報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「一夜明ける前に……」

2023-05-30 20:15:20 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月25日05時00分 天候:曇 東京都中央区日本橋浜町 某クリニック]

 『今朝5時頃、宇宙服のような防護衣を着たスコットに突然叩き起こされて、俺も宇宙服を着せられた。何でも研究所の方で事故があったらしい。研究員の奴らときたら、夜も寝ないで実験ばかりやってるからこんなことになるんだ』

 本日の起床時間は6時のはずだ。
 しかし5時頃、突然特別処置室のドアが開けられて、防護服を着たBSAAの隊員達が入って来た。

 BSAA隊長「起きろ!緊急事態だ!」
 絵恋「な、なになになに!?」

 BSAA隊員の1人が部屋の照明スイッチを点ける。
 突然部屋が明るくなって、ベッドで寝ていた少女3人は目を覚ました。

 絵恋「ちょっとォ!まだ5時じゃない!?」
 BSAA隊員B「緊急事態が発生しました。直ちに特別検査を行いますので、支度してください」
 リサ「……バイオハサードでも発生した?」
 隊長「危うくそうなるところだった。そしてその出所は、ここである可能性が高い。つまり、キミ達だ」
 リサ「わたし、ウィルスなんてばら撒いてないよ?もしそうなら、とっくにエレンがモールデッドにでもなってる」
 絵恋「わ、私はリサさんに化け物にされるなら本望ですぅ……」
 隊長「とにかく、検査するから、すぐに顔洗ってきて」
 早苗「しょうがないですね」

 早苗は欠伸をしながらベッドを出た。

 絵恋「その牙、絶対にBOWだって」
 早苗「だから、生まれつきですって」

 早苗はトイレに向かった。

 絵恋「リサさん、一緒にお風呂に入りましょう」
 リサ「何故に?」
 絵恋「私はいつも朝はシャワー浴びてるのよ?忘れた?」
 リサ「あー……うん。そうだったかも」
 隊長「悪いが、そこまでの時間は取れない。まずは顔を洗うだけにしてくれないか?」
 絵恋「ええー!」
 リサ「まあ、だろうね。しょうがないから、そうしよう。一体、何の検査をするの?」
 隊長「それは医療技師から説明がある」
 リサ「危うくバイオハザードになるところって、どんな事が起きたの?」
 隊長「それは検査が終わった後で説明がある」
 リサ「ふーん……」

 で、リサ達が受ける検査というのは……。

[同日06時00分 天候:曇 同クリニック・内視鏡検査室]

 リサ「マジかよ……」

 リサ達が受けた検査は主に腹部エコー検査と、内視鏡検査であった。

 リサ「え?もしかして、寄生虫とか調べてる?」
 検査技師A「そのつもりです。……うーむ……。腸内に寄生虫の棲息は確認できず……」
 リサ「わたしにはいないよ」
 絵恋「痛い痛い!」
 検査技師B「もう少しだから頑張って!……あー、いるいる!体内に寄生虫の棲息を確認!」
 検査技師C「これは通常の無鉤条虫じゃないのか?」
 リサ(うん。エレンにはいるだろうね。わたしが寄生させた寄生虫……)
 検査技師B「駆虫剤の処方を先生に提案します」
 リサ(グリーンハーブじゃないと、効かないよw)
 検査技師D「斉藤早苗さん……、うん。腹部内に寄生虫の棲息、確認できず」
 リサ「ウソだろ!?」
 早苗「あら、魔王様?科学的な検査を信用しませんの?」
 リサ「お前なぁ……!」
 検査技師D「きれいに無い。うん、素晴らしい」
 検査技師A「となると、我那覇絵恋さんからの寄生虫のせいですかね?」
 検査技師B「でも、見る限り、普通の無鉤条虫のようだが……」
 リサ(普段は普通の寄生虫として、棲息してるからね……)

[同日07時00分 天候:曇 同クリニック特別処置室]

 緊急の検査が終わり、朝食の時間になった。
 昨晩の夕食は仕出し弁当が来たのに、何故か朝食だけ病院食のよう。

 

 特に食事制限を受けているわけではないので、通常の病院食であったが。

 絵恋「何か、中学校の時の給食みたいね」
 リサ「いや、それより貧弱。肉が無い。くそっ」
 早苗「まあ、病院食じゃ、そうだろうね」
 リサ「バイオハサードって、何が起きたんだろう?ここはスマホの電波が入らないから困る」
 絵恋「そうよね」

 と、そこへ善場がやってきた。

 善場「おはようございます。お食事中に失礼します。食べながらで良いので、聞いてください」
 リサ「バイオハザードってどういうこと?」
 善場「まず、結論から言いますと、昨夜、愛原所長が謎のクリーチャーの襲撃に遭いました」
 リサ「えっ!?」
 善場「ですが、ご安心ください。所長は無事です」
 リサ「よ、良かった……」
 善場「襲撃したのは、クリーチャーです」
 リサ「クリーチャー?」
 善場「愛原所長の話では、長さ数メートルほどの白い蛇のようなクリーチャーだったそうで、バスルームから侵入してきたとのことです」
 リサ「白い蛇?バスルーム?」

 リサは絵恋と早苗の方を見た。

 リサ「サナエ!お前の目的はそれか!?」
 早苗「何のことですか?」
 リサ「とぼけるな!その寄生虫は!?」
 善場「寄生虫?リサは何か知っているようですね?食事が終わったらヒアリングをしますので、よろしくお願いします。……ああ。検査はもう終わりましたので、服は着替えて結構ですよ」
 リサ「分かった。……愛原先生はどうしてる?」
 善場「今頃は警察やBSAAから、事情聴取と現場検証に立ち会っている頃だと思います。何でも3匹の白い蛇のようなものが襲って来たそうですが、その後、やってきたもう一匹が味方をしてくれたそうです」
 リサ「その後から来た一匹って……。寄生虫はどうなった?」
 善場「同士討ちのようになった感じで、融けて消えてしまったようです。クリーチャーには、よくある現象です。生命活動を停止すると、消えるという現象……」
 リサ「証拠は無いのか……」

 リサは忌々しそうに早苗を見た。

 リサ「でも、先生が無事で良かった……」
 善場「そうですね。あなたもヒアリングをするので、急いで食べちゃってください。……ああ、着替えてからでいいですから」
 リサ「分かった」

 リサは大きく頷くと、魚に食らい付いたのだった。
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“愛原リサの日常” 「魔王軍、夜中の乱痴気」

2023-05-30 15:07:34 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月25日02時00分 天候:雨 東京都中央区日本橋浜町 某クリニック特別処置室]

 斉藤早苗「…………」

 夜中になり、斉藤早苗は目を覚ました。
 さすがに全員就寝しており、室内の照明も消灯している。
 室内に点灯しているのは、非常口誘導灯の白や緑のランプ、そして火災報知器の赤いランプくらいである。
 強いて言うなら、室内にある精密医療機器なんかも電源ランプやら何やら点灯しているが、そんなものが明かりの代わりになるわけがない。
 そんな室内の明るさの中、早苗は目を覚ました。
 その顔立ちは、就寝前に見せていた2人の物と多少異なっている。
 目はやや吊り上がって目付きは悪くなり、瞳の色は赤の三白眼。
 耳もやや尖っている。
 両手の爪もやや長く鋭く尖っている。
 早苗は起き上がると、ある場所へ向かった。
 その際、リサのベッドの脇を通ることになる。

 リサ「……どこへ?」
 早苗「!」

 リサの脇を通り抜けようとした時、リサが不意に声を掛けてきた。
 リサもまた人間に化けている状態の第0形態ではなく、鬼の姿である第1形態になっている。
 左右に2本角が生え、耳は長く尖り、両手の爪も長く鋭く伸びる。
 目も白目の部分が赤黒く濁り、黒目の部分は銀白色になる。

 早苗「……おトイレ」

 それだけ答えると、早苗は足早に処置室内のトイレに向かった。
 背後からはリサの鋭い視線が突き刺さっている。

 早苗(しまった……!少し変化しちゃってたの、バレた……?)

 リサは少し寝惚けた様子なので、それで見間違えたということになってくれれば良いと早苗は思った。
 尚、薄暗い室内だからという理由は通じない。
 自分もそうだが、リサのようなBOWは夜目がとても利くことは十分に想像できた。
 引き戸式の扉を開けると、消灯していたトイレの照明が自動で点灯する。

 

 トイレの中はとても広く、オストメイト対応になっている。
 車椅子対応になっているところは、さすがは診療所のトイレである。
 真新しいのは、リサが変化の際に壊したからだろう。
 早苗は検査着の裾を捲り上げると、下に穿いていたショーツを下ろして腰かけた。
 ショーツはリサの黒と違い、オーソドックスなピンク色である。

 早苗「んん……!」

 最初は普通の排便だった。
 しかし、それを終えても早苗は立ち上がろうとしない。
 まだ、出し切れていないのだろうか?

 早苗「う……」

 どうやらそのようだが、しかし彼女の肛門から出てきたのは、大便ではなかった。
 何やら、白い物が出て来る。
 その長さは数十センチほど。
 それがボチャンと便器内の水たまりに落ちる。

 早苗「ん……まだ……。あと……2匹くらいは……」

 そして、同じような白い蛇のような物がまたボチャンボチャンと便器内に落ちる。

 早苗「あはァ……!じゃあ……頑張ってね……」

 早苗は再び流すボタンを押した。
 水流が渦を巻いて、静かに3匹の何かを下水道に流していく。
 それを確認すると、彼女は再び尻を拭いて、そこでようやくショーツを穿いた。
 そして立ち上がり、手を洗ってからトイレの外に出ようとした。

 早苗「ひっ……!」

 ドアを開けて、早苗は息を呑んだ。
 そのショックで、思わずまた先ほどの顔つきに戻ったくらいだ。
 何故なら、そこにはリサが立っていたからだ。
 リサは相変わらず、第1形態のままである。

 早苗「お、お待たせしました……」

 早苗は再び元の顔つきに戻ると、作り笑顔で言った。

 早苗(全く気配を感じなかった……。さすがは『魔王様』……)
 リサ「今……何を流した?」

 リサは早苗に銀白色の瞳で睨みつけた。

 早苗(凄い威圧……!さすがは、あの『最も危険な12人の巫女』の生き残り……)
 リサ「何を流したのかと聞いてるんだ」
 早苗「な、何って……。う、ウ○○ですよ。ちょっと、お腹の調子が悪くなって……」
 リサ「それだけか?」
 早苗「えっ?」
 リサ「流したのはそれだけかと聞いているんだ。答えろ」

 リサは眼光を鋭く光らせ、牙を剥き出しにした。

 早苗「あ、あと、トイレットペーパーも……」

 ガッ!とリサ、早苗の首を両手で締め上げる。

 リサ「誤魔化すなよ?寄生虫の臭いがする。オマエ、わたしと同じ、寄生虫使いだったのか?」
 早苗「な、何のことかサッパリですぅ……」
 我那覇絵恋「……どうしたの?」
 リサ「!」
 早苗「!」

 そこへ絵恋も起きてきた。

 絵恋「トイレ……何かあったの?」
 早苗「な、何でもない。何でもないのよ、絵恋さん」
 リサ「おい!」
 早苗「たまたまお腹の中に寄生虫がいただけかもしれませんよ。わたし、もう寝ますね」
 リサ「待て!」
 絵恋「私、リサさんの寄生虫が欲しい」

 絵恋はリサの手を掴んで言った。

 リサ「もう無いったら!」

 リサは変化後、体内のウィルスはGウィルスと特異菌のみになった為、Tウィルスに感染していた寄生虫は全て死滅してしまっている。
 早苗は自分のベッドに戻ると、布団を頭から被ってしまった。

 リサ「くそっ!」

 リサはトイレの中を調べようと思った。
 だが、絵恋が入ろうとする。

 リサ「どけっ!」
 絵恋「ええ?私、オシッコしたい……」
 リサ「そこでしろ!」

 この多目的トイレは、東横インの1階ロビーにあるそれと似ていて、室内には洋式便器の他、センサー式の男子用小便器も1つあった。
 あくまでもこの特別処置室はリサ達専用ではない為、男性患者も使えるようにしているのだろう。
 リサはそこを指さした。

 絵恋「ええーっ!」

 リサは洋式便器の中を覗き込んでみた。
 しかし、僅かに水たまりがあるだけで、それ以外に何かがあるわけではない。

 リサ(でも僅かに寄生虫の臭いがする。わたしが寝る前に使った時は臭わなかったから、あいつが寄生虫を流したんだ。ちくしょう。わたしの体内に寄生虫があれば、それで追跡させられるのに……)

 絵恋は検査着の上から股間を押さえ、モジモジしている。

 絵恋「り、リサさん……。お願い……漏れそうなの……」
 リサ「だから、そこでしろって!」
 絵恋「できないよぉ……!」

 絵恋は泣き出してしまった。

 リサ「あー、もう分かったから!」

 リサは洋式便器から離れた。

 リサ「……!」

 そこでリサ、ふと気づく。

 リサ「エレン……もしかして、体内にまだわたしの寄生虫いる?」
 絵恋「分かんないけど……あっ、出る……!見ないで……」

 絵恋は便座に腰かけ、白いショーツを脱ぐと、すぐに放尿した。

 リサ「えい!」

 リサは寄生虫に『指示』を出した。

 絵恋「うっ……!お、お腹が……!」

 急に絵恋が大便を催した。

 絵恋「う、ウ○○も出ちゃう……。り、リサさん、お願い……外に出て……お願い……」
 リサ「わたしの寄生虫の状態を見るだけだって。早く出して」
 絵恋「い、いや……恥ずかしい……」

 だが、ブババと豪快な排便音と共に、絵恋の肛門から大便と白い蛇のようなものが出てきた。

 絵恋「よし!まだいたか!行けっ!サナエの寄生虫を追え!」

 リサは水洗ボタンを押して、絵恋に寄生していた自分の寄生虫に追跡命令を出した。

 絵恋「うう……ひっく……ひっく……」

 絵恋はリサに排尿だけでなく、排便まで見られたことに顔だけじゃなく、体中も真っ赤にして泣いていた。

 絵恋「何でこんな……うぅぅ……」
 リサ「ああ……悪かった。悪かったよ。てか、サナエが悪いんだ。あいつ、何が目的だ?」

 リサは絵恋の肩に手を置いた。
 しかし、その手をガッと絵恋が掴んだ。

 リサ「ん!?」
 絵恋「り、リサさんも!」
 リサ「え?」
 絵恋「私のトイレシーン見たんだから、見せてよね!?リサさんのオシッコやウ○○シーン!これでおあいこよ!!」
 リサ「な、何言ってるんだ、お前!?」
 絵恋「早くパンツ脱いで!ここに座って!」
 リサ「バカッ!やめろ!」

 しかし、絵恋の力強い攻撃に、リサもまた便座に強制的に座らされたのであった。
 その後は、【お察しください】。
 
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“愛原リサの日常” 「魔王軍の夜」

2023-05-28 21:06:50 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月24日21時00分 天候:雨 東京都中央区日本橋浜町 某クリニック『特別処置室』]

 リサ「はい、上がったよ」
 早苗「了解です」

 特別処置室内にはバスルームがあり、リサと絵恋が2人で入った。

 リサ「お風呂の栓は抜いて、流しておいた。サナエの好きな温度は分からないから、それは適当に入れて」
 早苗「分かりました」

 早苗はバスルームに行くと、再び栓をして、それからお湯を入れ始めた。
 その間、リサと絵恋は冷蔵庫に入れておいたペットボトルのジュースを飲む。

 リサ「お風呂上がりのジュースは美味しい」
 絵恋「そうね。……何か、とても入院してるような感じじゃないわねぇ……」

 絵恋は周りを見渡して言った。
 確かに室内は病院の処置室そのものである。
 ベッドだって3人横並びにベッドが置かれているが、それもキャスターの付いた入院患者用のものだった。
 3人一緒ということで、特に1人ずつカーテンで仕切られているようなことはない。

 絵恋「それにしても、この部屋だけどうして窓が無いのかしら……」
 リサ「さあ……?(私が変化して壊したからだろうな……)」

 室内にはテレビもあって、自由に観て良いということになっている。
 また、入院病棟のように、特に消灯時間が決まっているというわけでもなかった。
 起床時間は決められているが。
 そして、天井。
 明らかに、この部屋を監視するカメラが付いている。
 カーテンを付けないのは、監視しやすくする為だろう。
 但し、着替えなどは見えないように、可動式の衝立がある。
 バスルームの入り口前とかにある。
 リサ達は検査着のまま寝ることになり、エンジ色のそれを着たままである。

 リサ「何だかタイクツ……」
 早苗「トランプでもやりますか?」
 リサ「持って来てんの?」
 早苗「ええ。何にします?ポーカー?それとも、ブラックジャック?」
 リサ「どちらも、バイオハザード絡みか……。『今日、警備員のスコットとエリアス、研究員のスティーブと一緒にポーカーをやった』とか、『ルーカス・ベイカーの残虐ブラックジャック~!』とか」
 早苗「さすがは魔王様。何でも知ってるんですね」
 リサ「アンタも知ってるんじゃないの?」
 早苗「まあ、有名な話ですから」
 絵恋「私は知らないわ?」
 早苗「……さて、そろそろお湯が溜まった頃かなぁ……」
 リサ「熱いお湯が好きなの?」
 早苗「一緒に入ります?」
 リサ「んん?」
 絵恋「ちょ、ちょっとォ!」
 リサ「いや、さっきエレンと一緒に入ったからいいって」
 早苗「そうですか。じゃあ、私1人で……」
 リサ「ゆっくり入ってきなよ。先にトランプやってるから」
 絵恋「そうよ」
 早苗「それじや、お言葉に甘えて……」
 リサ「サナエ」
 早苗「何ですか?」
 リサ「ダクトは塞がれてる。脱出はできないよ?」
 早苗「あらあらあら。それは残念ですねぇ……」
 絵恋「な、何の話ですか?」
 早苗「なーんでも……」
 リサ「……無い」

 早苗はタオルや洗面道具、換えの下着などを持ってバスルームに向かった。
 尚、これとは別に洗面所やトイレもある。
 トイレはリサを安心させる洋式である。

 リサ「早速やろう」
 絵恋「はーい」
 リサ「やっぱり女は黙って……」
 絵恋「ソリティア?」
 リサ「ソリティア……って、何でやねん!?1人用だろ!」
 絵恋「あっ……」
 リサ「女は黙ってバカラだろ?」
 絵恋「ええーっ!?ギャンカス魔王様……」
 リサ「何か言った?」
 絵恋「い、いえ、何でも……」
 リサ「昔、お兄ちゃんがエレンんとこのメイドさん達とそれやってたけどね?」
 絵恋「なっ……!あのメイド達……!」
 リサ「お兄ちゃんの大勝ちだったみたいだけど……」
 絵恋「り、リサさん!ギャンブルとは関係の無いトランプにしましょう!ババ抜きとか……」
 リサ「うーん……分かった」

 それからしばらくして、バスルームから斉藤早苗が出て来る。

 リサ「ダクト、塞がれてたでしょ?」
 早苗「まあ、そうですね」
 絵恋「だから一体、何の話?」
 リサ「それより早苗、トランプやろ!」
 早苗「じゃあポーカーにしましょう」
 絵恋「だから、何で2人してカジノのトランプをやりたがるの?」

 それから1時間ほど経過……。

 絵恋「外は雨が降ってきたみたいよ」
 リサ「窓が無いのに、よく分かるな?」
 絵恋「ウェザーニュースのお知らせよ」
 早苗「沖縄は冬でも急に天候が変わって雨が降ったりするからね」
 リサ「ふーん……。おっ、よし!フォーカードだ!」
 絵恋「ええっ!?」
 リサ「エレンは?」
 絵恋「私……ワンペアでした……」
 早苗「2人とも、甘いですね。ロイヤルストレートフラッシュ!」
 リサ「おい、フザけるな!さっきもストレートフラッシュだったじゃん?」
 早苗「ちょっと魔王様。2連勝したくらいで、イカサマ呼ばわりはやめてもらえます?」
 リサ「だって、サナエの所にばっかりジョーカー行かない?」

 普通、ポーカーにはジョーカーは使わない。
 しかし、東京中央学園上野高校では、伝統的にポーカーにはジョーカーを使うローカルルールがある。
 そのジョーカーは何のカードの役割を果たしても良いことになっており、また、ジョーカーが2枚あるトランプにおいては、『悪魔の手札』として、ロイヤルストレートフラッシュよりも上、つまり最強というローカルルールまであった。
 但し、『悪魔の手札』を何度も行っている者は悪魔に呪われるという、“東京中央学園上野高校七不思議”の1つとして語られることもあった。
 その為、一時期は生徒会などで校内におけるポーカーの自粛を呼び掛けられるほどであったという。

 早苗「来ちゃうんだから、しょうがないですよ。まだ、2枚来ないだけマシってなもんです」
 リサ「うーん……」
 絵恋「だからリサさん、『ジョーカーの2枚入っているトランプでポーカーをやる場合、必ずジョーカーを全部抜くか、1枚のみにしなければならない』っていう決まりもありましたよね?」
 リサ「あったけど、あんなもの絵に描いた餅でしょ。だって本当に悪魔が宿っていたら、抜いていたところで、いつの間にかトランプの中に戻っていて、狙いを付けた人間の所に行くっていう話もあったよ?」
 早苗「つくづく、東京中央学園って怖い所だったんですね」
 リサ「サナエ。……オマエ……いや、あなたと言った方がいいか?“トイレの花子さん”でしょ?白い仮面は持ってる?」
 絵恋「ええっ!?」
 早苗「何のことですか?」
 リサ「忘れたの?あなたが幽霊だった頃、わたしが旧校舎に行ってよく話をしたじゃない。わたしの悩みとかも聞いてくれて……」
 早苗「さあ……覚えてませんね。幽霊も成仏したり、転生したりすると、幽霊だった頃の記憶なんて無くなると言いますし、気のせいってことにしてください」
 リサ「むー……」
 絵恋「もうやめましょ。私どうせ弱いから、ツーペアとかスリーカード以上は出せそうにないし、そろそろ寝ましょうよ」
 リサ「ん。エレンがそう言うならそうしよう」
 早苗「明日、6時起床からの検温とかですよね。長旅の疲れもありますし、そろそろ寝ましょう」
 絵恋「歯磨きしてくる」
 リサ「わたしはトイレ」

 リサは自分のベッドから下りて、スリッパを履いた。
 その時、大きく足を開いた為、検査着の下に穿いている黒いショーツが丸見えになる。

 リサ「まさかとは思うけど、寝てる間に襲うなよ?」
 早苗「魔王様こそ」
 リサ「わたしはそんなことしない」

 リサは吐き捨てるように言うと、室内にあるトイレに向かった。
 トイレは所謂、多目的トイレになっている。
 リサはそこに入ると鍵を閉め、便座に腰かけた。
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“私立探偵 愛原学” 「探偵1人の夜」

2023-05-27 20:31:57 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月24日18時00分 天候:晴 東京都中央区日本橋浜町 ホテル東横イン日本橋浜町明治座前]

 私は善場主任に連れられて、近隣のホテルにチェックインした。
 一方、高橋はマンションに着替えを取りに行っている。
 このホテルは東横インの中でも、小規模なホテルである。
 大規模店舗の成田空港と比べて、例えば向こうはエレベーターが4基あったのに対し、こちらは1基しかない。

 善場「高橋助手と合わせてツインルームを取っておきましたので……」
 愛原「ありがとうございます。主任もお泊りになるんですか?」
 善場「内緒です」
 愛原「え?」
 善場「高橋助手がここに着くまで、部屋でお休みになっては如何です?私はクリニックに戻りますので」
 愛原「そ、そうですか」

 私はチェックインした。
 部屋の鍵であるルームキーを受け取る。
 そして、他の店舗でもそうしたように、アメニティだのナイトウェアだのを持ってエレベーターに乗り込んだ。
 それで、ツインルームに行くと……。

 愛原「……!?何か、広いな?」

 成田空港で泊まったのとは違う内装だった。
 もしかして、高い部屋なのだろうか?
 そんな高い部屋、取ってもらわなくても良かったのに……。
 よく見ると、広いベッドと狭いベッドがあった。
 狭いベッドといっても、こちらが通常のシングルベッド。
 広い方はセミダブルといった感じか。
 しかも、トイレと浴室が別々になっていた。
 しかし、そこに入ってみてようやく気付いた。
 車椅子のまま入れる広さになっている。
 つまりこの部屋は、バリアフリールームなのだ。
 何故この部屋を予約したのだろう?
 単に、ここだけしか空いてなかっただけか?
 私はスマホを取り出し、それでメールをしてみた。
 すると、答えは簡単だった。

 善場「仰る通り、ツインはそこしか予約できなかったからです」

 とのことだった。
 何だ。
 単に、他に部屋が満室だったからか。
 まあ、土壇場で予約したような部屋だから、しょうがないと言えばしょうがないか。
 私は高橋に、いつホテルに来るか聞いてみようかと思った。
 すると、高橋から着信があった。
 もうホテルに着いたのか。

 愛原「もしもし?」

 私が電話に出ると……。

 パール「愛原先生?」

 ややドスの効いた女の声が向こうから聞こえてきた。

 愛原「そ、その声は……」
 パール「パールだよ。久しぶりだね?愛原先生」
 愛原「パール!?そのスマホは高橋のだろ?!高橋はどうした!?」
 パール「マサとは、これからクリスマスデートに行くんだ。いいでしょ?」
 愛原「いや、いいでしょってアンタ……」
 パール「荷物ならちゃんとホテルまで持って来たよ。早く取りに来てよ」
 愛原「わ、分かった!今行く!」

 私は電話を切った。
 パールのヤツ、一体何だって……。

 愛原「パール!」

 パールと高橋はバイクに乗っていた。
 具体的には1台の大型バイクにパールが乗り、その後ろに高橋が乗っている状態。
 ホテルの外に出て、2人に駆け寄る。

 高橋「先生……サーセン……」
 パール「ほら、荷物」
 愛原「これは一体、どういうことなんだ!?」

 ヘルメットのバイザーを上げると、ボコボコにされた高橋の顔が見えた。

 高橋「さ、サーセン……。マンションに戻ったら、こいつと鉢合わせになっちゃって……。『クリスマスデートに行かないと殺す』と言われまして……」

 パールは手持ちのアーミーナイフを取り出すと、その刃をペロッと舐めた。

 愛原「ちょっと困るなぁ!高橋は今、俺と一緒に業務中……」
 パール「有給取るから、ヨロシク」

 パールはバイクを急発進させた。

 愛原「ちょっと!おーい!」

 高橋、殆ど拉致されてしまった。
 これは……明日まで帰って来ないパターンか……。
 私はホテルに戻ると、善場主任に電話した。

 愛原「……というわけなんです」
 善場「それはそれは。モテる男は辛いですね」
 愛原「善場主任~」
 善場「我々は愛原所長と業務委託契約を結んでいるのです。高橋助手は関係ありません」
 愛原「そ、そりゃそうですけど……」
 善場「高橋助手の起訴猶予が取り消されないといいですね」
 愛原「は、はあ……」

 やはり善場主任、冷たい時は冷たい。

 愛原「へ、部屋の方はどうしましょう?」
 善場「今更変更はできませんので、そのままその部屋をご使用頂いて構いません」
 愛原「わ、分かりました」
 善場「愛原所長も大変ですね」
 愛原「そ、そうですね」
 善場「差し出がましいとは存じますが、もっとまともな人材を確保されることをお勧めします」
 愛原「す、すいません……」

 まともでない人材の中に、高野芽衣子君も入っているんだろうな、きっと……。

 愛原「夕飯でも食ってくるか……」

 私は着替えの入った荷物を部屋に置いて行き、それから夕食を食べに行こうと思った。
 贅沢するつもりは無く、近くに吉野家があるらしい。
 そこに行くことにした。
 リサ達、ちゃんとした夕食を食べれているだろうか……?
 すると、リサからLINEが来た。

 愛原「あ、俺より高級だ」

 どこかから、仕出し弁当でも頼んだのだろう。
 トンカツ弁当が映っていた。
 美味そうな弁当だ。
 私もトンカツ食べたくなってきた。
 幸い、近くにトンカツ屋があるらしい。
 そこに行って、夕食を食べることにした。
 ……まさか、その店からケータリングしたものだったりしてな。

[同日20時00分 天候:晴 同ホテル客室]

 夕食を終えて部屋に戻った私は、インスタントのお茶を入れた。
 トンカツ屋でビール1杯飲んできたのだが、何だか『孤独のグルメ』をやっている気分になった。
 それにしても、高橋やリサがいないと本当に静かだ。
 ……うん、静かだな。
 テレビを点けて、バラエティ番組でも観るのだが、すぐそこに体操服にブルマ姿で寝転がっているリサがいないと……何だか寂しい。
 明日、リサ、無事にクリニックを出られるといいな……。
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“私立探偵 愛原学” 「検査の結果は……」

2023-05-27 11:51:02 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月24日17時00分 天候:晴 東京都中央区日本橋浜町 某クリニックのあるフロアのリフレッシュルーム]

 愛原「お前のスマホにやたら来ているLINE、パールからなんだろ?『一緒にクリスマスデートしよう』って話なんだろ?」
 高橋「ちちち、違います!」
 愛原「嘘つけ、このやろ!ちょっとスマホ見せろ!」
 高橋「か、カンベンしてください!!」
 警備員「どうしました?何かありましたか?」

 巡回中の警備員に怪しまれる。

 愛原「な、なな、何でもないです!スイマセン!」
 警備員「館内では、お静かにお願いします」
 愛原「は、はい!」

 警備員が立ち去った後で……。

 愛原「ったく!お前のせいで怪しまれただろうが!」
 高橋「さ、サーセン……」
 愛原「で、結局のところどうなんだ?」

 私は高橋から奪い取ったタバコを手に取ると、それを口に咥えた。
 高橋が自分の懐から、そっとライターを取り出す。

 高橋「そ、それは……」
 警備員「お客様、おタバコは喫煙室でお願いします」
 愛原「プッ!」
 高橋「ブッ!」

 と、そこへ、善場主任が走って来た。

 善場「愛原所長!ちょっといいですか!?」
 愛原「あ、はい」

 何かあったのだろうか?
 私と高橋は、一緒にクリニックに戻った。
 そして、所内のカンファレンスルームに入る。
 よほど変なウィルスでも検出されたのだろうか?

 善場「そこにお掛けください」
 愛原「は、はい」
 高橋「一体、何だってんだ?」
 善場「まず……結論から申し上げます。あのコ達は、ここで1泊してもらいます」
 高橋「ガチでヤバいウィルスでも出たんか?」
 愛原「となると、俺達も感染してるかもしれんで?」
 高橋「姉ちゃん!俺達も泊まれっつーんじゃねーだろうな!?」
 善場「はい。但し、お2人はホテルに泊まって頂きます。以前、泊まったことありますよね?この近くのホテル」
 愛原「ああ。東横イン、この近くにありますね。……って、私達は検査しなくていいんですか?」
 善場「恐らくお2人を検査しても、今リサから受けている物以上の物は出ないでしょう」
 高橋「一体、どういうことなんだ?」
 善場「もっと言ってしまいますと……あのコ達……具体的にはリサ以外ですが、ウィルスは検出されませんでした。
 愛原「はあ?!」
 高橋「どういうこっちゃ???」
 善場「リサに関しては、言わずもがなですね。既にBOWであるわけですから、持ち前のGウィルスや特異菌が検出されるのは想定内です。リサに関しては、それ以外のウィルスは検出されませんでした」
 愛原「リサは異常無しってことですな。あの2人から、全くウィルスが検出されなかったですって?」
 善場「厳密に言いますと、我那覇絵恋さんからは微量の特異菌は検出されました。ただ、それはリサから受けた物だと判断されます。肝心の……斉藤早苗が持っているはずのウィルス等が全く検出されなかったのです」
 愛原「土壇場でワクチンを投与した?」
 善場「それにしたって、痕跡はあります。抗体ができたりとか……」
 愛原「あっ、そうか……」
 善場「まるで、最初からそんなウィルスなど体内に無かったかのようなデータが出てしまったのです」
 愛原「牙が生えていたりしたのにねぇ……」

 私はふと思った。
 早苗が余裕しゃくしゃくの態度なのは、こういうカラクリを使えるからなのではないかと。
 しかし、今までウィルスだの特異菌だの、完全に隠せるBOWなんて見たことも聞いたこともない。
 そのカラクリが解明されなければ、斉藤早苗は最初から『人間』だったということになる。
 それは、善場主任も思ったらしい。

 善場「あの3人には、今夜一晩泊まってもらいます」
 愛原「リサはいいんじゃないですか?」
 善場「リサに関しては、見張り役というのもありますので」
 愛原「見張り役?」
 善場「もしも斉藤早苗が正体を現した場合、同室の我那覇絵恋さんが危険です。それで」

 なるほど。
 見張り役というよりは、護衛役か。
 善場主任も、リサを信用してくれるようになったか。

 愛原「分かりました。夕食はどうしますか?」
 善場「あの3人については、既にお弁当を発注していますので」
 高橋「弁当かよ。寂しいな」
 善場「仕方ありませんよ。そういうことで、よろしくお願いします」
 愛原「もう一泊するのなら、着替えを取りに行かないとな」
 高橋「そうですね。俺が行ってきますよ。先生はホテルで休んでいてください」
 愛原「そうか?悪いな」
 高橋「いえいえ」

 カンファレンスルームを出ると、『特別処置室』の扉が解錠されるところだった。

 リサ「先生、クリスマスパーティーは?」
 絵恋「ちょっとぉ!まだ着替えちゃダメなの?」
 早苗「いい加減にしてもらえませんか?」
 善場「ダメです。今夜は一晩、こちらに泊まって頂きます」
 リサ「また『入院』かぁ……」

 変化中のリサに破壊された特別処置室も、今は元通りに修復されている。
 病院の入院病棟にあるようなベッドが3つ並んでいた。

 絵恋「り、リサさんも一緒なの?」
 リサ「とんだトバッチリだよ。せっかく、先生とクリスマスパーティーしたかったのに……」
 愛原「まあまあ。今日はイブだ。本当のクリスマスは明日なんだから、明日にしようよ」
 リサ「しょうがないねぇ……。先生はどうするの?」
 愛原「前回みたいに、俺と高橋は近くのホテルに泊まるよ。これから高橋に、着替えを取りに行ってもらうところだ。リサはどうする?」
 リサ「泊まるのは今夜だけでいいんだよね?」

 リサは善場主任を向いた。

 善場「クリニックの都合もあるので、泊まれるのは一晩だけです」

 恐らく、人間ドッグの『1泊2日コース』にかこつけているのだろう。

 善場「もしも結果が最悪でしたら、藤野に移送させて頂きます」
 リサ「やっぱりそうくるか……。それなら、まだいい」
 愛原「いいのか?」
 リサ「下着は多めに持って来たし……」
 善場「生理用品くらいでしたら、こちらで用意しますよ」
 リサ「それならいい」
 絵恋「リサさんがそう仰るのなら……」
 早苗「『魔王様』の命令は絶対だからね」
 愛原「それじゃリサ、また明日な?」
 リサ「先生、先生。ちょっとちょっと」

 リサは私を手招きした。

 愛原「ん?どうした、リサ?」

 リサは顔を近づけると……私の唇を奪った。

 愛原「!!!」
 絵恋「り、リサさん!?」
 早苗「ほお……」
 絵恋「先生!リサさんに何てことするんですか!?」
 愛原「お、俺が勝手にやられたんだよ!」
 リサ「『夫婦がキスするのは当然だっちゃ』……だよね?」
 愛原「お前なぁ……」
 善場「リサも突然のことで寂しいのでしょう。多目に見ます。この程度では、新たなウィルスには感染しないでしょうし。特に愛原所長は」
 愛原「な、何ですか、それは……」
 善場「とにかく、ホテルを取ってありますので、そこまでご案内致します。3人はこのクリニックからの外出を禁止します。もしも破った場合は……」
 リサ「BSAAが出動してくるんだね。分かった分かった」
 善場「そういうことです」
 絵恋「せめて自販機コーナーくらいまでは行かせて欲しいなぁ……」
 善場「なるほど。それでは、今のうちに買い込んできてください」
 愛原「ほれ」

 私は1000円札を渡した。

 愛原「ここの自販機、現金しか使えないから」
 リサ「おー、さすが先生!」
 愛原「仲良く分けるんだぞ」
 リサ「はーい」
 善場「飲み水くらいでしたら、クリニック内のウォーターサーバーが使えますので」
 リサ「だから、それ以外のジュースだね」

 まずは少女達に飲み物を買いに行かせ、それから私と善場主任はクリニックをあとにした。
 因みに特別処置室内には、冷蔵庫があるので、買った飲み物はそこでストックできるという。
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