中小企業診断士 地域活性化伝道師のブログ

地域活性化を目指すプロフェッショナル人材をリンクさせイノベーションを目指す中小企業診断士、地域活性化伝道師です。 

小企業は9割以上がBCPを策定していない!

2016年11月30日 05時01分44秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)238ページ「第 2-4-19 図 中小企業の BCP の認知度」をみましたが、今日は239ページ「第 2-4-20 図 従業員規模別に見た中小企業の BCP の策定状況」をみます。

下図から、中小企業におけるBCPの策定状況を従業員規模別に比較して見ると、全体では、15.5%の企業がBCPを「策定済み」と回答している一方で64.4%の企業が「策定していない」と回答しており、BCP策定への取組は不十分であることが分かります。

この結果について白書は、第 2-4-19図で示したBCPの認知度では「よく知っており必要であると考えている」、「聞いたことがあり必要であると考えている」と回答した企業は約6割いるものの、BCP「策定済み」である企業は少なく、特に従業員規模が小さな企業ほど「策定済み」と回答した企業の割合が低くなっている、とあります。

この結果は想定通りなので、白書がどのように考えて行くのか興味がありますね!
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BCPを理解していますか??

2016年11月29日 04時55分53秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)237ページ「コラム 2-4-3 図 損害保険の概要」をみましたが、今日は238ページ「第 2-4-19 図 中小企業の BCP の認知度」をみます。

下図から、中小企業のBCPについての理解度を見ると、「よく知っており必要であると考えている」と「聞いたことがあり必要であると考えている」を合わせると約6割を占めていることが分かります。

他方で「聞いたことがあるが必要ではないと考えている」、「聞いたことがなく知らない」と回答した企業が4割弱も存在しており、中小企業のBCPに対する意識にはばらつきがあることが分かる、とあります。

私の選択は「聞いたことがあるが必要ではないと考えている」ですが、どこが間違っているのか、明日から見ていきます!!

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企業にとって最適な保険を選び、加入する!

2016年11月28日 05時04分29秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)236ページ「第 2-4-18 図 BCP 策定・運用による効果」をみましたが、今日は237ページ「コラム 2-4-3 図 損害保険の概要」をみます。

下図は、環境の変化に伴い出現した新たなリスクを含めた各リスクに対応する損害保険の概要になります。

これについて白書は、企業を取り巻く様々なリスクに対しての経済的な備えとして、少ないコストで大きなリターンが期待できる有効な手段が保険である。

企業はリスクを認識し、その対策として保険に加入するという行動を選択するが、①被害の発生確率及び被害の程度を過小評価すること、②保険料を支払ってリスク移転するよりも、リスク保有を選好する行動様式であること、③事後的な被災者救済制度の存在が保険加入インセンティブを減退させること、等の問題が指摘されている、とあります。

サイバーセキュリティ保険なんていうのもあるのですね。少ないコストとはいえ保険料は固定費ですので、経営状況に応じて、最適な保険に加入する必要がありますね!!

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BCPは特別なものではない!!

2016年11月27日 05時19分08秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)236ページ「第 2-4-17 図 BCP の必要性」をみましたが、今日は236ページ「第 2-4-18 図 BCP 策定・運用による効果」をみます。

下図について白書は、経営者は、BCPを特別なものであると認識せずに、雇用・人材育成や事業承継と同様に企業の経営の一環として積極的に対応していくことが求められる、とあります。。

また白書は、BCPを策定し運用していくことにより危機対応能力の向上に加え、取引先との関係強化や経営の効率化等、企業価値の向上につながるというメリットもある、と加えています。

想定外の事態に直面し、危機に陥り、さらにその際の対応に失敗すると、企業の信用やブランドの失墜につながり事業継続を危うくする、ということです。中小企業経営者も無関係とは言っていられない時代ということですね!!

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BCPを緊急時に遂行する!

2016年11月26日 04時52分17秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)235ページ「第 2-4-16 図 今後の事業の方向性別に見た中小企業のリスクへの対策状況」をみましたが、今日は236ページ「第 2-4-17 図 BCP の必要性」をみます。

下図について白書は、活用できる経営資源が限定される緊急時に、優先して復旧すべき中核事業を絞り込んでBCPを策定し、緊急時にそれを遂行することで復旧度合い、スピードには大きな差が現れる、とあります。

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは企業が自然災害、大火災、テロ攻撃等の緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段等を取り決めておく計画のことです。

先日の地震の際にも、311の教訓が風化されつつあるという報道がありましたが、BCPは企業の中でどのような位置づけにすればよいのでしょうか?明日、見ていきます!!

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「拡大志向」の企業の方が対策が進んでいる!

2016年11月25日 05時02分03秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)234ページ「第 2-4-15 図 販売先の他社からの代替調達についての検討状況」をみましたが、今日は235ページ「第 2-4-16 図 今後の事業の方向性別に見た中小企業のリスクへの対策状況」をみます。

下図から中小企業のリスクへの対策状況を事業の今後の方向性別に比較して見ていくと、全体的には「拡大志向」の企業の方が「縮小方向」、「廃業、他社への事業譲渡予定」と回答した企業よりも各リスクへの対策が進んでいることが分かります。

この結果について白書は、成長志向の強い企業は、攻めの意識だけではなく守りの意識も持ち想定されるリスクへの対策も進めていることが分かる。

対策の内容を見ていくと経営資源の確保に向けた対策では「損害保険への加入」が最も多くなっている。

損害保険は災害発生時に損害を被った財物の復旧費用だけではなく、減少した利益を補てんするものもあり、企業活動の継続に資金面で大きく貢献する。

体制整備に向けた対策では「自社の中核事業の特定」を回答した企業が最も多い一方で「中核事業について目標復旧時間の設定」は低い割合となっている。

顧客・市場の視点、また資金繰りの視点からも自社がどの程度耐えられるか予測し目標復旧時間を設定することは非常に重要である。

また「取引先と、想定されるリスクへの対応方法についての協議」と回答した企業は3割程度となっており、取引先や地域との連携を取りながら対策を進めていくことが期待される、とあります。

乗っている企業は攻撃だけでなく防御も強いってことですね。確かにそうですよね~!!

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代替調達という現実

2016年11月24日 04時35分51秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)233ページ「第 2-4-14 図 仕入先について講じた又は今後講じる予定の対策」をみましたが、今日は234ページ「第 2-4-15 図 販売先の他社からの代替調達についての検討状況」をみます。

下図から、自社からの納品が不可能となった場合の販売先における代替調達がどのようになっているかをサプライチェーンの位置付け別に見ると、製造業と非製造業を分けて見ると、製造業全体では「他社の製品・サービスにより、全て代替できる」、「他社の製品・サービスにより、一部分を代替調達できる」の回答を合わせると6割を超えていることが分かります。

この結果について白書は、サプライチェーンの維持に対する意識が高く、販売先とも情報を共有し検討を進めていることが推察される。

製造業の中で見ていくと、下位の下請け企業になるほど「代替調達について話したことがなくわからない」の回答割合が高くなっており、販売先との情報共有ができていないことが分かる、とあります。

下請け企業にとって、代替調達されるということは競争に負けるということでしかないので、このような結果になるのでしょうね。危機管理の重要性を分かっていても、現実は厳しいですね!!

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調達先の分散の波に乗る!

2016年11月23日 04時30分22秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)232ページ「第 2-4-13 図 代替調達についての検討状況」をみましたが、今日は233ページ「第 2-4-14 図 仕入先について講じた又は今後講じる予定の対策」をみます。

下図から、代替調達先の確保を検討する中で仕入先に関して、既に講じた若しくは今後講じる予定の対策を業種別に見ると、製造業では「国内での仕入先を分散する」が46.0%、「海外からの仕入れを増やす」が9.8%となっており、非製造業より対策を講じている企業の割合が高く、また中長期事業計画の有無別に比較すると、計画的な経営を行っている「中長期事業計画あり」の企業の方が調達先の分散を積極的に行っていることが分かります。

この結果について白書は、部品の調達先等の集中化は規模の経済によるコスト削減を期待できる一方で、当該事業所が被災すると生産活動が止まってしまうという脆弱性を抱えている。

「国内での仕入れ先を集約する」という回答が少数であることから、効率性よりもサプライチェーンの維持を重視した対策が進んでいることが推察される、とあります。

国内での仕入先を分散するという動きは中小企業にとってビジネスチャンスになると思いますが、そんな簡単に先には進まないと思います。読み進んでみましょう!!

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代替調達を検討していますか??

2016年11月22日 05時06分02秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)231ページ「第 2-4-12 図 企業規模別に見たサプライチェーンにおける位置付け」をみましたが、今日は232ページ「第 2-4-13 図 代替調達についての検討状況」をみます。

下図から、現在の仕入先からの調達が不可能になった場合の代替調達の検討状況について製造業と非製造業で比較すると、製造業全体では「現在の仕入先以外の会社で、全て代替できる」、「現在の仕入先以外の会社で、部分的に代替できる」の回答が77.7%となっており製造業では非製造業より代替調達についての対策が進んでいることが分かります。

また白書は、製造業の中で、サプライチェーンの中での位置付け別に比較して見てみると、三次下請以降では「検討したが、代替調達でまかなえない」が6.5%、「検討したことがないため、わからない」が29.9%と高くなっており代替調達についての検討が進んでいない。

製造業の中で、企業規模別に比較すると、中小企業では「検討したことがないため、わからない」の回答が15.0%と大企業の約2倍、「検討したが、代替調達でまかなえない」の回答も7.8%と大企業より高くなっており、中小企業はサプライチェーンの維持についての意識が低く、対策が遅れていることが明らかとなった、とあります。

末端まで行くとヒトとヒトが繋がるので、代替調達という選択肢が難しくなるのでしょうが、万が一を検討しておくこと企業も多いということを知っておくことも重要ですね!

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中小企業にBCPが求められている!

2016年11月21日 04時12分11秒 | 中小企業白書(2015年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)227ページ「第 2-4-11 図 リスク対策の方法」をみましたが、今日は231ページ「第 2-4-12 図 企業規模別に見たサプライチェーンにおける位置付け」をみます。

下図から、中小企業のサプライチェーンにおける企業の位置付けを見ると、中小企業は大企業よりも他企業の下請となっている割合が高く、「一次下請」、「二次下請」、「三次下請以降」を合わせると5割を越えており中小企業がサプライチェーンにおいて重要な役割を担っていることが分かります。

この序文として白書は、東日本大震災以降、大企業を中心にリスク管理の一環として調達先を再検討する動きが広がっている。

契約時に発注者からBCPの策定状況を確認されるケースもあり、サプライチェーンの一員として供給責任を果たせない企業は、取引できなくなることもある、とあります。

安定的な事業継続には事業継続計画(BCP)の策定が求められる、ということです。明日からBCPを詳しく見ていきます!

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リスクコントロールとリスクファイナンシングの二つの手法

2016年11月20日 06時40分50秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)226ページ「第 2-4-10 図 リスクマネジメントのプロセス」をみましたが、今日は227ページ「第 2-4-11 図 リスク対策の方法」をみます。

白書はリスク対策には、リスクコントロールとリスクファイナンシングの二つの手法があり、更に六つに細分化される、とあります。

この表を踏まえ白書は、

リスクコントロールとは、損失の発生頻度と大きさを削減する方法であり、リスクファイナンシングは、損失を補てんするために金銭的な手当てをする方法であり、保険等で第三者に金銭的なリスクを移転する(負担させる)「移転」と、資金の積み立て等を行い、損失を自己負担する「保有」に分かれる。

リスクコントロールにより、損失を削減し、リスクファイナンシングを実行することにより効果的な対策となる(④)。

選択したリスク対策について、具体的に実現するためのリスクマネジメントプログラムを策定した上で実施する(⑤)。

リスク対策実施の結果、残留リスクが当初の意図通り、容認できる水準となっているか否かを評価する(⑥)。

定期的若しくはリスクが顕在化し重大な損失が発生したときに、リスクへの対応を見直すことが必要である(⑦)。

適切かつ効率的なリスクマネジメントの仕組みが構築・運用されているか否かについて、有効性を評価し、是正する(⑧)という一連の流れがリスクマネジメントのプロセスである。

このように、リスクマネジメントは組織として取り組むことが求められるが、リスクマネジメント体制の構築により全てのリスクに完璧に対応できるわけではない。

リスクマネジメントは企業として持続的発展を続けていく上で障壁となるリスクを把握し、対策を講じることが主眼となる。

つまり、全てのリスクを管理するのではなく、経営に大きな影響を与えるリスクに対し重点的に対策を講じることが重要となる、とあります。

難しく書いてありますが、よく読むと、リスクマネジメントに対する当たり前の内容ですね。次に行きましょう!

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リスクマネジメントを実施していくプロセスとは??

2016年11月19日 07時13分14秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)225ページ「第 2-4-9 図 企業規模別に見たリスク管理に関する体制」をみましたが、今日は226ページ「第 2-4-10 図 リスクマネジメントのプロセス」をみます。

下図からリスクマネジメントを実施していく場合のプロセスを見ると、一般的に、①リスクの発見及び特定、②リスクの算定、③リスクの評価、④リスク対策の選択、⑤リスク対策の実施、⑥残留リスクの評価、⑦リスクへの対応方針及び対策のモニタリングと是正、⑧リスクマネジメントの有効性評価と是正となっていることが分かります。

これについて白書は、

・まず、企業の事業目的に関連してどのようなリスク要因があるかを発見し、リスクとして特定することが必要となる(①)。

・次に、特定したリスクを「リスクの発生確率」及び「リスクが顕在化した場合の企業への影響度」という二つの軸で、企業にとっての重要度を算定する。この二つの軸について定量評価が困難であれば、定性評価により「大」、「中」、「小」に区分する方法が有効である。

・発生確率と企業への影響度を基準に比較したリスクマップ等を作成し、事業に関わるリスクを整理する(②)。

・続いて、②で算定したリスクを一定の基準に基づいて、対応する上での優先順位を付ける(③)、とあります。

なんだか分かるようで分かりづらいですね。難しいので、読み進んでみましょう!!

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中小企業のリスク管理体制は脆弱である!!

2016年11月18日 04時34分42秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)221ページ「コラム 2-4-1 ①図 新事業展開がうまくいかなかった理由」をみましたが、今日は225ページ「第 2-4-9 図 企業規模別に見たリスク管理に関する体制」をみます。

下図から企業のリスク管理体制を企業規模別に見ると、大企業では「リスク管理を担当する専門部署がある」が18.5%、「リスク管理は総務・企画部門等が兼務している」が66.9%となっており、組織的にリスク管理を行っていますが、中小企業は「リスク管理を担当する専門部署がある」は僅か3.9%、「担当部署なし」が40.4%となっており、中小企業においてはリスク管理体制が十分に整っていない様子がうかがえることが分かります。

経営資源の差だけでなく、中小企業は常に不安定という経営者の意識が強いことがリスクに対して大企業と大きくことなってくるのでしょう。

では、リスクマネジメントに対して、白書はどのように考えているのでしょうか?明日から見ていきます!

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「資金調達」が勝負の差である!!

2016年11月17日 04時40分39秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)220ページ「第 2-4-8 図 リスク管理体制別に見た新事業展開に当たり事前に検討を行った効果」をみましたが、今日は221ページ「コラム 2-4-1 ①図 新事業展開がうまくいかなかった理由」をみます。

下図からこれまでの新事業展開においてうまくいかなかった理由を見ると、「新事業展開を担う社内人材の不在」が 51.5%、「新事業展開を取り巻く環境に関する情報不足」が 42.9%と多くなっており、また「事前に事業の失敗や撤退に関する想定が不十分だった」が 14.1%と失敗を想定した検討が不足していたとする回答も一定数存在することが分かります。

続いて、新事業への進出を検討するにあたっての課題を企業規模別に比較して見ると、全体では「新事業展開を担当する人材不足」、「資金調達」といった経営資源の不足や「新事業展開にあたってのスキル・ノウハウ不足」、「新事業展開後の顧客・販路確保」等の情報不足に関する回答が多くなっていることが分かります。

この結果について白書は、大企業と中小企業で差が顕著に出ているのは「資金調達」となっており、人材不足と併せて、中小企業は新事業展開を行うにあたっての経営資源が十分でないことが分かる、とあります。

まさに「ヒト・モノ・カネ・情報」の経営資源が勝負になるということですね!

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失敗しても撤退を判断できない経営者。。。

2016年11月16日 05時05分06秒 | 中小企業白書(2016年版)
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士 地域活性化伝道師の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は中小企業白書(2016年版)219ページ「第 2-4-7 図 中長期事業計画策定有無別に見た新事業展開に当たり事前に検討する事項」をみましたが、今日は220ページ「第 2-4-8 図 リスク管理体制別に見た新事業展開に当たり事前に検討を行った効果」をみます。

下図から新事業展開を行うに当たって事前検討を行った効果を企業のリスク管理体制別に比較して見ると、「各種リスクが顕在化する前に防ぐことができた」、「顕在化したリスクは想定の範囲内であり、事業への影響を一定程度に抑制できた」と顕在化したリスクの影響を想定内に抑えることができたと評価している割合が、「リスク管理の専門部署あり」の企業では合計で7割弱と高くなっていますが、他方で「リスク管理は総務・企画部門等が兼務」、「担当部署なし」と回答している企業では、どちらの項目も低くなっていることが分かります。

ここまでを踏まえ白書は、

・新事業展開を行っている企業は6割弱と決して少なくなく、その結果として、売上高や利益額が増加傾向にある企業も一定割合いることを確認した。しかしながら、新事業展開はその性質上、必ず利益を生みだすものではなく時には損失を発生させる可能性もある。

・一般的に不確実性下では、損失を確定し撤退の決断をすることが難しいとされており、経営者は、新事業に取り組み、期待した成果が出なかった際に、継続すべきか撤退すべきかの判断を誤ることがある。

・新事業展開において利益を確保するためには、外部環境の悪化を想定し、事前に撤退や中止の基準を設けておくことも重要である。

・事前に計画を立て、必要な情報収集や分析を行い、環境が変化した際には、その情報に基づき合理的な判断を行い、軌道修正を行うことで、課題を乗り越えることもできる、とあります。

利益を得る場面ではリスク回避を優先し、反対に損失を被る場面では損失を可能な限り回避しようとする傾向があるという人間の行動パターンのことを行動経済学で「プロスペクト理論」というそうです。

経営者に求められる意思決定の難しさを凝縮した内容ですね!

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