Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

こじらせトラビス

2014-10-17 06:32:50 | コラム
去年の流行語大賞にノミネートされ「まぁ消えるだろうな…」と思っていたけれど、なかなかどうして踏ん張っている新語のひとつに「こじらせ女子」というのがあるが、
某成人誌から「このことについて書いてくれ」みたいな依頼が入り、イマサラ感を抱くとともに、このことばの生みの親とされているライター・雨宮まみさん(以下、敬称略)に会ったこともあるし、なんかいろんな意味で書き難いなぁ、、、などと思いながら原稿を仕上げた。

11年の冬に発売された『女子をこじらせて』(ポット出版)から、深く静かに、じわじわと認知されていったことば。

すごく大雑把にいうと、「流行のファッションや恋愛に疎く、自らの女子力に満足しきれていない女子のこと」を指すらしい。
「腐女子」「ひきこもり」「奇抜ファッション」「大和撫子」「サセ子」「婚活疲れ」など、いくつもの種類に分けられるのだそうだ。

分かるような、分からないような、、、である。
「いずれかの面で、なんらかをこじらせている」のがヒトであるような気がするので、みんな該当するんじゃね? とも思うけれど、雨宮まみは割とちかい同業者だし、あんまり悪口を書きたくない。

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こじらせる【拗らせる】

(1)物事をもつれさせる。解決をむずかしくさせる。
「問題を―・せる」「不用意な発言で二人の関係を―・せてしまった」

(2)(病気などを)なおりにくくさせる。悪くして長びかせる。
「風邪を―・せて肺炎になる」

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それでも繰り返すが、女子だけにかぎらず、男子を含めたヒト全般にいえることで、なんにもこじらせないヤツは可愛げがない気がするけれど。

エロ雑誌が自分に原稿を依頼してきたのはたぶん、綾瀬はるかが主演するドラマ『きょうは会社休みます。』(日テレ)が始まったからなのだろうね。


じゃあ自分は、なにをこじらせているのかって話だ。

ほぼ性的な内容になってしまうため、ここではアアダコウダ書かないが、映画のキャラクターで「こじらせ男子」を考えた場合、すぐに想起するのは「やっぱり」トラビス・ビックルくんなのである。




(1)ベトナムで海兵隊員として従軍

(2)眠れないからタクシードライバーとして稼ぐことに

(3)ポルノ映画館で売店嬢をナンパ

(4)選挙事務所で働くベッツィに一目惚れ、仕事中にナンパする

(5)実家には政府関係の仕事をしていると嘘の手紙を送る

(6)ベッツィとの初デートでポルノ映画館を選ぶ

(7)謝罪の花束を贈るも突き返され、やがて逆ギレ。「地獄へ落ちろ」などと喚く。

(8)身体を鍛え直す

(9)少女娼婦アイリスの親代わりになろうとする

(10)街全体をゴミクズと解釈、マトモなのは自分だけだと思いこむ

(11)銃を改造し、ひとり自警団を始める

(12)市長候補パランタインの暗殺を計画

(13)失敗

(14)狙いをアイリスを囲うポン引きに変更する

(15)大殺戮を展開し、自害しようとするも果たせず

(16)なぜかヒーローのような扱いを受ける

(17)ベッツィとの復縁? を拒否し、格好よくタクシーを走らせる


どうだこれは!

いいヤツなのか悪いヤツなのか、さっぱり分からない。

分かるのは、いろいろこじらせているということだけ。

でも、だからこそ自分のようなキチガイザーメン映画小僧は、この男のことを好きになるのだと思う。


愚痴をこぼしながらテロリストと戦うマクレーンも格好いい。
「斬られると痛ぇぞ」という三十郎にだって憧れる。
でっかい水道装置? を持ち上げようとするマクマーフィーにも、ひとりで原爆作っちゃう城戸さんにも魅かれるが、
いちばんシンパシーを覚えるのは、やっぱり「こじらせ度120%」のトラビスくんだ。

人生、こじらせてナンボ、、、ということか。


完全無欠がどうした?

そんなの面白くもなんともないじゃない?

あんだけヒト殺しておいて、何食わぬ顔してタクシードライバー続けてるトラビスくんのほうが、数倍格好いいのである。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(248)内藤剛志』

コメント (3)
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