報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“Gynoid Multitype Cindy” 「復讐人形」 3

2016-08-31 23:13:19 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月27日23:30.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 東北工科大学・南里志郎記念館]

 平賀:「……よし。今日のところは、これでいいだろう。あとはスキャンを夜通し掛けて行うだけだ。明日の朝には結果が出るだろう」

 平賀は遅くまでエミリーの修理に当たっていた。
 設計図通りに作ったはいいが、一部の部品や電装は現在の最新の物を使用している。
 おかげで軽量化にも貢献しているわけだが、どうも相性の合わないものがあったらしく、それが原因だと思われた。
 なので本来は、設計図通りに作る方が良いには良いのだが……。
 中には部品が古過ぎて、調達できないものもあったりする為だ。

 平賀:「じゃあな、エミリー。また明日」

 平賀は台の上に仰向けで寝ているエミリーに向かって言った。
 エミリーは目を閉じており、下は黒いビキニショーツを穿いているだけで、上半身は裸の状態だ。
 但し、ちゃんと裸の胸には白い布が掛けられている。
 脇腹やらふくらはぎやら、色々なケーブルが取り付けられたままになっていた。
 電源が落ちている状態なので、平賀の言葉にエミリーは答えることができなかった。

 平賀:「悔しいな。まだ自分、南里先生に追いつけていなかったのか……」

 正直、エミリーの新しいボディを作れた時には、やっと師匠に追いつけたと思っていたのだが……。

 平賀:「いいか?今、動けないエミリーを狙ってくる輩がいる。くれぐれも頼んだぞ?」

 平賀は記念館を出る時、そこを守るセキュリティロボット達に固く命じた。

[同日23:45.天候:晴 同大学・研究棟]

 警備員:「あ、平賀先生。お疲れさまです」

 研究棟に戻ると、入口入ってすぐの所に警備室がある。
 受付の窓から中を覗くと、奥にいた60代の警備員がやってきた。

 平賀:「今日も泊まらせてもらいます。仮眠室、空いてますよね?」
 警備員:「ええ。ただ今日は、先客がいらっしゃいますけど」
 平賀:「先客?誰だろう?」
 警備員:「助教の吉野先生と、講師の上田先生です」
 平賀:「ふーん……?珍しいな。実質、同室者は1人か」

 吉野助教は女性である為、仮眠室は別である為。
 平賀は仮眠者名簿に名前を記載すると、エレベーターに乗って、仮眠室のある3階へ上がった。
 女性用仮眠室はもう電気が消えていたが、男性用仮眠室は、ドアの小窓から明かりが漏れていた。

 上田:「あっ、平賀先生。おばんです」
 平賀:「上田君、どうしたんだい?今度のレポートの提出期限には、まだ間があるだろう?」
 上田:「そうなんですけど、明日、朝イチの飛行機で北海道に行くんで、ここなら枕が変わるんで、却って起きやすいんスよ」
 平賀:「こらこら。大学の仮眠室をホテル代わりに使うなって前にも言っただろう」
 上田:「すいません。でも、北海道工業大学の白井先生と会うことになっているので、完全プライベートの旅行ってわけでもないんですよ」
 平賀:「あー、分かった分かった。今回だけだぞ。次回からはちゃんと自宅に帰るか、ホテルに泊まるように。じゃ、自分もシャワー浴びて寝るから」
 上田:「エミリーの方、大丈夫ですか?」
 平賀:「ああ。原因ははっきりしそうだし、自分の予想通りなら、1日か2日もあれば直せる」
 上田:「分かりました。じゃ、僕は先に寝かせてもらいますんで」
 平賀:「分かったよ」
 上田:「あ、そうだ。もしかしたらこの後、池原君が泊まりに来るかもしれないんです」
 平賀:「うちのゼミ生の?何で?」
 上田:「終電逃したらよろしくお願いしますってことです」
 平賀:「だから!何でうちの大学は、仮眠室をホテル代わりにするんだって!」

[8月28日03:00.天候:晴 同大学研究棟・男性仮眠室]

 コンコン!……コンコン!……コンコンコン!

 平賀:「う……」

 コンコンコン!……コンコン!

 平賀:「うう……ん……。うるさいなぁ……」

 平賀は仮眠室のドアがノックされる音で目が覚めた。
 枕元に置いたスマホの時計を見ると、まだ3時くらいだった。

 平賀:「誰だよ……」

 平賀はベッドから起き上がると、ズボンをはいた。
 その間もドアがノックされ続けている。
 ふと他のベッドを見ると、上田しか寝ていないのに気づいた。
 確か、ゼミ生・池原も泊まりに来るという話だったが……。
 もしかして、今頃来たのか?
 一応、鍵は開けていたのだが、もしかしたら警備員が巡回中に鍵を掛けたかもしれない。
 それで入れなくて、ドアをノックしているのだろうか?
 平賀はズボンをはくと、今度はサンダルをはいてドアに向かった。
 ドアには外の様子を伺える覗き穴が付いている。
 それで外を見ると、確かにドアの前には池原が佇んでいた。

 平賀:(本当に今頃来たのか……)

 平賀は不審に思いつつも、鍵を開けて、ドアも開けた。
 だが!

 平賀:「!!!」

 池原の後ろには別の誰かがいた!
 池原はその者に押されたのか、仮眠室内に倒れ込んできた。
 そしてその際、首から上が胴体から離れる。

 平賀:「うわあっ!?」

 池原を押し込んだヤツは、平賀よりも小柄な体をしていた。
 しかし、手には電動ノコギリを持っている。
 これで、池原の首を刎ね飛ばしたのか?
 …いや、違う。
 首はそれで刎ね飛ばしたのかもしれないが、手に持っているのではない。
 右手がそのまま、電動ノコギリになっていたのだった。

 平賀:「お前、ジャニスかルディのどっちかか!?」

 どっちかかと聞いたのは、顔にはドクロのマスクを被せてある為、素顔が見えなかったからだ。
 答える代わりに、その電ノコロボットは平賀に襲い掛かってきた。

 平賀:「くそっ!」

 平賀はその攻撃を交わすと、仮眠室の外に飛び出した。
 後ろから電ノコの音が響いて来る。
 追い掛けてきたのだ!

 平賀:(ジャニスかルディ!?いや、まさか!あいつら、あんな装備はしていなかったはずだ!)

 平賀は階段を駆け下りると、2階に出た。
 そして2階の男子トイレに飛び込むと、個室に入って鍵を掛けた。
 もしも彼らがマルチタイプであるなら、すぐにスキャンされて見つかることだろう。

 平賀:「!」

 大型バイクのエンジン音のような電ノコの音が聞こえてくる。
 まるで迷わずに、男子トイレに入って来た。
 やはり、彼らはマルチタイプなのか?スキャンして、ここに平賀がいると分かって入って来たのだろうか?
 だが、電ノコのそいつはトイレの中を徘徊した後、諦めたのかトイレの外に出て行った。

 平賀:(助かった……のか?)

 平賀はそっと個室を出た。
 トイレ内には、もうあの電ノコはいない。
 平賀を見つけられなかったということは、マルチタイプではないのか?
 それともやはりマルチタイプで、自らの人工知能を狡賢く働かせ、トイレの外で待ち伏せしているのだろうか。

 平賀:(そうだ!早いとこ、警察に通報しないと!)

 明らかになっているのは、正体不明だが電ノコを振り回して棟内を徘徊する者がいるということ。
 そして、池原がそいつに殺されたことだった。

 平賀:(そうだ、警備室!)

 もうこの時間は、警備員も仮眠に入っている。
 あの電ノコがどこから侵入したのかは知らないが、警備室から警察に通報すれば良い。
 平賀はそう思って、1階の警備室に向かった。
 途中、電ノコと鉢合わせにならないよう、気をつけながら……。
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“Gynoid Multitype Cindy” 「復讐人形」 2

2016-08-30 21:00:35 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月27日07:00.天候:晴 宮城県仙台市太白区 平賀家 平賀太一、平賀奈津子、メイドロイド1号機の七海]

 七海:「おはようございます。太一様」
 太一:「ああ、おはよう……」

 平賀太一が大欠伸しながら、寝室から出てくる。
 既にキッチンには、メイド服姿の七海が朝食を作っていた。
 平賀太一はポチッとテレビを点ける。

 奈津子:「ちょっと、あなた!先に顔洗ってからとかにしてちょうだい!」

 妻の奈津子に注意された。

 太一:「へーい……」

 寝ぼけ眼でダイニングの椅子から立ち上がる太一。
 風呂場の洗面所に行くと、壁に掛けているラジオを点けた。
 太一は顔を洗ったり、髭を剃ったり、歯磨きしたりとかで、何だかんだで20分は洗面台にいる。
 そんな中、無音でいるのは何だろうということで、余っている携帯ラジオを置いていた。

〔「おはようございます。朝7時のNHKニュースをお送りします。まずは、速報です。今日午前2時半頃、埼玉県秩父市にあるDCJ、デイライト・コーポレーション・ジャパンの秩父ロボット研究所で、大きな事故が発生しました。この研究所では、5月に発生したデイライト・コーポレーション・インターナショナルのリトルロック研究所で起きたヒューマノイドロボット、通称『アンドロイド』の暴走事故で捕獲されたロボット2体が保管されていた研究所で……」〕

 太一:「ブボッ!」(←事件のショックで、歯ブラシ吹き飛ばした)

〔「……事件を起こしたアンドロイド2機が、何らかの原因により所内で暴走。所内の関係者に重軽傷を負わせて、逃走したもようです」〕

 太一:「マジかよ……!?」

〔「尚、この際、東飯能駅前にてDCJの社員2人が狙撃され、重傷を負っています」〕

 太一:「ジャニスとルディが脱走した!?……こりゃ、ロクでもないことが起きるぞ……!」

〔「そうなんですよ。これはきっと、ロクでもないことが起きると私は見ています」〕

 と、そこへラジオから敷島の声が聞こえて来た。

 太一:「敷島さん!?」

〔「リトルロック事件の再来が起こる恐れがあります。デイライトさんには何としてでも全力で、あの2機を捕獲してもらいたいと思っております。もちろん、私もボーカロイドを専門に扱う芸能事務所の経営者として、できる限りの協力をしたいと思っていますね」「……以上、現場かから中継でお送りしました」〕

 太一:「さすがは“東京決戦”の英雄さんだ。もう現場に掛けつけていたのか……」

 1人感心する太一だった。
 その後、改めてテレビで事件の様相を知った太一達だった。

[同日09:00.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 東北工科大学・南里志郎記念館 平賀太一&マルチタイプ1号機のエミリー]

 平賀:「エミリー」
 エミリー:「Доброе утро.(ドゥーブラエ・ウートラ)」
 平賀:「? お前、ロシア語モードになってるぞ?」
 エミリー:「……失礼・しました。おはようございます。プロフェッサー平賀」
 平賀:「ああ、おはよう。DCJ秩父研究所の事件のことは聞いてるか?」
 エミリー:「Да.(ダー)」
 平賀:「おい、またロシア語だぞ」
 エミリー:「……失礼・しました。はい、シンディから・聞いて・おります」
 平賀:「ジャニスとルディが脱走したことは、一大事どころの騒ぎじゃない。敷島さんの話によると、ジャニスはしきりに、人間に対する復讐を唱えていたそうだ。あの時のことを恨んでいるとするならば、ここに来て自分やお前に復讐しようとするかもしれない。くれぐれも、油断しないように警戒をしてもらいたい」
 エミリー:「・・・・・・・」
 平賀:「? エミリー?どうした?」

 エミリー、口をパクパクしている。
 そして……バタンと床に倒れた。

 平賀:「おい、エミリー!?」

 エミリーは口から排熱を行うが、時折湯気のようなものが出てくる。

 平賀:「くっ……熱い!」

 どうやらエミリー、体温調節系統に不具合が発生したらしい。

 平賀:「おい、誰か!エミリーを至急運ぶのを手伝ってくれ!」

 平賀は館内にいたセキュリティロボットを呼ぶと、急いで館内の地下研究室に運ばせた。

[8月27日09:30.天候:曇 埼玉県秩父市DCJ秩父研究所 敷島孝夫、アリス敷島、マルチタイプ3号機のシンディ]

 シンディ:「館内探索の結果、ジャニスとルディが潜伏している確率は限りなくゼロに近いことが分かりました」
 アリス:「ご苦労様。警察にはその旨伝えておくから。そうなると、ジャニスとルディはどこへ行ったかってことになるね」
 シンディ:「私達を相当恨んでいるようですから、いつかは私達の所に現れるものと思われます」
 アリス:「だよね。もうこの研究所には用は無いわ。取りあえず、科学館に行くか家に帰って……って、あれ?タカオは?」
 シンディ:「向こうで電話しています」

 すると敷島、電話を切って急いで戻ってくる。

 アリス:「こんな時にビジネスの電話?」
 敷島:「むしろ、そっちの方がハッピーさ。残念だが、深刻な事態が発生した」
 シンディ:「なに?今度はルディが何かやった?」
 敷島:「違う。実は今、平賀先生から電話があったんだが、エミリーが故障したそうだ」
 シンディ:「姉さんが……故障!?そんな……!」
 敷島:「もちろん、平賀先生の手に掛かれば修理可能な程度なんだけども、原因をはっきりさせてから修理完了させるまで、最低3日間は電源を落とさないといけないんだそうだ」
 アリス:「向こうのセキュリティが心配だね。エミリーや平賀教授だって、ジャニス達の恨みの対象なわけでしょう?」
 シンディ:「マリオとルイージでも回す?あんまり役に立たない感じだけどォ……」
 敷島:「おい、シンディ。ああ見えても、マリオとルイージはアリスが作ったロボットだからな?」
 シンディ:「はっ!?」
 アリス:「まあ、確かに最新型とはいえ、所詮バージョン・シリーズな辺りが、たかが知れてはいるけどねぇ……」
 シンディ:「も、申し訳ありません!マスター!口が過ぎました!」
 アリス:「いいのよ。さすがに実弾あっさりパクられたのは、大失態だと思うわ」
 敷島:「それにしても奴ら、どこへ消えたんだ?GPSとか付けてなかったのか?」
 アリス:「それがあったら、苦労しないわよ。まさか、自分で足作って脱走するなんて、考えもしなかったわよ」

 ジャニスとルディは上半身だけアリス達の手で修理されていたが、夜中の間にこっそりと自分の足を作っていたのだった。
 マルチタイプはよほどのことが無い限り、シャットダウンしない。
 再起動が面倒だからだ。
 たかだかエミリーがオーバーヒートの修理程度で、3日間も電源が落ちる状態になるというのもその辺に理由があるようだ。
 ジャニスとルディの場合は、そのせいで裏をかかれてしまったわけだが……。
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“Gynoid Multitype Cindy” 「復讐人形」

2016-08-29 21:35:19 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月27日06:31.天候:曇 JR東飯能駅 敷島孝夫、アリス敷島、3号機のシンディ]

 歳を取ったら、俺もシンディに介護されたい……。

 シンディ:「ん?」
 敷島:「どうした、シンディ?」
 シンディ:「いえ……。何か、作者のつぶやきが聞こえたような気がして……」
 敷島:「無線通信が混線でもしたのか?まあ、ここはJR線と西武線が交差する所だからな」
 アリス:「鉄道無線は周波数が全く違うから混線なんかしないし、そもそも何で作者の声が鉄道無線で流れて来るのよ?」
 敷島:「鉄道であった怖い話の正体は、大抵こういうものだったりするんだよな」
 アリス:「……シンディ、タカオに一発電流お願い」
 シンディ:「かしこまりました」
 敷島:「おいっ!」

〔「まもなく東飯能、東飯能です。お出口は、右側です。西武池袋線は、お乗り換えです」〕

 電車が駅のホームに入る。
 普段から4両編成の電車が走る所はJRも西武も同じだが、時折7両編成の特急“レッドアロー”や4両編成を2台繋いだ8両編成が走ることもある西武線の方が乗客数は多いか?
 もっとも、レッドアローは東飯能駅には停車しないのだが……。

 ポロロロン♪(205系のドアチャイム)

 敷島:「この駅でDCJの人達が出迎えてくれることになっているはずだ」

 敷島達、電車を降りると足早に改札口に向かう。
 が、

 アリス:「ちょっと待って」
 敷島:「何だ?」
 アリス:「ちょっとトイレ」
 敷島:「だーっ!」

 改札口の外にはトイレが無い為、アリスは改札口に近いトイレに寄って行った(但し、駅前に公衆トイレはある)。

 敷島:「外ではDCJの人達が待っているってのに……。まあいいか。シンディ、お前はアリスについててやってくれ」
 シンディ:「いいけど、社長は?」
 敷島:「俺は先にDCJの人達と挨拶してくる。電車が時間通りに着いたってのに、なかなか駅から出て来ないんじゃ怪しまれるだろう」
 シンディ:「なるほどね。じゃ、私はマスターについてるわ」
 敷島:「ああ、頼むぞ」

 敷島、先に改札口を出て行く。
 改札口の外には既にDCJの社員達がいて、敷島が挨拶していた。

 社員A:「こんな朝早くから申し訳ありません」
 社員B:「敷島エージェンシーの敷島社長にまでご足労頂けるとは……」
 敷島:「いえいえ。デイライトさんには、うちのボカロの整備をお願いしてて、それでお世話になってますから」
 社員B:「アリス主任は……?」
 敷島:「ああ。あいつ今、トイレに行ってるんです。もう少し待って頂けますか?」
 社員A:「構いませんよ。慌てて行ったところで、何も状況は変わらないと思いますので」
 敷島:「そんなに事態は深刻なんですか?」
 社員B:「今の研究所には、誰も近寄れない状態です」
 敷島:「そんなに!?……えっ?てか、奴等、まだ実は所内に立て籠もっている状態!?」
 社員A:「ああ、いや。そういうわけではなくて、流血の惨が起きたことで、警察関係者以外は入れないという意味です」
 敷島:「なるほど。ああ、そうそう。そんなことがあったのに不謹慎なんですけど、アリスのヤツ、トイレの後は何か食いたがるんです。あそこのコンビニに行ってきていいですか?」
 社員A:「ええ、どうぞ。私達は車で待っています」

 敷島が足を駅前のコンビニに向けようとした時だった。
 敷島の背後から、銃声の音がした。
 それも拳銃ではなく、シンディが搭載しているようなライフルの音。

 敷島:「!!!」

 敷島はそれまでの経験から、スーツが汚れるのも気にせず、その場に転がった。
 ライフル弾は3発放たれた。

 社員A:「ぐわっ!」
 社員B:「ぎゃあっ!」

 敷島は咄嗟に転がったことで、被弾は免れた。
 だが、不慣れな社員2人は被弾してしまった。

 敷島:「くそっ!」
 シンディ:「社長!」

 シンディが叫ぶのと再び銃弾が発砲されたのは同時だった。
 シンディが敷島の前に立ちはだかり、ライフル弾がシンディの左わき腹に被弾したが、もちろん頑丈なマルチタイプのこと、それだけでは大したダメージにはならない。

 敷島:「警察だ!警察を呼べ!!」

 シンディはすぐに銃弾が飛んできた方向をスキャンしたが、既に狙撃者は去った後なのか、スキャンに引っ掛からなかった。

 ???:「復讐……復讐……!全ての……人間に……死を……!そして……永遠の…………苦しみを…………!」

 その代わり、シンディの通信機に雑音混じりながらも、誰かの声が入った。
 シンディはすぐに自分のメモリーと照らし合わせる。
 最も照合率が高かったのは……。

 シンディ:「ジャニス!お前、ジャニスだな!?こんなことをして、タダで済むと思ってるのか!」
 ジャニス:「……死ね……死ね……!」
 シンディ:「ジャニス!聞いてるの!?」

 しかし、ジャニスの通信は切れてしまった。

 敷島:「シンディ、今のはジャニスからだったのか?」
 シンディ:「ええ。かなり遠くからだったけど……」
 敷島:「あいつ、ライフルなんか搭載してたっけ?」
 アリス:「確か、他のセキュリティロボットに搭載用のライフルはあったと思うわ。もちろん、ここは日本だから、あくまでも模擬弾しか無いけどね」
 敷島:「いや、どう見てもこれは実弾だろう!?」
 アリス:「アタシに言われても分かんないよ」

 エミリーとシンディには超法規的な理由で、実弾の搭載は認められている。
 但し、KR団崩壊後、その数は少ない。
 あくまでも、武力を持ったロボットが制御不能になった際の鎮圧用である。
 人間に対しては基本的に使わないし、使うにしても、殺傷能力の無い模擬弾のみと定められている。

 シンディ:「あー、マリオとルイージ、聞こえる?」

 シンディは何故かバージョン5.0兄弟と通信した。

 マリオ:「ハハッ!コチラ、シンディ様ノ信任厚キ、マリオデアリマス!」
 シンディ:「厚い信任をした覚えは無いけどね。それよりアンタ達も、実弾入りのライフルを搭載してるでしょ?」
 マリオ:「ハイ」
 シンディ:「……弾の数は合ってる?」
 マリオ:「ア、今ハ実弾ハ装填シテイマセン」
 シンディ:「なに?それはジャニスとルディを撃つのに全部使ったってオチ?」
 マリオ:「イイエ。保管シテイタ弾薬ヲ、奴ラニ盗ラレマシタ」
 シンディ:「……本気で言ってるの?」
 マリオ:「バージョンシリーズノ中デ、シンディ様ニ嘘ヲ付ケル奴ハイマセン」
 シンディ:「それもそうね。……って、このドアホ!テメェらがあっさり実弾盗られたりしたから、また人間の死人が2人も出ただろうがぁっ!この役立たず!!」
 敷島:「いや、シンディ、この人達まだ死んでないから」
 社員A:「ぁうう……」
 社員B:「勝手に……殺さないで………くれ………」
 警察官:「動かないで!もうすぐ救急車来るからね!」

 駅前は大惨事と化していた。
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本日の雑感 0828

2016-08-29 00:56:50 | 日記
 今日は夜も遅いので、手短にさせて頂く。
 厳虎独白の炎上は、ようやく鎮火に向かったようだ。
 これは沖修羅河童氏を擁護する者は実名を挙げよ、という声に呼応したものだろう。
 つまり呼応できずに、大沢氏叩きができなくなったものと思われる。
 そう聞くと、まるで大沢氏叩きを行った者達は学会員ではないかと思われるが、私は違うと思っている。
 んっ?さんの仰っていることが本当だとするならば、河童さんを擁護する学会員がいるとは思えないし、そもそも河童さんは大沢氏からの論をのらりくらりと交わしている感がある。
 逆に河童氏が発言すればするほど、学会のイメージダウンになることから、本来はんっ?さんやチキンジョージさん達のような形になるのが普通だと思う。
 私は河童さん擁護の学会員に成り済ました、大沢さんを嫌う別の妙観講員ではないかと思っている。
 もちろん、証拠は無い。
 ただ、私も妙観講員に攻撃されたことがあり、それを機に調査を開始していったことがあり、それと照らし合わせてみると、何かそんな気がするのだ。
 何しろ、大沢氏の太鼓持ちと言っては失礼だが、そんなマイケルさんには何も攻撃していないのが不自然である。
 マイケルさんは妙観講員ではない。
 というわけで、妙観講内のゴタゴタかなと思った次第だ。

 ま、とにかく、またいつもの沖修羅河童VS法華講・学会連合の論争に戻った方が平和だろう。
 厳虎さんも、どことなく楽しんでいるみたいだし、まあいいんじゃないか。

 閑話休題。
 山門入り口さんから、こっそりと情報提供を受けた。
 まあ、コメント欄に書かれている時点でこっそりではないか。
 大日蓮に書かれることはないと思うが、事実は事実として報じてもらいたいものである。

 ようやく世間様の夏休みも終わろうとしている。
 終わっている所は、もう終わっているだろう。
 今日は職場で夏休み期間中の繁忙期が無事に終わったことを祝して、暑気払いが行われた。
 それで、こんなに帰りが遅くなったわけである。
 宇都宮線の終電で帰ってきたよ。
 平日ならメチャ混みなのだろうが、日曜日で助かった。
 15両編成の電車に、乗客は疎らだった。
 それでも高崎線だったら、もっと混んでいたのだろうけどね。

 まもなく8月も終了。
 独りストライキ……もとい、退転月間も終了する。
 9月からは再び末寺参詣を再開するが、お坊さん達の不祥事について、どこまで伝わっているのか見ものだ。
 顕正会が良いとは思わない。
 だが、今の宗門法華講が良いとは思えないのもまた事実。

 信心とは一体何ぞや?
 大きな人生の転機でも無い限りは、私はそれを知る機会には恵まれないのかもしれない。
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本日の雑感 0827

2016-08-27 20:42:09 | 日記
 厳虎独白が荒れている。
 今は矛先が妙観講の大沢克日子さんに向けられている状態だ。

 ただこれは、私は妙観講内のマッチポンプではないかと思っている。
 最初、キナ臭い書き込みがあったのは“迷走する顕正会を斬る”の作者、櫻川氏が妙観講に入ったことを嘆く声だったかと思う。
 証拠の無い戯れ言で恐縮だが、一瞬、大沢氏は櫻川氏のHNではないかと思ってしまった。
 その後で妙観講に対する矛先らしきものがあり、それがいつしか大沢氏への個人攻撃になってしまっている。
 個人的な私見であるが、これは別の妙観講員が妙観講なかんづく大草講頭への矛先を避ける為、あえて宗門の日顕上人や婦女暴行で逮捕されたお坊さんへの矛先に摩り替えたような気がしてならない。
 ま、ただの私の当て推量だ。

 それにしても、

>2016/8/27 19:27
投稿者:そんなん関係ねぇ
通りすがりの信者さん、ペーさんが言ってた通り、この教団の現状は、最低最悪だ。だが、絶対に、辞めるんじゃないぞ。
社会に出たら、山ほど、理不尽な事はある。理不尽な事に耐えるのも、男の修行だ。
以前、ペーさんが言ってたように、程よい距離感を取りながら、傲慢僧侶や軟弱幹部と付き合っていけよ。
何があっても、退転するな。俺も、この腐りきった教団の中で、何十年も耐えている。それが、世の中に出た時、役立つ場合もある。
宗門の僧侶も一枚岩ではない。
犯罪を犯すような愚か者や数十億円の豪邸に住むバカもいるが、宗門の坊さんの中にも、いい人はいる。理不尽さに耐えているのは、御僧侶も同じだ。
何かあったら、また投稿待っている

 私はこの人の話の流れからして、『ケガが大きくなる前に辞めた方がいい』みたいな方向へ行くものと思っていた。
 恐らくこの人は妙観講員、しかも大沢さんのような武闘派に対して批判精神を持っている人だろう。
 さすがに自分の書き込みで退転者を出したらマズいとでも思ったか。
 ……何か、山門入り口さんがどこかに紛れ込んでいるような気がしないでもないけど。
 1度脱講した者としては、退転するのも1つの手だと思っている。
 無宗教になって、人生を考え直すのも1つの手だということだな。
 あと、何か人生の転機があった際に退転するのもありだろう。
 以前、私は結婚相手が別の宗教の人だったら、そっちに移って日蓮正宗は辞めるみたいなことを書いたが、あくまで一例だ。
 人生の転機があった時、そこに日蓮正宗という選択肢が無いのは、はっきりいって宗門側の責任だ。
 本人の責任ではない。
 今のところはまだ選択肢として存在している。
 でも何故だろう?
 それを選んだからといって、グッドエンドに直行できる自信が無いのは。

 まとまりが無くて申し訳ない。
 今もまだ厳虎独白では、現在進行形で信徒同士の応酬が続いている。
 大沢さんが「大先輩」と仰ったことから、信徒同士というよりは、妙観講員同士の応酬だろう。
 せっかく、沖修羅河童さんを破折していたのに、別の妙観講員に足引っ張られたちゃったねぇ……。
 このように、法論などは意味が無く、場合によってはこのように別の信徒から足を引っ張られて強制終了となる場合もあるということだ。

>程よい距離感を取りながら、傲慢僧侶や軟弱幹部と付き合っていけよ。

 これが1番良い形だろう。
 ただ、私の場合、そもそも傲慢僧侶と会ったことが無い。
 軟弱幹部はあるけどなw
 老害幹部が青年部員に仕事回さないとか、確かにあったよ。
 おかげ様で育成も何もあったものじゃない。
 御受誡してから放置プレイはよくある話だ。
 私みたいに顕正会や報恩坊さんで、組織内の立ち回り方をある程度学んだ者はそれでも良いが、右も左も分からない状態で入って来た人はどうするんだろうねぇ?

 こりゃ再び、シュプレヒコールとストライキ決行にそろそろ入る時期かな?
 というより、今月にあっては強制スト突入中なのだが。

 最後に◯◯さんの書き込みを引用させて頂く。

>ある寺院の御住職が交替する事になって、新しい御住職の就任法要に参加したのは、わずかに四人。200名近く、名簿上では、信徒がいるはずなのに。

その直後、支部総登山に参加したのは、二人だけ。お目通りの際に、こってり絞られたとのこと。

ハマコーさんみたいな、人心掌握術の上手な人だったら、その二人の手をとって、「御参詣、ありがとう。この二人から、一歩一歩、頑張って行きましょう」と、励ましたら、この二人は、どれだけ、歓喜することか。

戸田会長時代の創価学会は、「一人立つ信心」がキャッチフレーズでしたが、信者を本山に集めて御供養を集める事しか頭にない教団トップでは、前途、真っ暗です。

今朝から、いろいろ投稿がありましたが、日淳上人の御指南通り、抜本的改革をしなければ、宗門法華講の発展はないと、改めて、確信しました。ww

 桜梅桃李さんは、「日蓮正宗は民主主義ではない」と仰っている。
 だからしょうがないのだろうが、少なくとも、今の宗門をより良いものにしたいという信徒達の気持ちは大事にしてもらいたいものだ。
 私はしばらく不良信徒のままでいよう。
 9月1日からストライキ……もとい、退転月間が明けるので、末寺に久しぶりに行こうと思う。

 とにかく、いくら民主主義ではないと言ったところで、アジテーションやストライキはやって構わないのではないかと思う。
 もしかしたら◯◯さんが例に挙げた末寺の人達、ストライキを起こしていたのかもしれないよ。
 嫌になったら無理をしないで、半退転しても良い。
 私のように、1ヶ月と期間を定めて1人ストライキに入るのも良い。
 こうして私は、今でも辞めずに済んでいるのだよ。
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