[11月23日15:30.天候:雨 栃木県日光市鬼怒川温泉 あさやホテル]
稲生達を乗せた貸切バスがホテルのエントランス前に到着した。
稲生:「到着です。お疲れさまでした」
エレーナ:「おー、やっと到着か」
ぞろぞろと降りるダンテとその門下生達。
幹事の稲生はその中でも忙しい。
マリア:「私で手伝えることは無いのかな?」
ルーシー:「日本人がもう少しいるといいんだろうけどね。大師匠様の御相手は先生方がしてくれているから、そこは苦労しないと思うけど……」
稲生はここまで乗せてくれたバスの運転手とのやり取りの他、到着したホテルのスタッフともやり取りをしていた。
エレーナ:「どうせ夜は宴会だろ?2次会とか3次会とかはこのホテル内で完結するみたいだし、殆どその相手はやっぱり先生達がするだろうから、1次会が終わってしまえば一息付けるんじゃね?」
マリア:「……だといいけどな」
ルーシー:「宴会が終わったら、稲生さんを労いに行きましょうか?」
エレーナ:「お?ルーシー、マリアンナを出し抜けか?」
ルーシー:「違うって。もちろん、私達で行くの」
エレーナ:「ま、いいけどな。私も先生達の相手よりかは稲生氏の相手してる方が気楽だぜ」
ダンテは直弟子達に囲まれながらホテルの中に入って行った。
直弟子達の全員が魔女であるが、しかし全員が今や弟子持ちの、世界に名だたる大魔道師となっている。
イリーナみたいに占い師として活躍する者もいれば、悪魔信仰の教祖として活躍している者もいるという。
ルーシー:「大きなホテルね」
エレーナ:「明らかに私のホテルの何倍もあるぜ……」
マリア:「当たり前だろ。高そうなホテルだけど、予算大丈夫なのか?」
エレーナ:「そんな心配しなくていいだろ。プラチナカード持ちの先生達が予算出し合えば、もっと高いホテルも可能だぜ」
実際にダンテはこのホテルの貴賓室に泊まるらしい。
因みにこの貴賓室、当然ダンテ専用ではなく、他にも数名同室できるらしいのだが……。
稲生:「御一緒頂ける先生方は、もう既に大師匠様の御指名に預かった方のみと致します。それでいいですね?」
ダンテ:「皆、『仲良き事は美しき哉』だぞ?」
イリーナ:「はーい!」
ポーリン:「もちろんです!」
アナスタシア:「重々理解しております!」
ベイカー:「私は500年、先生の弟子をしておりますので、言われるまでもありません」
悲喜こもごもである。
稲生:「他の先生方は都内のホテルに宿泊する際に、大師匠様と同室できるようにしてございますから……」
女将:「それではお部屋の方へご案内させて頂きます」
稲生:「よろしくお願いします」
吹き抜けのホールを外観エレベーターで上がる。
エレーナ:「昔、同乗した豪華客船に似てるな」
稲生:「そうなの?」
エレーナ:「もちろん、こんな日本風な感じではなかったぜ。ちょっとしたオペラハウスみたいな感じだった」
稲生:「エレーナ、豪華客船乗ったことあるんだ?」
エレーナ:「あの時は私が“魔の者”に狙われていたからな、情報をマフィアの黒幕から聞き出す為に乗り込んだんだ」
稲生:「そっかぁ……」
エレーナ:「船で日本へ乗り込めないか試したみたいだが、やっぱりダメだったみたいだ」
稲生:「何かあるのかな?」
エレーナ:「さあ……。とにかく、日本はそう言った意味では安全地帯だってわけだ。ルーシーの前じゃ言えねーけどな」
稲生:「う、うん……」
ルーシーはたまたま他のエレベーターで先に上がっていた。
ベイカーのお供で上がったからだ。
他の門下生達も貴賓室とまではいかなくても、和室の部屋に通されて日本を満喫するとができそうだった。
唯一1人で泊まることになった稲生は洋室ツインルームを1人で使うことになる。
稲生:「僕だけ1人で寂しい……」
エレーナ:「や、やっぱし、後で遊びに行ってやろーか?」
マリア:「そ、そうだな」
ルーシー:「だからさっきそう言ったじゃない」
イリーナ:「勇太君」
貴賓室の方からイリーナが歩いて来た。
稲生:「あっ、先生」
イリーナ:「ダンテ先生が夕食は何時からだって」
稲生:「一応、18時からにしてもらってます。ここの宴会場で夕食です」
イリーナ:「分かったわ」
イリーナは踵を返そうとして、また稲生に向き直った。
そして、小声で言った。
イリーナ:「このホテルの中では、ダンテ先生のことは私達に任せておきなさい。勇太君も疲れたでしょう?あとは明日の朝食の時間と場所を教えてくれれば、あとはゆっくりしてていいから」
稲生:「はい、ありがとうございます」
エレーナ:「先生、私達もゆっくりしちゃっていいんスかね?」
イリーナ:「あなた達はあなた達の先生から指示をもらいなさい。……と言いたいところだけど、多分それどころじゃ無さそうだから、多分いいと思うよ」
エレーナ:「せっかくのデカいホテルです。たった一泊なんて勿体ない気がしますけど、存分に調査……もとい、楽しませてもらいますよ」
イリーナ:「結構よ」
イリーナは大きく頷くと、再び貴賓室の方に向かってパタパタと走って行った。
エレーナ:「つーわけだ。お言葉に甘えて温泉入らせてもらおうぜ」
稲生:「キミ達、先に入りなよ。僕は宴会のことについて、担当者と最終確認をしなくちゃいけないから」
エレーナ:「おいおい、もう料理とかは決まってんだろ?何を最終確認するんだぜ?どうせ先生達、酒飲ませりゃ大丈夫だって」
マリア:「うちの師匠もウワバミだからなぁ……」
ルーシー:「でもベイカー先生は料理にはうるさい方よ?」
稲生:「……やっぱり行って来る」
稲生はエレベーターに乗ってフロントへと降りて行った。
マリア:「開催国が日本になると、勇太一人が忙しくなるんだよなぁ……」
エレーナ:「稲生氏はまだ見習だからなぁ……」
ルーシー:「でも、これが成功したら大きなボーナスポイントなるんでしょう?」
マリア:「そう言われてるけどね」
エレーナ:「やっぱし、後で労いに行こう」
マリア:「どうするんだ?」
エレーナ:「宴会で酒とか余るだろうから、それガメて、あとはスナックとか何か持って行けばいいだろ」
ルーシー:「この下にキヨスク?とかあったみたいだしね」
エレーナ:「売店って言うんだぜ。ちょっと後で調達しよう」
マリア:「う、うん」
稲生、魔女達に気を使われる。
稲生達を乗せた貸切バスがホテルのエントランス前に到着した。
稲生:「到着です。お疲れさまでした」
エレーナ:「おー、やっと到着か」
ぞろぞろと降りるダンテとその門下生達。
幹事の稲生はその中でも忙しい。
マリア:「私で手伝えることは無いのかな?」
ルーシー:「日本人がもう少しいるといいんだろうけどね。大師匠様の御相手は先生方がしてくれているから、そこは苦労しないと思うけど……」
稲生はここまで乗せてくれたバスの運転手とのやり取りの他、到着したホテルのスタッフともやり取りをしていた。
エレーナ:「どうせ夜は宴会だろ?2次会とか3次会とかはこのホテル内で完結するみたいだし、殆どその相手はやっぱり先生達がするだろうから、1次会が終わってしまえば一息付けるんじゃね?」
マリア:「……だといいけどな」
ルーシー:「宴会が終わったら、稲生さんを労いに行きましょうか?」
エレーナ:「お?ルーシー、マリアンナを出し抜けか?」
ルーシー:「違うって。もちろん、私達で行くの」
エレーナ:「ま、いいけどな。私も先生達の相手よりかは稲生氏の相手してる方が気楽だぜ」
ダンテは直弟子達に囲まれながらホテルの中に入って行った。
直弟子達の全員が魔女であるが、しかし全員が今や弟子持ちの、世界に名だたる大魔道師となっている。
イリーナみたいに占い師として活躍する者もいれば、悪魔信仰の教祖として活躍している者もいるという。
ルーシー:「大きなホテルね」
エレーナ:「明らかに私のホテルの何倍もあるぜ……」
マリア:「当たり前だろ。高そうなホテルだけど、予算大丈夫なのか?」
エレーナ:「そんな心配しなくていいだろ。プラチナカード持ちの先生達が予算出し合えば、もっと高いホテルも可能だぜ」
実際にダンテはこのホテルの貴賓室に泊まるらしい。
因みにこの貴賓室、当然ダンテ専用ではなく、他にも数名同室できるらしいのだが……。
稲生:「御一緒頂ける先生方は、もう既に大師匠様の御指名に預かった方のみと致します。それでいいですね?」
ダンテ:「皆、『仲良き事は美しき哉』だぞ?」
イリーナ:「はーい!」
ポーリン:「もちろんです!」
アナスタシア:「重々理解しております!」
ベイカー:「私は500年、先生の弟子をしておりますので、言われるまでもありません」
悲喜こもごもである。
稲生:「他の先生方は都内のホテルに宿泊する際に、大師匠様と同室できるようにしてございますから……」
女将:「それではお部屋の方へご案内させて頂きます」
稲生:「よろしくお願いします」
吹き抜けのホールを外観エレベーターで上がる。
エレーナ:「昔、同乗した豪華客船に似てるな」
稲生:「そうなの?」
エレーナ:「もちろん、こんな日本風な感じではなかったぜ。ちょっとしたオペラハウスみたいな感じだった」
稲生:「エレーナ、豪華客船乗ったことあるんだ?」
エレーナ:「あの時は私が“魔の者”に狙われていたからな、情報をマフィアの黒幕から聞き出す為に乗り込んだんだ」
稲生:「そっかぁ……」
エレーナ:「船で日本へ乗り込めないか試したみたいだが、やっぱりダメだったみたいだ」
稲生:「何かあるのかな?」
エレーナ:「さあ……。とにかく、日本はそう言った意味では安全地帯だってわけだ。ルーシーの前じゃ言えねーけどな」
稲生:「う、うん……」
ルーシーはたまたま他のエレベーターで先に上がっていた。
ベイカーのお供で上がったからだ。
他の門下生達も貴賓室とまではいかなくても、和室の部屋に通されて日本を満喫するとができそうだった。
唯一1人で泊まることになった稲生は洋室ツインルームを1人で使うことになる。
稲生:「僕だけ1人で寂しい……」
エレーナ:「や、やっぱし、後で遊びに行ってやろーか?」
マリア:「そ、そうだな」
ルーシー:「だからさっきそう言ったじゃない」
イリーナ:「勇太君」
貴賓室の方からイリーナが歩いて来た。
稲生:「あっ、先生」
イリーナ:「ダンテ先生が夕食は何時からだって」
稲生:「一応、18時からにしてもらってます。ここの宴会場で夕食です」
イリーナ:「分かったわ」
イリーナは踵を返そうとして、また稲生に向き直った。
そして、小声で言った。
イリーナ:「このホテルの中では、ダンテ先生のことは私達に任せておきなさい。勇太君も疲れたでしょう?あとは明日の朝食の時間と場所を教えてくれれば、あとはゆっくりしてていいから」
稲生:「はい、ありがとうございます」
エレーナ:「先生、私達もゆっくりしちゃっていいんスかね?」
イリーナ:「あなた達はあなた達の先生から指示をもらいなさい。……と言いたいところだけど、多分それどころじゃ無さそうだから、多分いいと思うよ」
エレーナ:「せっかくのデカいホテルです。たった一泊なんて勿体ない気がしますけど、存分に調査……もとい、楽しませてもらいますよ」
イリーナ:「結構よ」
イリーナは大きく頷くと、再び貴賓室の方に向かってパタパタと走って行った。
エレーナ:「つーわけだ。お言葉に甘えて温泉入らせてもらおうぜ」
稲生:「キミ達、先に入りなよ。僕は宴会のことについて、担当者と最終確認をしなくちゃいけないから」
エレーナ:「おいおい、もう料理とかは決まってんだろ?何を最終確認するんだぜ?どうせ先生達、酒飲ませりゃ大丈夫だって」
マリア:「うちの師匠もウワバミだからなぁ……」
ルーシー:「でもベイカー先生は料理にはうるさい方よ?」
稲生:「……やっぱり行って来る」
稲生はエレベーターに乗ってフロントへと降りて行った。
マリア:「開催国が日本になると、勇太一人が忙しくなるんだよなぁ……」
エレーナ:「稲生氏はまだ見習だからなぁ……」
ルーシー:「でも、これが成功したら大きなボーナスポイントなるんでしょう?」
マリア:「そう言われてるけどね」
エレーナ:「やっぱし、後で労いに行こう」
マリア:「どうするんだ?」
エレーナ:「宴会で酒とか余るだろうから、それガメて、あとはスナックとか何か持って行けばいいだろ」
ルーシー:「この下にキヨスク?とかあったみたいだしね」
エレーナ:「売店って言うんだぜ。ちょっと後で調達しよう」
マリア:「う、うん」
稲生、魔女達に気を使われる。