石垣りん 「崖」 1968 2019年06月24日 21時17分06秒 | 一詩一日 できれば毎日? 「崖」 石垣 りん 戦争の終り、 サイパン島の崖の上から 次々に身を投げた女たち。 美徳やら義理やら体裁やら 何やら。 火だの男だのに追いつめられて。 とばなければならないからとびこんだ。 ゆき場のないゆき場所。 (崖はいつも女をまっさかさまにする) それがねえ まだ一人も海にとどかないのだ。 十五年もたつというのに どうしたんだろう。 あの、 女。 . . . 本文を読む