しばらくぶりだが理由があって、なんと相棒が入院していた。具合が悪くなったのは3月だったが、病名がはっきりするまでなんと半年。メキシコの名誉のために言っておくと、珍しい病気だったから。
で、メキシコの医療システムはってなことではなく、まあ体験したこと…というか設備というか、そういうのを記録しておく。
とはいえ少しだけ説明すると、メキシコは社会主義国家で基本は国民皆何らかの健康保険でカバーされてるはずなんだが、なぜか加入してない人も多い。我々が入っているのは国民健康保険みたいなやつで、保険料なし、よほどのケース以外の治療や州の決めた予防接種なども一切無料である。よく言われてるのは、そういう公的医療はサービスが悪く汚くめちゃくちゃ待たされて…ってことだが、住んでる田舎ではその保険の小っさい診療所があるだけで、悪いも汚いもへったくれもない。待つけど。なので、今回の入院とその前の検査諸々は州都まで出向かなければならなかった。
私立病院や個人の医者にかかるのは、当然高額。と言ってもめちゃくちゃ高いってところは「高級ホテル並みの病室」とかそういう医療とはあまり関係ないことで高くなる。感覚的には、日本の本人負担と同額くらいで、保険外治療ならそれも日本と変わらず。国民の年間所得平均などを考えると高額だが、そういうアメリカみたいなシステムなので、それはそれでしょうがない。
ちなみにプライベートの医療保険(日本でいう生命保険の医療カバー掛け捨て部分)はあるが、いざというときにも役立ちそうなのは当然高い。(我々は、保険代はケチっていざというときは身銭を切る覚悟…と決めていた。)
村のゼネラルドクターが紹介してくれた専門医のクリニックが入っている。病院銀座になってる地区にあって、中は3階から8階まで専門医のクリニック。1、2階は入院施設で、コロナ患者も受け入れている。(が、予防対策は日本人から見ればポイント外しも甚だしい。)
各科の専門の他に、ガンとか何ちゅうか高度医療を必要とする病気の専門医らしきクリニックもある。
日本だと大病院にはほぼすべての設備が揃ってるが、こちらは検査は検査専門の会社があって、病院内にあってもその出先機関みたいな感じ。尿血液検査専門の小さいところもあるし、レントゲンCTなど写す系(とはいえ、MRIはない)まで揃ってるところもある。あ、ユカタン以外の州がどうだかは知りません。今回、病名がクリアになった検査は、検体をメキシコシティーまで送っていた。
専門医が検体採取のために手術したとこ。彼(つまり口腔外科医)が紹介してくれたもっとレアな専門の医者(つまり感染専門)が入っているメディカルセンターに併設された病院で、同じく私立なんだが、うまい具合に最初のメディカルセンターより安くて助かった。
ロの字型の建物で廊下は内側、嵐が来ると濡れ放題、床もベシャベシャ。でも晴れてると気持ちいい環境。
食事制限はなかったが、やっぱり病院食。そして、やっぱりタコス。あと、インスタントのゼリー(粉末で作るやつ)が出る。病院食の定番らしい。
一時はどうなるかと思った(実際、普通は3日くらいで死に至る病気だったらしい。なんでそんなに進行が遅かったのかは謎)が、現在は家で療養中。食べ慣れた食事と、まあ、日本人は水分取るならお茶ってことで。
引き続きお大事に
入院施設が階下って珍しいね。