La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

落ち着いた生活

2024年07月15日 | ユカタン諸々

とにかく「早く新居で落ち着いた」生活を確立しないと、次の計画が始まらない。工事は終わらせたが、本当にいろいろあるもんですね。キリがないので書いておきたいことだけ書く。

内壁の仕上げの雑さがどうしても気になるので手を入れた。色が違うのは明るくて目立ちやすいリビングだけ直していったが、本人たちは「フツーの仕事」をしたつもりになっている仕上げが、ムラがありすぎてどうにも気に入らない。

 元。

今思えばマシヤの混ぜ方が雑なのと、バケツの中のマシヤが少なくなってきてもかき混ぜて柔らかくせずにそのまま塗ってた作業員がいたのと、表面を均すのに硬いスポンジを使いすぎて粒々が出すぎたせい。塗り壁なんで「味がある」というかそういうもんなんだが、あまりに凸凹で雑なので、リビング以外のすべての天井と壁をヘラでこすった。

 削った後。

家全体が少し明るくなった。が、降ってきた粒まみれになるし、首や腕が痛くなるし、エライ大変だった。

 照明器具取り付け。

相棒は、親方チームがする予定だった、蛇口や金具などの取り付けで毎日ドリル。海辺の村で作り付けだった棚やフックなども、ないと物が収まらなくて細かいことなんだがいちいち時間を取られる。おまけに、年寄りなんで午後には力が入らないと文句を言っていた。

暮らすとこ(屋内)を優先してたので、これから敷地内をきれいにしていかなければならない。あと、先週は強力なハリケーン・ベリルが来るというので気が休まらなかった。なぜ休まらないかというと、建設ゴミをまだ片付けていないからである。そこらじゅうに転がってる小さ目の岩も不安材料。なるべく自然なままにしたいんだが、ハリケーンの風で吹き飛ばされたりしないんだろうか。

 ジャングルに戻ってしまった。

 うちで生まれたヒヨコ。

餌だけあげて放っておいたが、無事住み着いた。が、卵目的のちゃんとした小屋を作らなければならない。

 マンゴーの芽。

作業員がうちの木から採って手で皮をむいて食べて捨てた、殻付きの種からも芽が出ている。見ただけで10本くらいあるんじゃなかろうか。そんなのはいらないんで引っこ抜くが、マンゴーだけでなくとにかく敷地全体でガンガン芽が出て伸びているので、マジでどうにかしなければならない。

後ろに見えるパイプから、少し漏水している(ずさんな設備工事)のも直さなければならない。その辺に散らばってるのは飛び散らせて固まったモルタルとかだが、他にも型枠にした木材の切れ端とか、山のように積み上げたままの壊れたタイルとか、ずいぶん余った鉄筋とかパイプ(結構な種類と長さ)とかも、片付けなければならない。

でもまあ、借家が快適じゃなかった分、今の状態でも天国です。グラインドで飛び散ったチュクムの粉も、家中の床を水洗いしてなんとかキレイになった。ついでに作業が雑であちこちにこびりついてる各種モルタルや糊なんかも、今取る気になる分だけは取った。

現場として最後までやって竣工引渡しという形だったら、どんな状態まできれいにしてたんだろう。まさか壁中にこびりついたモルタルをいちいち削り取るとは思えない。こういうシミとか、本当に気にならないのか?模様程度に考えているんだろうか。そのくせ、借家のRをつけた窓だの仕切り壁だの宗教系のものだの、飾り付けには熱心なの、本当に理解できない。文化の違いといえばそれまでだが。

あと、出前からは解放されたが(ときどき疲れて頼むこともあるが)、借家よりはマシになったとはいえ、まだ限定的な炊事しかできてない。買ってある食器棚とかが届いて、まだ箱に入っている皿や鍋を収めたら、料理も本格的に再開できる。こういうの、気にならない人は気にならないのかもしれない。我が家は片付いてないとダメなんで、あと1週間といったところでしょうか。

 石垣にシール。

住んでいれば訪問者もある。「蚊を増やしそうな水が溜まる物(古タイヤやプラの器ゴミなど)が庭に放ってないか、あるなら水を捨てろ」という役場の指導が回ってきて、確認が終わったという印をつけていった。ラテンアメリカではデング熱が増えているが、まだ村では感染確認はないという。蚊に関しては、自然に囲まれている割には、近くにラグーンがあった海辺の村より圧倒的に少ない。


引越その他

2024年07月06日 | ユカタン諸々

6月24日に借家から大物を移して、今週4日に犬猫の移動と大掃除を終えて、借家から完全に撤収した。犬猫を置いてあった大きい理由は、浴室での作業中邪魔だから。

  ピックアップより少し大きい車。

 

半月ぐらい遡るが、これまでのユカタン諸々。

  洪水。

 マヤの家の中。

州中央部(メリダの東、うちから見ると北のほう)は、大雨が降ると冠水しやすい地域で、雨季に入ってからの大雨で例によってこんな状態になった。この後(昨日)ハリケーン・バリルが通過したので、めちゃくちゃなことになっているだろう。うちは、当初の直撃予想が外れて、ずいぶん北のほうを通過していったため、ほぼ影響ゼロ。ただでさえバタバタしているから助かった。

 

  村の支援。

保健省管轄の食料品分配でなく、社会発展目的で提供される。農業や畜産業の規模拡大のために使えということだと思われる。

 

 サンドイッチョンのパン。

サンドイッチョンという料理?、ユカタンにしかないと思われる。食パンの間にいろいろ挟んでケーキみたいな形に整えたもので、甘いのはほとんどない。マヨと何かを合わせたクリームを使う。隣村に食べ物を作って売る個人向けのルゴという店があって、大量で安価なのでたまに行く。やっぱり売ってた、耳なしの専用パン。

 スーパー・ハイジにて。

JASマーク付きのを売っていた。つまり、米大陸人向け現地生産モノではない。日本で国内市場向けに作られた商品の輸入。美味しいですね、サッポロ一番みそラーメン。なんと、メキシコ国内の大都市では売ってないらしい。恐るべし、スーパー・ハイジ。

 マリアのチキンスープ。

出前に飽きたし、かといってやることが多すぎてご飯を作る気力がないので、マリアんちの昼ごはんを多めに作ってもらって買って、夜ご飯に。最初からこうすればよかった。

 思えば最後の現場飯。

ユカタン人みんな大好きなフリホル・コン・プエルコ(豚肉と黒豆の煮物)。これじゃ「ユカタン料理ベスト10」とかに入らないのも分かる。付け合わせの野菜がなければ、ただのどす黒い茶色の料理。

 マリアが梅を干していた。

甘く煮るという。落ち着いたら梅干し作りを復活させたい。来年だけど。

 

先月、パスポートの更新にメキシコシティに行った。が、そもそもメキシコシティにあまり興味がないのと、家が落ち着かないのに数日滞在して観光ってな気にならず、日帰り。飛行機で片道2時間くらい。ユカタンでは自分で作らなければ美味しいラーメンにはありつけないので、日本人がやってる店で食べよう!と期待して行った。

結果は、期待しすぎたせいもあるが、ガッカリ。日本でいうと中の中くらいのレベルなのに、円安抜きでペソでも「ゲーッ!高い!これで!?」という価格。日本人が作っているので、なんちゃって盛り付け(焼豚とナルトと卵あたりを真似して載せてあるけどなんか変)じゃないが、お味が。。。 ちなみに外国人の盛り付けがなんとなく変なのは「正面がないから」です。彼らは皿を上から見て盛り付けるので、「中心」がある盛り付けになる。盆栽とフラワーアレンジメントの差みたいなもんですね。

さらに、白飯を頼んだら、ツイッターで「メキシコでも国産米が輸入されるようにになった!うちでも!」と自慢していたのに、ジャー臭いご飯が出てきた。やっぱ、日本のものは日本で食べるか自分で作ったほうがいい。

  

興味がないんで、どこだか分からない。ユカタンでは流しのタクシーがちゃんとしているので、ウーバーの必要性をあまり感じない。時間があったので公共交通機関でも使ってみるか(ユカタンにない地下鉄とか)と思ってウロウロしたときに撮った。ユカタンと違って治安が悪い!というイメージが強すぎて、道端で携帯をいじる気にならない。いろいろ見所がある都市と言われているが、いかんせん興味が…。すみません。

 メリダ着陸。

  機内。

機内の減圧が終わった途端、ドライアイス演出か!と思うような水蒸気(写真より幻想的でした)。ああ、湿度の高い暑いとこへ帰ってきた!という感じ。


不便な借家

2024年06月30日 | ユカタン諸々

新居での作業について報告していく前に、不便だった借家についても記録しておく。

 玄関。

目の前はよくバイクが通る、埃っぽい道。お向かいさんちもすぐ目の前だし外から中が丸見えなので、棚で目隠しをした。ついでに玄関スペースになるように、間仕切り代わりにもしていた。

入ってすぐに四角いスペース。その奥の方に、

  調理コーナー。

テーブルを置いただけ。流しはない。日本倶楽部で使っていた簡易ガスコンロだけ置いて、どうしても出前が嫌なときご飯を炊いたりしていた。

このスペースの脇にふた部屋ある。ちなみにどの窓にも泥棒よけの鉄格子はあるが、網戸はない。

 1つを寝室に。

西日が当たって暑いのなんの! 最高で室内気温38.8度を記録した。風通しも悪い。ってか、この家自体、建てる方角を間違えていて、風は一切抜けない。蒸し暑い。雨季に入ってからは一日中じっとり。

 奥の部屋は物置に。

新居で解くとき、虫とか入ってそうで怖い。

 裏庭に出る扉。

力を入れないとこの鉄格子の扉が開かない。

 出たとこ。

左にあるのが、トイレとシャワーの離れ。入るとき草ボーボーだったのを、草むしりして、転がってたブロックを 並べて置いて通路にした。少しはマシになったが、靴を履いたまま入るシャワーってのが、こんなに不快だとは知らなかった。

 離れの中に入ると犬。

屋根がないと暑いのと、こいつは雨が嫌いなので。おかげで床が泥でデロデロになる。シャワー浴びるとき、泥で床に足跡がついたりして、汚いところでシャワー浴びてもすっきりしないということがよくわかった。村の若い子はビッチリ化粧したりしてるが、部屋の鏡使って…とかなんだろうか。寝室がないマヤの部屋なんかだと、やっぱり外の水場でってことになるんだが、よくこんなデロデロなところで化粧できるなと思う。

 便器の奥にシャワー。

湯は出ない。水だけチョロチョロと出る。冬は辛かった。

 離れの外に洗濯機。

海辺の家で不具合が出始めて、買い手の米人から指定された「犬小屋の撤去」を手伝ってくれた村人にあげたので、こっちに来てから新しく買った。水をタンクにあげるポンプ用しか電源がないので延長コード、洗濯機用の蛇口がないのでシャワーからホースを伸ばして使う。

 洗濯機の脇に蛇口。

こちらはタンクでなく水道局の送水管に直接繋がっていて、朝から3時頃までの送水時間以外は水が出ない。

 コーヒーカップなどを洗う。

トイレの脇にある洗面台は小さくて水量も少なくて、カップだけならともかくコーヒーメーカーのポットなど大きいものは洗えない。毎日ここでしゃがんで洗った。雨が降っても。

 

というわけで、不便な借家の記録でした。新居に引っ越してとりあえずキッチンの流しやトイレの洗面台が使えるようになっても、手が汚れたりすると「ああ、あの固い鉄格子のドア開けて出てくの面倒臭い」と思って、それから「いや!もう流しあるじゃん!洗えばいいじゃん!」と気づくのに3秒くらいかかった。恐るべし、水で不便することの後遺症。


サンゴヘビ

2024年06月17日 | ユカタン諸々

 本物が出た!

夜中に猫が何かと戦ってたなと思って朝見たら、こいつが床で死んでいた。ギョッとした。本物のサンゴヘビ、毒ヘビである。メリダに住んでいたとき、近所で偽サンゴヘビ(毒なし)を見たことがあったが、本物は初めて見た。ちなみに、どの色の隣がどうとかどの色とどの色が並んでるとかいうと忘れちゃうので、「黄色で挟んでいるのが毒あり」と覚えるといいです。

よくいる黒いサソリと違って(専用の抗生物質を薬局で買ってある)、この毒蛇に噛まれたら保健所か医者に処置してもらわないとひどいことになる。米大陸に棲むヘビなんでこんな田舎ならいてもおかしくないが、やっぱり家の中で見つけるのはちょっと…。猫ども、ありがとう。

 ヒヨコ、若鶏一歩手前。

 村の放送用スピーカー。

日本でも田舎に行くとまだあるんだろうか。うちの村では公的な告知でもプブリモト(この記事の中ほど)が使われることが多いが、村役場と市場の上にこういうのが立っている。ハリケーン以外大した天災はないので、普段は「村役場に眼鏡屋さんが来ています」とか「小学校の何々イベントはいついつです」などのアナウンスを流している。ときどき、市場の前に駐車して商売してる車のスピーカーから出るバカでかい音にかき消されているw。

スペイン語の先生が「昔、役所の前で音楽を奏でていた人がいた。それみたいだ」と言っていた。派手な服を着て、音を鳴らしたあと役所のお知らせなどを喋っていたらしい。呼び名は忘れてしまったが、その説明の最後の方に、文盲の住民のためと書いてあった。うちの村もそうだと思う。

 折りたたみ椅子(奥)

 黒いカゴに続き、

村のほぼ全ての世帯が持っている物シリーズ、木製家具。だいたい、折りたたみ椅子と折りたたみテーブルのセットか、背もたれなしのスツールのみいくつか持っていて、子供がいれば専用のもある。とにかく、みんな持っていて、みんな同じもの。形もサイズも全く同じ。

普段はハンモックに腰掛けていて、知り合いが家に来ると出す。このハンモックという物、余所者は気持ちよさそうとかああとか言うが、よく観察していて、「ここの気候や環境に即している、気持ちいいとか関係ない」と思うようになった。最初に書いたヘビや虫などから身を守るため。レンジャーなんかと同じですね。

いろんな生物が入りたい放題の借家や、雨が降っていろんな生物の天国になっている新居の庭にいると、はっきり言ってノイローゼになる人もいそうだと思う。非常時オタクとしてはこんなことで負けるわけにはいかない。強く生きなければw。

…というわけで、ユカタンでいちばんの楽しみ、美味しいものを。

ヒルベルトんちでピビル。

急に食べたくなったんだそうな。写真は熱い岩の準備中。

焼くもの。牛の頭。

毛を取って、真ん中でかち割ってある。マリアが牛タンの準備もしていた。

現場飯。

日本で言うブリトー。

…の大きいやつなので、ブロという。伝統的なメキシコ料理じゃないという意見もある。小麦粉のトルティーヤで巻くので、ユカタンの料理ではない。その小麦粉のトルティーヤがなければタコライス。いつまでたっても、米=野菜という考えにはついていけない。


村のマンゴー

2024年06月07日 | ユカタン諸々

メキシコの他の州や中米の他の国で結構前からマンゴーの季節になったとの話をちらほら見たが、ようやくうちの村にも旬がやってきた。村の人たちは未熟なやつも食べる(お約束のチリパウダーとライムかけて)が、ニホンジンは甘くて美味しいのが好き。ようやく樹上で熟してきた。

 マンゴー・ヒガンテ。

去年、隣家のおばさんちを建てていたチームの親方(偶然だが今住んでる村の隣村の人)からもらったとき、普通にくし切りにしようと皮をむいて散々苦労した。大きすぎて、つるつる滑って大変だったのだ。今年は日本でやるように三枚おろしにして斜めに切れ込みを入れて食べることにする。売値は、一箱 150ペソ(1300円くらい)、2個で 15ペソ。現在、追熟させている。

 ヒルベルトがくれたマンゴー。

種類を聞いたら知らないと言われたが、写真を見た人はアルフォンソっぽいと言っていた。ちなみに日本に輸出されてるのと同じくらいの大きさ。食感はねっとり、味はさっぱり系でとても美味しかった。

 我が家のマンゴーの木。

種類はアタウルフォで海辺の家にいた頃も好んで食べてたんだが、残念ながらこの木は自生で農業用のじゃないのと、親方曰くの「年寄りすぎる」木だそうで、収穫用に農業用のを1本植えるつもりでいる。でも、まあ、実がなった。

 採る準備。

村で買った「果物とり棒」に配管用のパイプを繋ぐ。

 えらい高くて大変。

 食す。

自生種なので、味はいいんだがスジが多くてイマイチ。

ーーー

 黄色い岩。

床下を埋めるための岩混じりの砂の中に、黄色い岩とその割れた欠片を発見した。濡れてたのを触ってみたら、指にねっとりつく。粘土みたいな感じ。

 こんな感じ。

これはもしかすると、マヤの遺跡で発見される陶器の材料ではなかろうか。

 こういうやつ。

新居に落ち着いて時間ができたら実験してみる。

ーーー

 村のナチョス。

普通、ナチョスというとユカタンではこんな感じの料理で少しずつ違ってたりするんだが、この村のは誰が売ってるのもみんな同じ。トルティーヤを切って揚げたもの(トスターダと言うが、既製品じゃなくて手作り)に、豚ひき肉を炒めたものと黒豆のペーストとレタスと溶けたチェダーチーズの組み合わせ。別に、トマトと玉ねぎとシラントロを混ぜたものが付いてくる(あ、もちろんハバネロサルサも)が、ないほうがいいと言う人も多い。本当に、どこに頼んでもまったく一緒だが、肉炒めと黒豆の味付けが違うので、一応、誰のが美味しいとかはある。

 ご存知、隣村のスーシーセット。

ボリュームたっぷりで、メリダの似たようなメニューの半額くらい。最近は野菜の天ぷらの具を味付けなしで炒めたものを付けてもらっている。

ーーー

 洗車。

隣の家が薬中(おそらく)のリハビリハウスで、全員で運動したり発表会したり、なかなか興味深い。この日の清掃活動は掃除じゃなくてオーナーの車を洗うことで、なんとうちのもついでに洗ってくれた! 前の道はバイクがガンガン通って、非常に埃っぽい。3日置いとくと指で絵が描けるくらい汚れる。洗うところがないのでずっと放ってあったんですごく汚かったが、ピカピカ(ユカタン基準)になった。

ーーー

 近所の家の塀。

「完璧」じゃなくて「幸せ」でいなければならない…と書いてある。この辺の家の塀は、ほとんどが政党のロゴや立候補者の名前がペンキで描かれている。最近選挙があったので新しいのもあるが、前回のがそのままになっている家や、前回のの上に今回のを描いた(前回のがはみ出て見える)家もある。選挙に関係ないこういうのは珍しい。

 選挙の結果。

与党の大勝でした。ユカタンでも、現知事などが所属している昔から強い傾向のある政党は負けて、州知事選も連邦与党の立候補者が勝った。市町村長も同じく、与党公認や与党連合公認がずいぶん勝った。

メキシコの他の多くの州では現大統領が勝ったとき既にそうだったんだが、ユカタンでは6年遅れで来たという感じ。村の知り合いに聞いたら、物の見事に現大統領の上っ面だけの言葉にメロメロになっている。貧困層に分配しているとかああとか。実際、国の貧困率(収入が基本的かつ健康的な生活を送るためのコストを下回る世帯の率)の数字は下がったが、公約でいい結果が出たのってそれくらいじゃなかろうか。

ユカタンでは州知事が別の政党だったんで、どこ(連邦給付・州・市町村)の予算でどうしたかは詳しく検証しないと比較しづらい。貧困世帯で実際に生活が楽になったと言う人には会ったことない。村の住民は、平均的なメキシコ人以上に、データで発言する人たちじゃなくて現大統領の言葉にコロッと行くタイプ。ここ6年、考えを変えた(ポピュリズムに流された)メリダ人の投稿(大統領素晴らしい!など)がFBで大量に流れてきていた。その影響が大きかったんだと思う。

財政悪化(連邦の)、どうするんでしょうね。ガソリン価格上昇も止められなかったし。新大統領がどれだけ親分から離れて独自路線を展開できるか次第といったところです。


2024年05月31日 | ユカタン諸々

ゴミ一家の鶏について。これまでの経緯は、①我々が土地を買う前は、好き勝手に入ってきて餌をついばんでた、②境界塀ができてから、入ってくるのは2つがいだけになった、③うち雌鳥1羽が建設中の家の納戸で卵を産むようになったが、卵は毎日作業員に没収されていた、④もう1羽の雌鳥が前庭の木の根元に卵を産み始め、最終的にヒヨコ6匹もろともゴミ一家が連れ戻していった、⑤納戸から追い出された雌鳥、車庫に移動して卵を温め、1週間後6匹孵った、⑥母子はゴミ一家の敷地には戻らず、うちの庭で子育てを始めた。

 生まれて2日後。

5分食べては1分寝る。寝落ちするときはストンとゴメン寝。

  別の寝落ち。死体風w。

 井戸水が染みたところで涼を取る。

母鶏にとっては元々餌場なんだし、うちの敷地が気に入ったのかゴミ一家には戻っていってないようなので、小屋を作った。

 とりあえずの小屋。

どういうものが気に入るのかよく分からないので、囲みと覆いだけ。

  水飲み場も。

翌々日、小屋が気に入ったようなので、もう少しちゃんとしたのを作った。

  少し広い。

 逆側。

 気に入った。

ゴミ一家のオババがときどきうちを覗いてるのは知っているが、何を考えてるのかは分からない。立ち話中にうちの敷地内に鶏が入ってきても(連れ戻された元ヒヨコ=現在若鶏はうちが気に入ってるようで、毎日入って餌探ししてる)、何も言わない。が、親方が仕事の邪魔だと言うと、知らないとか言って責任逃れする。

マリアは、もううちの鶏だと言う。相棒も、何か言ってきたら買ってきたと言い返そうと話している。我々はまだ借家暮らしなので、ゴミ一家は夜誰もいないときに連れ戻すことができるが、それはしない。おそらくほしいのは卵だけで、餌やりをしなければならないヒヨコには用がない。

まぁ、うちも目的は卵、大きくなった雄鶏はマリアにあげる(そしてスープのおすそ分けに預かる)つもり。


室内気温38.8℃

2024年05月29日 | ユカタン諸々

 

座ってるだけで汗だく。

新居は涼しくなる工夫に頭を使いまくって建ててるので、工事が遅れてこのサウナ借家で過ごさなければならないのが本当にムカつく。人間って意外と耐えられるな(死なないな)と思ったりするが、新居だったら「今日も暑いね、外出やめよう」ってな程度だったのに(怒

 井戸水でスイカを冷やす。

風情があっていいですね(暑すぎて棒)

 チャアクの気配。

メキシコ文明展で有名になった雨の神様チャアクがもうすぐ降臨する空だという。

 植物いろいろ。

左奥から、このへんのウチワサボテン、つる草いろいろ、チャヤ、一番手前がチャカの木。乾季の終わり、かつ日本でも報道されているらしい「メキシコを襲っている熱波」で、さすがのユカタンの植物も枯れ気味になっている。サボテンもいつものように簡単に土に着かないし、この村の名前になっているつる草もカラカラだし、チャヤも黄色っぽくなってきた。唯一元気なのが、マヤの伝説にも出てくるチャカの木。

 

 現場飯。

周りに散らばってるのはチチャラなんだが、真ん中の鶏肉のトマト煮がめちゃくちゃ美味しい。なぜかほのかに鰹節の味がする。トマトにもアミノ酸は含まれているが、こんなに旨味が出る理由は調理法にあるはず。男どもには分からないので、今度親方の奧さんに会ったら聞いてみる。

 歯医者がくれた処方箋。

マヤ人は「ツ」を tzu と書く。

 メリポナのお尻。

針なしなのでぬいぐるみみたいで可愛い。ちなみに普通の蜂みたいには刺されないが、止まられるとチクッとする。足に何かついてるのか、噛まれるのか。

 ナンセの実がなり始めた。

まだ熟してない。家ができたら美味しい食べ方があるか実験できるので、もう少し時間かかってほしい。

 サクベの先。

相棒が、遊歩道からここで繋ぐようにと岩を並べてあった。


水不足(我々以外)

2024年05月22日 | ユカタン諸々

脈絡ないですが、最近興味深いと思ったたことをつらつらと。

 

 水資源の持続可能レベル。

今、乾季の終わりではあるが、ある都市の水源になっている貯水池というか湖が枯れて水底が現れたりして、長期的な水不足が結構話題になっている。以前、半島の水について調べたことがあって、水道の水質については覚えていたが資源としてはどうかと思ったらこんな状態だった。ユカタン半島はまあまあ、引っ越してきたところは安泰。

他のところに住んでいる人には悪いが、海辺の村で7年暮らして、もう本当に水で苦労したくない。井戸も掘ったし、水資源も大丈夫そうだということで、ここは勝ち逃げしたい。

 

  野生動物保護。

暑すぎて野生動物が死んだり苦しんだりしている。メリダにクモザルが出てきたとか、野生動物のフクロウが昼間日陰で羽を広げて涼をとっていたとか、何が死んてたとか、いろんな写真が出回っている。隣村では、地面の亀穴や使っていないピレタ(岩などで作った、灌漑用の水を貯めておく水槽)に水を入れて、動物が飲んだり水浴びできるようにした人がいた。

 

 コチニータ鍋。

ユカタンの名物料理コチニータを作る鍋。大きいものは1m x1.5 m くらい。鍋と言っても土中やオーブンで焼くので四角い。この辺だと、台所用品店やアルミ製品屋の他、機械や部品など設備工事に必要なものを売ってる店でも必ず売っている。敷地内ですることという括りなのかもしれない。

 

  門の飾り絵。

一瞬、なぜユカタンの田舎に富士山の絵が!?と思ったが、ちょっと違う。が、よく見ても何だかわからない。手前にテキーラの材料になるアガベとその向こうに湖となると、グアダラハラ近郊かと思うが、こんなに高い…というかこんな形の山はない。確か、メキシコのどこにもないんじゃないか? ペンキで描いてあるんだが、とにかく門の飾りとしてはなかなかの懲りようです。

 

 キツツキ。

 プチェロ。

ポタージュのことをここではプチェロと言う。スペイン語でポタヘ。で、メキシコではポタへとは豆の入った(ちょっと煮崩れて汁が濁った)スープのことを言う。例によってメリダでは塩辛くて食べられないんだろうが、村の出前をとってみたら美味しかった。優しいお味。

 親方の車。

電線を接触させてバチっとエンジンをかけるw。日本でも昔々にはやってましたね。懐かしい。

 子供用原付。

子供用にいかが?とFBの「売ります買います」に出ていた。村を走ってるバイクを見てると、95%はナンバープレートなし。話を聞いてると、6割は免許なし。失効してない免許持ってるのは、遠い村まで行く用がある1割くらいらしい。何でもありなのでもちろん10歳過ぎの子供が乗ることはあり得るが、だいたいちゃんとヘルメットをかぶらせて後ろに乗せる。子供は大切にする。とはいえ、3人乗り4人乗りもたくさんいる。

 

 進入禁止。

先月から肺炎で入院していたお向かいさんちの子供が亡くなってしまって、午後お葬式があるため、朝から車などが入れないようにしてあった。この道に住んでいる人だけでなく、通る用がある人は構わず通っていたが、ずいぶん大勢の人が参列して結局大渋滞。

以前、友達のお母さんのお葬式に行ったときと違って、テレビのメロドラマで見たような「入れ替わり立ち代わり人が来て慰めたり抱き合ったりして、なんとなくい続ける人もいればすぐ帰る人もいる」スタイルのようだった。賛美歌を一曲歌って、おそらく教会かどこかに移動していった。

我々を見ると「コニチワー!」と叫んでいた子。何が何やら分からないうちに始まってしまったし学校の友達の親とかでごった返していたので今日は遠慮したが、そのうちお悔やみに行く。


ツウブ

2024年05月19日 | ユカタン諸々

酷暑で、いろんな野生動物が普段ならいないようなところで目撃されている。メリダでクモザルとか、夜行性のはずのフクロウが昼間に目をらんらんとさせて羽を広げてる…とか。この辺では、鹿がいつもよりよく獲れるらしい。で、鹿狩りに行った親方がついでに獲ってきたのを、食べた。

 ツウブ。

メキシコ語でセレケ。スペイン語?でアグーティ。ネズミの一種らしいが、歩いているのを見たときはモグラかと思った。

 こんなの。

 丸焼きにする。

 骨からはずして肉をほぐす。

 タコスにして食べる。

シラントロ(パクチー)・赤カブ・ライム汁で和えて、トルティーヤに挟んで食べる。鶏肉みたいな白身だが、七面鳥より野性味が強いタイプの味で、噛みごたえもある。大勢用の料理とはいかないが、濃い味付けで煮るのもアリ…みたいな味。丸焼きは、美味しかったけど、まぁ「いろんな肉を試す」って感じで、料理としてはちょっとつまんない。

 

 銃の扱いを教わるヒルベルト。

家族の誰かから譲り受けたらしい。親方が、わたしが石拾いに使っている穴あき盥を拾ってきて、標的にしていた。ヒルベルトはしばらくモジモジと狙いがどうとか言って、結局撃たなかった。散弾銃なのですぐ当たるようになるけど、猟にでも行くんだろうか。それはさておき、人んちで練習するなw。

 近所のマンゴー、ここまで。

完熟まであと少し。

 

 マヤ鉄道本社ビル。

ずいぶん前から工事してるが、まだ完成していない。建物内部にちらほら人影が見えるのはおそらく設備工事の人間で、外構はまだまだ先が長い。先日は、敷設作業員が重機に轢かれるという事故も起きた。大丈夫か?


保守的

2024年05月15日 | ユカタン諸々

連日暑いです。メリダは毎日最高気温記録を更新中。なんと、45℃までいった。砂漠とか気温自体がもっと高いところはあるが、ユカタン半島は湿気があるので厳しい。海辺の村では東京のほうが暑いかも…と思ったが、ここは絶対に東京より暑い。たぶん、インドとかバングラデシュみたいな感じ(行ったことないけど)。

 市役所で列をなす人々。

メリダ市の「地球温暖化を防ごう!暑さ対策に木を植えよう!苗木プレゼント!」に、今年はわんさか人が押し寄せた。苗木プレゼントは、実は前からやっている。あと、集合住宅街などに苗木を大量に持ち込んで住民ボランティアを募る植樹イベントなども、結構前からやっている。連日の猛暑で、エアコンの使いすぎで毎晩のように停電してるらしいんで、辛抱たまらんくなったんだと思う。

 こんなに暑いのに来ない旬。

まだこんな緑のマンゴーしかない。酷暑が終わったら熟し始めるんだろうか?本当に不思議。

 洗濯紐に棒をかける。

紐がたるまないし支柱を安定させやすくて、一石二鳥。メリダやもっと北では見なかった。この辺では庭が狭くてもやってるんで、面積の問題じゃないと思う。でも斜めの棒が地面に突き刺さってるという状態は少し危なそうなので、多分真似しない。

 お向かいさんが屋根の葺き替え。

 ヒルベルトんちのウアノ。

葺き替えをする人達が、頼んだ人が指定する木から葉を切り取る仕組み。今回は、買い取りを約束しておいた土地の葉だけでは足りず、急遽ヒルベルトんちとうちに生えてる木からも採った。が、うちのは背が高すぎて、比較的低めの木からほんの8枚ほど。

だんだん現代家屋にする人が増えて需要が減って、ウアノを生やしてる土地が減っている。じゃんじゃん提供したいと思ってたが、業者は屋根の葺き替えができる程度の梯子しか持ってない。高さ制限があるとは。

 「シャツを着た卵」

これに、トマトソースとチーズをかけて食べる。美味しそう。バジャドリというメリダに続く第二の街のレストランのらしいが、メリダと違って新鮮な卵が手に入るだろうから、もしかして半熟かも。自分で黄身を潰しながら食べられるなら最高。

ところで、とうもろこし粉からは本当にいろんな料理を作るのに、なぜその他のこととなるとマヤ人はこんなに保守的なのかと、ふと思った。今建てている家でも、何度説明しても馴染みのあることをしたがるというか新しいことはすぐ頭から抜けるようだし、マリアの作る料理も我々には目新しいが、いつもこの肉ならこれ…的にメニューが決まってそうなのである。もっと小さい村に行くと何曜日に何を食べるとかも決まってるらしい。

ウアノで葺いた屋根のほうがコンクリスラブの家より涼しいのは当然だ。虫とかの問題があるとは言え、熱い空気がてっぺんから抜けていくんだから涼しいに決まってる。というか、実際涼しい。じゃあ、そういう構造の屋根にすればいいのに、壁だって入り口だって仕組みと建材でどうにかなるやろと思うんだが、そうは考えない。マヤの家じゃなければ、ひとっ飛びでよくあるブロック造、それもよくある真四角の家である。

親方と建材の話をしていても、海辺のご近所さんやLさんと違って「まだユカタンでは普及してない、高い」などの会話にならず、一言「ない」と言う。需要がなくて(住民自身も考えないわけでそれも変だが)知識を得る必要がない得る気持ちもないってのは事実だが、それだけじゃない気がする。そんな「考えた末」の事ではなく、シャットアウトという感じ。

もちろん保守的なのは前から知ってたが、一体どういう背景でそうなったのか興味がある。マヤ文明(独自に科学的ああとか)のイメージからかけ離れている。ふーむ。