先日、関西地方の私鉄で、走行中の電車に自殺者が飛び込んできたという事案があった。自殺者は貫通扉を突き破って、運転室内に飛び込んできたとのこと。
その電車は新人研修中で、新人運転士がハンドルを握っていたという。その横には、指導教官。自殺者は指導教官とぶつかったとのこと。
多分、電車にもドライブレコーダーが付いていたと思うが、それが公開されることはない。外国では路線バスが大事故を起こした場合、日本のニュースでその時の映像が公開されることがあるが、何故か日本国内の事故はあまり公開されることはない。不思議なものだ。
アメリカの場合はクラッシュ映像として、中国の場合は笑い話として紹介されるのは気のせいか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
“新人魔王の奮闘記”から。
政権運営も安定してきた頃、“外遊”と称して人間界へやってきたルーシー。東京へやってきたルーシーは、ある劇場で公演されていたミュージカルを観劇した。
〔「『あら、おやつの時間だわ』」〕
ズシャッ!
〔「悪の華♪可憐に散る♪鮮やかな彩で♪のちの人々はこう語る♪嗚呼♪彼女は正に悪ノ娘♪」〕
「グスッ……」
(魔王様が傾国の物語を鑑賞するか……)
同行した安倍春明は呆れていたが、ルーシーは純粋にハンカチ片手に観劇している。
「いいミュージカルだったね」
ルーシーはパンフレット片手に、劇場を出た。
「異世界通信社から、いいネタにされそうですな」
春明は苦笑した。
「うちも双子の召使を雇うわ」
「やめときなさいって!」
その時、ルーシーはある店の前で足を止めた。それは回転寿司だった。
「ハルアキ。前々から疑問だったんだけど、これ……」
「は?」
「Sushi...回る……」
「ああ、回転寿司ね。ルーシー、日本留学時代来なかった?」
「無かったね」
「異国の文化に触れるのも“外遊”の目的。ちょっと体験してみましょうか」
早速入店してみる。その時、春明はふと思った。
(てかこの魔王様、ラージサイズのポップコーン食ってなかったか、さっき???)
ボックス席に座る。最近の回転寿司店はベルトコンベアの上に、新幹線が走っていたりする。
「Oh!面妖な!しかも、Look!ハルアキ、Sushiだけじゃなく、うどんやスイーツまで!」
ズルズルとうどんをすするルーシーだった。
「だからって、いちいち取って食べる必要は無いんだよ」
ハルアキは呆れて言った。そしてふと嫌な予感がする。
(まさか後で魔王城に、この設備作れなんて言うんじゃないだろうな……)
とはいえ、ポップコーン食った後の割には、ガンガン食う魔王様。グラマラスなボディは、この食欲にあると首相は確信した。
「むっ!?」
その時、ルーシーは更に新しい寿司をロックオンした。危うく隣の席に流れていく皿を取った!が、隣の席の客も同時に掴んだ。
「むっ!?」
「ん?」
ハルアキは隣の席を覗いて見た。
「あーっ!?」
そこにいたのは、粛正された民主党タカ派の天野刀弥とその仲間2名であった。
春明と天野は同年齢である。
タカ派が粛正された後、人間界に舞い戻っていたとは聞いていたが……。
「今のは俺が速かっただろ?」
「No!わたしよ!」
しかし、天野の仲間達は苦笑いしていた。
「譲ってあげなよー」
「レディ・ファーストだぞ?刀弥」
「ちっ……」
「あまとう君、ハンバーグかい?意外とお子様だねー」
春明は少し嫌味を込めて言った。
「あまとうじゃねぇ!いいか?こういう所のハンバーグは、案外手間ひま掛けてんだ。ナメんじゃねぇ」
「はいはい」
天野は気を取り直して、ベルトコンベアを見た。
「……。おい、全然流れてこねーぞ!」
その時、気づく。
「げっ!?」
ルーシーが流れてくる皿、全部取って次々に食っていた。
「ま、マジかよ……」
食事が一段落する。
「このデザート、スロットができるぞ」
春明は端末のタッチパネルを操作した。
「ゲームもできるの?」
「まあね」
そして、スロットが回る。
「Oh!?」
だが、最後の絵が外れてしまった。
「フン、気合いが足りねーぜ。これじゃ、ルーシー政権も終わりだな」
天野は寿司を頬張りながら言った。
「シャラップ!こんなのゲームでしょうよ!」
「まあまあ、ルーシー」
ムキになるルーシーを止める春明。
すると今度は、天野のスロットが回り始めた。
「あっ、当たった」
「ゲッツ!見たか!今度こそこの勢いで王制ブッ潰して民主制立ててやる!」
「Shit!」
だが、
「こちらが景品になります」
店員が持ってきたのは、ゼンマイ式のおもちゃ。
「…………」
「良かったな、あまとう君」
「……あまとうって呼ぶなっ!」
その電車は新人研修中で、新人運転士がハンドルを握っていたという。その横には、指導教官。自殺者は指導教官とぶつかったとのこと。
多分、電車にもドライブレコーダーが付いていたと思うが、それが公開されることはない。外国では路線バスが大事故を起こした場合、日本のニュースでその時の映像が公開されることがあるが、何故か日本国内の事故はあまり公開されることはない。不思議なものだ。
アメリカの場合はクラッシュ映像として、中国の場合は笑い話として紹介されるのは気のせいか。
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“新人魔王の奮闘記”から。
政権運営も安定してきた頃、“外遊”と称して人間界へやってきたルーシー。東京へやってきたルーシーは、ある劇場で公演されていたミュージカルを観劇した。
〔「『あら、おやつの時間だわ』」〕
ズシャッ!
〔「悪の華♪可憐に散る♪鮮やかな彩で♪のちの人々はこう語る♪嗚呼♪彼女は正に悪ノ娘♪」〕
「グスッ……」
(魔王様が傾国の物語を鑑賞するか……)
同行した安倍春明は呆れていたが、ルーシーは純粋にハンカチ片手に観劇している。
「いいミュージカルだったね」
ルーシーはパンフレット片手に、劇場を出た。
「異世界通信社から、いいネタにされそうですな」
春明は苦笑した。
「うちも双子の召使を雇うわ」
「やめときなさいって!」
その時、ルーシーはある店の前で足を止めた。それは回転寿司だった。
「ハルアキ。前々から疑問だったんだけど、これ……」
「は?」
「Sushi...回る……」
「ああ、回転寿司ね。ルーシー、日本留学時代来なかった?」
「無かったね」
「異国の文化に触れるのも“外遊”の目的。ちょっと体験してみましょうか」
早速入店してみる。その時、春明はふと思った。
(てかこの魔王様、ラージサイズのポップコーン食ってなかったか、さっき???)
ボックス席に座る。最近の回転寿司店はベルトコンベアの上に、新幹線が走っていたりする。
「Oh!面妖な!しかも、Look!ハルアキ、Sushiだけじゃなく、うどんやスイーツまで!」
ズルズルとうどんをすするルーシーだった。
「だからって、いちいち取って食べる必要は無いんだよ」
ハルアキは呆れて言った。そしてふと嫌な予感がする。
(まさか後で魔王城に、この設備作れなんて言うんじゃないだろうな……)
とはいえ、ポップコーン食った後の割には、ガンガン食う魔王様。グラマラスなボディは、この食欲にあると首相は確信した。
「むっ!?」
その時、ルーシーは更に新しい寿司をロックオンした。危うく隣の席に流れていく皿を取った!が、隣の席の客も同時に掴んだ。
「むっ!?」
「ん?」
ハルアキは隣の席を覗いて見た。
「あーっ!?」
そこにいたのは、粛正された民主党タカ派の天野刀弥とその仲間2名であった。
春明と天野は同年齢である。
タカ派が粛正された後、人間界に舞い戻っていたとは聞いていたが……。
「今のは俺が速かっただろ?」
「No!わたしよ!」
しかし、天野の仲間達は苦笑いしていた。
「譲ってあげなよー」
「レディ・ファーストだぞ?刀弥」
「ちっ……」
「あまとう君、ハンバーグかい?意外とお子様だねー」
春明は少し嫌味を込めて言った。
「あまとうじゃねぇ!いいか?こういう所のハンバーグは、案外手間ひま掛けてんだ。ナメんじゃねぇ」
「はいはい」
天野は気を取り直して、ベルトコンベアを見た。
「……。おい、全然流れてこねーぞ!」
その時、気づく。
「げっ!?」
ルーシーが流れてくる皿、全部取って次々に食っていた。
「ま、マジかよ……」
食事が一段落する。
「このデザート、スロットができるぞ」
春明は端末のタッチパネルを操作した。
「ゲームもできるの?」
「まあね」
そして、スロットが回る。
「Oh!?」
だが、最後の絵が外れてしまった。
「フン、気合いが足りねーぜ。これじゃ、ルーシー政権も終わりだな」
天野は寿司を頬張りながら言った。
「シャラップ!こんなのゲームでしょうよ!」
「まあまあ、ルーシー」
ムキになるルーシーを止める春明。
すると今度は、天野のスロットが回り始めた。
「あっ、当たった」
「ゲッツ!見たか!今度こそこの勢いで王制ブッ潰して民主制立ててやる!」
「Shit!」
だが、
「こちらが景品になります」
店員が持ってきたのは、ゼンマイ式のおもちゃ。
「…………」
「良かったな、あまとう君」
「……あまとうって呼ぶなっ!」