Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画小僧のバラッド・・・は、なにかね

2013-03-24 00:39:26 | コラム
友人が共同経営をしている店で呑んだ。

スナックというには敷居が高い感じがするし、バーというには安い印象も受ける。
その中間、、、のような店。

友人といっても映画畑ではなく、音楽に一生を捧げたような男で、
店のあちこちにソニック・ユースのCDジャケットを引き伸ばした写真が掲げられていたり、大画面テレビではトム・ウェイツの酔いどれパフォーマンスが延々と流れたりしている。

当然、お客さんも音楽好きが多く。

ひとりで呑みに行ったので、そんな友人を介して同世代の常連客数人を紹介してもらう。

自然と「好きな曲は? アーティストは?」となるのは、初対面の映画好きと呑んだ展開と同じ。文学好きであれば「好きな小説は? 作家は?」となるだろうし、仲良くなるには、まずは自分の嗜好を理解してもらうのがいちばん、、、ということだろう。

それぞれ好きな曲をひとつ挙げていく―を延々と繰り返し、誰かが「もう、浮かばない」と敗北宣言? するまでつづく。

とりあえず、自分が挙げた曲を覚えているだけ挙げておくと・・・

レディオヘッドの『Creep』、
ストーンズの『Jumpin’ Jack Flash』、
ドアーズの『The End』、
ナイン・インチ・ネイルズの『Burn』、
トーキング・ヘッズの『Wild Wild Life』、
デヴィッド・ボウイの『Rock’N’Roll Suicide』、
イエローモンキーの『楽園』、
電気グルーヴの『少年ヤング』
椎名林檎の『モルヒネ』―と、ここまでは場の空気を読んで、好きは好きでも「ちょっと頑張った」選曲であったのだが、

酒が進んで本性が出てきてしまい、

Perfumeや斉藤由貴、ももクロなど新旧アイドルの名を挙げてみたら、皆はけっこう喰いついてくれた。

ホッとする自分、、、みたいな。


その店はカラオケが歌えて、それぞれ1曲ずつ披露もした。
いつもの自分ならウルフルズの『借金大王』だが、なんか空気がちがう感じがする、だから「最近好きになったから」というイイワケを用意してクリープハイプの『左耳』を歌ったのだった。


さて本題はここから。

それぞれの好きな曲を挙げていくゲームの際、「自分も好き!」と思ったら挙手をするというルールを採用していた。
5人で30周はしたから150曲くらいが挙がったが、そのなかで自分を含む全員が挙手した曲は「たったの1曲」だった。

それが斉藤和義の、『歌うたいのバラッド』。

自分はともかく、音楽好きがこの曲を選ぶの、すっごく分かるなぁと。


だって、♪ ほんとうのことは、歌のなかにある ♪ だよ。





酔ったひとりが、映画好きにとっての『歌うたいのバラッド』みたいな作品はあるの? と聞いてきた。

♪ ほんとうのことは、映画のなかにある ♪ みたいな映画―ということ。

これは、映画小僧にとっての難問である。
映画について語った映画であること、そして、誰かに対する想いに溢れていること―という、なかなかに厳しい選出基準をクリアしなければならないのだから。

「この会がお開きになるまでには、答えるから」といって、時間的猶予をもらう。

30分が経過し、自分は大きな声で、しかし、あまり自信のない感じで「それにちかい・・・という意味で、ウディ・アレンの『カイロの紫のバラ』かな」と答えた。(トップ画像)

聞いた本人は観たことがないらしく、「分かった、こんど観てみる」。
ただひとり観ているひとが居て、「なるほどねー、いいチョイスかも」といってくれたのが救いか。


あー、ドキドキした。
こんな緊張、久し振りのことかもしれない。

なんというのだろう、映画小僧の映画愛を試された感じがしたのだ。たぶん聞いたほうに、そんな意図はなかったのだろうけれど。

この感覚は、映画好きの集いでは味わうことが出来ない。

結論。
たまには、ちがう畑のひととも交流してみるべきだね。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『初めて『それから』を、電子書籍で読んでみた』

コメント (3)
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