
酒田で泊まったところは、山居倉庫の前でした。
お昼過ぎにチェックインして、すぐに倉庫を見せてもらえばいいのに、すぐそこにあるから、まあいいやと上から眺めるだけでした。
それより何より、眠かったし、友だちと会うから、そちらに気が向いていたんでしょう。

上から眺めると、六つくらい見えますが、もっと左手にいくつもあって合計十二個あるそうでした。
明日、チラッと覗いてみようと思っていました。

ホテルに帰ってきたら、ライトアップをしてくれていて、せっかくだから、倉庫に近づいてみることにしました。
何人かの家族連れがいたり、散歩する人たちもいました。まだまだ暑いし、静かな倉庫に向き合うのもいいかもしれない。

残念ながら、倉庫の下が見えなくて、仕方がないので、運河に映る倉庫と屋根のシルエットを撮りました。
明日から(正式には二日と三日)は酒田の町はお祭りというけれど、その前日だから、歩いている人たちも気持ちを爆発させているのではなくて、ゆったり遊ばせている感じでした。
かつては大活躍した倉庫たち、今はその雰囲気と過去の栄光をしのぶ建物になっています。それほどに、日本全体が、お米中心ではなく、工業中心に向かって行ったのでしょうね。
今の日本の中心産業って、何だろう?
クルマかな? まだそうかな。電子産業、これは中心の一部ではあるのかな。
今、日本が中心にして回しているもの、小さなスマホなんじゃないか、とか思ったりしますけど、みんなよその国で作られたものなんですよね。だったら、やはり中心ではないな。今は、中心を無くして、お金になるものをみんなそれぞれに回している感じかな。

翌朝、ふたたび山居倉庫をのぞいてみます。

うしろの林が気になっていたので、そちらに行ってみると、それはケヤキの並木になっていました。西日と西風を防いでいるのかもしれない。こうしてお米は守られていた。全国へ船で送られていた時代があったんですね。

建物が並んでいる中に、一つだけ風向を示す矢印がありました。ゆらゆら、海から来る風を指していました。

二日目も、友だちは来てくれました。一緒に、私の熱望する象潟をめざしてくれるということでした。