[4月27日09:00.天候:曇 東京都江東区豊洲 敷島エージェンシー]
敷島とシンディを乗せたハイヤーが豊洲アルカディアビルに到着する。
今度は予め登録したハイヤーなので、特に事前の入構申請などは必要無い。
但し、テナントビルたるこの建物の車寄せに到着するハイヤーの中では、敷島のは安い方かもしれない。
何せベンツSクラスやトヨタ・センチュリーも発着する中で、敷島のはミライだからだ。
もっとも、これとて新車で買えば700万円以上、つまりゼロ・クラウン並みの金額ではあるのだが。
運転手:「お疲れ様でした」
敷島:「ありがとう。後のことはよろしく」
運転手:「かしこまりました。それでは11時半に、弊社のワゴンタクシーがお迎えに上がります」
敷島:「よろしく」
敷島はそう言ってハイヤーを降りた。
警備員:「おはようございます!」
敷島:「おはようございます。今日の役員、私だけでしょ?」
警備員:「あ、はい。そうです」
敷島:「ゴールデンウィークに出勤してくる役員さん、他の企業さんにはいないだろうなぁ」
敷島はそう言って、シンディが先に乗り込んでいるエレベーターに乗り込んだ。
敷島:「もっとも、俺達もこれから出かけるけどな」
シンディ:「社長の場合はお仕事ですから」
敷島:「他に役員さんがあそこを使わないということは、慌てる必要は無さそうだ」
シンディ:「そうですね」
多くの企業が入居しているテナントビル。
敷島エージェンシーは、そのうちのワンフロアを賃貸しているだけに過ぎない。
しかしVIP用車寄せはスペースに余裕があるわけではなく、朝はタイミングが悪いと手前で待たされることがある。
なので、時間帯によっては出発用に使おうとすると断られることがある。
敷島:「おはよう」
鏡音リン:「あっ、しゃちょー!おはYo~!」
鏡音レン:「おはようございます!社長!」
敷島:「朝から元気がいいな」
鏡音リン:「もち!充電100%」
敷島:「そりゃあいい。といっても、出発は11時半だからそれまでゆっくりしてな」
鏡音リン:「はーい」(^O^)/
敷島はそう言うと、リンとレンの頭を撫でて社長室に入った。
敷島:「メールだけで150通は来るから大変だ」
シンディ:「それだけの立場ということですよ」
シンディは給湯室からコーヒーを入れて来た。
敷島:「今は、そうか」
シンディ:「例の事件のことは何か?」
敷島:「お前のメモリーを見せてもらったよ。前期型の時のな」
シンディ:「ああ、あれですか」
南里の葬儀の時、南里のライバルたるウィリアム・フォレストの名代としてシンディがやってきた。
だがその時、シンディが持って来たのは『御霊前』でも『御仏前』でもなく、『御祝儀』であった。
参列者が唖然とする中、悠然と立ち去るシンディ。
だが、両目をギラリと光らせ、右手をマシンガンに変形させて追おうとするエミリーの画像が映っていた。
シンディ:「私には……黒歴史ですけどね」
敷島:「吉塚博士は香典を持って来て、そのまま焼香して帰っただけかと思っていたけど、しっかり参列していたんだな。お前のメモリーにしっかり映っていたよ」
敷島がそう思っていたのは、エミリーのメモリーにはその画像しか残っていなかったからだ。
どうやら吉塚博士は、エミリーのメモリーになるべく残らないよう、彼女の視界に入らないようにしていたらしい。
しかしそこへ、まさかのシンディ(前期型)が登場。
彼女のメモリーにはしっかり残ることになってしまう。
敷島:「吉塚博士は1人で来たわけではなかった。どういう関係かは知らないが、子供が2人同行していた。多分、孫か何かだと思うけど」
シンディ:「ロイドではないでしょうね。もしそうでしたら、私も姉さんも反応するはずですから」
敷島:「そうだな。で、吉塚博士は寿命で死んだわけだが、問題は当時のこの2人の少年達だ。大きい方は当時10歳くらい。今なら、とっくに20代だ。井辺君よりも年下かもしれない」
シンディ:「はい」
敷島:「そして小さい方。こっちはまだうちのトニーくらいだ。まだ10代だろう。このコ達に接触したいと思う」
最近になって吉塚博士は、わざわざ南里の為に静岡県富士宮市から老体をおして宮城県仙台市泉区まで行ったわけではなかったようだ。
たまたま仙台市内またはその周辺に滞在している時、南里の死を知ってやって来ただけのようだ。
では何故、たまたま滞在していたのか?
恐らく親族がその辺りに住んでいて、それでいたのではないか。
吉塚博士がどういう意図で2人の子供を連れて来たのか定かでないが、今となっては重要な証言者となるわけだ。
敷島:「もちろんイベントの仕事も大事だが、それと並行できる所は並行したいと思う」
シンディ:「かしこまりました。でも必ず、私か姉さんを同行させてくださいよ。もちろん、両方でもいいですけど」
敷島:「分かってるよ」
[同日12:00.天候:曇 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]
敷島達を乗せたワゴンタクシーが東京駅八重洲口に到着する。
あくまでも契約はタクシー扱いというだけで、ハイヤーにも使えるミニバンタイプである。
運転手はいつものハイヤーとは別人である。
シンディ:「タクシーチケットで払います」
シンディが料金の精算をしている間、敷島達は荷物を下ろす。
敷島:「お前達の大事な部品や予備バッテリーが入ってるんだ。扱いは慎重にな」
レン:「分かりました」
リン:「衣装は?リン達の衣装は無いの?」
敷島:「それは直接会場に届くことになっている。自分達の私物は自分で持ってもらうということだな」
2人のボカロ姉弟は設定年齢14歳らしく、どちらもブレザーを羽織っている。
え?公式のイラストの服じゃないのかって?
あれは宣材写真のようなものだ。
コンポジットに使う衣装をそのまま着るとは限らない。
シンディ:「お待たせしました」
敷島:「よし。じゃあ、行こうか」
4人はゴールデンウィークでごった返す東京駅構内を進んだ。
敷島とシンディを乗せたハイヤーが豊洲アルカディアビルに到着する。
今度は予め登録したハイヤーなので、特に事前の入構申請などは必要無い。
但し、テナントビルたるこの建物の車寄せに到着するハイヤーの中では、敷島のは安い方かもしれない。
何せベンツSクラスやトヨタ・センチュリーも発着する中で、敷島のはミライだからだ。
もっとも、これとて新車で買えば700万円以上、つまりゼロ・クラウン並みの金額ではあるのだが。
運転手:「お疲れ様でした」
敷島:「ありがとう。後のことはよろしく」
運転手:「かしこまりました。それでは11時半に、弊社のワゴンタクシーがお迎えに上がります」
敷島:「よろしく」
敷島はそう言ってハイヤーを降りた。
警備員:「おはようございます!」
敷島:「おはようございます。今日の役員、私だけでしょ?」
警備員:「あ、はい。そうです」
敷島:「ゴールデンウィークに出勤してくる役員さん、他の企業さんにはいないだろうなぁ」
敷島はそう言って、シンディが先に乗り込んでいるエレベーターに乗り込んだ。
敷島:「もっとも、俺達もこれから出かけるけどな」
シンディ:「社長の場合はお仕事ですから」
敷島:「他に役員さんがあそこを使わないということは、慌てる必要は無さそうだ」
シンディ:「そうですね」
多くの企業が入居しているテナントビル。
敷島エージェンシーは、そのうちのワンフロアを賃貸しているだけに過ぎない。
しかしVIP用車寄せはスペースに余裕があるわけではなく、朝はタイミングが悪いと手前で待たされることがある。
なので、時間帯によっては出発用に使おうとすると断られることがある。
敷島:「おはよう」
鏡音リン:「あっ、しゃちょー!おはYo~!」
鏡音レン:「おはようございます!社長!」
敷島:「朝から元気がいいな」
鏡音リン:「もち!充電100%」
敷島:「そりゃあいい。といっても、出発は11時半だからそれまでゆっくりしてな」
鏡音リン:「はーい」(^O^)/
敷島はそう言うと、リンとレンの頭を撫でて社長室に入った。
敷島:「メールだけで150通は来るから大変だ」
シンディ:「それだけの立場ということですよ」
シンディは給湯室からコーヒーを入れて来た。
敷島:「今は、そうか」
シンディ:「例の事件のことは何か?」
敷島:「お前のメモリーを見せてもらったよ。前期型の時のな」
シンディ:「ああ、あれですか」
南里の葬儀の時、南里のライバルたるウィリアム・フォレストの名代としてシンディがやってきた。
だがその時、シンディが持って来たのは『御霊前』でも『御仏前』でもなく、『御祝儀』であった。
参列者が唖然とする中、悠然と立ち去るシンディ。
だが、両目をギラリと光らせ、右手をマシンガンに変形させて追おうとするエミリーの画像が映っていた。
シンディ:「私には……黒歴史ですけどね」
敷島:「吉塚博士は香典を持って来て、そのまま焼香して帰っただけかと思っていたけど、しっかり参列していたんだな。お前のメモリーにしっかり映っていたよ」
敷島がそう思っていたのは、エミリーのメモリーにはその画像しか残っていなかったからだ。
どうやら吉塚博士は、エミリーのメモリーになるべく残らないよう、彼女の視界に入らないようにしていたらしい。
しかしそこへ、まさかのシンディ(前期型)が登場。
彼女のメモリーにはしっかり残ることになってしまう。
敷島:「吉塚博士は1人で来たわけではなかった。どういう関係かは知らないが、子供が2人同行していた。多分、孫か何かだと思うけど」
シンディ:「ロイドではないでしょうね。もしそうでしたら、私も姉さんも反応するはずですから」
敷島:「そうだな。で、吉塚博士は寿命で死んだわけだが、問題は当時のこの2人の少年達だ。大きい方は当時10歳くらい。今なら、とっくに20代だ。井辺君よりも年下かもしれない」
シンディ:「はい」
敷島:「そして小さい方。こっちはまだうちのトニーくらいだ。まだ10代だろう。このコ達に接触したいと思う」
最近になって吉塚博士は、わざわざ南里の為に静岡県富士宮市から老体をおして宮城県仙台市泉区まで行ったわけではなかったようだ。
たまたま仙台市内またはその周辺に滞在している時、南里の死を知ってやって来ただけのようだ。
では何故、たまたま滞在していたのか?
恐らく親族がその辺りに住んでいて、それでいたのではないか。
吉塚博士がどういう意図で2人の子供を連れて来たのか定かでないが、今となっては重要な証言者となるわけだ。
敷島:「もちろんイベントの仕事も大事だが、それと並行できる所は並行したいと思う」
シンディ:「かしこまりました。でも必ず、私か姉さんを同行させてくださいよ。もちろん、両方でもいいですけど」
敷島:「分かってるよ」
[同日12:00.天候:曇 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]
敷島達を乗せたワゴンタクシーが東京駅八重洲口に到着する。
あくまでも契約はタクシー扱いというだけで、ハイヤーにも使えるミニバンタイプである。
運転手はいつものハイヤーとは別人である。
シンディ:「タクシーチケットで払います」
シンディが料金の精算をしている間、敷島達は荷物を下ろす。
敷島:「お前達の大事な部品や予備バッテリーが入ってるんだ。扱いは慎重にな」
レン:「分かりました」
リン:「衣装は?リン達の衣装は無いの?」
敷島:「それは直接会場に届くことになっている。自分達の私物は自分で持ってもらうということだな」
2人のボカロ姉弟は設定年齢14歳らしく、どちらもブレザーを羽織っている。
え?公式のイラストの服じゃないのかって?
あれは宣材写真のようなものだ。
コンポジットに使う衣装をそのまま着るとは限らない。
シンディ:「お待たせしました」
敷島:「よし。じゃあ、行こうか」
4人はゴールデンウィークでごった返す東京駅構内を進んだ。