に少しだけ土が埋まった層(右上の黒い部分)があり、その下は大きい岩(左の白い部分)か、巨大なラハ(その右からぐるりと)がある。苗木の根っこでさえその隙間やもろくなっている岩を割りながら伸びている。強くて簡単には抜けないはずである。

 隣のゴミ屋敷との間の塀。

塀はいいんだが、塀を作るために崩したり掘り出したりした岩が、そのままになっている。これをどうするか、考え中。逆側や道側の石塀に使うとなると移動距離が大変(新規に搬入してもらった方がラク)だし、かといって置いとくわけにもいかないし。

 マンゴー。

うちの敷地にもともと生えていた大きなマンゴーの木に、ひとつ実がなっているのを発見した。この木のマンゴーが美味しいのか、落ちた実から育った(生産用のタネから育てていない)木なのか分からない。ぜひ食べてみたいが、高さゆうに10メートルほど、おそらく落ちてぐちゃぐちゃになってしまう。やっぱり現場のみんなが言うように、食べる用の木は改めて植えて、水やりをしたり枝を切ったりしながら、かつ収穫しやすいようにちゃんと育てたほうがよさそう。来年から食べられると言うわけにはいかないが、この辺の木は成長が早いので物によっては3年から5年で収穫できるらしい。

 ひよこ6匹。

ゴミ屋敷からブロック塀を超えてくる番いの一つの子供らしい。

 ヒルベルトの牛。

…に、これ食うか?といろいろ与えてみてる相棒。その姿を、ヒルベルトたちが留守なとき牛と鶏の世話をしに来る親戚達が、「ニホンジンが面倒を見ている」と誤解したらしい。すみません。