60年代後半は、映画史最大のトピックのひとつとされる「アメリカン・ニューシネマ」の時代。
夢や幸福ばかりを描いていたハリウッドの大作を全否定する―あくまでも自然発生的な流れなので、そういった共通認識があったわけではないけれど、結果論からいえば、それが一大テーマとなっていた。
だから60年代前半と、後半とのカラーがあまりにも対照的で、そういう風に眺めてみるのも面白いかと。
(1)『真夜中のカーボーイ』(69)
強者の象徴であるカウボーイスタイルが、売春の小道具と化していく。
なんとまぁ、皮肉な物語なのだろう。
それと比して、穏やかに過ぎる主題歌も印象的。
(2)『俺たちに明日はない』(67…トップ画像)
ニューシネマ誕生を告げる、記念碑的作品。
ラストの87発の銃弾ばかりが言及されるが、クライドが性不能者であったことにも注目したい。
(3)『2001年宇宙の旅』(68)
映画全体のレベルを引き上げたという意味で、SFというジャンルを越境したキューブリックの最高傑作。
初見は14インチのブラウン管。
後年、大スクリーンで触れて、自分はこの映画のことについて、ぜんぜん理解していなかったことを痛感した。
(4)『8 1/2』(63)
フェリーニが自身の脳内を映像化したような、映画的興奮に満ちた快作。
人生は、祭りだよ。
(5)『サイコ』(60)
あらゆる映画技法を駆使した、ヒッチコックの到達点。
横領した女の犯罪劇と思わせて、あの展開。
脚本の教科書としても一級品だろう。
(6)『アラビアのロレンス』(62)
砂漠の映像を観ているだけでも飽きない。
モーリス・ジャールによるテーマ曲を、オーケストラで。
(7)『ウエストサイド物語』(61)
ドラマ部分と、ダンス部分で演出を分ける。
共同監督という発想が、この映画を成功に導いたのではないか。
(8)『猿の惑星』(68)
フィクションから現実を照らしてみせる―SFの定義として、完璧な形だと思う。
分かっていても、あのラストシーンには震えてしまうのであった。
(9)『男と女』(66)
ロマンス映画に興味を抱けない自分だが、この恋愛は、素直に羨ましい!! と思えた。
一時期、アヌーク・エーメの大ファンになったんだっけ。
(10)『荒野の用心棒』(64)
90~2000年代の10傑において、イーストウッド監督作を選べなかったのは心苦しい。
この当時のイースト爺の映画を観ると、後年、これほどの監督になるとは想像もつかないよね・・・。
(次点)『鳥』(63)
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『<年末企画(10)>年代別10傑 日本映画60年代篇』
夢や幸福ばかりを描いていたハリウッドの大作を全否定する―あくまでも自然発生的な流れなので、そういった共通認識があったわけではないけれど、結果論からいえば、それが一大テーマとなっていた。
だから60年代前半と、後半とのカラーがあまりにも対照的で、そういう風に眺めてみるのも面白いかと。
(1)『真夜中のカーボーイ』(69)
強者の象徴であるカウボーイスタイルが、売春の小道具と化していく。
なんとまぁ、皮肉な物語なのだろう。
それと比して、穏やかに過ぎる主題歌も印象的。
(2)『俺たちに明日はない』(67…トップ画像)
ニューシネマ誕生を告げる、記念碑的作品。
ラストの87発の銃弾ばかりが言及されるが、クライドが性不能者であったことにも注目したい。
(3)『2001年宇宙の旅』(68)
映画全体のレベルを引き上げたという意味で、SFというジャンルを越境したキューブリックの最高傑作。
初見は14インチのブラウン管。
後年、大スクリーンで触れて、自分はこの映画のことについて、ぜんぜん理解していなかったことを痛感した。
(4)『8 1/2』(63)
フェリーニが自身の脳内を映像化したような、映画的興奮に満ちた快作。
人生は、祭りだよ。
(5)『サイコ』(60)
あらゆる映画技法を駆使した、ヒッチコックの到達点。
横領した女の犯罪劇と思わせて、あの展開。
脚本の教科書としても一級品だろう。
(6)『アラビアのロレンス』(62)
砂漠の映像を観ているだけでも飽きない。
モーリス・ジャールによるテーマ曲を、オーケストラで。
(7)『ウエストサイド物語』(61)
ドラマ部分と、ダンス部分で演出を分ける。
共同監督という発想が、この映画を成功に導いたのではないか。
(8)『猿の惑星』(68)
フィクションから現実を照らしてみせる―SFの定義として、完璧な形だと思う。
分かっていても、あのラストシーンには震えてしまうのであった。
(9)『男と女』(66)
ロマンス映画に興味を抱けない自分だが、この恋愛は、素直に羨ましい!! と思えた。
一時期、アヌーク・エーメの大ファンになったんだっけ。
(10)『荒野の用心棒』(64)
90~2000年代の10傑において、イーストウッド監督作を選べなかったのは心苦しい。
この当時のイースト爺の映画を観ると、後年、これほどの監督になるとは想像もつかないよね・・・。
(次点)『鳥』(63)
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明日のコラムは・・・
『<年末企画(10)>年代別10傑 日本映画60年代篇』