Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん男優列伝(352)渡瀬恒彦

2016-12-18 03:35:49 | コラム
44年7月28日生まれ、72歳。
兵庫出身。

公式プロフィール


年内中に男優篇を終了させる―これが目標だったのですが、語りたいことがあり過ぎて、あと数人を残し、『にっぽん男優列伝』は明日で年内の連載が最後となります。
というわけで、最終回は来月です。

さて。
誰がいったか、渡瀬恒彦(わたせ・つねひこ)さんこそ「芸能界、最強。」であるという噂があります。

喧嘩、ということね。
格闘技の世界でいう、パンド・フォー・パウンド(=全階級で最も強いファイター)は渡瀬さんであると。

そういう話が好きな一般男子であれば、いちどは聞いたことがあるのではないでしょうか。

ほんとうかどうかは分かりませんが、少なくとも「哀川翔、最強説」よりも信憑性があるなと。
それから、たしかに白竜も見た目の迫力はピカイチですが、ああいうひとほど優しかったりしますからね、非情にはなれない気がします。

渡瀬さんだって、情のあるひとでしょう。
けれどもスイッチが入ったときの怖さは、まぁ想像の域を出ませんが、なんか、本物の極道の比ではない気がするのですよね。

それはたぶん、ガキのころから聞いていた「芸能界、最強。」説の影響が大なのでしょう。

ネッシーやロズウェル、カイザー・ソゼの伝説に似ていますね。
ひとって、けっこう弱いイキモノなんだと思うわけです笑


※ただいっぽうで、この曲のイメージも強かったり





<経歴>

兄は渡哲也、前妻は、故・大原麗子。

空手有段者であり、実際、喧嘩は強かったようです。

渡瀬さんがサラリーマンを始めたころ、すでに兄貴は日活の看板スターのひとりでした。
自身は俳優への興味が微塵もありませんでしたが、岡田茂・東映社長に何度も口説かれ、根負けして東映と契約。

兄貴のほうは芸名でしたが、渡瀬さんは本名で俳優業をスタートさせました。

映画俳優デビュー作は、70年の『殺し屋人別帳』。

初出演にして、いきなりの単独主演作です。

さらにすごいのは、この年だけで・・・

『監獄人別帳』
『三匹の牝蜂』
『経験』
『最後の特攻隊』
『(秘)女子大寮』
『ずべ公番長 東京流れ者』

・・・こんなに出演作がある、ということ。

プログラムピクチャー全盛の時代だからこそ、可能だったのでしょうねぇ!!


以下、70年代の主要作品をザザザッと。
当時の東映映画ですから、「暴」「狂」をイメージさせる作品が連発ですね。

71年
『博徒外人部隊』『関東テキヤ一家 喧嘩火祭り』『博奕打ち いのち札』『ずべ公番長 ざんげの値打もない』『暴力団再武装』『不良番長 やらずぶったくり』『不良番長 突撃一番』『博徒斬り込み隊』

72年
『銀蝶渡り鳥』『ゾロ目の三兄弟』『木枯し紋次郎』『不良番長 一網打尽』『昭和極道史』『麻薬売春Gメン 恐怖の肉地獄』『やくざと抗争』

73年
『仁義なき戦い』『仁義なき戦い 代理戦争』『鉄砲玉の美学』『狂走セックス族』『恐怖女子高校 暴行リンチ教室』『女番長 感化院脱走』『ボディガード牙 必殺三角飛び』

74年
『ジーンズブルース 明日なき無頼派』『あゝ決戦航空隊』『唐獅子警察』『安藤組外伝 人斬り舎弟』『極悪拳法』『新仁義なき戦い』

75年
『新仁義なき戦い 組長の首』

76年
『女必殺五段拳』『狂った野獣』『暴走パニック 大激突』『実録外伝 大阪電撃作戦』


※77年、『北陸代理戦争』の撮影中にジープが横転、大怪我を負ったことにより降板。
しかしすでに劇場では予告編が流れていて、本編には登場しないのに予告編のみに出演しているという、ひじょうに珍しいキャリアを築く。


78年
『赤穂城断絶』(78)『事件』(78)『皇帝のいない八月』(78)





79年
『戦国自衛隊』


世代的に、自分が渡瀬さんの存在を知るのは80年代以降の作品ですが、絶頂期は、やっぱり70年代だったと思います。

『影の軍団 服部半蔵』(80)、『復活の日』(80)、『わるいやつら』(80)、『震える舌』(80)、
『青春の門』(81)、『セーラー服と機関銃』(81)、『化石の荒野』(82)、『天城越え』(83)、『時代屋の女房』(83)、『泪橋』(83)、『南極物語』(83)、『迷走地図』(83)、
『男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎』(84)、『彩り河』(84)、『愛情物語』(84)、
『ゴルフ夜明け前』(87)、『首都消失』(87)、『肉体の門』(88)、『敦煌』(88)、『丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる』(89)、『226』(89)。

『天と地と』(90)、『一杯のかけそば』(92)、『リング・リング・リング 涙のチャンピオンベルト』(93)、『REX 恐竜物語』(93)、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(94)、『アンドロメディア』(98)、『しあわせになろうね』(98)、『ナイル』(99)。

2000年代に入ると、テレビドラマでの活躍のほうが増えていきます。
『戸津川警部』のシリーズ(TBS)とか、『警視庁捜査一課9係』シリーズ(テレビ朝日)とか。

映画のほうが、体力を要するということ、、、なのかもしれませんね。

『親分はイエス様』(2001)、『ハルウララ』(2005)、『釣りキチ三平』(2009)、映画における最も新しい作品が2010年の『育子からの手紙』。


何度か共演していますが、もういちどくらい、兄弟主演の大作映画が観たい気もしますよねぇ。。。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(353)渡辺謙』
コメント (3)
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