年末企画の第4弾、折り返し地点のきょうは「90年代の日本映画10傑」。
独立系が目立つのは自分の嗜好、しかし現在の10年代はメジャーも「そこそこ」頑張っていて、頑張っているだけではなく結果も残している(ほとんど東宝だけど)、、、っていうちがいがあることに気づかされる。
(1)『TOKYO FIST』(95…トップ画像)
都市と肉体を描きつづけた塚本晋也の、20世紀における到達点。
ボクシングを扱った映画はカタルシスを得られるからと、気軽な気持ちで観てしまったら、いろんな意味でボコボコにされる。
つまり、観るには相当の覚悟が要る作品。
(2)『死の棘』(90)
浮気→家庭崩壊、そんな物語は多いが、これが「その世界」における最も悲惨なケースではないか。
島尾敏雄の原作小説を、商業性を度外視することで有名な変人・小栗康平が映画化。
精神を壊す松坂慶子も素晴らしいが、子どものように泣く岸部一徳が出色。
(3)『3-4X10月』(90)
ビートたけしが、北野武に「なりつつあった」映画として、監督デビュー作よりも重要なんだと思う。
(4)『夜がまた来る』(94)
昭和が、にっかつが、ここにある。そんな映画。
堕ちてこそ輝く名美というヒロインを、夏川結衣が大熱演。
(5)『CURE キュア』(97)
米国が『セブン』(95)で賭けに出たなら、わが国はこの映画で対抗する。
日本はもっと、「もうひとりのクロサワ」の価値に気づかなきゃいけないと思う。
(6)『全身小説家』(94)
世界でただひとりのアクション・ドキュメンタリー監督・原一男が、作家・井上光晴に文字どおり肉迫する。
原映画のスタイルを認めない淀川先生は、「視点の冷たさが気に入らない」といい放ったんだっけ。
(7)『シコふんじゃった。』(92)
じつは、これ以降の周防映画って、ちょっと、わざとらしくて好きになれない。
この映画は、純粋に笑えるので大好き。
(8)『バタアシ金魚』(91)
日本には珍しい、カラッとした青春映画。
一直線な筒井道隆もいいが、高岡早紀がとにかく素敵。
(9)『愛を乞うひと』(98)
わが子に手をあげつづけてしまう母親と、それでも慕う娘と。
髪をすくのが上手と褒められたことがうれしくて・・・っていうのが泣けてくる。
一人二役に挑戦した原田美枝子の最高傑作なんじゃないか。
(10)『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(95)
公開当時、まったく興味がなかったのだが、アニメ狂の友人に「ほぼ強制的に」観させられた。
翌日―自分は、ひとりで劇場の窓口に立っていたのだった。
さて米国リメイク版は、どうでしょう?
(次点)『トカレフ』(94)
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『<年末企画(5)>年代別10傑 外国映画80年代篇』
独立系が目立つのは自分の嗜好、しかし現在の10年代はメジャーも「そこそこ」頑張っていて、頑張っているだけではなく結果も残している(ほとんど東宝だけど)、、、っていうちがいがあることに気づかされる。
(1)『TOKYO FIST』(95…トップ画像)
都市と肉体を描きつづけた塚本晋也の、20世紀における到達点。
ボクシングを扱った映画はカタルシスを得られるからと、気軽な気持ちで観てしまったら、いろんな意味でボコボコにされる。
つまり、観るには相当の覚悟が要る作品。
(2)『死の棘』(90)
浮気→家庭崩壊、そんな物語は多いが、これが「その世界」における最も悲惨なケースではないか。
島尾敏雄の原作小説を、商業性を度外視することで有名な変人・小栗康平が映画化。
精神を壊す松坂慶子も素晴らしいが、子どものように泣く岸部一徳が出色。
(3)『3-4X10月』(90)
ビートたけしが、北野武に「なりつつあった」映画として、監督デビュー作よりも重要なんだと思う。
(4)『夜がまた来る』(94)
昭和が、にっかつが、ここにある。そんな映画。
堕ちてこそ輝く名美というヒロインを、夏川結衣が大熱演。
(5)『CURE キュア』(97)
米国が『セブン』(95)で賭けに出たなら、わが国はこの映画で対抗する。
日本はもっと、「もうひとりのクロサワ」の価値に気づかなきゃいけないと思う。
(6)『全身小説家』(94)
世界でただひとりのアクション・ドキュメンタリー監督・原一男が、作家・井上光晴に文字どおり肉迫する。
原映画のスタイルを認めない淀川先生は、「視点の冷たさが気に入らない」といい放ったんだっけ。
(7)『シコふんじゃった。』(92)
じつは、これ以降の周防映画って、ちょっと、わざとらしくて好きになれない。
この映画は、純粋に笑えるので大好き。
(8)『バタアシ金魚』(91)
日本には珍しい、カラッとした青春映画。
一直線な筒井道隆もいいが、高岡早紀がとにかく素敵。
(9)『愛を乞うひと』(98)
わが子に手をあげつづけてしまう母親と、それでも慕う娘と。
髪をすくのが上手と褒められたことがうれしくて・・・っていうのが泣けてくる。
一人二役に挑戦した原田美枝子の最高傑作なんじゃないか。
(10)『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(95)
公開当時、まったく興味がなかったのだが、アニメ狂の友人に「ほぼ強制的に」観させられた。
翌日―自分は、ひとりで劇場の窓口に立っていたのだった。
さて米国リメイク版は、どうでしょう?
(次点)『トカレフ』(94)
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明日のコラムは・・・
『<年末企画(5)>年代別10傑 外国映画80年代篇』