[6月14日11時45分 天候:不明 静岡県富士宮市某所 斉藤家隠し別荘・地下室]
斉藤家の隠し別荘を探索し、地下室に着いた私達。
まるで大企業の社長室のような豪勢な造りの部屋には、立派な執務机があり、その上には電話があった。
そして、その電話が鳴り、最も近くにいた私が電話を取った。
愛原「も、もしもし?」
高野芽衣子「もしもし?」
愛原「ん!?その声は、高野君!?」
高野「えっ、愛原先生!?これはどういうことですか!?」
愛原「いや、こっちが聞きたい!君こそ、どうしてここに電話を掛けたんだ!?」
高野「私はあの女に、ここに電話するように言われたんです!」
愛原「あの女!?あの女って誰だ!?」
高野「その前に先生、今どこにいるんですか!?」
愛原「俺達は静岡県富士宮市郊外の別荘だ!斉藤家の隠し別荘だという……」
高野「!!! そこに、小迫という名前の女はいますか?」
愛原「コハク?……いや、いないが?」
私はこの時、コハクの意味をすっかり忘れていた。
高野「そ、そうですか!その隠し別荘とやらは、今探索中なんですね?」
愛原「そうだ」
高野「今、異変は発生していますか?」
愛原「異変?いや、今は発生していないが……。ん?」
その時、私はパールがやたら緊張した面持ちになっているのが分かった。
私は受話器の送話口を押さえた。
愛原「どうした、パール?」
パール「い、いえ……何でもありません」
私が電話中の間も、リサは室内の探索を続けている。
リサ「おっ、グリーンハーブ発見!……そっちにはレッドハーブも!」
アンバー「調合できるのですかぁ~?凄いですねぇ~!」
リサ「霧生市にいた時、USSの奴らとか、研究員がやっていたのを真似してたらできるようになった!」
私は再び高野君との会話に戻った。
愛原「ああ、悪い。これといって異変も無いし、大きな発見も無い」
高野「先生、悪い事は言いません。速やかにそこから離れてください。恐らく、そこは罠です。先生の命が危険です」
愛原「それはどういうことだ?キミ達はどこから電話してるんだ?」
すると、電話口の向こうからけたたましい警報音が聞こえて来た。
高野「ここも自爆装置が作動したようです!離脱します!先生方もどうかお気をつけて!」
愛原「あっ、おい!」
だが、電話が切れてしまった。
アンバー「どなたからお電話だったんですかぁ~?」
愛原「ああ……いや、俺の知り合いだ。何か知らんが、この電話の番号に間違って掛けてきたらしい」
アンバー「そうでしたかぁ~……」
愛原「キミ、この部屋には何か重要な物が隠されていると思うか?」
アンバー「先ほども申し上げました通りぃ~、私はここに入るのは初めてなんですぅ~。だから、何とも申し上げられません」
愛原「そうか……」
パール「アンバー」
アンバー「なーに?」
パール「この部屋にトイレはある?」
アンバー「やぁねぇ~。さっきから具合悪そうにしてたの、そうだったのォ~?トイレは地上にしか無いわよ~」
パール「ほ~……そうか」
リサ「……ねぇ、先生。この部屋って、随分きれいだよね。まるで、さっきまで誰かいたみたい。っていうか、掃除された後みたい」
愛原「そうだなぁ……」
そして、私はようやく思い出した。
私はショットガンを、パールはサバイバルナイフを、リサは鬼形態に戻った。
愛原「高野君が言ってたコハクって、琥珀で、アンバーの事だよな?」
パール「地下室に来るのは初めてなのに、どうしてここにトイレが無いって分かるの?」
リサ「1階と同じように、あなたはここも掃除したでしょ?」
アンバー「み、皆さん、どうなさったのですかぁ~?落ち着いてください~!」
パール「洗いざらい吐いてもらおうか!」
アンバー「わ、分かりました~!それなら……」
と、またここで机の上の電話が鳴る。
愛原「な、何だこんな時に!?」
私達の注意が一瞬逸れた隙を、アンバーは見逃さなかった。
リサ「! 先生!!!」
リサが真っ先に気づいたが、遅かった。
アンバーはメイド服のポケットに入れていた閃光手榴弾を取り出し、それを炸裂させた。
愛原「わぁーっ!」
パール「うっ!!!」
リサ「きゃっ!!」
閃光手榴弾とはその名の通り、炸裂させると強い光を放ち、そして大きな爆発音を起こす手榴弾である。
しかし、効果はそれだけで殺傷能力は無い。
とはいえ、敵に眩暈やショック状態を起こさせる効果があるくらいなので、あまりにも大音量なことから難聴を引き起こしたり、火薬で火傷をすることはあるという。
アンバー「キャハハハハハハハハ!!!ここで全員死ねぇぇぇぇぇぇっ!!!」
アンバーはそう叫ぶと、地下室を出て行った。
愛原「く、くそっ!まさか、こんな物を持っていやがるとは……!」
しばらくは視界が効きそうにない。
パールが、手探りで、ようやく電話を取った。
パール「も、もしもし……」
善場「その声は、霧崎事務員ですか!?どうしてそこに!?」
パール「……え、何ですか?!聞こえません!」
パールもまだ聴力が戻っていないようだ。
リサ「貸して!」
この中では、最もリサが回復が早いのだろう。
さすがはラスボスをルーツに持つBOW(生物兵器)だ。
リサ「もしもし!リサです!」
善場「リサまで!?すると、そこに愛原所長も?」
リサ「そうだよ!斉藤家の隠し別荘とやらにいるの!」
善場「そこは罠です!直ちに退避してください!!」
すると、室内のスピーカーから、けたたましい警報が流れて来る。
〔自爆装置作動!自爆装置作動!このプログラムを停止させることはできません。在館者は直ちに屋外へ退避してください。繰り返します。この建物は、まもなく自爆します。このプログラムを停止させることはできません。在館者は直ちに屋外へ退避してください。……〕
愛原「自爆装置だって!?」
善場「遅かったですか!静岡事務所が救助に向かいます!なるべく速やかに脱出してください!」
電話が切れた。
愛原「くっそ!罠だったのかよ!」
リサ「お兄ちゃんが先生を裏切った!?」
愛原「いや、違う!どこかで手違いが発生したんだ……!」
パール「先生、それより脱出しましょう!」
愛原「ああ!」
私達は廊下に飛び出た。
不思議なことに、地下室そのものの鍵は掛かっていなかった。
もしかしたら、外から鍵を掛けられて閉じ込められたかと思っていたのだが。
しかし、廊下の照明は消えてしまい、真っ暗だった。
こんなこともあろうかと、服に付けて前方を照らすボディライトを持って来ている。
私とパールが付けた。
リサは暗闇でも目が見えるので、付けなくても良い。
愛原「エレベーターがいない!」
パール「アンバーですよ!アンバーが上に上がってしまったんです!」
私はボタンを押した。
意外なことに、エレベーターが素直に下りて来る。
だが、下りて来たエレベーターの鉄格子の扉越しに、私達はある物を見た。
それは……。
①アンバーの死体
②ゾンビの群れ
➂ハンター数匹
④タイラント1匹
⑤宝箱
斉藤家の隠し別荘を探索し、地下室に着いた私達。
まるで大企業の社長室のような豪勢な造りの部屋には、立派な執務机があり、その上には電話があった。
そして、その電話が鳴り、最も近くにいた私が電話を取った。
愛原「も、もしもし?」
高野芽衣子「もしもし?」
愛原「ん!?その声は、高野君!?」
高野「えっ、愛原先生!?これはどういうことですか!?」
愛原「いや、こっちが聞きたい!君こそ、どうしてここに電話を掛けたんだ!?」
高野「私はあの女に、ここに電話するように言われたんです!」
愛原「あの女!?あの女って誰だ!?」
高野「その前に先生、今どこにいるんですか!?」
愛原「俺達は静岡県富士宮市郊外の別荘だ!斉藤家の隠し別荘だという……」
高野「!!! そこに、小迫という名前の女はいますか?」
愛原「コハク?……いや、いないが?」
私はこの時、コハクの意味をすっかり忘れていた。
高野「そ、そうですか!その隠し別荘とやらは、今探索中なんですね?」
愛原「そうだ」
高野「今、異変は発生していますか?」
愛原「異変?いや、今は発生していないが……。ん?」
その時、私はパールがやたら緊張した面持ちになっているのが分かった。
私は受話器の送話口を押さえた。
愛原「どうした、パール?」
パール「い、いえ……何でもありません」
私が電話中の間も、リサは室内の探索を続けている。
リサ「おっ、グリーンハーブ発見!……そっちにはレッドハーブも!」
アンバー「調合できるのですかぁ~?凄いですねぇ~!」
リサ「霧生市にいた時、USSの奴らとか、研究員がやっていたのを真似してたらできるようになった!」
私は再び高野君との会話に戻った。
愛原「ああ、悪い。これといって異変も無いし、大きな発見も無い」
高野「先生、悪い事は言いません。速やかにそこから離れてください。恐らく、そこは罠です。先生の命が危険です」
愛原「それはどういうことだ?キミ達はどこから電話してるんだ?」
すると、電話口の向こうからけたたましい警報音が聞こえて来た。
高野「ここも自爆装置が作動したようです!離脱します!先生方もどうかお気をつけて!」
愛原「あっ、おい!」
だが、電話が切れてしまった。
アンバー「どなたからお電話だったんですかぁ~?」
愛原「ああ……いや、俺の知り合いだ。何か知らんが、この電話の番号に間違って掛けてきたらしい」
アンバー「そうでしたかぁ~……」
愛原「キミ、この部屋には何か重要な物が隠されていると思うか?」
アンバー「先ほども申し上げました通りぃ~、私はここに入るのは初めてなんですぅ~。だから、何とも申し上げられません」
愛原「そうか……」
パール「アンバー」
アンバー「なーに?」
パール「この部屋にトイレはある?」
アンバー「やぁねぇ~。さっきから具合悪そうにしてたの、そうだったのォ~?トイレは地上にしか無いわよ~」
パール「ほ~……そうか」
リサ「……ねぇ、先生。この部屋って、随分きれいだよね。まるで、さっきまで誰かいたみたい。っていうか、掃除された後みたい」
愛原「そうだなぁ……」
そして、私はようやく思い出した。
私はショットガンを、パールはサバイバルナイフを、リサは鬼形態に戻った。
愛原「高野君が言ってたコハクって、琥珀で、アンバーの事だよな?」
パール「地下室に来るのは初めてなのに、どうしてここにトイレが無いって分かるの?」
リサ「1階と同じように、あなたはここも掃除したでしょ?」
アンバー「み、皆さん、どうなさったのですかぁ~?落ち着いてください~!」
パール「洗いざらい吐いてもらおうか!」
アンバー「わ、分かりました~!それなら……」
と、またここで机の上の電話が鳴る。
愛原「な、何だこんな時に!?」
私達の注意が一瞬逸れた隙を、アンバーは見逃さなかった。
リサ「! 先生!!!」
リサが真っ先に気づいたが、遅かった。
アンバーはメイド服のポケットに入れていた閃光手榴弾を取り出し、それを炸裂させた。
愛原「わぁーっ!」
パール「うっ!!!」
リサ「きゃっ!!」
閃光手榴弾とはその名の通り、炸裂させると強い光を放ち、そして大きな爆発音を起こす手榴弾である。
しかし、効果はそれだけで殺傷能力は無い。
とはいえ、敵に眩暈やショック状態を起こさせる効果があるくらいなので、あまりにも大音量なことから難聴を引き起こしたり、火薬で火傷をすることはあるという。
アンバー「キャハハハハハハハハ!!!ここで全員死ねぇぇぇぇぇぇっ!!!」
アンバーはそう叫ぶと、地下室を出て行った。
愛原「く、くそっ!まさか、こんな物を持っていやがるとは……!」
しばらくは視界が効きそうにない。
パールが、手探りで、ようやく電話を取った。
パール「も、もしもし……」
善場「その声は、霧崎事務員ですか!?どうしてそこに!?」
パール「……え、何ですか?!聞こえません!」
パールもまだ聴力が戻っていないようだ。
リサ「貸して!」
この中では、最もリサが回復が早いのだろう。
さすがはラスボスをルーツに持つBOW(生物兵器)だ。
リサ「もしもし!リサです!」
善場「リサまで!?すると、そこに愛原所長も?」
リサ「そうだよ!斉藤家の隠し別荘とやらにいるの!」
善場「そこは罠です!直ちに退避してください!!」
すると、室内のスピーカーから、けたたましい警報が流れて来る。
〔自爆装置作動!自爆装置作動!このプログラムを停止させることはできません。在館者は直ちに屋外へ退避してください。繰り返します。この建物は、まもなく自爆します。このプログラムを停止させることはできません。在館者は直ちに屋外へ退避してください。……〕
愛原「自爆装置だって!?」
善場「遅かったですか!静岡事務所が救助に向かいます!なるべく速やかに脱出してください!」
電話が切れた。
愛原「くっそ!罠だったのかよ!」
リサ「お兄ちゃんが先生を裏切った!?」
愛原「いや、違う!どこかで手違いが発生したんだ……!」
パール「先生、それより脱出しましょう!」
愛原「ああ!」
私達は廊下に飛び出た。
不思議なことに、地下室そのものの鍵は掛かっていなかった。
もしかしたら、外から鍵を掛けられて閉じ込められたかと思っていたのだが。
しかし、廊下の照明は消えてしまい、真っ暗だった。
こんなこともあろうかと、服に付けて前方を照らすボディライトを持って来ている。
私とパールが付けた。
リサは暗闇でも目が見えるので、付けなくても良い。
愛原「エレベーターがいない!」
パール「アンバーですよ!アンバーが上に上がってしまったんです!」
私はボタンを押した。
意外なことに、エレベーターが素直に下りて来る。
だが、下りて来たエレベーターの鉄格子の扉越しに、私達はある物を見た。
それは……。
①アンバーの死体
②ゾンビの群れ
➂ハンター数匹
④タイラント1匹
⑤宝箱