・・・というか、13年度「これまでの」3ヶ月と、「これからの」3ヶ月の話、、、というだけのことだけれども。
今年も鮮度抜群の「生きがいい」傑作映画と、完全に賞味期限の切れているクソ映画が、ともに産声をあげている。
前者だけ生まれるというのが理想―と思われがちだが、後者だって存在する価値があり、、、とは記してはみたものの、ほんとうだろうか? なんて自信がなかったり。
いや、やっぱり「ある」んだと思う。
いかに素晴らしいかを語るためには、いかにダメなのかも語らなければなるまい。
クソ映画がクソであるほどに、傑作に出会った瞬間の感動も大きくなる・・・にちがいない。たぶん。
某日。
『ダイハード』の最新作に触れる。
あまりにもひどくて、かえって感心した。
怒りがこみ上げてこなかったのは、最初から期待していなかったから・・・なのだろう。
主演のブルース・ウィリスは作品選びがなかなかに達者で、脚本にもアレコレいいそうな感じがするのに、自分をトップスターの座に引き上げたこのシリーズにはなにもいわないのだろうか、、、と疑問に思った。
某日。
日本映画『プラチナデータ』を先行で観る。
既に一般公開もされているが、先行試写では関係者が居るというのに途中で席を立つひとがちらほらと。
じつは自分も立ちたかったが、「次のシーンで面白くなるかもしれない」という淡い期待を抱き続けて我慢した。
そう、この映画を最後まで観るには我慢が要る。
ときどき出てくる水原希子のおかげで、眠らずに済んだ―そんな映画だった。
この3ヶ月間に出現した洋邦それぞれのワースト・トップは上記のとおり。
これらの映画に罪があるとすれば、「前評判も悪いのに客が入っている」というところだろう。
自分の推す映画は基本的に客が入らない。
入らないからこそ応援しているというのもあるが、こんなに面白いのになぜ入らない? と思う作品だってある。
日本映画、『横道世之介』。
オスカー監督賞を取ったのに、それが観客増に結びつかなかった『ライフ・オブ・パイ』。
西部劇で敬遠されたか、QTの『ジャンゴ』もいまひとつである。
『世界にひとつのプレイブック』は、地味な創りながら入っているほうだろうか。
Perfume目当てで観に行った『ドラえもん』は、さすがに入っていたけれど。
ここからは、「まぁ、入らないだろうな」と思っていて、実際もそうだったという作品。
ビン・ラディーン殺害を描く『ゼロ・ダーク・サーティ』。
究極の実録を目指したキャスリーン・ビグローはえらいが、鑑賞するには体力の要る映画だった。
いっつも底意地の悪い結末を持ってくるハネケ監督が、老いと病を描く『愛、アムール』。
間違いなく13年度を代表する名画であり、もっと多くのひとに触れてほしいのだが。
子どもの駆け落ちを描きつつ、別次元への到達を目指すウェス・アンダーソンの『ムーンライズ・キングダム』も、
3Dを哲学した『フラッシュバックメモリーズ 3D』も、初日から数日間はともかく、動員数を維持することは出来なかった。
現時点でのマイベストは、まもなく公開される『ザ・マスター』(トップ画像)。
デビュー当時は「ポスト・スコセッシ」あるいは「ポスト・アルトマン」などと評されたPTAことポール・トーマス・アンダーソンだが、
本人にはそういう自覚がないようで、
というか、このひとは「10年くらい先」を見ており、いよいよ「向こう側」へと歩み始めた。
どんな話かと問われてもうまく答えられないし、この映画に関しては可能なかぎり情報をシャットアウトしたほうが「映画を観た!」という大きな感動を味わえると思う。
しかしながら、たぶん入らないのだろうな・・・という予想は出来る。
出来るからこそ、少しでも入ってほしい―という願いから、ぜひぜひ! と推してみたくなるのだった。
・・・って、あれ、これから公開の映画を1本しか紹介しないとなると、ぜんぜん「3ヶ月予報」ではないのだが、
『ザ・マスター』がどうしてもヒットしてほしいので、敢えてこの作品だけを推すことにしておこう。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(184)笹野高史』
今年も鮮度抜群の「生きがいい」傑作映画と、完全に賞味期限の切れているクソ映画が、ともに産声をあげている。
前者だけ生まれるというのが理想―と思われがちだが、後者だって存在する価値があり、、、とは記してはみたものの、ほんとうだろうか? なんて自信がなかったり。
いや、やっぱり「ある」んだと思う。
いかに素晴らしいかを語るためには、いかにダメなのかも語らなければなるまい。
クソ映画がクソであるほどに、傑作に出会った瞬間の感動も大きくなる・・・にちがいない。たぶん。
某日。
『ダイハード』の最新作に触れる。
あまりにもひどくて、かえって感心した。
怒りがこみ上げてこなかったのは、最初から期待していなかったから・・・なのだろう。
主演のブルース・ウィリスは作品選びがなかなかに達者で、脚本にもアレコレいいそうな感じがするのに、自分をトップスターの座に引き上げたこのシリーズにはなにもいわないのだろうか、、、と疑問に思った。
某日。
日本映画『プラチナデータ』を先行で観る。
既に一般公開もされているが、先行試写では関係者が居るというのに途中で席を立つひとがちらほらと。
じつは自分も立ちたかったが、「次のシーンで面白くなるかもしれない」という淡い期待を抱き続けて我慢した。
そう、この映画を最後まで観るには我慢が要る。
ときどき出てくる水原希子のおかげで、眠らずに済んだ―そんな映画だった。
この3ヶ月間に出現した洋邦それぞれのワースト・トップは上記のとおり。
これらの映画に罪があるとすれば、「前評判も悪いのに客が入っている」というところだろう。
自分の推す映画は基本的に客が入らない。
入らないからこそ応援しているというのもあるが、こんなに面白いのになぜ入らない? と思う作品だってある。
日本映画、『横道世之介』。
オスカー監督賞を取ったのに、それが観客増に結びつかなかった『ライフ・オブ・パイ』。
西部劇で敬遠されたか、QTの『ジャンゴ』もいまひとつである。
『世界にひとつのプレイブック』は、地味な創りながら入っているほうだろうか。
Perfume目当てで観に行った『ドラえもん』は、さすがに入っていたけれど。
ここからは、「まぁ、入らないだろうな」と思っていて、実際もそうだったという作品。
ビン・ラディーン殺害を描く『ゼロ・ダーク・サーティ』。
究極の実録を目指したキャスリーン・ビグローはえらいが、鑑賞するには体力の要る映画だった。
いっつも底意地の悪い結末を持ってくるハネケ監督が、老いと病を描く『愛、アムール』。
間違いなく13年度を代表する名画であり、もっと多くのひとに触れてほしいのだが。
子どもの駆け落ちを描きつつ、別次元への到達を目指すウェス・アンダーソンの『ムーンライズ・キングダム』も、
3Dを哲学した『フラッシュバックメモリーズ 3D』も、初日から数日間はともかく、動員数を維持することは出来なかった。
現時点でのマイベストは、まもなく公開される『ザ・マスター』(トップ画像)。
デビュー当時は「ポスト・スコセッシ」あるいは「ポスト・アルトマン」などと評されたPTAことポール・トーマス・アンダーソンだが、
本人にはそういう自覚がないようで、
というか、このひとは「10年くらい先」を見ており、いよいよ「向こう側」へと歩み始めた。
どんな話かと問われてもうまく答えられないし、この映画に関しては可能なかぎり情報をシャットアウトしたほうが「映画を観た!」という大きな感動を味わえると思う。
しかしながら、たぶん入らないのだろうな・・・という予想は出来る。
出来るからこそ、少しでも入ってほしい―という願いから、ぜひぜひ! と推してみたくなるのだった。
・・・って、あれ、これから公開の映画を1本しか紹介しないとなると、ぜんぜん「3ヶ月予報」ではないのだが、
『ザ・マスター』がどうしてもヒットしてほしいので、敢えてこの作品だけを推すことにしておこう。
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(184)笹野高史』