報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「再・卯酉東海道(往)」

2022-09-30 20:36:30 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月30日06:22.天候:晴 東京都墨田区菊川 都営地下鉄菊川駅→都営新宿線615T電車先頭車内]

〔まもなく1番線に、各駅停車、笹塚行きが、10両編成で到着します。ドアから離れて、お待ちください〕

 出発当日になり、私と高橋、そしてリサと我那覇絵恋さんは、早朝の最寄り駅にいた。
 トンネルの向こうから轟音と強風が近づいて来る。
 やってきたのは、都営地下鉄の車両だった。
 週末の早朝ということもあり、乗客はそんなに多くない。

〔1番線の電車は、各駅停車、笹塚行きです。きくかわ~、菊川~〕

 先頭車に乗り込み、ラインカラーとよく似た色合いの座席に腰かけた。

〔1番線、ドアが閉まります〕

 すぐに発車メロディが鳴って、ドアが閉まる。
 ホームドアも閉まり切ってから、ようやく運転室から微かに発車合図のブザーが聞こえたと思うと、ガチャッと運転士がハンドルを操作する音が聞こえた。
 そして、エアーの抜ける音がし、電車は静かに走り出した。

〔次は森下、森下。都営大江戸線は、お乗り換えです。お出口は、右側です〕

 絵恋さんは、上京最後の旅行を名残惜しそうにしている。
 今日の1泊2日の旅行を終えた後、次の日にはまた沖縄に帰らないといけないからだ。

 高橋:「先生、あの姉妹とはどこの駅で待ち合わせで?」
 愛原:「東京駅だ。まあ、ラチ内で待ち合わせになるだろうな」
 高橋:「ラチ内?」
 リサ:「改札内ってこと。お兄ちゃん、先生は鉄ヲタなんだから」
 高橋:「くっ……!」
 愛原:「悪いな。さらっと専門用語使っちゃって……」
 高橋:「さ、サーセン……」

[同日06:40.天候:晴 東京都千代田区外神田 JR秋葉原駅]

 愛原:「なに?もうキップ買ってあるの?」

 地下鉄は岩本町駅で降り、そこから徒歩でJR秋葉原駅に向かった。
 地上乗換とはいえ、副駅名に『秋葉原』が採用されているだけあり、岩本町駅からは徒歩圏内である(尚、地下鉄日比谷線の秋葉原駅はもっと近い)。
 昭和通り口にも“みどりの窓口”はあったが、2021年3月に廃止されている。
 JR東日本は合理化政策をどんどん進めており、都心のそこそこ大きい駅であっても、“みどりの窓口”を廃止に追い込んでいる。
 代わりに指定席券売機を設置しているわけだが、窓口対応でないと困るものもあるので、ちょっと……とは思う。

 リサ:「うん。既に往復」
 絵恋:「今回の交通費は、デイライトさんから出るんですよね?これ、領収証です」
 愛原:「いや、多分、申し訳ないけど、絵恋さんの分は出ないと思うぞ?うちの事務所の関係者じゃないし」
 絵恋:「ええっ!?」
 高橋:「金持ちなんだから、別にいいだろうが……」

 因みにリサ達がどうして先にキップを購入したのかというと、学生の特権、学割を利用したからである。
 これは学校で発行された学割証を出札窓口に持って行き、学生証を提示すると、乗車券が2割引きされるというもの。
 私も学生の頃は、そうしていた記憶がある。
 学校は夏休みだが、平日であれば事務室は開いている為、そこに行って発行申請を行うわけである。
 そういえばリサ達、何日か前、制服を着て学校に向かったことがある。
 最初は夏期講習とか、部活関係とかかと思ったのだが、どうやら違ったようだ。

 愛原:「でもよく知ってるな?あんまり学校の方から、そういう説明は無いというイメージなんだが……」

 生徒手帳に書いていることが殆どなので、それをよく読む真面目な生徒ほど、学割を使用することが多い。

 リサ:「あの鬼斬り先輩から聞いた」
 愛原:「なるほど。学校の先輩から聞いたか」

 ということは、恐らく栗原蓮華の妹の愛理も学割を使うのだろう。
 中学生からは、大人運賃になるからだ。
 蓮華は恐らく学割よりもっと割引率の高い、障害者手帳を使うものと思われる(栗原蓮華は左足を失う大怪我を負っており、第2種障害者となっていて、これは鉄道運賃半額の対象となる)。

 愛原:「俺と高橋は定額だな」

 私は指定席券売機で、往復新幹線自由席特急券と乗車券を2人分購入した。
 もちろん、領収証の発行も忘れない。
 乗車券は『東京山手線内』なので、この駅から既にこの乗車券を利用できる。

 愛原:「どうせ、後でデイライトさんに請求できるけど」
 高橋:「いっそのこと、グリーン車にしますか?w」
 愛原:「アホ。さすがにムリあるわ」

 すぐ調子に乗る高橋を窘め、私達は乗車券だけを自動改札機に通し、コンコースに入った。

[同日06:51.天候:晴 東京都千代田区丸の内 JR東日本・東京駅→JR東海・東京駅]

〔とうきょう、東京。ご乗車、ありがとうございます。次は、有楽町に、停車致します〕

 秋葉原駅から山手線に乗り込んで、東京駅へ。
 在来線コンコースと東海道新幹線コンコースを繋ぐ、南乗換改札口(通称、『南乗り(なんのり)』)を通過した。
 通過する際は乗車券と特急券を同時に改札機に入れる。
 そのままホームに上がるのではなく、待ち合わせ場所である八重洲南口改札前に向かった。

 栗原蓮華:「おはようございます、愛原先生!」

 少女達の中では最年長かつ最長身の蓮華が挨拶してきた。
 栗原姉妹は制服姿で、蓮華の左足からは義足が伸びている。
 霧生市に在住していた時、追跡中の特殊部隊から逃走する『1番』と鉢合わせになったことで、左足を食い千切られた。
 それ以外にも、東京の親戚宅にいた愛理を除く他の兄弟達を食い殺されたことで、それを捜索する為と怒りを露わにする為、わざと義足を隠さずに生活していたという。
 『1番』の仲間で、妹の愛理を襲った『2番』のリサに、手持ちの刀の刃を振るったこともある。
 今は『1番』もこの世からは消えてしまったが、『2番』のリサに対する警告として、今でも義足はこのように晒している。

 愛原:「ああ、おはよう。ちゃんとキップは買えたかな?」
 蓮華:「当たり前です」
 愛原:「学割?」
 蓮華:「妹は学割で、私は(障害者)手帳で……」
 愛原:「ああ、そう」

 予想通りだった。

 リサ:「先生、駅弁買うでしょ?」
 愛原:「そうだな。2人とも、朝食はまだかい?」
 蓮華:「まだです」
 愛原:「そうか。じゃあ、駅弁買ってあげるから、それからホームに行こう」
 蓮華:「ありがとうございます!」

 因みに蓮華の手には、麻袋に包んだ刀剣がある。
 リサも恐れるほどに、その刀剣は『鬼の首を斬れる』ものらしい。
 リサが本当に先輩と恐れる理由は、その刀剣にある。

 愛原:「7時27分発、“こだま”705号、名古屋行き。これの1号車に乗るけど、いいかな?」

 私はリサを指さして言った。
 BSAAとの取り決めによるものだが、蓮華はそれを理解しているので、了承した。
 そして駅弁を買うと、私達は階段を昇ってホームに向かった。
 今では階段の昇り降りを慣れた足つきで昇降する蓮華だが、やはり最初は血の滲む訓練をしなければならなかったらしい。
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“私立探偵 愛原学” 「夏休み初期の動き」 4

2022-09-30 16:14:35 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月27日13:00.天候:曇 東京都港区新橋 NPO法人デイライト東京事務所]

 次の日の午後、私達は報告書を携えて善場主任の所に向かった。

 善場:「昨日はお疲れさまでした」
 愛原:「いいえ、これも仕事ですから……」

 私は報告書や領収書などを善場主任に提出した。

 善場:「昨日は何時頃にお帰りですか?」
 愛原:「22時くらいでしたね」
 善場:「ということは、閉園ギリギリまで楽しんだということですね。分かります」
 愛原:「そ、そうですね」

 まあ、最後は私の趣味もあったのだが。
 もちろん、さすがにモノレールの代金までは請求できまい。

 善場:「……随分と写真が多いですね」
 愛原:「まあ、特に絵恋さんが必死に撮りまくったそうですから」
 善場:「リサの様子を確認するのには、大変ありがたいことですが」
 高橋:「ほとんど盗撮じゃねーかよ、これなんか、ほら!」

 高橋は呆れた様子で、画像の1枚を指さした。
 そこには、明らかにリサのスカートの中を写した物が入っている。
 短いスカートを穿くリサもリサだが、スカートの中には紺色のブルマーを穿いているのが分かった。
 ただ、『ショーツが直接見えるよりも貴重!』とか、『ノーパンより功徳~~~~~!!』と、喜ぶヘンタイもいるので、これとて安心できない。
 やはり、スパッツなどのボトムタイプのオーバーパンツを穿くのが無難なのだろう。
 東京中央学園は体操服用としてのブルマーを廃止した際に、見せパン用としてしばらくブルマーを続けていたそうだが、それでも盗撮被害があとを絶たなかったこともあり、ついには指定の黒スパッツを作って、それを穿かせるようにした。
 尚、その際、ブルマーの完全廃止を校則に明記しなかった為に、今でも一部の委託店では販売しているとのこと。

 善場:「一部は盗撮犯真っ青のプロフェッショナルな撮影をしていますね……」

 と、これには善場主任も呆れた。

 善場:「まあ、矛先はまだリサのみに向けられているようですから、今は暫く目を瞑りましょう」
 高橋:「いいのか?性犯罪者予備軍は、もっとビシバシ取り締まった方がいいんじゃねーのか?」
 善場:「交通犯罪者正規軍の方も、もっとビシバシ取り締まった方が良いかもしれませんね?」

 と、善場主任は高橋を見据えた。

 高橋:「おおっとォ……!」

 これには高橋も、黙らざるを得なかった。

 愛原:「オマエの免停期間、もしも今月一杯だったら、ずっと事務所で留守番してもらうところだったよ」
 高橋:「は、はは……サーセン……」
 善場:「やはり、韓国BSAAが合流してきましたか」

 画像の中に、留学生のパク・ヨンヒが出て来る。
 見た感じは、リサ達と一緒にディズニーをエンジョイしているように見えるが……。

 愛原:「これに関して、日本のBSAAに何か連絡はありましたか?」
 善場:「『研修生が休暇で東京ディズニーランドに行く。え?愛原リサも一緒?ただの偶然ニダ』と」
 高橋:「ぜってーウソだろ!?」
 善場:「はい。これには私共も懐疑的です。恐らく、間近でリサを観察する良い機会だと思ったのでしょう。学校生活におけるリサの観察は、留学生という立場を利用してできますが、プライベートとなると、友達にでもならないと厳しいですから」

 リサはパク・ヨンヒがBSAA関係者だと知っているので、警戒したようである。
 画像を見ると、ヨンヒはあえて東京中央学園の制服姿でリサ達と同行しているが、これも表向きは『学友として』という所を主張する為だろう。
 『BSAAとして』としてしまうと、リサに警戒されるからだ。

 善場:「ランド内で、リサが何かトラブルとかは聞いてますか?」
 愛原:「いえ、何も聞いていません」
 善場:「そうですか。それなら、良いのですが……」
 高橋:「それより姉ちゃん、ちゃんと報酬は払ってくれるんだろうなぁ?」
 善場:「はい。まずは諸経費、レンタカー代と燃料代、高速代に駐車料金については後程、振り込ませて頂きます。報酬につきましては……」

 入園料などが入っていないのは、今回の件は我那覇絵恋の肝煎りで行われたものであり、これについては私達は一切負担していない為。

 善場:「次回はいよいよ、愛原公一氏からの情報提供ですね?」
 愛原:「はい」
 善場:「一体、どんな情報を提供して下さるのでしょうか?」
 愛原:「分かりませんが、リサのことのようです」
 善場:「リサのことですか。愛原公一氏は、恐らく白井伝三郎と直接折衝した最後の人でしょうから、その時に交わした言葉の内容でしょうか?」
 愛原:「分かりません。恐らく、リサに関する何か重要な秘密を握った感がありますね」
 善場:「リサに関する重要な情報……ですか」
 愛原:「はい。もしかすると、本当に『リサを人間に戻す方法』を知っているのかもしれません」
 善場:「危険な方法でなら、私共でも把握しているのですよ。ただ、愛原所長がリサを失いたくないと仰る以上は、もっと安全な方法を模索しなければなりませんので……」
 愛原:「分かってますよ」

 それは善場主任が人間に戻った方法。
 しかし善場主任は、Gウィルス投与による『感染者』であった為、その方法でも生き残れたが、BOWとして人間から改造されたリサには危険だとされている。
 危険というのは、リサ自身が命を落とす恐れがあるということだ。
 もちろん、公一伯父さんの言う『リサに関すること』が、それとは限らない。
 実はもっとつまらない話なのかもしれない。
 しかし、勿体ぶっていることから、それ相応の話なのかもしれないと思っている。

 善場:「今週末に出発でしたね?」
 愛原:「そうです。仰る通り、『リサに関すること』という重要な機密ですので、カムフラージュはしておきました」
 善場:「ありがとうございます。具体的には、どのように?」
 愛原:「幸い私は公一伯父さんの甥です。甥っ子が親戚の伯父さんの家に遊びに行く、というのは何ら不自然なことではありません。また、伯母さんに関しては、民宿を経営されているということもあり、旅行がてらそこに宿泊するというのも、ごくごく自然だと思います」
 善場:「普通の家族旅行なら、ですが、しかしリサが一緒というのがどうも……」
 愛原:「はい、まだ弱いですね。そこで、他にも同行者を募ろうと思ったのです。調べてみると、私やリサの知り合いで、あの方面に向かうことが不自然ではない人物がヒットしました。その人達にも同行してもらおうと思いました。これなら、バッと見、何の目的か分かりにくくなります。当然ですね。その同行者達とは、目的が異なるわけですから」
 善場:「その同行者というのは?」
 愛原:「栗原姉妹です。そして、伯父さんの潜伏先である伯母さんの民宿とは、静岡県の富士山の麓です。これが何を意味しているか……です」
 善場:「日蓮正宗大石寺」
 愛原:「はい。彼女らはそこの信徒。そこへの参拝に連れて行こうと誘ったら、乗ってくれましたよ」
 善場:「総本山参りは、どこの宗派でも尊ぶべき信仰活動とされています。日蓮正宗も例外ではない以上、そこへの足を確保してくれたのなら、誘いに乗るのでしょうね」
 愛原:「そこで、今度の仕事に関する費用と報酬ですが……」

 こうして私は、また無事にデイライトさんとの契約を成立させることができた。
 功徳~~~~~~!! 
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“私立探偵 愛原学” 「夏休み初期の動き」 3

2022-09-28 20:16:25 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月26日09:00.天候:晴 千葉県浦安市舞浜 東京ディズニーランド駐車場]

 私達が乗った車は、開園時間くらいにディズニーランドの駐車場に到着した。
 平日なので空いている方だろうが、やはりそこは夏休みなのだろう。
 案外、多くの車が料金所に並んでいた。
 が、満車で入れないなんて事は無いようで、すんなり入場できた。
 まだコロナ禍の影響があるのだろうか。

 高橋:「ん?送迎じゃなくて、駐車なんスか?」
 愛原:「ああ。ディズニーランドの駐車場は、同じ車であれば、当日の再駐車が認められている。送迎は10分だけだろ?今はともかく、帰り、10分の待ち合わせで済むと思うか?」
 高橋:「後ろの連中のことだから、閉園ギリギリまでいそうっス」
 愛原:「そうだろ?それに、園内で何かあった場合、俺達が駆け付けることになる。また駐車券を発行する手間を考えれば、再駐車のことを予測して駐車券をもらっておいた方がいい」
 高橋:「なるほど!さすがは先生っス!」

 尚、平日の普通車料金は2500円である(土休日は3000円)。
 因みに、1日料金。
 適当に空いている所に、車を止める。

 愛原:「はい、着いたよ」
 リサ:「ありがとう」
 絵恋:「ありがとうございます!」
 淀橋:「ありがとうございます」
 小島:「ありがとうございます!」
 愛原:「今日の閉園時間は21時のようだが……?」
 リサ:「もちろん、閉園までいる」
 絵恋:「リサさんの指示に従います!」
 淀橋:「魔王様の御命令です」
 小島:「同じく」
 愛原:「魔王軍か、キミ達はァ……」
 高橋:「あと1人入れりゃ、オメーラ四天王だな」
 絵恋:「はっ!?」
 淀橋:「確かに……」
 小島:「そうねぇ……」
 愛原:「まあ、いいや。それじゃ、21時までに迎えに来る。多分、再駐車場所はこことは別だろうから、帰るってなった時にLINEくれ」
 リサ:「承知!」

 魔王軍……もとい、リサ達は、喜び勇んでディズニーランドのメインエントランスに向かった。

 高橋:「帰りますか、先生?」

 高橋は車のギアをDに入れた。

 愛原:「ちょっと待て。今、善場主任に経過報告をしている。すぐに返事が来るだろうから、それまで待とう」
 高橋:「分かりました」

 どうせもう駐車券を手にしたし、今日1日は駐車できる。
 そして予想通り、善場主任から返信が来た。
 その内容は……。

 善場:「了解しました。駐車料金などの諸経費は、後ほどお支払いします。尚、今回はBSAA極東支部韓国地区本部隊の訓練生達が同行するようです」

 とのことだ。

 愛原:「BSAA韓国地区本部!?何故に!?」
 高橋:「お、パーク内でガチの銃撃戦っスか!?」
 愛原:「どうせやるならウェスタンランドで……って、違う!ちょっと確認するわ!」

 私は善場主任に電話した。

[同日09:15.ディズニーランド・メインエントランス内]

 ……魔王軍もとい、リサ達を待ち受ける者がいた。

 リサ:「あっ!」
 パク・ヨンヒ:「皆さん、おはようございます」
 淀橋:「パクさん!?」
 小島:「どうしてここに?」
 ヨンヒ:「アタシだけ除け者にしようったって、そうはいかないっての。……なーんてね。日本をエンジョイする為です」
 リサ:「ちょうどいい。ヨンヒ、オマエ、今日から四天王入り」
 絵恋:「ええっ!?」
 ヨンヒ:「シテンノー?どういう意味ですか???」
 淀橋:「た、確かに四天王って感じはする……ね」
 小島:「う、うん……」

[同日12:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 高橋:「先生、ホットドッグ焼けましたー」
 愛原:「おー、ありがとう」

 一旦事務所に戻った私は、高橋が手作りしたホットドッグを昼食に食べた。

 愛原:「ディズニーリゾートライン、乗ってみたかったなぁ……」
 高橋:「早めに行って、乗ってみますか?」
 愛原:「口実が無いもんな。本当だったら、ディズニーランドステーションから乗ってみて、ゲートウェイステーションで降り、イクスピアリにあった天賞堂に行きたかったのに……」

 鉄道模型店として有名な天賞堂。
 それが何と、イクスピアリにもあったのだ。
 知る人ぞ知る情報である。
 が、今は既に撤退している。

 高橋:「でも先生、鉄道模型って扱ったこと無いじゃないスか?」
 愛原:「模型店で売っているのは、何も鉄道模型だけではないのだよ、正義君」
 高橋:「さ、サーセン!」
 愛原:「それ以外のグッズも扱っていたりするのだよ?」
 高橋:「そ、そうっスね!すいませんでした!」
 愛原:「! そうだ、高橋!」
 高橋:「はい?」
 愛原:「ランドの駐車券、見せてくれ!」
 高橋:「は、はい!」

 高橋は駐車券を私に見せた。

 愛原:「! これだ!この手があった!」
 高橋:「な、何スか!?」

[同日21:00.天候:晴 千葉県浦安市舞浜 舞浜リゾートライン東京ディズニーランド・ステーション]

 愛原:「お、来たなー」

 約束の時刻になり、少女達はモノレールの駅まで来た。
 彼女らの手には、お土産のディズニーグッズで一杯である。

 リサ:「お待たせ」
 愛原:「本当に閉園ギリギリまでいたんだなー」
 絵恋:「ま、魔王軍は永久に不滅なのよ!」
 高橋:「なに、マジで魔王軍結成してんだよw だいたい、四天王はどうした?1人いねーぞ?」
 リサ:「ヨンヒなら、先に帰った。もちろん、ヨンヒもディズニーグッズ買い込んでた」
 愛原:「パク・ヨンヒさん?……あ、そうか!善場主任の仰ってた韓国BSAAって、彼女のことか!?」
 淀橋:「韓国にはディズニーリゾートが無いからって、1番エンジョイしてましたね」
 愛原:「まあ、確かにアジアだと、日本以外は中国に2ヶ所あるだけか」

 まあ、石景山遊園地も入れると3ヶ所と言えなくもない。

 リサ:「それで、どうしてモノレールの駅に呼んだの?」
 愛原:「実は車は、ディズニーシーの駐車場に止めてるんだ」
 絵恋:「ええっ?!どうしてですか!?」
 愛原:「キミ達、まだ最後のアトラクションに乗ってないでしょ?モノレールが、今回の最後のアトラクションだ」
 リサ:「なるほど。それはうっかりしてた」
 絵恋:「リサさん!?」

 もちろん、モノレールはれっきとした公共交通機関であり、パークのアトラクションとは全く別物である。
 その為、パークのチケットは利用できない。

 高橋:「要はオメェら、先生を除け者にした罪で、モノレールくらい付き合えやってことだ」
 絵恋:「ええーっ!?」
 淀橋:「ま、マジか……」
 小島:「まあ……いいけど……」
 リサ:「先生は魔王の更に上を行く……何だろう?」
 絵恋:「破壊神?」
 小島:「神龍?」
 淀橋:「エビルプリースト?」
 高橋:「勇者って言えや、コラ!」

 まあ、好きに呼んでくれ。
 最後に私はモノレールの乗車体験を、彼女達はモノレールの車窓から見える夜景を楽しんだのだった。
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“私立探偵 愛原学” 「夏休み初期の動き」 2

2022-09-27 20:23:51 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月25日21:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 リサ:「先生、お風呂上がったよー」
 愛原:「おーう」

 リサと絵恋さんが先に、一緒に風呂に入った。
 だが、風呂から上がった2人の恰好は……。

 愛原:「いや、だから、リサは好きで着てるだろうけど、絵恋さんにも強要するなっての」

 リサと絵恋さん、共に体操服とブルマー。

 リサ:「強要じゃないよ。ちゃんと選ばせてあげた」
 愛原:「ホントかぁ?」
 絵恋:「うう……」

 絵恋さんは恥ずかしそうに、白い体操シャツの裾を下に引っ張っている。

 リサ:「学校指定だった緑色と、汎用の紺色、臙脂色、どれがいいかって聞いたら、『リサさんと同じので』っていうから、わたしのと同じにしてあげた」
 愛原:「選択肢は色だけかい!」

 そのリサと絵恋さんは、汎用の紺色ブルマを穿いている。
 緑色にしなかったのは……。

 リサ:「夏休みだから」
 高橋:「意味わかんねー!」
 愛原:「え、絵恋さん、いいんだよ、ムリしなくて。リサには俺から言っておくから」
 絵恋:「い、いいんです。これも、リサさんの命令は絶対なので……」
 愛原:「ええ~……」
 リサ:「先生、嬉しいくせに。先生のPCの中に、『女子校生にブルマ穿かせてヤッてみた』『全国のブルマJKを探せ!』『ブルマ美少女総集編』ってあったよ。これが最近更新されたヤツだよね?」
 愛原:「何でオマエ、変えたはずのパスワードを知ってるんだよ!?」
 リサ:「リサ・トレヴァーをナメちゃいけない」

 リサは白い仮面を取り出して言った。
 最近着けなくなったが、あれが何か関係しているのだろうか?

 高橋:「先生、あいつ、学校じゃ、『魔王様』って呼ばれてるみたいですよ?」
 愛原:「名実共にラスボスか……!」
 リサ:「体操服にブルマ穿いた魔王様が登場するマンガもあるんだからいいと思う」
 愛原:「そういう問題じゃない」
 リサ:「サイトー……じゃなかった。エレン、こっちに来てゲームでもしよう」
 絵恋:「う、うん……」
 愛原:「明日、ディズニーランドに行くんだったら、早く寝た方がいいんじゃないのか?」
 リサ:「それもそうだ。エレン、部屋に行こう」
 絵恋:「そ、そうしましょ」

 1人のラスボス魔王と、その子飼いになってしまった哀れな少女は、魔王の間へと入って行った。

 愛原:「あいつ、毎晩、絵恋さんに体操服とブルマ穿かせる気かよ……」
 高橋:「そのようですね」

 リサが私の気を引く為に、自分だけが着るのならそれは好きにすればいいと思うが、それを他人に強要するのはどうかと思うな……。

 愛原:「それにしても、俺が他の女性に気を引かれた時にはメチャクチャ怒る癖に、ああいうのはいいんだな?」
 高橋:「そこが魔王様の恐ろしいところですよ。あのレズガキにブルマ穿かせるのも、結局は先生の気を引かせる為の肥やしなんですよ」
 愛原:「そうなのか」
 高橋:「ええ。だから逆に、あのレズガキがノリノリでブルマ穿いて先生の気を引こうものなら、リサはガチギレしたはずです」
 愛原:「あいつ、そんな面倒臭い性格だったか!?」
 高橋:「先生、今頃気づいたんスか?リサもそうですけど、女ってのは大なり小なり面倒臭い生き物なんです」
 愛原:「トチロ~さんみたいなこと言って~……」

 雲羽:「はい、OK!いい演技だったよ!それじゃあ、次のシーン行こうか!」
 多摩:「おい、雲羽。オマエに電話だぞ」
 雲羽:「電話?誰からです?」
 多摩:「トチロ~さん」
 雲羽:「ファッ!?」
 トチロ~:「おい、雲羽!俺のセリフ、勝手に使うな!!」
 雲羽:「い、いや、ネタとしてはOKって、和光市の飲み会で言ってたじゃないスか!?」
 トチロ~:「そんなの知らん!勝手なことを言うな!」
 多摩:「読者の皆様、上記の高橋のセリフ、改変するかもです。雲羽に代わって言っておきます」

[7月26日08:00.天候:晴 愛原のマンション1F裏口]

 どうも昨夜、リサと絵恋さんはベッドの中でイチャラブしたらしいな。
 まあ、想像はしていたが。
 朝食後はさすがに体操服から、普通の私服に着替えた2人。
 絵恋さんは相変わらず御嬢様のような出で立ちだったが、リサはラフな格好。
 この落差が凄い。
 具体的には、リサはデニムのショートパンツに黒いTシャツ、頭にはピンク色のキャップを被っている。
 これで、第1形態の角を隠そうというのだろうか。
 まあ、あの広いTDLの中を歩き回ることを考えれば、実はリサの方が実用的ではある。

 小島:「おはよう、魔王様!」
 リサ:「おー!コジマ!」
 淀橋:「おはよう!絵恋、久しぶり~!」
 絵恋:「懐かしい!代替修学旅行以来ね!皆でお出かけするの!」
 愛原:「皆、早いね。出発は8時20分の予定なのに」
 小島:「皆でディズニーに行けるなんて嬉しくて、もう早く家出ちゃいました!」
 愛原:「ははは、そうかそうか」

 しばらくすると、高橋運転のセレナがマンションの前に止まる。
 近くのレンタカーショップで借りて来たものだ。
 いつもの商用バンでは6人乗れないので、今回は奮発した次第。
 リサの監視の為なら、こういう経費もデイライトさんから出るからな。

 愛原:「はい、じゃあ乗ってー」

 助手席後ろのスライドドアを開けると、4人の少女達は車に乗り込んだ。

 愛原:「それじゃ、ディズニーランドに向かってくれ」
 高橋:「分かりました。首都高乗っていいっスよね?」
 愛原:「もちろんだよ」
 高橋:「了解っス!」

 高橋は、まず森下の清澄通りへ車を進めた。
 首都高の出入口は片方向であることが多い為、ちゃんと目的地へ向かえる方面に入る為には、それまで一般道を遠回りしなくてはならないところが面倒である。
 まあ、首都高に限らず、他の都市高速もそういうきらいがあるようだが。

 パク・ヨンヒ:「行ったわ。追って」(韓国語)
 BSAA隊員:「了解」(韓国語)

 ……愛原達の車を追うように、黒塗りのセダン(現代自動車・グレンジャー)も走り出した。
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“私立探偵 愛原学” 「夏休み初期の動き」

2022-09-27 15:12:42 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月25日13:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]

 昼は高橋が駅前のマクドナルドで、ハンバーガーを買って来た。
 取りあえず、昼食はそれにする。

 リサ:「サイトーと宿題やる」
 愛原:「夏休みの宿題か。学生は大変だなぁ」
 リサ:「給湯室のテーブル、使っていい?」
 愛原:「いいよ」
 リサ:「サイトー、こっちへ」
 絵恋:「はーい」
 愛原:「あ、午後は来客があるから、それからの方がいいかもな?」
 リサ:「そうなの?いつ来る?」
 愛原:「もうそろそろ来るよ」
 リサ:「誰が?」
 愛原:「キミのBOWの先輩さん」
 リサ:「!?」

 事務所の外から、エレベーターの到着する音が聞こえる。

 善場:「お邪魔します。善場です」
 リサ:「出たーっ!日本版リサ・トレヴァー『12番』!」
 善場:「今は、『0番』です」

 元『12番』。
 12人いた日本版リサ・トレヴァーの中で、唯一人間に戻れた人。
 ……となっているが、後遺症は残っており、現在も経過観察の為に、便宜上の番号として『0番』を与えられている。
 その為、日本版リサ・トレヴァーの左腋の下に彫られた入れ墨も、12から0へと変えられている。
 もし仮に『2番』のリサが人間に戻れたら、『00番』の番号が与えられるという。
 プロ野球選手の背番号か!

 善場:「我那覇絵恋さん、沖縄からの長旅、お疲れさまです。ちょっとお話、よろしいでしょうか?」
 リサ:「ガナハ……?」
 絵恋:「わ、私の今の名字です。母は……父と離婚したので、母方の名字に変わりました」

 そういうことか!
 絵恋さんの母親は沖縄の人だから、名字もそれ系のものなんだ!
 さすがに逃走中の容疑者に親権は無理だから、絵恋さんは母親が親権を取ったのだ。

 リサ:「えっ?じゃあ、もうサイトーじゃないの?」
 絵恋:「う、うん……そうなの……」
 リサ:「えーと……」
 絵恋:「下の名前で呼んでくれるといいかなぁ……なんて」
 リサ:「うーん……分かった」

 とはいえ、リサの混乱は続きそうだ。
 まあ、1番混乱しているのは絵恋さん本人だろうがな。

 善場:「後で所長ともお話をさせて頂きますが、まずは我那覇さんとお話しさせてください」
 愛原:「は、はい。どうぞ」

 私は応接室を案内した。
 やっぱり、違和感あるなぁ……。
 で、逆にキラキラネームであるはずの『絵恋』が、琉球苗字にしっくる来ると……。

 それから30分後……。

 善場:「お待たせしました。次は所長、お願いします」
 愛原:「は、はい!」

 絵恋さんが出て来て、今度は私が呼ばれた。

 高橋:「お茶、お入れしますね」
 愛原:「さっき、出してなかったんかい!」
 善場:「どうぞ、お構いなく」

 私は応接室に入り、善場主任と向かい合ってソファに座った。

 高橋:「どうぞ。アップルティーでヤンス」
 愛原:「凄いね!?凄いの入れて来たね!?アップルティー入れてきたの!?」
 高橋:「うっス!どうぞ!」

 私はマグカップを口に運んだ。

 愛原:「ただのお茶じゃねーか、バカ!なにウソついてんだ!」
 高橋:「サーセン」
 善場:「ま、せっかくですので、頂きます」

 高橋、退室する。

 愛原:「さっきは絵恋さんに、何の話だったんですか?」
 善場:「最近の生活状況と、やはり斉藤容疑者の動向を聞きました」
 愛原:「斉藤元社長、連絡なんかしないんじゃないですか?」
 善場:「もしかしたら、家族とは連絡を取っていると思ったのです。まあ、本人も一切連絡していないということでしたが」
 愛原:「でしょうねぇ……」

 まだロシア国内に潜伏しているのだろうか?
 まさか、ウクライナに行くとは思えないが。
 しかし、その思えない行動をしてこその完全犯罪とも言える。
 ちょっと、完全犯罪の意味合いは違うが。
 最終的な目的地は、ドバイかレバノンだろうか。

 善場:「あのコ、1週間くらいは滞在するそうですね」
 愛原:「それでも短いと言ってましたよ」
 善場:「滞在中は、ずっと所長の御宅に?」
 愛原:「そうですね。まあ、こっちの友達と、色々どこかに出かけたりするようですが」
 善場:「明日はリサ達と、ディズニーリゾートに行くと言ってました」
 愛原:「ちょっと待ってください!私、聞いてないんですけど!?」
 善場:「ちょっとリサ、こっちに来なさい!」

 リサと絵恋さんが呼ばれ、確認したところ、やっぱりディズニーリゾートに行く気、満々だという。
 因みにチケットに関しては、既に絵恋さんが沖縄で人数分調達済みとのこと。

 愛原:「引率はどうするんですか?」
 善場:「通学に関しては我那覇さんに一任していましたので、今回も我那覇さんにお願いしましょうか」
 愛原:「大丈夫ですかね?」
 善場:「本来、BOWの県外への旅行は、指定引率者が同行しなければならない決まりになっています」
 愛原:「やっぱり……」

 東京ディズニーリゾートっつったって、実際の所在地は千葉県だからね、あそこ。

 善場:「ただ、TDRに関しては特例が認められるかもしれません」
 愛原:「そうなんですか。さすかば夢の国、何でもありですね」
 善場:「それもあるかもしれませんけど、以前、しれっと日本版リサ・トレヴァー『1番』が人間のフリしてTDRに出入りしたことが明らかになって、関係各所で大騒ぎになりました」
 愛原:「何ですか、それ?どうやって入ったんですか?」
 善場:「聖クラリス女学院で行われた社会科見学に、付いて行ったようですね」
 愛原:「で、何も無かったと?」
 善場:「あの時は……」
 愛原:「さすがは夢の国。超危険人間型BOWでさえも魅了する」
 善場:「そういう問題ではありません。ただ、そんなことがあったこともあってか、夢の国に関しては特例で認めることになりましたので、多分『1番』よりは危険性の低い、『2番』のリサもそれで行けるかと……」

 出た出た、“ベタな日本のお役所仕事の法則”。
 前例が無いと正論でも認めず、前例ができたらトンデモ理論でも認める法則。
 裁判所がいい例だろ?

 愛原:「ま、デイライトさんがOKなら大丈夫ですね。リサも、友人達と一緒なら暴走もしにくいでしょう」
 善場:「それを期待しています。それと所長に関しても、質問があるのですが……」
 愛原:「何でしょう?」
 善場:「愛原公一氏との接触は、いつ行いますか?」
 愛原:「一応、今週末を考えています。今は離婚した伯母の実家が経営する旅館に転がり込んでおりまして、そこで世話になっているようです」
 善場:「そうですか。所長は所長で、何か考えがあるのですね?」
 愛原:「考えがあるというか……。私にとっても親戚宅なので、いきなりお邪魔するのもどうかと思っているだけです。一応、客として宿泊するくらいの誠意は見せておこうかと」
 善場:「リサの監視と、愛原公一氏からの情報提供はこちらからの依頼です。経費はお支払いしますし、とても良い情報であった場合、それ相応の謝礼もさせて頂きます」
 愛原:「ありがとうございます」

 善場主任にとって、今回の私に対する用件は、仕事の依頼であったようだ。
 恐らく公一伯父さんは、起訴猶予後も、デイライトさんや他の公的機関からの事情聴取を受けていたのだろう。
 だが、断ったり、のらりくらりと交わしていた。
 そこへ、甥っ子である私にだけ話すということで、こうして仕事の依頼が来たということだ。
コメント
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