Cape Fear、in JAPAN

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<年末企画(3)>年代別10傑 外国映画90年代篇

2016-12-22 00:10:00 | コラム
年末企画、第3弾は「90年代の外国映画10傑」。

個人的に、最も映画鑑賞数の多い10年なので、選出にいちばん時間を要しましたです。


(1)『グッドフェローズ』(90…トップ画像)

『タクシードライバー』(76)でスコセッシを知り、そしてこの映画に出会って、自分にとっての「神化」が決定づけられた。

『ゴッドファーザー』(72)のアンチテーゼとして創られたリアルなギャング映画だが、映画界に影響を与えたのは「語り口」のほう。

ナレーションと音楽の洪水、あらゆる映像技法を駆使して紡がれるスタイルは「ヒップホップ的」と称され、ここを目指す映画監督が続出した。

(2)『ピアノ・レッスン』(93)



ニュージーランドからやってきた女性監督が紡ぐ物語に、多くの映画ファンが衝撃を受けた。

公開当時、これが大好きな女子大生と知り合って、エイダが海から生還するクライマックスに触れたいがために、何度も何度も一緒に鑑賞した思い出が残っている。

(3)『カノン』(99)

単なるフランスの前衛映画と思ったら大間違い、ちっぽけな、けれども、それによって「ぎりぎり」生きていける主人公のプライドが切実に過ぎて、多くのイケてない男の涙腺を刺激した。

こんなに泣いた映画は、ほかにない。

(4)『アンダーグラウンド』(95)

豊かなイマジネーションと、残酷な歴史と。

笑うほかはないだろう、というクストリッツァの開き直りが生んだ傑作。




(5)『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)

京劇役者の視点から描かれる、中国の50年。

最近振るわないチェン・カイコーだが、これ一本で充分かもしれない・・・と思わせるほど、重厚感たっぷりの愛憎劇。

(6)『トレインスポッティング』(96)

2000年代の青春映画の流れを決定づけた作品は、英国からやってきた。

さぁ、続編はどうかな。



(7)『レザボア・ドッグス』(92)

大学で映画を学んでこなかったオタクだって、傑作をものにすることが出来るんだ―当たり前のようでいて、それを証明する映画監督は登場していなかった。

だからQTタランティーノの出現は、90年代の事件だったのよ。

(8)『マグノリア』(99)

スピルバーグやコッポラ、スコセッシを継ぐ映画監督は、たぶんPTAポール・トーマス・アンダーソンだろう。




(9)『奇跡の海』(96)

無償の愛という一大テーマを、映画的話法で描く。

トリアーの映画で最も湛えるべきは、「いつも」主演女優だと思う。

(10)『JFK』(91)

情報量の多さという意味では、映画史全体で捉えても上位に食い込むだろう。

それを器用にさばいてみせるオリバー・ストーンって、ただただすごい。

ドナルド・サザーランドが演じるXはいう、「真相はもっと深く、そして、もっと醜い」。




(次点)『セブン』(95)、『バートン・フィンク』(91)、『ワイルド・アット・ハート』(90)

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明日のコラムは・・・

『<年末企画(4)>年代別10傑 日本映画90年代篇』
コメント (2)
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