こないだの上棟式にセビチェを買ったレストランも、村にある魚屋(あるんです)も、魚とシーフードをセレストゥンという村から仕入れているという。自然保護区の近くで、ボートでマングローブを抜けたりピンクフラミンゴの大群を見たりできるが、初めてのユカタン旅行で足を延ばすほどじゃないところです。海沿いの他の村と同じく、基本的に漁村。
見てもらうとわかるが、このあたりからだとちょっと行きにくい。我々がいつも使ってたルートでプログレソに行く方が早いし近い。なぜセレストゥン?と思って少し調べたら、
黒い線は、小山が連なっているところ。現在、かくっと折れたあたりから隣のキンタナロー州の州都チェトゥマルまで、山裾にある村々をつなぐ街道が通っている。が、昔はなんとセレストゥンまで街道が続いていた。この辺の人にとって海のものといえばセレストゥン!だったわけである。セレストゥン以外だと、モトゥルというやはり古いマヤの村を経由してプログレソからずいぶん東のテルチャックという漁村や、結構遠いチェトゥマルのほうが、気分的に近いらしい。とにかく、プログレソには馴染みがない。知らなかった。
ユカタン料理に飽きたので、スーシー(メキシコ寿司)の店を探したら、うちの村にはないが隣のオシュクツカブ村に一軒だけあった。逆隣の村もうちの村より大きいので多分あると思う。グーグルには3軒くらい出てきたが、メキシコではFBで確認しなければならない。案の定、この店以外はメキシコ料理店だった。
アボカドと鶏肉とクリームチーズを具に巻いて(海苔が嫌いな人が多いので裏巻きが多いんだが、そうじゃなくて普通の海苔巻き)、巻いたものにパン粉をつけて揚げてある。よくあるメキシコ寿司だが、メリダのと違って、素直で優しいお味。材料通りの味がする。メリダのはだいたい、下手に衣や具に調味料を足して「濃いのに何が何だか分からない、全体的にぼやけた」味になってしまっている。美味しいけど不味い。B級として楽しめるが美味な料理じゃない。が、ここのは本当に素直。
なおかつ、頼んだのは「巻き寿司、ヤキメシ、野菜の天ぷら」のセットなんだが、なんと150ペソ(ペソ高につき 1200円くらい)。メリダだと、巻き寿司だけでそのくらいする。焼き飯もそのくらい、天ぷらもそのくらい。つまり、お値段3倍! おそるべし、マヤの村のスーシー屋。
そして、この辺は寿司だけじゃなく中華もメキシコ中華じゃなくて美味しいんだが、一体どこで調味料などを買うんだろうと思ってたところ、謎が解けた。
チョウメイン(炒麺ですね)を作って売ってる人たちは、ロサンゼルス辺りで作り方を覚えて帰国し、材料は隣村のハイジという店で買うらしい。行ってみたら、アジア食料品店として十分だった! それどころか、スーシー店が一軒しかない村なのに、日韓含めて「メキシコでも知名度上がってきた〜」系以外の品揃えも凄い。メリダの同様の店より充実してるのに、不良在庫になってないらしく、賞味期限も十分残ってる。ってか微妙にラインナップが違う。買う人いるのか?なモノも並んでる。まだ借家で料理ができないので、今回はライトじゃないサッポロビールを買ってきた。おそらくメキシコ国内の業者を使わずに仕入れてる。
えー、正確には…というかスペイン語読みだとヘイディですが、日本人にはハイジでしょう。従業員がこうして商品の宣伝をしているところも微笑ましい。
ユカタンから米国へ出稼ぎに行く人のほとんどが、ここの独自ネットワークを使ってカリフォルニア州に行く(なんと半分は就業許可ありらしい)。ハイジは、あっちで味や作り方を覚えメキシコ中華を知らない彼らに必要なものを仕入れているのであった。いやぁ、メリダに買出しに行く必要、一切なし!ラッキー!
村役場が、村はずれにある名もない遺跡で今年のキングとクイーンにポーズをとらせて撮った写真。カーニバルはユカタン名物だが、クリスマスからずっとイベント続きでこないだ祭りもしたのに、やっぱりちゃんとやるんだw。