Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初めて『それから』を、電子書籍で読んでみた

2013-03-25 00:15:00 | コラム
近場―自分にとっては都内全域、相模原、横浜、さいたま―の取材は基本がチャリ、それ以外は電車、、、となると、その8割がチャリ使用となり、電車にはほとんど乗らない。

プライベートもチャリのため、電車に乗ることが新鮮というか、このヘラヘラ顔ゆえ痴漢冤罪の可能性もあり緊張するというか。

カード的なものも持っていないので、切符を購入するという旧スタイルの乗りかた・・・のクセして、ポケットにはスマホ、そして最近、ボスが金を出してくれたのでバッグにはタブレットを入れたりなんかしちゃっている。

収入の何割かは雑誌のコラム記事なので、ほんとうは車内でも「それ系」の雑誌を読んでいたい。
しかし「それ系」とはつまり「18禁」であり、もっといえば「ディープ過ぎて町の書店には置けない」タイプ、ほしけりゃ「専門店まで行ってくれ」という雑誌のため、表紙が既に違法っぽいから、公共の場で晒すわけにはいかない。

というわけで、タブレットの電源を入れる。

スマホより扱い易く、確かに便利なんだが、旧ザク系? の自分が持つ必要あるのかって思う。
ただボスから「原稿書くには便利だから」と勧められれば反対する理由も見つからないし、
恩を売られた感がありありなんだが、「金はこっちが出すから」といわれれば、断る阿呆なんて居ないだろう。

その日は「柏」まで向かう、なかなかに長い乗車時間だった。
そのくらいの時間があれば文庫1冊分くらい読めるかもしれないと、試しに電子書籍のアプリを開き、終生の愛読書である漱石の『それから』をダウンロードしてみた。

電子書籍の初心者だから、あれだけの文字が瞬時にダウンロードされただけで、たまげてしまう。

旧仮名遣いにルビまでふってあって、至れり尽くせり。
「しおり」も挟めるし、文句のつけようがない。

じゃあ本気になって読んでみようとこの名作と対峙してみたら、柏に到着する30分くらい前に読み終えてしまった。

ちょっと待てよと。

十数回読んでいるが、これほどのスピードで読んだことはない。
だいたい半日を要して読み終えていたはずだし、何度読んでも最後の数ページで「こころ」と「からだ」をやられ、畜生! 漱石!! と平常心ではいられなくなっていたのだが、それがなかったのである。

ただ文字を追っていた、、、という感じ?

ボスがいう「慣れだよ、慣れ」かもしれないが・・・
モニター上の文章は、紙に記された文章に比べて、きっちり読み込まれることがない―なんていう調査結果も出ていて、
確実に時間潰しにはなったが、「傑作を読んだ!」という感慨には浸れなかった。

「消費する」にはちょうどいいけれど、「味わう」には適さない、、、ということだろうか。

否定的に聞こえるかもしれない―って、実際そういう面もあるのだが、コラムのような短めの文章を沢山読むには「紙」よりも「モニター」なのかもしれない、、、とは思った。

―というような内容のメールを腐れ縁の旧友に送ったらば、

「現代文明の進化よりも、IT音痴であったはずのオメーが現代にきっちり乗っかっているほうがオドロキ」という返信がきて、

まぁ確かにそうだわな・・・と苦笑したのであった。





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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(37)』

コメント (4)
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