報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「一方の愛原リサ」

2024-02-17 16:22:50 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月27日12時30分 天候:晴 東京都墨台東区上野 東京中央学園上野高校・学食]

 リサは『魔王軍』のメンバーやレイチェルと学食にいた。

 リサ「今日のお昼は味噌カツ~」
 淀橋「魔王様はお肉が大好き!」
 リサ「ところで、愛原先生の肉はいつ『献上』してくれるの?」
 小島「ええっ!?」
 レイチェル「リサ、人食いはダメですよ。今はポークカツレツにしなさい」
 リサ「ちぇっ……」

 A定食は基本的に魚料理、B定食は肉料理である。
 これとは別に、日替わりカレーや日替わり麺もある。

 淀橋「春休みはどこに行くか決めた?」
 小島「春休み?うちは、家族と千葉のお祖母ちゃんちに行くって感じかなぁ……」

 テーブルを囲んでいると、そろそろ春休みの話が出て来る。
 小島と淀橋の話だけ、とても一般的だ。
 しかし、リサ達は……。

 淀橋「魔王様はどこに行くの?」
 リサ「藤野」
 淀橋「はい?」
 リサ「背中に生える触手を取り除く為、神奈川県の山奥まで行ってくる」
 小島「あー……。『もしも日本でバイオハザードが発生したら、舞台は洋館じゃなく、合宿所』だっけ?」
 リサ「そんなところ」
 淀橋「魔王様だけ、ホラーな所か……」
 リサ「ホラー言うな」
 淀橋「私も行こうか?私も山梨に行くし」
 リサ「おー!」
 レイチェル「それはダメです」

 レイチェルは首を横に振った。

 淀橋「そうなの?」
 レイチェル「はい。藤野の施設は一般人の立入禁止ですし、今回のリサの旅行は、大きなプロジェクトの1つです。一般の人を立ち会わせるわけにはいきません」
 淀橋「厳しいんだねぇ……」
 リサ「うう……。(でもまあ、愛原先生と2人っきりで行けるからいいか……)」
 レイチェル「リサには私が付き添います」
 リサ「はい!?」
 レイチェル「私はBSAAの養成隊員として、今度のリサの往復に同行命令が下されました。愛原センセイも同行されますが、警護と監視要員として同行します」
 リサ「えー?そんな、いいのにぃ……」
 レイチェル「ダメです。BSAAの命令です」

 レイチェルは両手を交差させて、バッテンを造った。

 レイチェル「命令違反は爆殺ですよ」
 小島「リサ様の場合、射殺じゃなくて、爆殺なんだ……」

 射殺では殺せないと、BSAAも十分に理解しているからだろう。

 リサ「レイチェルが一緒に来ること、愛原先生は知ってるのかな?」
 レイチェル「どうでしょう?私の口から言ってないですよ。デイライトから言われてるかもしれませんね」
 リサ「なるほど……」

[同日15時31分 天候:晴 同地区 JR上野駅→山手線1413G電車・先頭車内]

 上野駅で『魔王軍』のメンバーと別れ、リサとレイチェルは通勤電車の東京方面ホームに向かった。
 京浜東北線も並走しているが、山手線に乗ることが多い。
 本当はレイチェルも、地下鉄日比谷線の方が中目黒の住まいまで乗り換え無しで行けるのだが、少しでもリサの監視をする為に、JR線が並行する秋葉原までJRに乗っている。
 尚、登校時はこの限りではない。

 リサ「先生にボーナスが入ったから、そのお金でシャワールームを増設するんだって」
 レイチェル「シャワールームを。バスルームだけじゃ足りませんか?」
 リサ「そうだね。その方が、わたしも3階に下りなくて済む」
 レイチェル「それなら私も、泊まりに行けますね」
 リサ「家でまで監視!?」
 レイチェル「当たり前です。本来、リサ・トレヴァーは危険なGウィルス系BOWなんですよ」
 リサ「オリジナルの大先輩と、だいぶ違うと思うけど……」

〔まもなく3番線に、東京、品川方面行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。次は、御徒町に止まります〕

 電車の接近放送がホームに響く。

 レイチェル「あと、私が藤野まで同行する理由は、もう1つあります」
 リサ「……知ってる。蓮華のことでしょ?」
 レイチェル「一対一の勝負をするまでもなく、BSAAで対処します」
 リサ「できるかなぁ……」

〔うえの~、上野~。ご乗車、ありがとうございます。次は、御徒町に、止まります〕

 山手線の電車が到着する。
 まだ夕方ラッシュ前なので、車内の混雑もさほどではない。
 座ろうと思えば座れるほどそこそこ空席はあるし、ドア横のスペースに立つこともできる。
 そんな感じだ。
 2人は電車に乗り込んだ。
 すぐにホームに発車ベルが鳴り響く。
 ここ以外に発車メロディではなく、ベルが鳴るのは新大久保駅くらいだ。

〔3番線の山手線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕

 ホームドアと車両のドアが閉まる。
 JR上野駅で今のところホームドアが設けられているのは、山手線と京浜東北線のホームだけである。
 運転席からハンドルを操作する音が聞こえたかと思うと、電車が動き出した。

〔この電車は山手線外回り、東京、品川方面行きです。次は御徒町、御徒町。お出口は、左側です。都営地下鉄大江戸線は、お乗り換えです〕

 リサ「わたしが藤野にいる間、先生が寂しくならないか心配だよ」
 レイチェル「愛原先生も分かっていらっしゃると思うので、大丈夫だと思いますよ。むしろリサが、少しでも人間に戻れることを期待されてると思います」
 リサ「それでも寂しいんじゃないかなぁ……?」
 レイチェル「大丈夫ですよ。リサがいない間は、デイライトやBSAAがしっかりサポートするとのことです」
 リサ「サポート?」
 レイチェル「具体的な話は分かりませんが、愛原先生にしかできない仕事を依頼するとか……。ほら、仕事が忙しければ、寂しいと思うこともないでしょう?そういうことだと思います」
 リサ「そういうことか……。まあ、仕事が忙しい方が、先生も浮気しなくていいか」
 レイチェル「そ、そういうことです」
 リサ「ん?なに?今の反応……」
 レイチェル「リサが帰って来る頃には、新しいシャワールームもできているでしょうから、使わせてもらいに来ますね」
 リサ「あ、ああ……うん。(わたしが藤野にいる間、先生、危ない仕事でもするのかなぁ???)」

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