報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「放課後」

2023-09-30 20:19:40 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月17日15時30分 天候:晴 東京都台東区上野7丁目 スターバックスコーヒー]

 放課後、リサ達は学校を後にすると、上野駅前のコーヒーショップに立ち寄った。

 レイチェル「スターバックスコーヒーに行くと、アメリカに帰った気がします」
 淀橋「そっか。スタバの本拠地、アメリカだもんね」
 リサ「ラクーンシティ?」
 レイチェル「シアトルよ」
 リサ「シアトル……」
 淀橋「シアトルマリナーズで有名だね。ってか、レイチェルはシアトル出身なの?」
 レイチェル「いいえ。住んでいた所は、トールオークスでした」
 リサ「2013年にCウィルスがばら撒かれて、ゾンビランドと化した町か……」

 リサはドーナツに齧り付いた。

 レイチェル「そういうことです」
 淀橋「2013年なら、まだ子供の頃だったよね」
 レイチェル「とても、怖かったです」
 リサ「Cウィルスか。さすがにわたしは持ってないな。って、今回はその話をしに来たんじゃない。レイチェルに、『どこでブルマが手に入るか』を教えてあげる為だよ」
 淀橋「それもそうだ」
 リサ「わたしは学校指定の制服とかを取り扱っている店とかを探したけど、今はもう無いだろうね」
 淀橋「無いでしょうね」
 リサ「そこで今は通販」
 レイチェル「Hum hum...」

 リサは自分のスマホを見せた。
 もちろんその前に、スタバのWiFiに接続している。

 リサ「新品でも、だいたいこのくらいの値段で買える」
 レイチェル「グリーンだけでなく、ネイビーやマゼンタもありますか」
 リサ「取りあえずわたしは、学校用は緑。それ以外は紺色ってところかな」
 淀橋「『魔王様の肖像画』では、紺色穿いてたよね?」
 リサ「うん。で、来年はエンジ色だって?もう穿いちゃってるよ?」
 小島「やっぱり、サイドにラインの入ってるヤツはダメ?」
 リサ「ダメ。昔、まだうちの学園で本当にブルマが使われていた頃の写真を見ると、完全に無地のヤツだから。そもそも、愛原先生が好きじゃないみたい」
 淀橋「愛原先生の趣味か……w」
 リサ「ヨドバシ、先生を笑ったりしたら、『公開おもらしの刑』」
 淀橋「わ、笑ってなんかいないから……!」
 レイチェル「サイズが分かりませんねぇ……」
 淀橋「レイチェルは身長が高いし、お尻も大きいから、LLサイズくらいになるのかなぁ?」
 小島「リサ様のサイズは?」
 リサ「M。Sは小さくなって穿けなくなった」
 レイチェル「色々と型式があるようですが、リサは何にしましたか?」
 リサ「これだね。このローカットのヤツ」
 レイチェル「OK.リサよりはサイズの大きいのがいいですね。リサでMですか。皆さんは?」
 小島「私もMかな」
 淀橋「私はL」

 レイチェルの次に身長が高く、お尻も大きいのは淀橋である為。

 リサ「レイチェルはスポーツタイプのパンツとか持ってないの?ほら、ナイキとかプーマとかから出てるヤツ」

 リサは通販サイトで、それらのショーツの画像を出した。

 レイチェル「あ、はい。持ってます」
 リサ「あれもサイズ表はMとかLとかって感じでしょ?」
 レイチェル「そうですね。……あ、私はLでした。すると、Lの方がいいと?」
 淀橋「いや。そのパンツの上から穿くわけだから、やっぱLLサイズってとこじゃない?」
 レイチェル「なるほどですね。じゃあ、これを購入します」
 小島「本当に買うの?アメリカに帰ったら、もう穿かないんじゃない?」
 レイチェル「日本に来た記念です」
 リサ「素晴らしい。買ったら、是非穿いてみて。で、愛原先生にも見せてあげて」
 レイチェル「リサは愛原センセイの事が大好きなんですね」
 リサ「うん。わたしの旦那さん」
 レイチェル「Danna-san?」
 淀橋「ダーリンってことよ」
 レイチェル「Oh!そんなに大切な人ですか」
 リサ「そうなの!化け物扱いしてきた連中と違って、わたしを初めて人間扱いしてくれた人なの。自爆する研究所から助け出してくれたのも、愛原先生なんだよ」
 レイチェル「そうですか」
 リサ「ところで、ブルマは全色買ったの?」
 レイチェル「いいえ。学校ではグリーンが指定ということで、グリーンだけです。リサが買ったものと同じです。サイズだけ違います」
 リサ「なるほど。陸上部のユニフォームとかは参考になるかな?」
 淀橋「その質問は上野凛にした方がいいね。ただ、あのコも比較的小柄だから、魔王様と同じサイズのブルマを穿いてるかもね」
 小島「どうかな?陸上用は材質が違うし、直穿きすることもあるから、違うかもよ?」
 レイチェル「そうですね。私の友達で短距離のアスリートをやってるコがいますが、確かにショーツはそのまま穿いてているようです」
 リサ「やっぱり!レイチェルも陸上部だったの?」
 レイチェル「ちょっとだけ齧りついてました。アスレチックは養成学校においても、重要なスポーツだったからです」
 小島「要するに、BSAAは国連軍の1つ。その養成学校っていうのは、軍隊の学校だから、体力作りや訓練の一環でスポーツをやってたってこと?」
 レイチェル「そんなところです」
 リサ「レイチェルも陸上ユニフォームを着てたの?」
 レイチェル「いえ、専用のユニフォームまでは持ってません」
 リサ「なんだ……」
 淀橋「いや、持ってたら、そのイメージでブルマのサイズもすぐに分かるでしょ」
 リサ「それもそうか」
 レイチェル「届いたら早速穿いてはみますが……。さすがに、このシーズンにそれだけの恰好で授業を受けるのは寒いですね」
 淀橋「うん、そうだよね」
 小島「いいんだよ、レイチェル。私達は普通の人間なんだから、それが当たり前の感覚だから」
 リサ「ちぇーっ。レイチェル」
 レイチェル「何ですか?」
 リサ「夏になったら、スク水着るから」
 レイチェル「Sukumizu?」
 淀橋「まだ数ヶ月先の話じゃない。というか、その時もレイチェルはいるの?」
 レイチェル「取りあえず、期間は1年ですね」
 リサ「1年なら、今度の夏もまだ学校にいるよ。ヨンヒみたいに、クリーチャーにボコボコにされて半死半生で韓国に帰国なんてことにはならないように!」
 小島「リサ様、目が怖い……」
 レイチェル「まあ、日本のスクールユニフォームには興味があるので、色々教えてください」
 小島「それはもちろん」
 淀橋「マニアックな範囲にならない程度にね」
 リサ「逆に、アメリカにこういう制服は?」
 レイチェル「ありますよ、制服。ただ、いわゆるユニフォームではなく、ドレスコードに近いと思います。日本みたいに、『これを着なさい』というものはないです」
 淀橋「ドレスコードか」
 レイチェル「養成学校は違いますけどね。ただ、ブレザーは儀式の時にしか着ません」
 小島「あー、らしいね」

 リサ達の学校ファッション談義は、しばらく続いたのであった。
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“愛原リサの日常” 「リサの午後」

2023-09-30 16:04:06 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月17日13時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校・学食]

 昼食が終わった後は、自販機でアイスクリームを購入。
 セブンティーンアイスの自販機が設置されている。

 リサ「食後のアイスは美味しい」
 レイチェル「アイスクリームの自動販売機なんて珍しいですね」
 リサ「でしょ?これも日本の文化」
 淀橋「いや、これ、文化って言うのかなぁ……???」
 レイチェル「ところでリサ……いえ、皆さん」
 リサ「なに?」
 レイチェル「『ぶるま』って何ですか?」
 淀橋&小島「ブッ!」
 リサ「ほほぉ……。レイチェルもブルマに興味が……」
 淀橋「れ、レイチェルは『魔王軍』じゃないから!」
 小島「そうそう!ヨンヒだって、興味持たなかったじゃん!?」
 リサ「でもレイチェルは興味を持った。はい、2人とも立ってー!」
 淀橋「いや、ちょっと!」
 小島「ここじゃダメですって!」
 リサ「どうせブルマなのに?」
 淀橋「スカートを捲り上げる行為がダメってこと!」
 リサ「レイチェルが最初に留学した聖クラリスは平気だったでしょ?」
 レイチェル「まあ、あそこは女子校だったから……」
 淀橋「そりゃ女子校は男子がいないんだから、気にするこた無いでしょうよ」
 小島「そうそう。ぶっちゃけ、下着姿で廊下を走っても恥ずかしくないらしいよ」
 淀橋「教室の中をナプキンが飛び交ってるとか……」
 小島「力仕事をしてくれる男子がいないから、自分達でやるしかないとか……」
 リサ「なるほど。『1番』が好きなわけだ。あそこだったら、ブルマを復活させるのはもっと簡単だったかな?」
 小島「いや、男子の指示が得られない時点で、もっと難しかったと思う。聞いた話、女子校ほどブルマの廃止率が高かったとか……」
 リサ「そうなのか!……食べ終わったら、ヨドバシとコジマ、ついてきて」
 小島「えー、魔王様の見せればいいじゃないですかぁ……」
 リサ「今日、穿き忘れて来たんで、スパッツしか穿いていない」
 淀橋「あー、ずるい!」
 リサ「忘れたんだからしょうがないだろ」
 小島「魔王様、少し前、それで私を『お通じの刑』にしましたよね?」
 リサ「あー……何の事だっけ?」
 小島「トボけないでください。あと、上野凛とヨドにもしましたよね?」
 淀橋「うん、した。おかげで、3日分のお通じが解消されたけど……」
 リサ「そんなこと言ったって2人とも、わたしみたいに『寄生虫』は使えないでしょうよ?」
 小島「取りい出したるは、『浣腸』」
 リサ「何故に?」
 小島「さあ、お手洗い行きましょう」
 リサ「くそっ……」
 レイチェル「Oh...」

[同日13時15分 天候:晴 同学園・外トイレ]

 リサ達はプール近くの外トイレに向かった。

 淀橋「うう……外は寒過ぎ」
 小島「さっさとリサ様に『お通じの刑』やって戻ろうよ」
 レイチェル「外にもトイレがあるのですか?」
 淀橋「そうなの。昔は曰く付きのトイレでね、色々と『出る』トイレだったんだけど、ほとんどリサ様が退治しちゃって、今は『魔王軍』の溜まり場よ」
 リサ「正体は特異菌の胞子だったんだけどね」
 レイチェル「特異菌の胞子。それは吸い込んだ人に、幻覚を見せる効果があります」
 リサ「そういうことだよ」

 かつては1年中開放されていた外トイレだが、あまりにも怪奇現象が多く、死亡者も出たほどだった為、1度は閉鎖された。
 その後、現在は夏場のプールの授業がある時期だけ開放されている。
 プールやその更衣室のすぐ近くにある為。
 それ以外の季節は閉鎖されているわけだが、『魔王軍』の『四天王』達は合鍵を持っていて、それで鍵を開けることができた。
 昼間でも照明を点けないと薄暗いトイレである為、それもまた不気味さを醸し出し、また、カビが生えやすい理由にもなっていた。
 特異菌とは新種のカビの一種。
 だから、尚更である。
 外からバレるとマズイので、基本的に照明は点けない。

 淀橋「早く入って」
 リサ「その前に2人とも、スカート捲って」
 小島「ここなら……」

 小島と淀橋は、トイレに入ってドアを閉めると、スカートを捲り上げた。
 その下には、緑色のブルマを穿いている。
 それぞれメーカーが違う為、似たような色合いだが、それでもよく見ると少し違う。

 レイチェル「なるほど。ジム・ショーツですかね……」
 リサ「体育の時は、このブルマ姿で授業を受けるの」
 レイチェル「夏はともかく、冬は寒そうですね」
 小島「だから、さすがにこの時期はジャージのズボンを穿かせてもらうよ。リサ様くらいだよ。こんな時期でも、半袖・ブルマなんて……」
 リサ「わたしは寒くないから。おかげで、体育の成績は最高!」
 淀橋「それより、急いで。昼休み、終わっちゃうから」
 リサ「はいはい」

 リサはスカートを捲り上げた。
 ブルマを忘れたので、代わりに黒いスパッツを穿いている。
 これがむしろ現在においてはデフォルト。
 女子生徒のスカートの下には、パンチラ防止の為のオーバーパンツを穿くことが校則で義務付けられている。
 昔はブルマがその代名詞であったが、困ったのは代替品が普及する前に廃止されてしまったこと。
 90年代のコギャルブームの時に、何故JC・JK達がパンチラさせていたかというと、ブルマの代替品が普及する前にそれが廃止されてしまったからである。

 リサ「はい、脱いだよ」

 リサはスパッツとショーツを脱いで、尻を淀橋達に見せた。

 淀橋「案外あっさり脱ぐね。じゃあ、行くよ」
 レイチェル「Oh!本当にやるですか!?」
 小島「もちろん!ヨド、やっちゃって!」
 淀橋「OK!」

 ズチュウ……ッ!

 リサ「うう……入って来る……」

 リサに訪れる強い便意。

 リサ「さすがに『おもらし』までは、しないからな?」
 小島「それは……いいです」
 淀橋「片付けるのメンド臭いからね」

 リサは洋式便器の個室に入った。

 レイチェル「こんなこと、いつもしてるですか?」
 小島「まあ、たまにね」
 淀橋「言っとくけど、先に始めたのはリサ様だからね?私達は、リサ様に先にされたの」
 小島「そうそう。レイチェルもブルマ派になって、でも穿き忘れてきたらこうなるよ?」
 レイチェル「気をつけます」

 小島と淀橋は、これでレイチェルが『魔王軍』に入ることはないと思った。
 ところが……。

 レイチェル「それで、そのブルマはどこで買えますか?」
 小島「え?」
 淀橋「え?」
 リサ「え?」
 レイチェル「これも日本の文化ですね?それなら、私も穿いてみたいです」
 リサ「……放課後、緊急会議を始める!」

 リサは個室の中で、そう宣言したのだった。
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“愛原リサの日常” 「雪の登校日」 2

2023-09-29 20:30:22 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月17日09時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 サイレンを鳴らし、1台の救急車が学校の敷地内へと入って行く。
 学校の警備員が、救急車を誘導していた。

 坂上修一「愛原リサは大至急、現場まで来るように」
 リサ「はーい」

 教育資料館(旧校舎)の前の除雪された雪山に、応援部3年生の徳田部長が埋まっているのが、他の応援部員によって発見された。
 すぐに救出され、まずは保健室に運ばれたが、凍傷と電撃熱傷が酷く、それでいて、うわ言でリサの名前を何度も呼んでいたので、リサが疑われて呼ばれたのだとか。

 教頭「それじゃ、キミは正当に防衛をしただけだというんだね?」
 リサ「はい、そうです」
 上野凛「突然、徳田部長がリサ先輩に飛び掛かって行ったんです。何もしなかったら、リサ先輩が襲われていました」
 徳田の担任「確かに徳田は、猪突猛進な所が目立ち過ぎて、色々と問題を起こすようなことがありましたが……」
 教頭「先生。こちらは我々に任せて、あなたは救急車で一緒に行ってください」
 徳田の担任「わ、分かりました」

 徳田の担任教師は、救急車に乗った。

 坂上「本当に、正当防衛しただけなんだな?」
 リサ「そうだよ。わたしから襲ったりしてないよ。リンも一緒にいた」
 坂上「それにしても、雪山に埋めることもないだろうに……」
 リサ「わたしが埋めたわけじゃないもん」

 リサは唇を尖らせて反論した。

 教頭「坂上先生。寒いので、あとの話は職員室でしましょう」
 坂上「教頭先生、分かりました。愛原、続きは職員室だ」
 リサ「へーへー」

 リサは面倒臭そうに職員室に向かった。

 坂上「さすがに電撃はマズいだろ」
 リサ「金棒でボコして良かったんですか?」
 坂上「そういう問題じゃない。そういう態度だと、保護者の愛原さんに来てもらうことになるぞ?」
 リサ「! そ、それだけはダメ!」
 坂上「じゃあ、ちゃんと反省する態度を見せないと。俺は良くても、教頭先生は厳しいぞ」
 リサ「うう……」

[同日11時20分 天候:晴 東京中央学園新校舎2階 2年5組]

 リサ「ただいまぁ……」
 小島「あっ、魔王様が帰って来た」
 淀橋「魔王様の御帰還だよ!」

 何故か拍手で出迎えられるリサなのだった。
 普通なら鼻息荒くしてそれに答えるリサなのだが、今回は戸惑った。

 リサ「なになに?反省文は書かされたけど、停学までは食らってないよ?」
 男子生徒A「あの徳田部長をボコすなんて、さすがは魔王様です!」
 男子生徒B「反省文書くの、本当は徳田氏の方だよな」
 リサ「やっぱりそう思う?!」
 坂上「ほら、授業を始めるぞ。席に着け。愛原が反省文を書いたのは、あくまで正当防衛後の処置が悪かったことに対するものだ」
 小島「と、言いますと?」
 坂上「対応した後、すぐに職員室に報告しなかったこと。それと、あのまま雪山に埋めていたことだ。この時期、そんなことをしたら凍死の恐れがある。事実、徳田部長は凍傷だけで全治1週間だ」

 凍傷よりも、リサから受けた電撃熱傷の方が重かったらしいが、それは内緒にされた。

 リサ(うーん……。防衛力としては電撃は頼りがいがあるんだけど、後で面倒臭いな……。やっぱ、最後まで隠蔽できる蟲の方がいいかなぁ……?攻撃力は頼りないけど)

 坂上「入院期間は1週間。因みに病院は、コロナ対策の為、面会は一切禁止とのことです」
 男子生徒C「ということは、トドメ刺しに行けないってことですね。残念でしたね、魔王様?」
 リサ「いや、もういいよ」

 むしろリサは、もう関わりたくないといった感じである。

 坂上「というわけで、授業を始めます。来週は定期テストがあるので、それの出題範囲を中心に……」

[同日12時30分 天候:晴 同学園別館・食堂]

 リサ「はー、やっとお昼だ。長いような短いような……」

 午前の授業が終わり、食堂へ向かうリサ達。

 淀橋「反省文、何枚書いたの?」
 リサ「原稿用紙2枚分。愛原先生が警備員時代に書いたっていう、始末書の文言を参照にして書いた」
 小島「何でそんなものが未だにあるの?」
 リサ「さあ……」
 レイチェル「リサは何を食べますか?」
 リサ「そりゃもう、肉をガツ食い。今日のB定食は『豚肉生姜焼き』だ。これにしよう」
 レイチェル「これは何の料理ですか?」
 リサ「ポークジンジャーだよ」
 レイチェル「I see.Pork gingerね」
 淀橋「これも日本料理かな?」
 小島「日本料理でしょ。ポークソテーは西洋料理だけど」
 淀橋「ポークジンジャーは日本料理で、ポークソテーは西洋……違いが分からん」
 小島「ヨドって料理したことない?調味料がソテーは、西洋のヤツだからだよ」
 淀橋「いや、たまにするけどさぁ……」

 そんなことを話しながら、4人は学食に入った。

 淀橋「よくある料理だから、夕食と被らないといいね」
 小島「うちはメニューを家に置いてるよ。それだと被らない」
 リサ「わたしは肉が出れば、被ったって平気」
 小島「さすがは魔王様。昨日も肉だったの?」
 リサ「ハンバーグ」
 小島「ハンバーグか」
 淀橋「ハンバーグは昨日だったみたいよ。勿体ないね」
 小島「冷凍のレトルトだから、また後で出すんじゃない?土曜日、午前中だけ授業があるみたいで、食堂も開くみたいだから」
 リサ「なるほど。土曜日はハンバーグ……」

 リサは真顔で頷いた。
 どうやら、狙うつもりらしい。
 そして、今日は豚肉生姜焼き定食を食べる。

 リサ「この前の焼き鳥パーティーどうだった?」
 レイチェル「最高です。またやりたいね」
 淀橋「焼き鳥パーティーなんてやったの?」
 リサ「先生の事務所でね。先生がアキバの鳥貴族予約してくれて、そこで食べた」
 淀橋「トリキか。アニキがバイトしてるっけな」
 リサ「アキバで?」
 淀橋「いや、別の店。やっぱ居酒屋系はバイト代高いから」
 小島「だよね」
 リサ「パチンコ屋はもっと高いって、兄ちゃんが言ってた」
 淀橋「そう思って最初パチンコ屋で働いてたんだけど、店内がクッソうるさくて耳悪くなったからってんで、辞めたよ」
 小島「居酒屋も結構賑やかでしょ?」
 淀橋「それでもパチンコ屋よりはマシだってよ」
 小島「それもそうか」
 リサ「ヨドバシのお兄さん、フリーターか何か?」
 淀橋「いや、大学生です。だから、居酒屋でバイトできんの」
 小島「そりゃそうだ」
 レイチェル「面白い話ですね」
 リサ「ところで、いつ、BBQ招待してくれるの?」
 レイチェル「もうすぐテスト期間ですね。テストが終わったら、招待しますよ」
 淀橋「レイチェルの近所に、バーベキュー場なんてあるんだ」
 レイチェル「そうですね」

 リサはレイチェルの含みに、やや違和感を覚えた。

 リサ(BSAAの基地内だったりして?)
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“愛原リサの日常” 「雪の登校日」

2023-09-29 16:34:28 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月17日08時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 予定通り、今日は学校が再開された。
 JR電車は多少の遅れはあったものの、昨日の大混乱と比べると、まあまあ平常に近い運転だったとリサは思った。

 上野凛「だいぶ除雪されたなぁ……」
 リサ「リン、おはよう」
 凛「あっ、リサ先輩!おはようございます!」
 リサ「旧校舎の方はどうだった?」
 凛「いえ、まだ見てません。古い建物なんで、雪が積もると心配ですね」
 リサ「見に行ってみよう」
 凛「はい」

 鬼の女番長と半鬼の四天王の1人は、新校舎裏手の旧校舎に向かった。
 都心にある高校ということもあり、校庭はダートではなく、ウェザーコートになっている。
 なのでダートと違い、そこまで足元がグチャグチャというわけではない。
 但し、普段から人の出入りが無い旧校舎(教育資料館)は、あまり除雪されていなかった。
 辛うじて、屋根の雪下ろしがされているくらい。

 凛「栃木と違って、東京の学校は土じゃないから、足元がグチョグチョにならなくていいですね。これなら、今日の部活は外でできそうです」
 リサ「体育は体育館だろうけどな。とにかく、『トイレの花子さん』との思い出の場所だから、この場所は大切にしておきたい」
 凛「『イジメ、ダメ、絶対!』ですね」
 リサ「そう」
 凛「……先輩、LINEでチラッと聞いたんですが、『蟲の力』を戻せそうって本当ですか?」
 リサ「アメリカのルイジアナ州では、蟲使いのオバさんがいたらしい。特異菌に感染してからその能力が開花したらしいから、私でもできるんじゃないかって思ってる。ただ、その為には今の電撃使いを捨てないといけないけどね」
 凛「それって、どうなんですか?」
 リサ「確かに攻撃力は強いけど、いざって時に出せないと意味無いからね」
 凛「いざって時に出せないことってあるんですか?容量不足とか?」
 リサ「バッテリーじゃないからな?……なんかね、そんな気がするんだ」
 凛「今はどうですか?」
 リサ「今は出せると思う」

 リサは軽く右手から電撃を出してみた。
 パチッと火花が飛び散る。

 凛「攻撃力としては?」
 リサ「攻撃力……」

 と、その時だった。

 応援部長「リサさぁぁぁぁん!好きだぁぁぁぁっ!!」
 リサ「げっ!?」
 凛「あれは応援部3年生の徳田部長!リサ先輩、モテモテですね!?」
 リサ「鬼の男といい、どうしてわたしは化け物みたいなヤツにモテるんだ?!」

 リサは発情して突進してくる、大柄の応援部長に電撃を食らわせた。

 応援部長!「ぎゃああああああっ!!……も……もっとォ……!もっと食らわせてくださぃぃぃぃっ!」

 リサ達の前でバタッと倒れる応援部長。

 リサ「キモッ!」
 凛「ドMの変態さんだぁ……」

 1年生の凛、2年生のリサだが、3年生の応援部長には容赦が無い。

 凛「リサ先輩、前にも告白されてましたよね?」
 リサ「わたしは愛原先生一筋だから。オマエはオマエで、男子陸上部の本田と付き合ってるらしいな?」
 凛「ま、まだ友達ですよ!?」
 リサ「食い殺すなら、手伝ってやるから言ってくれよ」
 凛「……リサ先輩、愛原先生以外の男性も食べるんでしたっけ?」
 リサ「そんなことより、コイツどうする?」
 凛「応援部に連絡して、連れ帰ってもらいましょうか」

 だが……。

 応援部長「リサさぁぁぁん!俺、もうすぐ卒業して会えなくなるから寂しいんだよぉぉぉ!!」

 ガシッとリサの両足にしがみ付く。

 リサ「放せ、コラ!!」

 リサは足からも電撃を放った。

 応援部長「ぎゃあああああっ!!……さ、最後に幸せ……」
 リサ「M野郎!」
 凛「い、いや、ちょっと待ってください!今、先輩のスカートが少し捲れたんですけど……」
 リサ「『幸せ』って、そういうことか!おらぁーっ!!」

 リサは大柄の応援部長に卍固めして、更に電撃。

 凛「そ、そうじゃなくて、先輩の方が問題です」
 リサ「大丈夫だって。このくらいの電撃じゃ、このアホは死なない!」
 凛「ですから、そうじゃないんです!」
 リサ「何なんだよっ!?ハッキリ言えよ!」
 凛「先輩、ブルマもスパッツも穿いてません!」
 リサ「……え?」

 リサは既に気を失っている応援部長を放すと、自分のスカートの中に手を入れた。

 リサ「ヤベッ!ブルマ穿いてくるの忘れた!」
 凛「今日、体育は?」
 リサ「幸いにして、今日は無い」
 凛「さすがにパンツだけというのは校則違反ですよ」
 リサ「分かってる。確か、ロッカーの中にスパッツが入ってたはず。今日はそれを穿いておくよ」
 凛「一応、持ってるんですね」
 リサ「愛原先生がブルマ好きだって分かる前は、わたしもスパッツを穿いてたから」
 凛「なるほど」
 リサ「そういうオマエは?」

 リサは凛のスカートを捲り上げた。
 その中には、緑色のブルマがあった。
 女子陸上部のユニフォームであるエメラルドグリーンのレーシングブルマではなく、かつてこの学校で女子体操服用として着用されていた学販ブルマである。
 女子陸上部のそれが色違いの緑になっているのは、体育用と区別する為と、青山学院大学のユニフォームと混同しないようにする為だという。

 リサ「やっと買ったんだな」
 凛「ええ、まあ……」

 既に事実上の廃止になっている為、かつての物は殆ど手に入らない。
 そこで似たような色合いのブルマを、他のメーカーから購入して着用するというのが『魔王軍』の掟となっている。
 陸上部のユニフォームを造っているメーカーとは、また別のメーカーだったことが災いしている。

 リサ「朝礼が始まる前に穿いてくるから、そいつ何とかしといて」
 凛「応援部に連絡しておきます」
 リサ「そのまま、そこの雪山に埋めといてもいいんだぞ」
 凛「さすがにこんな見た目化け物でも、中身は普通の人間ですから、それはマズイかと……」
 リサ「それもそうだ。そこはリンに任す」
 凛「分かりました」

 リサは後の処理を凛に任せると、自分は教室に急いだ。

 リサ(少し寝坊したから、ブルマのことすっかり忘れてた)

 朝は起きて顔を洗ったりした後はすぐに制服に着替えるので、愛原からも指摘されなかったのである。

 レイチェル「リサ、おはようです」
 リサ「おー、レイチェル!おはよう!」

 途中でレイチェルと会った。

 レイチェル「急いでますね。トイレですか?」
 リサ「んー……似たようなもん!」

 女子校なら教室で堂々と着替えられるのだが、共学校のここでは難しい。
 スカートは穿いたままとはいえ、スパッツを穿くという行為も男子生徒の前ではやりにくいので、トイレに行く必要があった。

 レイチェル「私もお供します」
 リサ「BOWのトイレシーンなんか観察したって何も面白くないぞ!」
 レイチェル「違います。生理現象です」
 リサ「……何のヒネリも無い回答だな」
 レイチェル「Huh?」
 リサ「何でもない。早く行こう」

 2人の外人名を持つ少女達は、新校舎に入って行った。
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“愛原リサの日常” 「リサの悪夢」

2023-09-27 20:19:53 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[期日不明 時刻不明 天候:不明 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階リサの部屋]

 リサ「ん……?」

 リサはふと目が覚めた。
 何故か部屋が寒い。
 普段から体温の高いリサが寒さを感じるのだから、室内はよほど寒いのだろう。
 その理由は、長袖のジャージを脱いで、半袖の体操服にブルマだったからというのもあるが、窓から寒風が吹き込んでいるからだと分かった。
 どうして、窓が開いているのだろう?
 リサが起き上がろうとした時、部屋の中に誰かがいることに気づいた。
 暗闇なので誰だか分からないが、愛原ではないことは確かだった。
 暗闇の中にボウッと光る2つの金色の目。
 そして、窓から入って来る風に乗って漂って来る人食い鬼の体臭。

 ???「お目覚めだね?俺のお嫁さん」
 リサ「……は?」

 聞き覚えのある声だった。
 その声の主が、2つの眼光と共に近づいてくる。
 リサもまた、鬼の姿になっている。
 同じく暗闇に赤い瞳をボウッと光らせて、その主を確認した。
 その主は……。

 リサ「お、オマエは!?」

 埼玉県で初見し、栃木県で死闘を繰り広げた鬼の男だった。
 最後には栗原家の鬼狩り隊に捕まり、首を刎ねられたはずだが……。

 リサ「ど、どうして……!?」

 リサは死んだはずの鬼の男がどうして生きているのか聞こうとしたが、鬼の男は別の質問だと思ったようだ。

 鬼の男「キミの匂いを辿ってここまで来たのさ。好きなコの匂いなら、例え地獄にいても嗅ぎつける」
 リサ「キモッ!」

 顔はイケメンであり、それで何人もの人間の女を食い殺したことはリサも知っている。
 それも、ただ単に殺して食ったのではなく、先に自分の性欲を処理してから殺しているのだ。

 リサ「このヤリチン野郎が!わたしはオマエなんか嫌いだ!」
 鬼の男「そんなこと言わないでおくれよ。俺のお嫁さんは、キミしかいないんだよ。他に鬼の女なんていないから、キミだけなんだよ」

 そう言って、鬼の男はリサのベッドに飛び込んで来た。

 リサ「寄るな!!」

 リサは鋭く伸ばした右手の爪で、鬼の男の顔を引き裂いた。
 鬼の男の顔には、深い傷ができた。
 だが、そこは鬼。
 血はすぐに止まり、傷も塞がって行く。

 鬼の男「怖がらなくていいんだよ。優しくするからね」

 鬼の男はリサの両腕を掴んだ。

 リサ「放せ!」

 リサは放電しようとするが、何故か電撃が出ない。
 また、鬼の力で振り払おうとするが、相手も鬼、それも男なので振り払えない。
 無理やりベッドに押し倒された。

 鬼の男「すぐに俺のことが好きになるようにするからね」

 鬼の男は人間よりも長い舌で、レロンとリサの柔らかい頬を舐め上げた。

 リサ「ひぅ……」

 更に唇を奪われ、濃厚なディープキスをされた。

 リサ(愛原先生以外の男にされてる……!き……気持ち悪い……!)

 そして、鬼の男はキスをしながら、リサのまだ成長段階の胸の膨らみを揉みしだいた。

 リサ「んっ!んーっ!!」

 リサは何とかして、鬼の男から離れようとしたが、全くビクともしなかった。

 鬼の男「俺の子を孕むまで、可愛がってあげるからね!」

 男はリサの体操服を引き裂き、下着を剥ぎ取って、まだ成熟しきっていない体にむしゃぶりついてきた。

[1月16日18時00分 天候:晴 同地区 愛原家4階リサの部屋→3階ダイニング]

 リサの枕元に置いたスマホが、着信音を鳴らす。

 リサ「は……!」

 リサはそれで目を覚ました。
 そこは夢の世界と同様、真っ暗な部屋であったが、鬼形態のリサには何でもない暗さであった。
 完全に真っ暗ではないのは、着信音を鳴らすスマホの画面が明るく光っていたからだ。

 リサ「ゆ、夢……?」

 リサは茫然としながらも、無意識にスマホを取った。

 リサ「も……もしもし……?」
 愛原「リサ?どうした、ずっと眠ってたのか?」
 リサ「う、うん……」
 愛原「もう夕食の時間だぞ。下りてこれるか?」
 リサ「う、うん……。今行く……」

 リサは電話を切った。
 そして、ベッドから起き上がると、部屋の照明を点けた。
 当然、室内には誰もいない。
 鬼の男によって開け放された窓も閉まっていて、鍵も掛かっていた。

 リサ「どうして、あんな夢を……」

 汗はビッショリかいていて、白い体操服がベッタリと張り付いていた。
 さすがにこのまま愛原達の所に行くのはあれなので、着替えて行くことにした。
 体操服も下着もブルマも汗を吸っていたので、脱ぎにくかった。
 鬼の姿をしているからか、あまり裸が恥ずかしいとは思わない。
 下着を換えた時、このまま下に下りても良いとさえ思った。
 だが、愛原に怒られるので、それはやめることにした。
 ブルマではなく、黒い短パンと白いTシャツだけで行くことにした。
 これとて、真冬の今からすれば寒々しい恰好である。
 だが、体温の高いリサには、何でもない姿であった。
 そして、汗を吸った体操服は洗濯籠に入れておいた。

 リサ(先生……。部屋に持ち込んで、オ○ニーに使っていいんだよ。だけど、使ったら洗っといてね……ふふ

 リサはそんな妄想をした。

 リサ(先生になら襲われてもいいのに……。何であんな奴が……)

 そして、ようやくリサはダイニングに着いた。

 愛原「おー、遅かったな」
 リサ「う、うん。何か思いの外、爆睡しちゃって……」
 愛原「寝過ぎて、夜寝られないなんてことが無いようにしろよ?明日は学校あるみたいだし……」
 リサ「学校から連絡あったの?」
 愛原「ああ。明日は一応、JRとかも始発から運転するってことで、それに合わせて学校も通常通りになるって話だ」
 リサ「そうなんだ」

 リサは自分の席に着いた。
 パールが言った通り、冷凍のレトルトとはいえ、ハンバーグが2個ほど皿の上に乗っかっていた。
 ソースはデミグラス。

 高橋「何かオマエ、変な汗の臭いするぞ?」
 リサ「ゴメン、変な夢見ちゃって……。それで、寝汗いっぱいかいちゃったみたいで……」
 愛原「それで着替えたのか」
 リサ「うん。代わりのブルマじゃなくてゴメン。でも、短パンの足の隙間からパンツとか見えるよ?」
 愛原「いや、そういうこと気にしてるんじゃないんだ」
 リサ「体操服とかブルマとかは脱衣カゴの中に入れてあるから、使いたかったら使っていいからね?で、使い終わったら洗っといて」
 愛原「いや、使わねーし」
 高橋「こいつは先生を誘惑して、食い殺す気ですよ?気をつけてください」
 愛原「ははは、心配すんな。何年付き合ってると思ってるんだよ?」
 高橋「そういう油断は禁物だと、先生は前に仰いました」
 愛原「まあ、そうなんだけどよ……」

 リサは愛原と高橋の何気ない会話を聞きながら、無事に現実世界に戻って来れたことを実感した。
 そして、本格的に鬼の男に犯される前に目が覚めて良かったと思うのだった。
 更には、如何に人に恐れられる鬼とはいえ、やはり女は男の力に勝てないのだとも……。
コメント (2)
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