報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「代替修学旅行2日目」

2022-02-27 20:23:20 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月24日07:00.天候:晴 福島県南会津郡南会津町 会津アストリアホテル・リサ達の部屋]

 枕元に置いたスマホが一斉にアラームを鳴らす。

 リサ:「んん……」

 リサは手を伸ばして、アラームを止めた。

 リサ:「サイトー、起きて。起床時間」

 リサは隣で寝ているサイトーを揺り起こした。

 絵恋:「もう朝……?」

 絵恋は大きく背伸びをした。

 淀橋:「おはよう……」
 小島:「ううーん……」

 4人とも、未だに体操服にブルマーを穿いていた。
 リサが着替えを許さなかったのではなく、何だか流れでそのままの恰好だったのだ。

 リサ:「早く着替えて、朝ごはん食べに行こう」
 絵恋:「そうね」
 リサ:「出発は何時だっけ?」
 絵恋:「9時半だって。今度はバスで移動するのよね」
 淀橋:「そうそう」
 小島:「ねぇ、先にお風呂入ってこない?朝風呂ってヤツ」
 淀橋:「朝風呂かぁ……」
 リサ:「それじゃ、行って来よう。……ブルマはもういいや」
 絵恋:「そうしましょう」

 少女達はブルマーを脱いで、普通のジャージの長ズボンに穿き替えた。
 上も冬用のジャージを羽織る。

 リサ:「愛原先生も朝風呂に入るって言ってた。そこで会えるかも!」
 絵恋:「それが目的だったのね」

[同日08:00.同ホテル・レストラン(朝食会場)]

 愛原:「リサ、おはよう」
 リサ:「ぶー、おはよう」
 愛原:「どうしたんだ?むくれちゃって」
 リサ:「先生、どうして朝風呂に入らなかったの?」
 愛原:「いやあ、何だか寝覚めが悪くて。案外昨日、疲れてたみたいだ」
 リサ:「ふーん……。まあ、いいや」
 愛原:「そういうリサはどうなんだ?よく眠れたのか?」
 リサ:「うん、もちろん」
 絵恋:「リサさんにマッサージしてもらって、スッキリしました」
 淀橋:「私もです」
 小島:「私もです」
 愛原:「そ、そうなのか。それは良かった」
 リサ:「昨日、いっぱいスキーしまくって、体が疲れていたからね。いっぱい老廃物溜まってたもんね」

 もちろん、血中の老廃物だけでなく、血液もついでに吸い取ったことは愛原も分かっていた。
 まあ、実害は無い。
 黙認できるところは黙認しておかないと、リサも不満を爆発させて暴走してしまう。

 リサ:「もし良かったら今夜、先生にもマッサージしてあげるね?」
 愛原:「それは修学旅行が無事に終わってからの方がいいかな……」
 リサ:「それもそうか」

 例によってリサは、朝食バイキングの料理を皿に山盛りにした。

 女子生徒A:「あんなに食べて太らないの?」
 女子生徒B:「ねー?」
 絵恋:「フッフーン♪リサさんは特別なんだもんねー?」
 リサ:「おー!」
 淀橋:「何が特別なのかは……」
 小島:「黙ってておこうね」

 リサに捕食されて尚、恐怖に負けなかった者のみ、リサの正体を知ることができる。

[同日09:00.天候:晴 同ホテル→会津乗合自動車(会津バス)3号車内]

 部屋に戻ったリサ達は、ジャージから制服に着替えた。
 それから荷物を纏めて、ホテルのロビーに向かう。
 出発は9時半の予定だが、9時からバスに乗れるということだ。
 リサは中等部3年生の頃は3組だったので、3号車に乗る。

 沼沢:「おっ、愛原達が1番か?」
 リサ:「沼沢先生、おはようございます」
 沼沢:「おはよう。好きな席に座っていいぞ」
 リサ:「愛原先生の席はここですか?」
 沼沢:「そうだな」
 リサ:「じゃあ、わたしはここ」

 愛原と高橋は1A席と1B席に座る。
 リサは2A席を希望した。

 絵恋:「わ、私はリサさんの隣で!」
 沼沢:「はっはっは!斉藤は高等部に行っても、愛原と仲良しだなー!」
 絵恋:「もちろんです!」
 沼沢:「席はそこにしてやるから、大きな荷物は床下な?」
 リサ:「はーい」

 白い帽子を被った運転手が荷物室の扉を開けていた。

 リサ:「お願いします」
 運転手:「はーい」

 リサは運転手に荷物を預けた。
 運転手は荷物を荷物室に乗せて行く。
 大きな荷物でも乗せられるのが、観光仕様のバスの良い所だ。

 リサ:「あ、飲み物買って来た方がいいかな」
 絵恋:「それもそうね」
 リサ:「沼沢先生、次にバスが止まる所はどこですか?」
 沼沢:「下郷町の観光物産館だ。ここからだと……どのくらいですか?」
 運転手:「およそ1時間強ってところですね。今日は天気もいいですし、国道は除雪されてますから」

 基本的に国道をひたすら進むコースらしい。
 それはそうだ。
 東京中央学園の今日の行き先は喜多方と会津若松なのだが、南会津と北会津との道路交通は国道121号線のみである。
 高速道路は無い。

 リサ:「飲み物買ってきていいですか?」
 沼沢:「ああ、行って来ていいぞ」
 リサ:「皆、行こう」

 リサ達は座席の上に小さな荷物だけ置くと、再びホテルへと戻っていった。

[同日09:30.天候:晴 会津乗合自動車(会津バス)3号車内]

 バスガイド:「それでは皆様、出発致します」

 出発の時間になり、東京中央学園の貸切バス3台が出発した。
 こういう時、先頭の1号車は基幹となる。
 その為、運転手もバスガイドもベテランが担当することが多い。
 必然的に年功序列で、車両も新型が充当されることが多い。
 3号車はどうかというと、そこまで新しくもないようだ。

 バスガイド:「東京中央学園の皆様、おはようございます。本日は会津乗合自動車、会津バスの貸切観光バスをご利用頂き、真にありがとうございます。……」

 バスガイドも比較的若い20代の女性が担当している。

 バスガイド:「バスはこれより、国道121号線を北上致しまして、最初の休憩地、下郷町の物産館へと参ります。所要時間は、およそ1時間を予定してございます。……」
 愛原:「……

 愛原、妙齢できれい所のバスガイドに見入っている。

 リサ:「

 ガンッ!(リサが愛原の座席を後ろから蹴っ飛ばした)

 愛原:「ぶっ!」

 愛原、衝撃で口に運んだ缶ビールを噴き出す。

 バスガイド:「お、お客様、どうなさいました!?」
 愛原:「い、いえ……すいません」
 リサ:「フンっ!
 沼沢:「愛原さん、修学旅行なんですから、昼間からビールは……」
 愛原:「す、すいません」
 高橋:「俺までとばっちりだろうが!」
 リサ:「フーンだ」
 絵恋:(リサさん、怖い……)

 前途多難なバス旅行、果たして2日目は何事も無く終了できるか?
 続く!
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“私立探偵 愛原学” 「代替修学旅行一日目の夜」

2022-02-27 16:35:55 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月23日20:00.天候:雪 福島県南会津郡南会津町 会津アストリアホテル・大浴場]

 高橋:「不肖、あ、この高橋正義が!あ、愛原先生のお背中をぉぉぉ……!」
 愛原:「恥ずかしいからやめい!」

 夕食後、私と高橋はホテル内にある大浴場に入った。
 高橋のヤツ、私の背中を流してくれるのはいいのだが、その前振りが恥ずかしい。

 高橋:「サーセン。それにしても、まさか本当にBOWが出るなんて凄いっスね」
 愛原:「おい、ここではオフレコだぞ」
 高橋:「さ、サーセン。でも、善場の姉ちゃんが素っ飛んで来て、リサの事情聴取というのはオフレコにできないんじゃないスか?」
 愛原:「リサは『クマと遭遇して無事だった』ことになってるから」
 高橋:「熊ねぇ……」
 愛原:「こういう山奥だから、熊がいてもおかしくはないだろ」
 高橋:「都合良く冬眠できなかったというのは……ちょっと、アレっスけどね」
 愛原:「まあまあ。俺達も話を合わせるんだよ、そこは」
 高橋:「了解っス」

 高橋に背中を流してもらった後は、一緒に湯船に浸かる。

 愛原:「リサのヤツ、早速バイキングを平らげるところだったな」
 高橋:「周りもドン引きしてましたねぇ……」

 本人は、『戦いの後だから、物凄くお腹空いた』とか言っていたが……。
 無理に我慢させると、食人しそうなのでやめておいたが。
 夕食がバイキングで本当良かったと思う。

 愛原:「この後、見回りがあるから、オマエも手伝えよ」
 高橋:「えっ?それってセンコー……もとい、教師の仕事じゃ?」
 愛原:「慣習的に引率補助のPTAもやるんだとよ」
 高橋:「マジっスか!」
 愛原:「まあ、ちょうどリサの様子を見に行くチャンスではある」
 高橋:「それもそうっスね」
 愛原:「高橋、オマエは男子生徒の部屋を回ってくれ。俺は女子生徒の部屋を回る」
 高橋:「先生?」
 愛原:「別に下心があるわけじゃないぞ。リサの部屋を見回る為だし、それに、オマエが女子生徒の部屋に行ってみろ。イケメンのオマエが回る度に黄色い声が飛んで、見回りにならんだろうが」
 高橋:「あー……、確かに。ウザいっスね」
 愛原:「何でオマエはイケメンなんだ?」
 高橋:「知りませんよ。文句は親に言ってください」
 愛原:「オマエの親って、確か新潟にいるんだっけか?」
 高橋:「ええ、まあ……。先生に恥ずかしい毒親なんで、あんま紹介したくないっス。それに引き換え、先生の御両親はいい人達で羨ましい限りっスよ」
 愛原:「フツーだと思うんだけどな」
 高橋:「それが、俺んとこはフツーじゃないってことっス」
 愛原:「なるほど」

 まあ、普通の家庭なら、少年鑑別所から少年刑務所までコンプリートすることはないか。

 愛原:「まあ、これ以上の詮索はやめることにするよ」
 高橋:「サーセン」

[同日21:00.天候:雪 同ホテル・リサ達の部屋]

 私と高橋は見回りを開始した。
 もちろん、『PTA』の腕章を着けている。
 私みたいなうだつの上がらないオジさんが来たことで、女子生徒達はがっかりした様子であった。
 おかげで、逆に見回りはスムーズに行った。
 だが、中には……。

 女子生徒A:「あの、これを助手の人に渡してくれませんか?」
 女子生徒B:「これをあの人にお願いします!」

 高橋へのプレゼントや、LINEアドレスの受け渡し役を頼まれてしまうこともあった。
 そして、やっとリサ達の部屋に来る。

 愛原:「えーと、ここだな」

 私はドアをノックした。

 愛原:「入るぞー?」
 リサ:「愛原先生!来たー!どうぞ。歓迎する」
 愛原:「いや、歓迎されてもな……。ただの見回りだし……って!?」
 リサ:「これが今夜のわたし達の部屋着。見て見て」

 リサは上だけ見れば、体操服を着ていたが、下は緑色のブルマーを穿いていた。
 かつて東京中央学園の女子生徒が穿いていたものである。
 緑無地のもので、脇に白いラインなどは入っていない。

 愛原:「おいおい!?」

 部屋の中に入ると、他の3人も体操服に同じ色のブルマーを穿いていた。

 愛原:「こ、これは一体!?」
 リサ:「先生、これが見たかったんでしょ?遠慮無く見て」
 絵恋:「うぅぅ……。どうぞ、見てください……」
 淀橋:「昔の女子って、こんな下で体育受けてたんですね?」
 小島:「愛原先生、こういうのが趣味なんですか?」

 ゴッ!(愛原、リサにゲンコツする)

 リサ:「痛っ!」
 愛原:「オマエ、なに他の人に着用強要してるんだ!皆、ゴメンね!?リサが勝手に暴走して……。無理して着なくていいから、普通のジャージに着替えて!」
 絵恋:「い、いえ……。リサさんの命令ですから。リサさんの命令は絶対ですから……」
 愛原:「ならばその命令、俺が解除する!リサは俺の命令は絶対に聞くと言っている。その俺が解除すると言ってるんだから、解除だ!」
 淀橋:「やぁだ、先生!リサさんにどんな命令してるんですか!?」
 小島:「18禁とかカンベンしてください!」
 愛原:「だ、だから違うんだって」
 リサ:「ムリ。このコ達への命令は、先生では解除できない。わたしを通さないとムリ」
 愛原:「お、オマエなぁ……!」
 リサ:「別に、あの銀髪女みたいにまっぱにしたり、スカトロプレイさせたりしてるわけじゃないからいいでしょ?あくまでも、体操服にブルマ穿いてるだけ。別に、それ以上は何もしないよ。……あ、でも先生が命令するなら、何かするけど?」
 愛原:「……その恰好で部屋の外に出ないようにな?」
 リサ:「分かってる。ちゃんとその時はズボン穿くから」
 愛原:「頼むぞ」
 リサ:「他には?」
 愛原:「他にって……!」
 リサ:「分かった。サービスカットする。皆、全員でブリッジー!」
 絵恋:「は、はい!ブリッジ!」
 淀橋:「ブリッジ……」
 小島:「ブリッジ……」

 少女達は床の上に並んで、ブリッジした。
 体操服の上が捲れて、へそが覗いている。

 愛原:「やめなさい!」

 するとリサが、私にピタッとくっつくように寄り添って来る。
 そして、言った。

 リサ:「だって、先生が望んだことじゃないの」

 こいつ、私の思考が読めるのか!?
 ニイッと笑った口元には牙が覗いている。

 愛原:「と、とにかく、俺はまだ見回りがあるから!夜更かしするなよ!?」
 リサ:「はーい、おやすみなさい」

 リサはコロッと態度を変えた。
 本当にコイツは主導権を握るのが上手い。
 そ、そういえば特異菌BOWエブリンは、感染者の思考を読めたり、操作したりできると聞いたが、従来のウィルスでも、それを使役できるリサは、同じ事ができるのではないかと思った。
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“愛原リサの日常” 「『1番』の置き土産」

2022-02-26 20:14:56 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月23日14:30.天候:曇 福島県南会津郡南会津町 たかつえスキー場]

 梅田美樹:「ぎゃっ!」

 突然、上空から銃声が聞こえたと思うと、美樹の頭が吹っ飛んだ。

 リサ:「!!!」

 リサは銃弾の飛んで来た方向を見た。
 すると、グリーンのいた木とは別の木の上に、誰かがいた。
 それは黒光りする狙撃銃を持っていた。
 恐らく、軍用のライフルだろう。

 絵恋:「リサさん!」

 絵恋も慣れたもの。
 狙撃されたことで、拘束力が無くなった美樹の触手から逃げて来た。

 リサ:「逃げろと言っただろ!」
 絵恋:「ごめんなさい。どうしてもリサさんが心配で……」
 リサ:「BOWの私が雪山程度で死ぬわけないだろう!いいから、お前はさっさと逃げろ!」

 リサは絵恋の背中を押した。
 案の定、美樹は死んでいなかった。
 吹き飛ばされたはずの頭が再生していく。
 頭が無くなっても首が無事だった為、再生したのだ。
 首を刎ねなくても良い場合は、頭と心臓を同時に撃ち抜くこと。

 美樹:「そう……そうなの……。オマエもBOWだったのか……!」
 リサ:「そうだよ。本当は邪魔するつもりはなかったんだけど、変な痴漢野郎が来てから少しおかしくなったね。それと……」

 また更に銃声がした。

 少女A:「きゃあっ!?」
 少女B:「なに?!なになに!?」

 それはネット。
 全裸の少女達はそれに絡め取られた。
 と、そこへ今度はヘリコプターが飛んで来る。

 リサ:「“青いアンブレラ”か!BSAAじゃなくて!」

 少女達はその網ごと上空に持ち上げられた。

 リサ:「おーい!人権無し!?……え?もしかして、あれもBOWだった?」
 美樹:「フザけるな!私の邪魔をしやがって!殺してやる!!」

 完全に頭が元に戻った美樹は、爪を立ててリサに向かってきた。

 リサ:「あんたも分かってないね。もう既に包囲されているってのに」

 山影から一斉にBSAAの隊員達が現れて、美樹にマシンガンを一斉掃射!

 美樹:「わ、わたしは……イチカ様の……後継者……!」
 リサ:「イチカ?ああ、『1番』の名前か。因みに私は『2番』。あんたの崇拝するイチカ様とやらの同族だよ」
 美樹:「ええっ!?」
 リサ:「諦めな」

 再び狙撃銃が発射される。
 被弾して怯んだ美樹に対し、リサは爪を長く鋭く伸ばして心臓に突き刺した。

 美樹:「そ、その姿は……!」
 リサ:「日本版リサ・トレヴァー『2番』、天長会では『最も危険な12人の巫女たち』の1人、愛原リサ。地獄で『1番』によろしく」

 リサが離れると、今度はロケットランチャーが放たれた。

 リサ:「ろ、ロケランはやり過ぎじゃない!?」

 リサは急いでその場を離脱。

 女性隊員:「リサ・トレヴァーの亜種だもの。あれくらいやらないとダメよ」

 ライフルを持った女性隊員がやってくる。
 彼女は“青いアンブレラ”の制服を着ていた。
 ヘルメットにサングラスを掛けていたから、すぐに正体は分からなかったが、声で気が付いた。

 リサ:「高野さん!」
 高野:「都合良く首だけ刎ねるなんてできないからね。だったら、タイラントやネメシスみたいに、ロケランで体ごと吹っ飛ばすのが一番なのよ」
 リサ:「な、なるほど」

 山中に響く爆発音。
 振り向くと、美樹のいた場所にはもう何も無くなっていた。

 高野:「さあさあ、梺まで送りましょ。うかうかしてたら、私達がBSAAに捕まっちゃうわ」
 リサ:「え?」
 高野:「ロケランでの攻撃なんて、許可されてないもの」

 高野はサングラスを外すと、軽くウインクした。

 リサ:「ええーっ!?」

 リサはこの時思った。

 リサ:(BSAAじゃなくて、“青いアンブレラ”の方に気をつけなくちゃ……)

 と。

[同日16:00.天候:曇 同町内 会津アストリアホテル]

 リサ達はスキー場内に隣接する、1番大きなホテルに入った。
 本当は17時に入る予定だったのだが、冬眠できなかった熊の群れが現れた(ことになっている)ことにより、スキー場が閉鎖された為、1時間早いチェックインとなってしまった。

 淀橋:「こんなスキー場の近くで熊が出るなんてねぇ……」
 小島:「ホテルの中にいれば安全でしょう。多分」
 リサ:(あの銀髪女、熊扱いかい!)
 男子生徒A:「スキー場の近くで遭難者も見つかったらしいぞ?」
 男子生徒B:「マジかよ?死んでた?」
 男子生徒A:「いや、生きてたって。しかも、全員まっぱの女子高生らしいぞ?」
 男子生徒B:「えっ?それ、ガチな話?」
 男子生徒A:「ガッチガチやで!しかもそれ、聖クラリスだって」
 男子生徒B:「マジかよ!見てみたかったなぁ……」
 リサ:「しかもオシッコ・ウンチ出しまくりのスカトロプレイ付き!」
 男子新聞部員:「愛原さん、その情報kwsk!」
 リサ:「魚心あれば水心でシクヨロ」
 男子新聞部員:「んもう、取材費は部費からたんまり払わせて頂きます!」
 リサ:「むふー!」( ̄▽ ̄)

 リサ、絵恋、淀橋、小島の4人は和洋室に入った。

 リサ:「おー!広い!」
 絵恋:「本当に4人で使っていいのかしら?」
 淀橋:「本当は8人部屋らしいんだけど、コロナ対策で半分の4人で使うようにするんだって」
 小島:「この部屋の他にも洋室があって、それもエキストラベッドを使えば4人泊まれる部屋らしいんだけど、それもコロナ対策で2人までにするってね」
 リサ:「密防止か」
 絵恋:「そういうことね。で、どうする?ベッドには誰が寝る?」
 リサ:「フーム……」

 リサは少し考えたが、

 リサ:「わたし、たまには布団でいいかな。いつもベッドだし」
 絵恋:「はいはーい!私もリサさんの隣に布団で寝まーす!」
 淀橋:「了解。それじゃ、私と小島さんはベッドで寝ましょうか」
 小島:「りょ!」
 リサ:「夕食は何時から?」
 絵恋:「18時からですって」
 リサ:「もうお風呂に入れるのかな?」
 絵恋:「入れるみたいよ」

 こういう修学旅行では、入浴時間もキッチリ決めるのが普通だろう。
 しかし、あのやり方は昔の教育法と同じ詰め込みである。
 コロナ前ならそれでも良かったが、さすがに今は大浴場に大勢詰め込んで、密になるのはよろしくない。
 そこで、あえて入浴時間は自由にすることで分散させ、密にならないようにした。

 リサ:「それなら、先に入って来ちゃおうかな。後からの方が混みそう」
 絵恋:「それもそうね」

 因みに一般客には標準装備の浴衣などは、修学旅行生の部屋には省略されていた。
 リサ達はそれは織り込み済みで、体操服にジャージを持って来た。
 夜はこれで過ごすことになる。

 リサ:「で、3人とも、アレは持って来た?」
 絵恋:「もちろん!」
 淀橋:「う、うん。まあ……持ってきたけど……」
 小島:「ま、まさか本当にあるなんてねぇ……」
 リサ:「よし。わたしの言う通りにするんだよ?」
 絵恋:「はーい!リサさんの言う事は絶対!」
 淀橋:「ま、まあ、皆でやれば怖くないかな?」
 小島:「そ、そうだね……」

 リサは一体、何を企んでいるのだろう。
 実はリサもまた、梅田美樹とは大して本質の変わらぬ存在であることが後ほど露呈することになる。
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“愛原リサの日常” 「梅田美樹」

2022-02-26 16:12:22 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月23日14:00.天候:雪 福島県南会津郡南会津町 たかつえスキー場]

 リサが聖クラリス女学院の生徒達を追い、上級コースに入った時だった。

 リサ:「!?」

 突然、目の前で地吹雪が吹き始めた。
 それで一瞬、視界がホワイトアウトしてしまう。

 リサ:「おわっ!?」

 リサの体が何かに引っ掛かった。
 それは立入禁止のロープだった。
 つまり、この向こう側はコース外ということになる。
 ようやく地吹雪が止んで視界が開けた時、スキー板の跡がそのコース外に続いているのが分かった。

 リサ:「この外に出た!?」

 リサはスキー板を外して、コースの外に下りた。
 そこは鬱蒼とした山林地帯になっている。

 絵恋:「リサさん、どうしたの?」

 その時、後ろから絵恋に話し掛けられた。

 リサ:「サイトー。どうやらこの向こうに、あいつらが向かったみたい」
 絵恋:「で、でもこの先って、スキー場の外なんじゃ?」

 絵恋はロープを持ち上げた。

 リサ:「だろうな。でも、見て。スキーの跡が向こうに続いてる」
 絵恋:「ど、どういうことなの?さっきの地吹雪でコースアウトした?」
 リサ:「分からないな。とにかく、わたしは向こうを見てくる。サイトーはここで待ってて」
 絵恋:「う、うん」
 リサ:「もし危険なようなら、先に下りていい」

 リサはそう言って、スキー板の痕を辿った。
 当然のことながら、雪が積もっていて、ズボズボと足を取られる。
 何ぶん、履き慣れないスキー靴を履いているというのも大きい。

 リサ:(あれは……)

 木々の間の少し開けた場所に、あの銀髪達がいた。
 リサは木の間から、様子を伺う。
 恐らくあの銀髪が、愛原の言っていた梅田美樹だろう。
 美樹と思しき銀髪は腕組みをして、残りの少女4人に命令した。
 その命令の内容までは聞き取れなかったが、その少女達は何と服を脱ぎ始めた。

 リサ:(一体、何をやっている?)

 上着を脱いだだけではなく、下着まで脱いで一糸纏わぬ姿になった。
 こんな極寒の地で全裸になったりしたら、凍死するのではないだろうか。

 少女A:「ん……」
 少女B:「んん……!」

 すると、全裸になった少女達は一斉に放尿を始めた。
 1人は中腰、もう1人は完全にしゃがんでいる。

 リサ:「……?」

 どうやらこんな所で、リサみたいに老廃物を吸い取るわけではないようだ。
 しかも少女達、よほど膀胱に尿を溜めていたのか、放出する量は多い。

 リサ:(やはり、あいつもBOW……)

 銀髪の方を見ると、ニヤけた顔をしていたが、その口には牙が覗いていたし、しかも瞳の色が金色に反射している。
 チラッと見えた爪も、長くて尖っていた。
 角までは確認できなかったが、必ずしも角まで生えるとは限らないだろう。
 そうこうしているうちに、今度は排便を始める少女達。
 しかし……。

 少女C:「だ、ダメです……。出ないです……」
 少女D:「あ、アタシもムリ……」

 都合の良いタイミングで大便が出るとは限らない。
 しかも、この極寒だ。
 全裸になった少女達は震えながら言った。

 美樹:「だったら、例のモノがあるだろ!それを使って、汚い膿を全部出すんだよっ!」
 少女A:「こ、これを使うのよ……」

 少女Aはウェアの中から、小さな注射器のようなものを取り出した。
 本物の注射器と違って、先に針が付いているわけではない。

 リサ:(あ、あれは……!?)

 その器具にリサは見覚えがあった。
 アンブレラの研究所で、自分もさんざんっぱら使われた、あの器具に似ていた。

 少女C:「そ、それは何……?」
 美樹:「教えてやんな」
 少女A:「か、浣腸よ……。こ、これを使って、お腹の中をきれいにするの……」
 リサ:(やっぱり……)

 リサも実験と称して、何度も研究員に浣腸させられては公開排便をさせられた記憶がある。
 今思い出しても、はらわたが煮えくり返る思いだ。

 リサ:(研究所でバイオハザード引き起こしても、別に良かったよね?)

 リサ、こちら側にカメラ目線で訴える。

 少女C:「い、いやぁぁぁ……!なにこれぇ……!は、入って……くる……」
 美樹:「オマエもまだ全部出し切ってないだろ?オマエも浣腸されな!」
 少女A:「ヒイッ!そ、そんなぁ……!」

 結局少女達は全員が浣腸し、浣腸され、大腸の中身を全部出すかのように大量の大便を排出したのである。
 ここまで見てもリサは、あの梅田美樹が何をしたいのかさっぱり分からなかった。
 老廃物を吸い取るにしては、随分と効率が悪い。
 そもそも薬まで使って排出されたモノなんか、汚らしくて触手で吸い取る気にもなれない。
 体内から体液と共に吸い取るから良いのだ。
 単なるイジメか何かだろうか?
 イジメっ子とされるリサでさえ、あれは無いなと思う。

 美樹:「汚い老廃物を全部出してから、私に血と肉を提供するんだよ?」
 リサ:(あ、そうなの!?そういうことなの!?)

 今の奇妙奇天烈な儀式は、美樹が捕食する為の前段階に過ぎなかったのだ。
 裸にしたのも、食いやすいようにする為か!

 リサ:(あっ……!)

 そしてリサは思い出した。
 『1番』の趣向を。

 『1番』:「やっぱ食べるなら、同世代のコよねぇ!でも、体の老廃物が汚らしいからね!あれを何とかすれば、残さず食べれるのにね!」
 リサ:(……って確か昔、言ってたな。……なるほど。やっぱりあの銀髪、『1番』の影響を一番受けたわけだ)

 問題は……。

 リサ:(で、あいつ強いんだろうか?『1番』からどれほどの力を受け継いでいるかにもよるな……)

 そしてリサ、もう1人の監視者がいることに気づく。

 ケンショーグリーン:「ハァ、ハァ……!JKの痴女集団……!JKの野外全裸……!JKの野外放尿……!JKの野外脱糞……!ハァ、ハァ……!」(*´Д`)

 木の上からカメラを構えて、あの集団を盗撮する者がいた。

 美樹:「てめェ!この痴漢野郎!!」

 美樹は腕を触手のように長く伸ばすと、グリーンが登ってた木を殴り倒した。

 ケンショーグリーン:「あ~れ~……!」

 ケンショーグリーン、倒れた木ごと、沢に転落していった。

 美樹:「駅のトイレに閉じ込めたはずなのに、クソッ!フザけやがって!!」
 少女A:「美樹様に痴漢なんて許せないですよね?……早く食べてください」
 美樹:「待て。……おい、そこの」
 リサ:(チッ、バレたか……。どうやって戦おう?獲物1人おすそ分けしてくれる雰囲気じゃ……ないよな)

 リサが出て行こうとした時だった。
 美樹がリサの方に触手を伸ばしてくる。

 リサ:(せっかちな野郎だなぁ!)

 だが、その触手はリサを掠めて別の方向に飛んで行った。

 リサ:「!?」
 絵恋:「きゃああああああっ!!」

 何と、後ろには絵恋がいた!
 絵恋は美樹の触手に捕まってしまった。

 リサ:「あのバカ!何で来たんだよ!?」
 絵恋:「いやぁぁぁぁぁっ!助けて!リサさーん!!」
 美樹:「こりゃまた美味そうな獲物が手に入った。早速、味見を……」
 リサ:「ちょっと待て!そいつは私の獲物だ!!横取りは許さんぞ!!」

 リサも木陰から出た。
 この時既に、第1形態に戻っている。
 美樹も似たような姿をしているのだから、そこはお互いさまだ。
 だが、この2人が交戦することはなかった。
 何故だと思う?

 A:突然、上空から狙撃された。
 B:突然、爆発した。
 C:突然、雪崩が起きた。
 D:再びケンショーグリーンが現れた。
 E:今度はケンショーブラックが現れた。
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“愛原リサの日常” 「要観察者」

2022-02-24 19:54:06 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月23日12:30.天候:晴 福島県南会津郡南会津町 たかつえスキー場・スキーセンタースペーシア]

 リサ達は最初、初級コースを滑っていた。
 それが上手く行ったので、今度は中級コースにチャレンジしてみる。
 それもだいたいできたので、更に上級コースにチャレンジするかどうかで意見が分かれた。
 そうしているうちにお昼の時間になり、昼食会場であり、朝食会場でもあったスキーセンターへと一旦戻る。

 リサ:「わたしは上級コースにチャレンジしてみたい」
 絵恋:「リサさんなら、きっと上級コースも上手く行くわよ!皆もそう思うでしょ!?」
 淀橋:「いや、けっこうアタシ、ギリだったし……」
 小島:「私も、もう少し中級で練習したい……かな」

 リサだけ大盛りである。

 淀橋:「リサさんと斉藤さんは運動神経いいからね。でもアタシ達、体育の成績はフツーだし」
 リサ:「それもそうか」

 リサは大きく頷いた。

 リサ:「上級コースにチャレンジしたかったけど残念」
 絵恋:「い、いいのよ!リサさんの言う事ですもの!一緒に行きましょう!」
 淀橋:「いや、だからムリだって」
 小島:「もう少し練習してみて、それで大丈夫そうだったら、一度くらい上級にチャレンジしてもいいと思うけどね」
 淀橋:「上級コースって、プロ並みの人達が滑ってるんだから、そんな所に素人のアタシ達が行っても迷惑じゃん?」
 絵恋:「リサさん、プロ並みだったわよ!?」
 淀橋:「いや、だから、リサさんは特別だって」
 リサ:「分かった。じゃあ、私1人で行って来る」
 絵恋:「ちょ……お供します!私は!一緒に!」
 淀橋:「じゃあ、斉藤さんは一緒に行って来なよ」
 小島:「ゴメン。もう少し練習してみて、上手く行ったら付き合うから」

 と、そこへ……。

 愛原:「いたいた。ここにいたのか」
 絵恋:「愛原先生」
 リサ:「何かあった?」
 愛原:「ちょっと聞きたいことがあるんだが、色々とゲレンデで滑ってみて、何か違和感は無かったか?」
 リサ:「違和感?」
 淀橋:「別に。普通のゲレンデでしたよ?」
 愛原:「聖クラリス学院のコ達はどうだ?」
 小島:「聖クラ?」
 淀橋:「初級コースで滑っている所は見かけましたけど……そんなに違和感は……」
 愛原:「そうか……」
 リサ:「何かあったの?」
 愛原:「いや……」

 愛原は淀橋や小島をチラッと見て、それ以上何も言わなかった。
 恐らく、何も知らないこの2人に話すことは憚れる内容なのだろう。
 リサは残りの昼食を一気に平らげた。

 リサ:「ごちそうさま。ちょっと出かけて来る」
 絵恋:「私、片付けてくるね!」

 絵恋はリサの分も一緒に、下膳口に持って行った。
 その間、リサと愛原は外に出る。

 リサ:「何かあった?」
 愛原:「善場主任からの情報なんだが、聖クラリス学院の中に、『要観察者』がいるらしい」
 リサ:「それって……」
 愛原:「ああ。まだ『1番』から感染させられたウィルスが根絶していない為、経過観察になっているコだな」
 リサ:「ワクチンがあるのに、それでもまだ経過観察?」
 愛原:「多分あれだろう。『1番』のウィルスに、却って馴染んでしまったコがいるんじゃないか?」
 リサ:「それって……。でも、ちょっとくらい適合する程度じゃ、化け物になるだけだと思うけど?」
 愛原:「それが、そうではなかったコが1人いるんだ。恐らく、ほぼ100%適合してしまったんじゃないかと言われてる」
 リサ:「それじゃ、わたし達と大して変わんないよ」
 愛原:「そうなんだ。リサ・トレヴァーの亜種が、あの聖クラリスの中にいる。今のオマエみたいにおとなしくスキーをしているだけならいいが、人を襲ったりすると厄介だ」
 リサ:「見つけ次第殺せばいい?」
 愛原:「待て。オマエみたいに、おとなしくしている分にはいい」
 リサ:「この世にリサ・トレヴァーは、わたし1人で十分だと思うけど?」
 愛原:「とにかく、オマエはそういうのに鼻が利くだろう?誰が要観察者の亜種なのか、確認してほしいんだ」
 リサ:「分かった。捜してみる。……というか、何かヒントは無いの?」
 愛原:「ああ、そうだな。名前は梅田美樹。ウィルスの影響で髪の色が銀色に変わったらしい」
 リサ:「あれ?それって……」
 愛原:「俺も浅草駅で見た。少し背の高い、ポニーテールのコだな。電車内で何か起こったわけじゃないから、多分おとなしくしているんだろうが、本当にそうしているかどうか確認して欲しいんだ」
 リサ:「分かった。先生の命令、必ずこなす」
 愛原:「頼むぞ」

 リサは愛原に頭を撫でられて、ニヤけた。

 愛原:「あくまでも、向こうがおとなしくしている分には手出しは無用だ。分かったな?」
 リサ:「分かった。手を出していいのは、向こうが襲ってきたり、人間を食べた時だね?」
 愛原:「そういうことだ」
 リサ:「それより先生は滑らないの?」
 愛原:「俺はPTA会長代理として、ここで連絡係だとよ」
 リサ:「大変だね」
 愛原:「いや、全く」

 愛原は肩を竦めた。

[同日13:30.天候:曇 同スキー場 第6リフト→山頂林間コース→トップヒルコース]

 昼食を終えたリサ達は、午後の部を開始。
 まずはスカイロード①で一気に中腹付近まで昇る。
 それから中級のカラマツコースを滑った。
 これは4人とも全員滑れた。
 それで、第3ペアリフトまで行く。

 絵恋:「2人とも、ちゃんと滑れたじゃない!」
 淀橋:「まあ、ここまではね……」
 小島:「でも、『何とか』って感じ」

 それから第3ペアリフトで、更に上に昇る。
 そして、山頂へ向かう第6リフトに向かった。

 絵恋:「すっごーい!絶景!」
 リサ:「おおー!」
 小島:「確かにいい眺め!皆で写真撮ろ!」
 淀橋:「そうしよう!」

 山頂にて、4人でスマホで自撮りする。

 リサ:「で、ここからどう行く?」

 第6リフトからのルートは3つ。
 まずは、中級の山頂林間コースをひたすらZ型を描くように、第6リフトの乗り場まで滑るルート。
 もう1つはそこからすぐに分岐して、上級のマウンテンコースを行くルート。
 最後は、Z型の右上のカーブ部分で分岐する上級のトップヒルコースを行くルートだった。
 いずれも最後は、第3ペアリフトや第6リフトの乗り場付近がゴールである。

 小島:「まずは、山頂林間コースを一度滑ってみましょうよ?」
 リサ:「山頂輪姦コース?コジマ、エッチ」
 小島:「ええっ!?」
 淀橋:「いや、字が違うって」
 リサ:「しょうがない。コジマの意見を採用」
 絵恋:「ええっ!?」
 小島:「ありがとう!そこで上手く行ったら、上級コースへのチャレンジ、考えてみるからね」
 絵恋:「分かった」
 淀橋:「そうと決まったら、さっさと行きましょうか。何だか曇ってきたし」
 リサ:「それもそうだ。ヨドバシとコジマ、先に滑って。わたしとサイトーは後から行く」
 小島:「うん、分かった」
 淀橋:「OK」

 4人は、まずは中級コースを滑り始めた。
 最初の上級コースへの分岐は無視して、中級コースを滑る。
 そして、最初のカーブに差し掛かった時だった。
 まだ何とか中級コースを滑れる程度の淀橋と小島は、ここで慎重に減速する。
 その時、リサの後ろを誰かが通過していった。
 その気配に、リサは違和感を覚えた。

 リサ:「!?」

 振り向くと、聖クラリス女学院の生徒達が4~5人ほど、上級コースの方へと向かって行った。
 しかもその先頭にいるのは、あの銀髪の少女であった。

 リサ:「いた!」
 絵恋:「え、なに!?」
 リサ:「サイトー、予定変更!わたしはあっちへ行く!」
 絵恋:「えっ?ちょっと、リサさん!?」

 リサは急いで銀髪達の後を追った。

 リサ:(どうやら、わたし達よりもスキーは上手いみたい。……おとなしくスキーをしてるだけ?それなら、戦う必要は無さそうだけど……)

 だが、ここで銀髪達は予想外の行動に出る!
 それは何だ!?

 A…全員が転んだ。
 B…全員が雪に埋もれた。
 C…全員がコースアウトした。
 D…全員が地吹雪の中に消えた。
 E…全員がリサに向かって銃撃してきた。
コメント (2)
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