中小企業診断士 地域活性化伝道師のブログ

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景況感の鍵を握る中間財

2014年06月04日 04時25分20秒 | 中小企業白書(2014年版)を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2014年版)41ページ「第1-1-35図 売上単価・客単価DI、原材料仕入単価DIの推移」をみましたが、今日は44ページ「第1-1-36図 企業物価指数の長期推移」をみます。

下図は、日本銀行「企業物価指数」を用いて、我が国の原材料価格、中間財価格及び工業製品価格について、1970年以降の長期的な推移を見たものです。

これを見ると、1970年代から1980年代にかけて、原材料価格と製品価格はとほぼ同じペースで推移していることから、企業収益にとっては良好な環境が形成されてきたといえます。

ところが、2000年代に入ると、原材料価格が大幅な上昇に転じ、中間財価格も上昇に転じる中、工業製品の価格上昇がこれらに追いつけない状況が出現しています。

特に、2009年以降の原材料価格の上昇局面では、中間財価格の上昇はほとんど見られず、両者の動きは大きく乖離しており、結果として、中間投入に占める原材料の割合が高い鉄鋼、セメント、化学などの素材型産業にとっては、リーマン・ショック時と同等の厳しい状況となっている。

その一方、中間投入に占める原材料の割合が低く、部品等の中間財が占める割合の高い輸送機械、電気機械などの加工・組立型の産業にとっては、中間投入コストの上昇が収益に与える影響は、相対的に小さなものになっている、ということです。

中間財とは、最終財を生産するために使用される部品や加工品のことをいいますが、現在の業種による景況感の差は、この中間財が鍵を握っているということです。

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