Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

<年末企画(7)>年代別10傑 外国映画70年代篇

2016-12-26 00:10:00 | コラム
映画小僧を自称して20年、もう少し詳しくいうと、「70年代症候群」を患う重度の映画病であると。

自分が生まれた年代だが、以下の10傑のうち、ひとつもリアルタイムで触れていない。

そのことが悔しくて悔しくて、これらの映画をリアルタイムで触れたという年上のひとに出会うと、ただそれだけで憎悪に似た感情を抱いてしまう、、、ようなところがある。

それくらい自分にとって大事な10年、いやそれだけじゃなく、映画史を俯瞰してみても、異様に厚みと深みのある10年だったのではないか、と思うのだった。


(1)『タクシードライバー』(76…トップ画像)

もうこれ以上、いうことがない・・・というのは嘘で、いおうと思えばいくらでも出てくる、これほど語りがいのある映画に出会えて、自分はほんとうに幸福だと思う。

(2)『キャリー』(76)

いじめられっこの復讐譚。

きらきらした青春を知らないものにとっては、この1位と2位は不動のものなんだ。

(3)『カッコーの巣の上で』(75)

精神病院という閉ざされた空間のなかで、人間の自由と尊厳を高らかに謳いあげた力強い傑作。

チーフに未来を託すエンディングまで、一瞬たりとも気を抜けない構成が素晴らしい。

(4)『ブリキの太鼓』(79)

少年の視点で紡がれる、グロテスクなヒトの生態と、残酷な歴史。




(5)『ガルシアの首』(74)

孤高の映像詩人、サム・ペキンパーの最高傑作。

物語なんて、あとからついてくる。観ているあいだは、ただただ映像に酔いしれていればいい。



(6)『ロッキー』(76)

登場人物のほとんどが「やさぐれている」ところがいい。

脚本を書いていたころのスライの、心象風景がああだったのだろう。

(7)『地獄の黙示録』(79)

ベトナムを描いて、米国をまるごと捉えようとしたコッポラの、怪物的な問題作。

体力は要するが、こんな映画体験は滅多に出来るものではない。

(8)『ディア・ハンター』(78)

コッポラ以外の監督は、ベトナム戦争から青春を切り取ろうとした。その、代表的な作品がこれだろう。


テーマ曲を、村治佳織のギターで。




(9)『狼たちの午後』(75)

パチーノの叫びが鮮烈な密室劇。

脚本を学ぶ学生は、こういうのを観なくちゃいけない。



(10)『バリー・リンドン』(75)

キューブリックのこだわりが凝縮された歴史劇。



映像美に驚嘆しているあいだに、上映時間はあっという間に過ぎてしまう。

(次点)『ジョニーは戦場へ行った』(71)、『ゴッドファーザー』(72)、『エクソシスト』(73)、『悪魔のいけにえ』(74)

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明日のコラムは・・・

『<年末企画(8)>年代別10傑 日本映画70年代篇』
コメント (1)
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