Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(93)

2014-10-21 10:00:05 | コラム
じゃーじゃーびんぐ「す」→「す」くるーじ(スクルージ)

街はなんとなく「ハロウィンな感じ」になってきたけれど、やっぱりピンとこない。

楽しいものはすべて取り込んでしまえ!! という日本の柔軟な発想はおおいにけっこうだが、自分のような40歳男子がこの日(10月31日)になにをすればいいのか分からんし。

コスプレ?

するとして、どんな格好をすればいいのか。

『キン肉マン』のキャラクターがいいかなぁ。
アシュラマンとかジェロニモとかやってみたい。

まぁたぶん、31日はなにもせず、でもほかのひとが気になるから無意味に街を歩き、コスプレしているキレイなおねいさんをジロジロ眺めることくらいはするのではないか。

そんな自分でも、クリスマスは楽しみにしている。

クリスマスにはラブソングがつきものだが、自分の発想はガキと同じ。
ムダに沢山のチキンを喰らい、おまけにケーキまでがっつける日―そんな風に解釈しているから、この日にひとりで居ようが気にしないし、この日にハニーをどうこうしようとか考えていない。
ハニーとのあれこれはクリスマスより、「大晦日に日をまたぐ形で」エッチをするほうが燃えるし萌えるよね。

クリスマスの物語で最も有名なのは、やっぱり『クリスマス・キャロル』になるのだろう。
チャールズ・ディケンズの代表作である。

本作のほかに、この文豪の作品で読んだことがあるのは『大いなる遺産』くらいだろうか。
翻訳の力もあるだろうが、ひじょうに読み易かったと記憶する。

とくに『クリスマス・キャロル』は寓話のような創りなので、子どもから大人まで楽しめる作品として完成されている。
この物語の主人公が、スクルージである。

エゴの塊のようなスクルージがクリスマス・イヴに「過去のクリスマスの霊」「現在のクリスマスの霊」「未来のクリスマスの霊」と出会い、改心するまでを描く。

見せ場は「未来のクリスマスの霊」で、スクルージの悲惨な最期を自身と対峙させて彼を動揺させるのだった。

映像化に適しているのか、この小説は何度も何度も映画化されている。

最初の映画化は38年、次いで70年、84年、99年と「通常の実写版」だけでも4度制作。
ほかにディズニーのアニメーション版や、マペットによる変化球版まで制作されている。

最も知られているのは70年のミュージカル版だと思うが、映画の完成度という点ではどれもイマヒトツ。(マペット版は、可愛くて楽しめたけど!!)
設定を現代風にアレンジした88年のファンタジー、『3人のゴースト』(原題、Scrooged)のほうが「肩の力が抜けていて」映画としてはよく出来ているのではないか。





主人公ビル・マーレイは、初老の守銭奴ではなくテレビ局の「若」社長になっている。
しかし、自分に意見した社員をクビにするなどの無慈悲さはスクルージと同様で、観ているほうは物語が進むにつれて主人公のことが嫌いになるだろう。

無愛想な感じで面白いことをいう―この芸風でコメディアンとして人気を博したビル・マーレイならではの演技で、彼をキャスティングした時点で本作の成功は決まっていたような気がする。

監督はアクションや大作を得意とする職人、リチャード・ドナー。
毒気は薄めだが、ソツなくまとめる手腕は、さすがだと思う。

また、CG技術が隆盛する「前夜に制作された」映画であるところがポイント、、、かもしれない。
現代の技術で創れば、そりゃゴーストは「より、リアル?」になったかもしれないが、この手作り感が物語に暖かみを与えてくれているようで、ひじょうに味わい深く感じるのである。


あすのしりとりは・・・
すくるー「じ」→「じ」ーんず。

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明日のコラムは・・・

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コメント (2)
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