La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

村々での出来事

2024年05月09日 | ユカタン諸々

  隣村の教会の天井が落ちた。

この辺の他の村と同じく、人口に見合わない規模の馬鹿でかい古い教会で、修復作業もしていたようだが突然崩壊した。日曜だったが、幸い何も行われていない時間帯だったので、けが人もなし。

16世紀に建てられたときには修道院だったが、すぐに教会を増築した。シウ家や地元のマヤ人から文句が出たが、改宗作戦真っ只中でいろいろごまかして完成させた。

まぁ、歴史のある建物ですね。岩で作るんだから、手を入れないと劣化してきてこうなるのは分かっていたであろう。崩壊後、国立人類学歴史研究所が調査に乗り出してきた。

 

 鹿。

アバラという村(特に近いわけじゃないがユカタン南部の北端あたりにあるマヤの村)の遺跡で、鳥を背中に乗せて散歩する鹿がいたとニュースになっていた。鹿猟に行く知り合いが、今年はあまり遠くまで行かなくても鹿がいると話していた。連日めちゃくちゃ暑いが、関係してるかもしれない。

 

 1906年のユカタン鉄道網。

しっかりと、農産物の生産地まで敷かれている。うちの村も通っていた。駅跡は、文化センターという名の何だか分からない(いつも閉まってるんで)建物として残っている。

 IE Tram

こちらは州政府による架線レスの路面電車。メリダの旧駅舎跡「プランチャ」と郊外(人口増地域とマヤ電車の駅と外資&工場誘致に成功したエリア)を結ぶ3路線が、ほぼ完成した。車両はスペイン製。

昔の鉄道といい、この路面電車といい、州産業の発展目的ではマヤ鉄道よりよっぽどいいと思う。

 

 別の村長候補者のパレード。

独自の応援歌を大音量で流しながら、1時間くらいかけて通過していった。その間、こちらの候補者も借家の前あたりで進行停止して(前回の)、近所の人たちと話したり握手したり。野党連合(ユカタン州の与党その他)の候補者なので、ユカタンの旗を掲げている。

 

 マメイの木。

  

隣のゴミ一家のマメイの木の葉っぱがすべて落ちてつんつるてんになったと思ったら、木によって時間差があるようで、一本は本当のつんつるてんに実が1つだけのこっていて、別の木は新しい葉っぱと何やら小さい実のようなものが見える。

薄ぼんやりと一年に一回旬が来ると思ってたんだが、もしかして年に数回実をつけるのかもしれない。

 ヒルベルトの牛。

最近よく食べる。11時頃になるとお腹が空くのかモーモーうるさい。ヒルベルトが外出しているときは、その辺の葉っぱを与えておくと静かになる。

 視察の人たち。

一応売ってるので、ときどき見に来る人たちがいる。ブローカーじゃなくて牧畜してる人に売りたいと言ってたが、ちょっとブローカーっぽい。売れなかったかも。

 

 七面鳥のエスカベチェ。

スープ料理なんだが、汁を相棒に多めに取られてしまった。チキンより肉だけじゃなくてスープも力強い味。砂肝も入っていてすごく美味しかった。


ビステク・マヤ

2024年04月29日 | ユカタン諸々

スペイン語を学び始めた頃にステーキはビステクというと覚えたので、日本や米国でいうステーキ(厚く切って鉄板で焼く)のイメージを持っていた。スペインでどういうものを指すか知らないが、メキシコのスペイン語だと牛フィレ肉の料理をそう呼ぶんだと思う。

検索すると、肉多めの野菜炒めっぽいものや、多少おしゃれな「肉を炒めたもの+付け合わせ」や、それにサルサがたっぷりかかっているものや、たっぷりすぎてシチューみたいに見えるものの画像が出てくる。こんな感じ。結構どんな部位でも美味しい食べ方があって、日本みたいにどこが高級!と分けることが少ないので、「フィレ肉だったらこうしよう」ってな料理が並んでいるのではないかと思う。

 マリアのビステク。

この辺の村では何も言わなくてもだいたいジャガイモとのコンビだが、ユカタン料理として括られるビステクにはもっとバラエティがあるので、こういうのだと「牛ビステク、ジャガイモ入り」と呼ぶ。この辺では、レカドと呼ぶユカタンの調味みそは使わず、肉を漬けておいた柑橘類の果汁と少々の塩だけで味つけることが多い。肉からいい出汁が出るので、シンプルで大好き。ユカタン料理と呼ばれるものは概して「味が濃くてきつくて塩辛い」ので、メリダなんかだとありつけることは少なそう。

 メレンゲ。

逆にここら辺ではあり付けないユカタン名物で、メレンゲを焼いたお菓子。プログレソのビーチでは、台を抱えた売り子がどっちゃりいた。住んでた村にも売り子のおじさんがいた。話は飛ぶが、そのおじさんは我々が住み始めた頃から村外れにまで売りにきていて、住んでいた8年間の間に来なくならなかった唯一の商売人だった。しょっちゅう商売替えをするメキシコ人には珍しい。どうしてるかなぁ。

。ちなみにこの村のメレンゲ。

この村の…というわけではなくて、ケーキのデコレーションに使うメレンゲ。これしかないと言うから、白い焼き菓子はメリダとビーチ(州北部)限定だったのか?

現場飯。

かぼちゃを茹でたもので、ほんのり塩味。こんなに火を通さなければ…と思うでしょうが、ダメなんです。軟らかくて、すぐこんな感じにびしゃびしゃになる。

おじさんのシャツに注目。

去年、友達に「蜂蜜パーティー」と言われて誘われたイベントのを着ている。作業員っぽい人はみんなノベルティシャツを着てるのでもらったのかと思ったら、おじさんは養蜂家だった。

おじさんのバイク。

年季の入った荷台に、こちらも年季の入った燻煙器がある。

見せてくれた。

日本でもまだ使ってる人、いるんだろうか。

ユカタンの自治体。

赤丸がついているところには、すでに犯罪組織が入り込んでいるという。犯罪組織ってのは、もちろん他州で縄張り争いをしている麻薬カルテル達です。我々が来た頃は「ユカタンでは争い事を起こさないと、組織のトップ間に不問律がある」なんて言われてたし、まんざら都市伝説でもないかも…と思うぐらい他の州と違って平和だった。今でも比較すればユカタンはぶっちぎりで平和だが、人口増でじわじわと…ってことですね。

東のキンタナロー(カンクンがある州)方面に巣食っている組織は麻薬関連。西のカンペチェ方面は、米国を目指す不法移民関連の悪事を働いているらしい。確か2年前にはプログレソには地元のチンピラが作った下部組織しかなかった。人が増えれば悪人も増える。

元からいた悪人。

ティシミンという村でマチェーテを振り回していた男が、警察に捕まりそうになって樹上に逃げた。が、為す術なく、1時間後に投「降」したというニュース。田舎はまだこんな感じw。


野菜が足りない

2024年04月21日 | ユカタン諸々

いい加減に出前生活から自炊生活に戻りたい。冬の間は柑橘類でなんとか気分だけは乗り切れてたが、さすがに5ヶ月となるとストレスが溜まってきたのが分かる。とはいえやっぱり、台所がなくて離れのシャワールームの脇の蛇口に行かないと水が使えないのは不便すぎて、野菜を買ってきて…という気にならない。

頼みの果物も端境期というか、メキシコの他の地方ではマンゴーがどんどん出ているらしいんだが、ここではまだ。

 青い。

なぜ暑いユカタンでマンゴーの旬が遅いのか、本当に謎。

 気温。

5月になったら多少涼しくなるんじゃなくて、先すぎて予報が出ていないだけ、ユカタンが一番暑いのは5月です。話は変わるが、このアホ借家の暑さは異常である。新居がどのくらいここより涼しいか確認したいが、5月中に引っ越せるかどうか。

話を戻してここでは青いマンゴーも食べるが、あまり好きじゃ無い。東南アジアのサラダにするにも台所が必要なので、切らずに皮をひん剥いてそのまま食べる式の果物じゃないと、食べる気にならない。

ちなみに、特に体調には問題ない。問題が出るならもっと先だと思う。その前に新居に引っ越して、表には現れてない「よろしくない」状態から回復したい。というわけで、道端のチャヤをむしってきて飲料水で茹でるのが、今できる(そのくらいの面倒なら構わないと思う)唯一の対策。

 味付け海苔式で。

 このチャーハンを食べる。

隣村のスーシー店のセット(巻き寿司とチャーハンともう一品)で、もう一品はフライドポテトやチーズ揚げたのなど(ほとんどが揚げ物)の中からチョイス。野菜の天ぷらを揚げずに茹でただけのものにしてもらった。これだけで「おお、比較的野菜を摂れた!」と感じる。

メキシコでは夕飯でなく昼食をしっかり取るので、昼食の出前には野菜が入ったスープなどもある。その時間は現場に行ってるのと、「今日は夕飯どうする?」と夕方決めるので、晩御飯の出前メニューに野菜を使ったものが少ない。しょうがない。

 マアクン。

正確な発音は少し違う。シシュに続き、ようやくありつけたマヤ料理で、豚の頭だけのコチニータ。脳みそとか入ってるんで味はコチニータより複雑で、人によって好き嫌いが分かれると思う。この辺では嫌いという人はいないが、やっぱり豚を落とした時の余り感が付いて回る料理だと思う。みんなコチニータの方が好きw。

 トルタで。

何度も書いてる気がするが、基本的にコチニータはタコスじゃなくてトルタをお勧めします。ユカタンの柔らかいパン「フランセス」に挟む。タコスは、ちゃんと作ったトルティーヤでも悪くないんだけどコチニータ自体の味を楽しむならシンプルな小麦粉のパンの方がいいと思う。

 

 ナンセの花。

ナンセというあまり美味しくないフルーツについてはこちら。いつ実がなるかな〜と思いながら観察していたんだが、こんなに可愛い花をつけるとは知らなかった。一つの花の大きさは8ミリくらい。実の赤ちゃんが現在4ミリくらい。まずいテキーラ漬け?で食べた実はたしか2センチ弱だった。

 謎の木。

ウアノみたいな棕櫚系の葉っぱの上に、花か実の塊らしきものが出ている。普通の木みたいに枝もある(棕櫚や椰子とは違う)。ちょっと画像検索しても見つからない。何だろう?


マヤの桜

2024年04月13日 | ユカタン諸々

 ハビルの木。

こないだメリダまで行ったとき途中で見て、個人的にユカタンの桜と呼んでいるマクリスこの記事の最後)にしては色が淡くて可愛いと思ったんだが、やっぱり別の木だった。今後はマヤの桜と呼ぶ。自動車道から見たのは群生していて、いかにも里山の桜だったので、そういう花見スポットを探すつもり。

 マンゴーの赤ちゃん。

風が強かった日の翌日見たら、結構落ちていた。今、メキシコや近隣諸国ではマンゴーの旬らしいが、なぜかもっと暑いここではまだで、うち以外の木も緑色の実しかなってないし、売ってるのも他の州産か、青いマンゴーばかり。早く食べまくりたい。

  ナンセの花。

 木はこんな感じ。

ナンセというのはアセロラみたいな感じの実なんだが、不味い。ここではシロップ漬けとかテキーラ漬けになって売られているが、はっきり言って美味しくない。在墨日本人はみんなそう言う。が、アセロラと同じく栄養価が高いらしい。買わなくてもあるなら美味しい食べ方を探して実験してみてもいいかもしれない。甘くする系じゃなくて、もっとアクセント的に使うのがいいんじゃないかと思う。酢の物に入れたり(酢の物にするんじゃなくて)、ピザのトッピングに足すとか、苦不味さを活かす方法があるかもしれない。

 手製の軟膏。

こないだからまた少し頚椎ヘルニアっぽくて、でも面倒なので親方に寝違えたと言ったら、奥さんの雑貨屋で売ってるという軟膏をくれた。タイガーバームみたいなスースーするものだった。いかにも自分で印刷して切って貼りましたみたいな紙に、一応説明が書いてある。

セボ・デ・コヨテというベース?は、メキシコでは広く売られている商品らしい。が、そのほかにも、ウーパールーパーの油とか蜂の毒とかグアヤコールとか恐ろしげな物が並んでいる。ワステカ文明の威光も借りてる。使用期限切れのタイガーバームより スースーが長持ち、相棒がよく買う市販の筋肉痛用の塗り薬より、遅効性だが消炎効果は高い。軟膏を手作りする人には何人も会ったことある。もらったのを試すと、たまにエライ効いたりする。これは痛みの原因が違う?のでアレだが、痒かったり痛かったり要は消炎効果がほしいときに良さげ。

 ヤギの餌。

こういう車を見ると、引っ越してきた当初は庭師かと思ったんだが、今ならわかります。

 ハンモックを釣る金具の位置について相談。

その相談というのが、単なる位置じゃなくて、揺らして風を作るとき手足が壁に当たらないようにとか何とか。エアコンどころか扇風機もあてにしないらしい。この暑さで、マヤ人、恐るべし。

 ブリト。

「おばあちゃんが作ってくれたブリトが一番美味しかった」というFBの投稿があった。日本でも挽き肉か何かを巻いたのが昔あって、ブリトーって呼んでた気がする。そのおばあちゃんのは、手を洗って塩をつけて、生地を握って焼くだけ…らしい。都会と違って生地も手作り、日本で美味しいお米なら塩握りが一番美味しいのと同じだと思う。

 孵った卵と死んだ卵。

例のゴミ一家から侵入してくる鶏の卵だと思う。半分くらいは殻だけ残っていて、残りは卵のままだった。あっち行ったりこっち行ったり、母鶏も忙しいのであろう。


市制105周年記念祭り

2024年04月09日 | ユカタン諸々

引っ越してきてからやたらイベント続きなんだが、セマナ・サンタが終わったと思ったらまた祭り、今度は市制105周年を祝うんだという。ちなみに村だ村だと書いてるが、規模的にそう呼びたいだけで実は市です。

メキシコ革命(1910-1917)による出来事はユカタンでは少し遅れてて、あれこれ変わったのに乗じて1919年にテカシュ市から独立した。テカシュもここでは隣村と呼んでるが、前の記事で書いたシウ王の頃から地域として認識されていて、1809年には当時の行政区のひとつに定められた。そのテカシュから独立して105年。

 村役場のお知らせ(FB)。

こういうイベントでは定番の、コンサート・民族舞踊・コメディーショーなどのプログラムをFBに投稿していた。

  当日はこんな感じ。

行ってないんで、これは役場のライブからの画像。なぜ行かないかというと、とにかく始まるのが遅いのである。日本人の年寄りは寝る時間。

 闘鶏も。

これを見る限り、賭けられるらしい。賭け以前に都会なら動物愛護系に叩かれそうだが、僻地なんで気にしない。

 

まずは、市役所で古い写真を展示しているとFBで読んでいたので、そちらに行ってみたら、少しだけだが展示物もあった。別の祭りのとき農産物を展示してあったエリア。

  枡。

左のは1キロのトウモロコシ、右のは枡とは言わないか、45キロ分。今は、ユカタン民族舞踊で3.5キロの枡をタップの台として使う曲?がある。こういうの

 ランプ。

右のは「中国上海」の刻印があった。左のは庶民が手作りしていたもの。

  古代の遺物。

この村には名もない遺跡しかない。そこで出たとは思えないんだが、役場で大事に保存してるんだからこの村で出たんであろう。

  写真いろいろ。飾り方が雑w。

 興味深かったのがこれ。

上が村民に樽で水を配っていた頃の写真で、下がポンプを使い出すまで使われていた給水塔。どちらも、教会の地下にあるセノーテから汲んでいたという。セノーテといっても観光客がいくようなのではなくて、汲めるスペースだけ開いている地下洞窟って感じだと思う。マニ村(こちらも歴史上重要な村)のセノーテまで繋がっていて、カスタ戦争のときにはトンネル状態の洞窟を抜けてマニまで逃げた。

…などなどの話を、警備に当たっていた警官が教えてくれた。この村出身の婦人警官(おばさん)。すごくためになった。ありがとう。

  メキシコ犬と猪。

メキシコ犬というか、名前は知らないが毛が生えてないメキシコ原産の犬。ユカタンとは関係ない。猪はユカタンの種類でとっても小さい。メリダの動物園にもいっぱいいた。食料。

 

以下、昼間に行ってみたところ。小さい村なんで歩いても大した距離じゃないんだが、今の暑さでは無理なので車で移動した。

 改造車&改造バイクのエキスポ。

  コンテスト参加の改造車。

ほとんどがデコステッカーを貼って改造スピーカーを積んだって感じだった。中に少しだけマフラーとスポイラーまでいじっている車もあった。かわいい改造。だが、さすが音楽命のメキシコだけあって、スピーカーはみんなごっついやつで、照明と連動させたりして結構力が入っていた。

 ドラゴンボール飾りのバイク。

 なんだかよくわからない自転車。

 

 競馬。

騎手の帽子を被っているから、カウボーイ技術じゃなくて普通に走るんだろうと思って行ってみた。上に書いた改造車エキスポのコンテストが朝7時の時間通りに始まったと聞いていたのでプログラムに書いてあった2時に行ってみたら、こちらはメキシコ時間だった。ゲートが開くどころか、あと数時間は始まらなそうで、ちらほらと参加者?が集まってきて馬を降ろしたりおしゃべりしたりBBQしたり…という状態。

 集まりつつある人たち。

大体が馬主。村の競馬ってちょっと見たかったんだが、酷暑の中待つのは勘弁なので家に帰った。来年、2時間遅れで行ってみる。

  ゲートと馬場。

ゲートは手動で開けるんだと思う。

 

まぁ、とにかく暑すぎて、夜にならないと(村人にとっての)メインイベントが始まらないのも納得する。地元の祭りなんてのは地元民じゃなきゃどこで何やってるかよく分からないもんなので、来年以降に期待する。


選挙運動

2024年04月08日 | ユカタン諸々

夕方暗くなった頃、遠くの方からマーチングバンドみたいな音楽が聞こえてきた。家庭で音楽ガンガン!というのは別に珍しいことじゃないが、なんか雰囲気が違う。そしたら15分後くらいから、あれよあれよと音が大きくなり、借家の目の前が大騒ぎっぽくなった。

 正体はこれ。

現市長の選挙運動行進だった。うちから右のほうを見た写真。後ろの方までずっと続いている。

 先頭。

こちらはうちから左方向を撮った写真。ずっと先まで続いている。行列の構成は、① 大スピーカーを積んだバイク集団 と、② 子供も含めた「住民に手を振ったり声をかけたり旗を振ったりする徒歩集団 と、③ 候補者やその家族や知事選に出る候補の看板人形などを載せたトゥクトゥクの第3集団。行列の長さが全部で500メートルくらいあるという大パレードである。

 大騒ぎの原因。

その少し前から、お向かいさんちの玄関先でおばさんたちが集まって井戸端会議をしていた。しょっちゅうそうしているので、たまたまなのか、行進を待っていたのかは不明だが、まあ、数人集まっていた。それから、隣の家がアル中か何かのリハビリ施設(個人がやってる)なんだが、金曜の夜で人が結構出入りしていた。比較的人が多いエリアだということで、徒歩集団がうちの目の前で止まって、声かけやプレゼント配りを始めたのである。

顔を出して見物してたら声をかけられたが、ガイジンで選挙権ないからと言ってプレゼントは断った。本当のところは、現市長はわたしの嫌いな労働党所属なため。ノベルティTシャツって作業着に便利なんだが、アカみたいで嫌なので着たくない。それはともかく、選挙権がないと言われてプレゼントを引っ込めるというのは、逆に言えば「物で票を買ってます」と宣言しているようなものじゃないかと思うが、メキシコの選挙法をよく知らないので、別に構わないのかもしれない。ダメだとしても、田舎なんでテキトーなのであろう。

この村では役場主催とか宗教的な行事とか、やたらイベントが多い。田舎で娯楽がないからだと思うが、この選挙運動行進も、はっきり言ってそれと変わらない。実際、井戸端会議をしていたおばさんの1人は「今の市長はいろいろ汚職をしているからもう投票しない」と話していた。

よく、ブロック造の家や塀に政党のロゴなどがペンキで描いてあったり、庭木に立候補者のビニール看板を吊るしてあったりする。

 (追記:写真撮ってきた)

丸いのが政党のロゴ。

政治に高い関心があるわけじゃなくて、広告スペースを提供していくらか稼ぐのである。中には、ライバル同士の候補者のビニール看板を両方吊るしてあったり、一つのロゴの上にバッテンして別の党のロゴが描いてあったり、下手すると与野党のロゴがずらりと全部描いてあったりする。写真の2つは大統領選で連立を組んでる政党のロゴなので、特に問題はなさそう。おそらく、白地の部分のペンキ代も党から出ている。

 その市長率いる市役所の仕事。

道端の草刈りと、ブロワーを使ってのゴミ集め。終わって数時間はきれいだったが、残念ながら刈り取った草も集めたゴミもそのまま。なので、翌日にはうちの前には枯れ草と集めたところから飛んできたゴミでひどいことになった。ちなみに現場(完成したら住む家)の前は、我々が鬼のようにゴミ拾いするのできれい。向かいの家もたまたま綺麗好きなのか、そこそこきれい。住み始めたらヒルベルトの家の前とか、そのへんの近所とかもゴミ拾いするかもしれない(様子を見ながら)。なにしろ住み始めた当時の海辺の村のように「捨てていくのは観光客だけ」でなく、住民自身が捨てているのである。量が違う。まぁ、この村役場土木課の仕事も、やるだけマシというか、だんだん変わっていくための一歩なのか。。。

 

天井につける扇風機を買いに、久しぶりにメリダに行った。

 ユカタンの旗。

大きなショッピングセンターの近くに国旗掲揚のスペースがあるが、ここんとこ、メキシコの国旗よりユカタンの旗が揚がっていることの方が多い(FBに写真を上げる人が多いので分かる)。

 州知事候補のポスター。

ユカタンでは伝統的に、今メキシコ中でウケている現大統領の政党でなく、今の州知事・メリダ市長・プログレソ市長・隣村の市長などが所属している党が強いが(強いから主要都市で勝ったんだが)、その政党はユカタン色を強く押し出している。この候補もそうでRENANさんというんだが、Eのところがユカタンの旗。選挙を前にして、「中央」より「ユカタン」がウケると見ているんだと思う。

ーーー

 マヤパン遺跡の入り口。

マヤパンはチチェン・イツァへの反乱に成功して13世紀に新しく作られた都市で、古代文明的な魅力には欠けるが、代わりにマヤが細かい国家に分かれて戦国時代に突入するきっかけを作った、歴史的には重要な遺跡。王家の末裔である何代目かの王様は、たまにマヤ文化に関する記事などで紹介される。シウ家。これからも何代も続く(今はただのマヤ人だけど)。

で、そのマヤパン遺跡は、昨年末から地元のエヒードともめて閉鎖中だったんだが、入り口の前を通ったらまだこの様子。エヒードの構成員が設置したバリケードが置きっぱなし。昨年末から6千人もの観光客を逃したというレポートが、数日前にも出ていた。自分たちの聖なる遺産とその周辺なんだから、地元の人は中央政府や州政府が勝手にするのは許せない。メキシコの遺産でいいが、その利用方法を決めるときに地元民の要望をきちんと入れてほしい、権利でもあると考えている。チチェン・イツァでも、マヤ電車ができて露天商が追い出されるという問題でもめているが、土産物を売るという経済的な目的もその理由だが、それだけではない人もいる。

 その近くの道路標識。

マヤパン に関係ないが、マヤパン遺跡の下に書かれている村の名前。シュカンチャカンという。高速で通り過ぎると絶対に読めない。読めると今度はスチャラカみたいでおかしい。

 こちらはマニ村への入り口。

ユカタンの桜、マクリスがほぼ満開。


ピピアン

2024年03月30日 | ユカタン諸々

かぼちゃは以前「カンボジアがなまってカボチャになった」などといって東南アジア原産だと思われていたが、今の認識は中南米が原産地ですね。メキシコ産かぼちゃも日本のスーパーにたくさん並んでいると聞く。不思議なのが、ユカタンに限らず「メキシコのかぼちゃは水っぽい。よって煮物などしにくい」というのが、在墨日本人の共通認識であること。その上、ユカタンのかぼちゃは小さくて平たくて、日本のかぼちゃのような形に切りづらい。種類が違うのを輸出してるんだろうか。

そのユカタンかぼちゃには食べるために買うのとは別の種類がもうひとつあって(身も食べるのかもしれないけどここではほとんどない)、こちらは種を使う。隣のマリアが作ってくれたのがこれ。

 玉子のピピアン。

かぼちゃの種(ペピタ)で作る粉を使って作ったスープみたいなもの。とうもろこし粉を使ってもっと粘り気があるようにして、サルサのように肉などにかけることもある。左の皿が、ポーチドエッグのスタイルで調理された玉子。

 別バージョン。(c) Tsikbales

ゆで卵を作ってそれを入れる。マリアは「ときどき上手くいかない」と言ってたので、ハナからゆで卵式では作らないんだと思う。で、そのかぼちゃの種の粉。

 種を干して乾燥させる。

ああ、干す前に洗ってワタを取るのが大変。で、干したあと乾煎りして挽いて粉にする。この粉を使っていろんな料理を作る。中南米の他の国にも似たような料理があって、要は先住民の伝統料理です。ピピアンの他には、ディップみたいなのとか、肉や卵と炒めた料理がある。

粉といっても、他の食品と同様、結構粗挽きだし硬い部分も混ざってるんで普通の小麦粉みたいじゃなくてすりごまみたいな感じだが、スーパーには工場で挽いたきめの細かい粉も売られている。ちなみに乾燥工程が短くてかつ乾煎り(トースト)しないで挽いた粉は、薄い緑色をしている。ユカタン料理として有名な(例によってマヤ人はあまり作らない)パパツレスは、同じかぼちゃの種の粉でもそちらを使っている。

少し塩味をつけることもあって、挽いたあとに足したり、隣のおじいちゃんのように乾燥させる前に塩水に漬けてから干すこともある(保存目的もあるのか?)。

 おじいちゃんの、干す前の種。

マリアは、ただの粉を作って、料理を作るときに塩で味を整えるやり方。

  粉を溶かした汁を濾している。

豆乳や水羊羹みたいに布で濾す方が簡単なんだが、調理用の布がどこかに行ってしまったとかなんとか。ハンカチや手拭いを使わない人たちなんで、タオルか服しかなかったのであろう。

味は…、別に馴染みがないとかヘンな味ってことはないが、なんとも形容しがたい。味自体は違うけど、味付けなしのゴマだれを想像してもらえば。。。ユカタン人は大好きだが、この手間のかけようなので、丁寧に作った美味しいピピアンを食べる機会は少ないんだと思われる。人んちで見たの初めて。

 

 メリポナの一種、ウスカブの巣。

メリポナ(針なしミツバチ)は結構種類が多いそうで、これは全長3、4ミリの極小(岩の、右側の白いところに見える黒い粒が蜂)。幼虫は数の子みたいな粒くらいだった(黒いところにある黄色い粒々)。なんと、岩の中に巣を作っていた。普通のメリポナ(普通の蜂蜜より栄養価が高いとかなんとか)の蜂蜜よりさらに希少で甘いらしい。

 どうするか相談中。

  別の巣箱を作って移す。

なんでもそうだが、どんなに希少だとか可愛いとか大切な動物だと話していても、基本的に彼らにとって食料であるものは、きっぱり食料扱い。前に見学に行ったメリポナ養蜂場は文化保存の目的から伝統的な巣を作っているが、こちらは将来蜂蜜を取りやすいような形で巣箱を作っていた。

 

こないだ借家のゴミになっているドアに描かれたについて書いたが、

 こんなの。

考えてみたらこの辺にはトラ模様の犬が少なくない。半分野良みたいな飼い方なので単に遺伝だと思うが、結構いる。

 こんなの。

トラ吉と呼んでいる。もっと模様が薄かったり、茶色にトラ模様だったり。なかなか凛々しい。


買い物(隣村)

2024年03月27日 | ユカタン諸々

借家にはキッチンがないので出前生活で、飲み物やおやつを買うくらいなら村で済むが、そうはいかない物を買いにときどき隣のオシュクツカブ村まで行く。コーヒー豆とか猫砂とか。うちのような小さい村だと「◯◯じゃダメなの?」となって買う人がいないくらいの物ですね。

 スーパーの駐車場に馬。

これまた、当たり前のようにいる。このスーパーでコーヒー豆などを買い、業務用スーパーでチーズを買う。ハムなどもめちゃくちゃ安いので、家ができてご飯を作るようになったらもっとこっちでいろいろ買うと思う。そしてもう一軒のスーパーで猫砂を買う(海辺では庭の砂で固まったので買ってなかった)。そのスーパーは狭苦しくて薄暗くて、それなら村の雑貨屋のほうがいい…ってな感じだが、色々試した猫砂の中でそこのプライベートブランドのが一番よかったので、わざわざそれだけ買いに行く。

それから、お菓子を買いにスーパー・ハイジへ。料理するようになったら日本食料品店として大活躍することになるが、とりあえず今のところは相棒お気に入りのチョコを買って、何か面白いものがないか見て回る。今回は nissin の袋麺と、スナオシのインスタント支那そばを見つけたのでそれも買った。メキシコでは、袋麺はマルちゃんが人気でカップラーメンは日清が人気なので、こんな田舎まで来ると日清の袋麺はスーパーには売ってない。ちなみに麺はマルちゃんのほうがいいけどスープは日清のエビ味が一番日本のラーメンっぽくていいんです。あ、メキシコで売ってるのはチリ唐辛子とかライムとか変なチキン味とかなんで、ほとんどの種類は買う気になりません。

 アロマコーナー

ハイジには、食料品だけじゃなくて本当にいろんなものが売られている。アメリカインディアンが魔術に使う香り(らしい)ロード・オープナーなるオイル?や、中東の香炭もあった。こんな田舎で誰が買うのか、謎。

 村の出口にある果汁絞り工場。

 買取価格の看板。

わたしがグレープフルーツを買っている、近所の購買所の搬入先。村人の評判が悪いことは書いたが、さらに最近、社長が「与党の選挙運動イベントに参加しないなら金を取る」と脅しているという、地元メディアのニュースもあった。まだ当局が動いていないので文句が出ているだけの段階だが、いかにもありそうなことである。

ーーー

先日、建設中の我が家の納戸で卵を産んでいた鶏が、また産んでいた。前回は作業員が見つけたんで取られてしまったが、今回は彼らは休みな上、4個! 

 さっそくTKG。

海外では玉子を生食をする習慣がないので、新鮮さを心配して邦人が一番悩むメニューである。よくわかってない人はコストコのオーガニックがどうとか言ってるが、オーガニックは関係ない。鮮度もいいに越したことないが、サルモネラとはあまり関係ない。殻じゃなくて黄身が汚染されてたらもうそれは運が悪かったとしか言いようがない。それでも新鮮なもので、かつ母鳥が元気なことを知ってるので、リスクを取る気にもなる。何と8年ぶりにありつけた!

 見逃した卵…

は、孵っていた。ヒヨコが6匹。親鳥は隣の家との間のブロック塀を越えられるが(全部は来ない、2番いだけ)、ヒヨコは無理。なので、おそらく母鶏はもう隣家には帰らず、我が家かヒルベルトんちの庭で面倒を見ているのだと思われる。つまり、ヒヨコは我々(ヒルベルト一家とわたしたち)のもの。万歳。

 こないだもらったトウモロコシ。

馬用の藁を運んでいた人からもらったものをバラバラにして天日で干している。その後アルカリ処理をして挽くと、トルティーヤを作るトウモロコシ粉になる。そんなことしなくても美味しいトルティーヤや美味しいトルティーヤ用生地は売ってるが、ちょっと自分でもやってみたくなった。実験ですね。

  借家のゴミ。

ゴミというか、解体したドアなんだが、引っ越してきたときから裏庭に放ってある。ああ、ユカタンらしいな、ジャガーだなと思ってたんだが、よく見たらジャガーじゃなくてトラ模様ですよね、これ? なぜトラだったんだろう?

 月夜。

うちの周りには大きい木がたくさん生えていて、夜は何だかわからない鳥の鳴き声がする。黒々とした木々のさらに上に目をやると、月の前を赤みを帯びた雲がゆっくり西に進んでいく。それだけのことなんだが、海辺で見る月と違う。すごくマヤっぽいと思った。


シシュ

2024年03月22日 | ユカタン諸々

  シシュ。

牛のいろんな部位を牛そのものから出る脂で揚げ煮した、マヤ料理。これの豚バージョンが、チチャラ(ユカタン以外ではチチャロンという、ご当地モノあり)です。観光地でしか食べたことないと、豚の皮を揚げたものという認識かもしれないが、ローカルな店では皮以外もごった煮で、とても美味しい。

 この辺のチチャラ。

皮じゃなくて肉から売れていくw。皮も美味しくて、皮だけでも肉入りでもどっちが上という話ではないが、原始的に作らない店では皮だけ売ってるという印象を受ける。メリダで食べるとだいたいこんな感じで皮だけ。

で、その牛バージョンがあり、牛を屠るときについでに作って売る定番料理のひとつ(もう一つはチョコロモ)だということは知っていた。現場飯で出てきて、やっとありつけた。ありつけたというか、「今度の土曜日、売るよ!」とバイクで宣伝してるのを聞くだけで、どんなものかわからなかったので、怖くて買えなかったのである。

牛バージョンでは皮は食べないので、やはり「そのものの脂で煮る」というところがミソなんだと思う。ちなみに、牛の頭の料理では、皮も使うという(食べたけど、細切れになってソペの具になってたので分からなかった)。

味は部位によって多少違うが、こってりしたコンビーフ。

 若い味のトマトのサルサと。

若い味ってわかります?要は完熟イタリアントマトみたいな味じゃなくて日本のトマトみたいな青い味。そういうトマトを選ぶのかは、聞くの忘れた。ただ、どんなトマトを使おうと、あんまり合わない気がする。ラムチョップなどについてくるミントソースとか、わさびとか、さっぱりしたものが合いそう。家ができたらご飯を炊いて、シシュ丼とかしてみたい。お茶漬けとか、乾燥させてふりかけにしても美味しいかも。

あと、豚でチチャラを作った後はラードができるが、牛の脂は食用にしないらしい。

 

 チャヤ入り炒り卵。

「豚肉と黒インゲンの煮物」同様、ユカタン人は大好きだがユカタン料理リストには載ってこない料理。この写真のはちょっとチャヤが多めで、普通はもう少し炒り卵っぽい。こちらは普通に塩で味付けてあって、葉の近くの茎がチャヤの味が一番濃くて美味しい。

  生命力!

そのチャヤだが、うちの前の道端に生えているのをちょん切って敷地内に植えたら、どこかの犬にやられたらしくポキっと折れていた。が、次の日見たら、こう。しっかり自己治癒して、首が座っていた。びっくりした。

 ヤシの実とミントのトロレス。

前回食べた苺クリームはこちら。暑すぎてすぐ溶けるからか、機械が作れないからか知らないが、日本のかき氷みたいなのはなくて、かいた氷はみんなクラッシュアイスかというくらい荒い。なので、「気温が何℃を超えるとアイスクリームじゃなくてかき氷…」みたいなのは分かるが、ありつけない。そういう土地で、このしゃりしゃりアイスはとてもありがたい。これはいちごクリームと違ってココのほのかな味とミントが効いてて、とても美味しかった。結構いろんな種類があるので、他のも試してみる。

 

 ウアノの花にミツバチ。

 

 とうもろこしの穂付きの藁。

馬用だという。餌じゃなくて敷く。トウモロコシ畑では、収穫後のとうもろこしを軸にしてインゲン豆を作ることが多いので、この藁は貴重なんではなかろうか。何か理由があって無用になったのかもしれない。

 実の部分もあった。

質問して写真を撮ってたら、くれた。茹でて、チリパウダーやライムの汁をかけて食べる。おやつとして人気だが、個人的にはあまり好きじゃない。粒をとって天日で乾燥させてアルカリ処理して挽くと、トルティーヤを作るための粉になる。粒のまま取っておくと、種まき用にも使える。

 

 うちに転がっていた鉄条網。

ヒルベルトが何かの目的で使ってたけど外して放ってあったもの。現場の若い子が切っていたのでどうするのかと思ったら、針金として使うという。建設資材として買った針金の残りもあるが、ちょっと錆びてきてるので、鉄条網のツンツン出ている危ない部分を曲げて、こちらを使うという。結構大変そう。

 ボンネットのロックを修理してた。

彼らは、ガイジンが大好きなエコ目的のリサイクルには興味がないが、「何かそのへんのもので代用してどうにかする」のはすごく得意だ。日本人ならすぐ修理屋だメーカーのお客様センターだと騒ぎそうなことでも、ちゃちゃっと自分たちで直してしまう。その代わり、とてつもなく便利な何かとか、めちゃくちゃ使いやすい何かを作る…つまり日本人が得意なことは苦手。両方というわけにはいかない。


果物

2024年03月16日 | ユカタン諸々

  オレンジ購買所から出荷。

ヒルベルトの隣の家で出荷作業をしていた。最近グレープフルーツを買ってるとこなんだが、メインの扱いは苦いオレンジで、村の果汁絞り工場に持っていく。ちなみにわたしが買うグレープフルーツは、テキトーに採れた物も一緒に持ち込まれたり、オレンジ以外のものも作ってる馴染みの客から買ったりするらしい。

果汁絞り工場は村はずれにある。州政府も絡んだビッグプロジェクトで作られたが、絞った果汁を一般市場で売れる商品にする別工場までドラム缶で出荷するという、マヌケな工場。なので村への恩恵が少なく、おいしいところはプロジェクトに関わった者だけが持っていくというわけで、村人にはとても評判が悪い。

 みかんをくれた。

グレープフルーツはもう旬が過ぎてなかったが、代わりに…と言ってくれた。半端物ではあるが、こちらにとってはどっさりな量。なんとも欲がない。

 今の旬はマメイ。

だが、パイスと呼ばれる品種改良された種類以外、今年は不作らしい。とはいえ、1日に2回くらいトレーラーが出るという。

ところで、中南米産の珍しい果物としてマメイを紹介する日本語の記事をいくつか読んだが、気づいたことがある。あのですね、味の説明はだいたい「柿みたい、甘すぎる」って感じで、わたしもこの村に来るまでは「熟れすぎた柿」などと書いてましたが、採った日とその翌日までの完熟マメイは、柿じゃなくてスイートポテトです。2日目から味が変わる。追熟のとも味が違う。何個も食べて分かった。

そもそも「どこどこ産」的な付加価値がモノを言うことがあまりないメキシコ、さらにその点に寄与する高度に発達した運送形態もない。マメイみたいな世界的にはマイナーな果物は、産地と消費地で食べているのが別物でも、誰も気にしない。ああ、美味しいマメイを食べられて幸せ。

 マンゴーが実をつけ始めた。

旬は5月くらい。村にも「もう甘いよ」と言って少し出回ってるが、他の州からの輸入モノであろう。こんなに暑いのに、なぜここの方が遅いのか謎。

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 アマポーラ。

変な花だと思って木の写真(この写真は別の村の)を撮ってたら、その家の娘さんが花をくれた。歌にあるアマポーラは花だが、これはアマポーラの「木」の花。メキシコらしいダイナミックな花。

ヒルベルトの牛。

2頭のうち好き嫌いせずよく食べていた方が、いよいよ卒業。おとして肉として売るのでなく、くじ引きの一等賞になる。まだまだ育つので、若い牛の肉とするか、もっと肉を増やすかは、当選者の自由だという。ちなみに一口150ペソ(千円ちょっと、5口以上割引)で、二等三等は現金が当たる。

ヒルベルトんちのひよこ。

こちらも順調に育って、もうすぐ食べられる。残念ながら、全部オスだった。メスなら生卵目当てに買ったのに。

 隣村の教会。

こちらもデカイ。