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Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画の編集10傑

2018-09-04 00:10:00 | コラム
編集は英語でいうとediting、仏語ではmontage。

映像の集合体を「映画、らしくする」という意味では同じだけれども、ニュアンスはぜんぜんちがう。

我流に解説すれば・・・
editingは「Aから余分なものを削り、すっきりとしたBを創る」こと、つまり彫刻のようなもの。

翻ってmontageは「CとDを組み合わせ、新しいEを創造する」こと、つまりパズルのようなもの。


editingを極めれば娯楽作に、montageを極めれば観念的な映画になるともいえるかな。

「その、あいだ」が理想だよね、たぶん。


というわけで映画の10傑シリーズの最後は、編集でいってみよう。

脚本と地つづきにあるもので、脚本が優れている映画はたいてい編集も素晴らしく、その逆も同じ。

達人たちの映像マジック、とくとご覧あれ。


(1)『地獄の黙示録』(79)

カーツ殺害シーン。



部族による牛のとモンタージュさせ、さらにはドアーズの『The End』をかぶせてきやがる!

当時のコッポラは、映画監督として正しく狂っていたことがよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーく分かる。

(2)『モダン・タイムス』(36)

家畜の群れと労働者を交互につなぐことによって、ヒトがどんな扱われかたをしているのかを一瞬で表現している。

(3)『グッドフェローズ』(90…トップ画像)

映画文法の新しい方向性を見出した傑作。

どこのシーンが・・・というのではなく、全体がすんばらしい。

(4)『天国と地獄』(63)

権藤邸から「特急こだま」へ、場所移動の表現がえらくダイナミック。

(5)『2001年宇宙の旅』(68)

骨(過去)からディスカバリー号(未来)、そしてボールペン(現在)へ。

『美しき青きドナウ』に乗せて、驚異的な時間旅行を体験出来る。

(6)『ダイ・ハード』(88)

クライマックス。

ビルの屋上爆破を、遠景で捉えるショットが「数秒間」入る。

このショットだけで、ジョン・マクティアナンが優れた映画監督であろうことが分かる。

ほんのちょっとのシーンだけど、こういうリズム感、とっても重要。



(7)『逃亡者』(93)

とくに、この追いかけっこ。



(8)『赤ちゃん泥棒』(87)

ジェットコースターを模したカメラワークなので、それに沿った編集が展開されている。

じつに、気持ちいい。

(9)『レイジング・ブル』(80)



打撃の迫真性を追究するために、「文字どおり」暴力的な絵つなぎが展開されている。

(10)『イージー・ライダー』(69)



「時間なんか!」と宣言するオープニングの編集センスに、新しいものを生み出そうとする野心を感じた。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『映画監督別10傑(26)デヴィッド・フィンチャー』
コメント (1)
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