Cape Fear、in JAPAN

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<年末企画(4)>年代別10傑 日本映画90年代篇

2016-12-23 00:10:00 | コラム
年末企画の第4弾、折り返し地点のきょうは「90年代の日本映画10傑」。

独立系が目立つのは自分の嗜好、しかし現在の10年代はメジャーも「そこそこ」頑張っていて、頑張っているだけではなく結果も残している(ほとんど東宝だけど)、、、っていうちがいがあることに気づかされる。


(1)『TOKYO FIST』(95…トップ画像)

都市と肉体を描きつづけた塚本晋也の、20世紀における到達点。

ボクシングを扱った映画はカタルシスを得られるからと、気軽な気持ちで観てしまったら、いろんな意味でボコボコにされる。

つまり、観るには相当の覚悟が要る作品。

(2)『死の棘』(90)

浮気→家庭崩壊、そんな物語は多いが、これが「その世界」における最も悲惨なケースではないか。



島尾敏雄の原作小説を、商業性を度外視することで有名な変人・小栗康平が映画化。

精神を壊す松坂慶子も素晴らしいが、子どものように泣く岸部一徳が出色。

(3)『3-4X10月』(90)

ビートたけしが、北野武に「なりつつあった」映画として、監督デビュー作よりも重要なんだと思う。




(4)『夜がまた来る』(94)

昭和が、にっかつが、ここにある。そんな映画。

堕ちてこそ輝く名美というヒロインを、夏川結衣が大熱演。

(5)『CURE キュア』(97)

米国が『セブン』(95)で賭けに出たなら、わが国はこの映画で対抗する。

日本はもっと、「もうひとりのクロサワ」の価値に気づかなきゃいけないと思う。

(6)『全身小説家』(94)

世界でただひとりのアクション・ドキュメンタリー監督・原一男が、作家・井上光晴に文字どおり肉迫する。

原映画のスタイルを認めない淀川先生は、「視点の冷たさが気に入らない」といい放ったんだっけ。




(7)『シコふんじゃった。』(92)

じつは、これ以降の周防映画って、ちょっと、わざとらしくて好きになれない。

この映画は、純粋に笑えるので大好き。

(8)『バタアシ金魚』(91)

日本には珍しい、カラッとした青春映画。

一直線な筒井道隆もいいが、高岡早紀がとにかく素敵。



(9)『愛を乞うひと』(98)

わが子に手をあげつづけてしまう母親と、それでも慕う娘と。

髪をすくのが上手と褒められたことがうれしくて・・・っていうのが泣けてくる。

一人二役に挑戦した原田美枝子の最高傑作なんじゃないか。

(10)『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(95)



公開当時、まったく興味がなかったのだが、アニメ狂の友人に「ほぼ強制的に」観させられた。

翌日―自分は、ひとりで劇場の窓口に立っていたのだった。

さて米国リメイク版は、どうでしょう?

(次点)『トカレフ』(94)

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明日のコラムは・・・

『<年末企画(5)>年代別10傑 外国映画80年代篇』
コメント (2)
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