Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

<年末企画(9)>年代別10傑 外国映画60年代篇

2016-12-28 00:10:00 | コラム
60年代後半は、映画史最大のトピックのひとつとされる「アメリカン・ニューシネマ」の時代。

夢や幸福ばかりを描いていたハリウッドの大作を全否定する―あくまでも自然発生的な流れなので、そういった共通認識があったわけではないけれど、結果論からいえば、それが一大テーマとなっていた。

だから60年代前半と、後半とのカラーがあまりにも対照的で、そういう風に眺めてみるのも面白いかと。


(1)『真夜中のカーボーイ』(69)

強者の象徴であるカウボーイスタイルが、売春の小道具と化していく。

なんとまぁ、皮肉な物語なのだろう。

それと比して、穏やかに過ぎる主題歌も印象的。




(2)『俺たちに明日はない』(67…トップ画像)

ニューシネマ誕生を告げる、記念碑的作品。

ラストの87発の銃弾ばかりが言及されるが、クライドが性不能者であったことにも注目したい。

(3)『2001年宇宙の旅』(68)

映画全体のレベルを引き上げたという意味で、SFというジャンルを越境したキューブリックの最高傑作。

初見は14インチのブラウン管。
後年、大スクリーンで触れて、自分はこの映画のことについて、ぜんぜん理解していなかったことを痛感した。

(4)『8 1/2』(63)

フェリーニが自身の脳内を映像化したような、映画的興奮に満ちた快作。

人生は、祭りだよ。



(5)『サイコ』(60)

あらゆる映画技法を駆使した、ヒッチコックの到達点。

横領した女の犯罪劇と思わせて、あの展開。

脚本の教科書としても一級品だろう。

(6)『アラビアのロレンス』(62)

砂漠の映像を観ているだけでも飽きない。


モーリス・ジャールによるテーマ曲を、オーケストラで。




(7)『ウエストサイド物語』(61)



ドラマ部分と、ダンス部分で演出を分ける。

共同監督という発想が、この映画を成功に導いたのではないか。

(8)『猿の惑星』(68)

フィクションから現実を照らしてみせる―SFの定義として、完璧な形だと思う。

分かっていても、あのラストシーンには震えてしまうのであった。

(9)『男と女』(66)

ロマンス映画に興味を抱けない自分だが、この恋愛は、素直に羨ましい!! と思えた。

一時期、アヌーク・エーメの大ファンになったんだっけ。

(10)『荒野の用心棒』(64)



90~2000年代の10傑において、イーストウッド監督作を選べなかったのは心苦しい。

この当時のイースト爺の映画を観ると、後年、これほどの監督になるとは想像もつかないよね・・・。

(次点)『鳥』(63)

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明日のコラムは・・・

『<年末企画(10)>年代別10傑 日本映画60年代篇』
コメント (2)
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