編集は英語でいうとediting、仏語ではmontage。
映像の集合体を「映画、らしくする」という意味では同じだけれども、ニュアンスはぜんぜんちがう。
我流に解説すれば・・・
editingは「Aから余分なものを削り、すっきりとしたBを創る」こと、つまり彫刻のようなもの。
翻ってmontageは「CとDを組み合わせ、新しいEを創造する」こと、つまりパズルのようなもの。
editingを極めれば娯楽作に、montageを極めれば観念的な映画になるともいえるかな。
「その、あいだ」が理想だよね、たぶん。
というわけで映画の10傑シリーズの最後は、編集でいってみよう。
脚本と地つづきにあるもので、脚本が優れている映画はたいてい編集も素晴らしく、その逆も同じ。
達人たちの映像マジック、とくとご覧あれ。
(1)『地獄の黙示録』(79)
カーツ殺害シーン。
部族による牛のとモンタージュさせ、さらにはドアーズの『The End』をかぶせてきやがる!
当時のコッポラは、映画監督として正しく狂っていたことがよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーく分かる。
(2)『モダン・タイムス』(36)
家畜の群れと労働者を交互につなぐことによって、ヒトがどんな扱われかたをしているのかを一瞬で表現している。
(3)『グッドフェローズ』(90…トップ画像)
映画文法の新しい方向性を見出した傑作。
どこのシーンが・・・というのではなく、全体がすんばらしい。
(4)『天国と地獄』(63)
権藤邸から「特急こだま」へ、場所移動の表現がえらくダイナミック。
(5)『2001年宇宙の旅』(68)
骨(過去)からディスカバリー号(未来)、そしてボールペン(現在)へ。
『美しき青きドナウ』に乗せて、驚異的な時間旅行を体験出来る。
(6)『ダイ・ハード』(88)
クライマックス。
ビルの屋上爆破を、遠景で捉えるショットが「数秒間」入る。
このショットだけで、ジョン・マクティアナンが優れた映画監督であろうことが分かる。
ほんのちょっとのシーンだけど、こういうリズム感、とっても重要。
(7)『逃亡者』(93)
とくに、この追いかけっこ。
(8)『赤ちゃん泥棒』(87)
ジェットコースターを模したカメラワークなので、それに沿った編集が展開されている。
じつに、気持ちいい。
(9)『レイジング・ブル』(80)
打撃の迫真性を追究するために、「文字どおり」暴力的な絵つなぎが展開されている。
(10)『イージー・ライダー』(69)
「時間なんか!」と宣言するオープニングの編集センスに、新しいものを生み出そうとする野心を感じた。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『映画監督別10傑(26)デヴィッド・フィンチャー』
映像の集合体を「映画、らしくする」という意味では同じだけれども、ニュアンスはぜんぜんちがう。
我流に解説すれば・・・
editingは「Aから余分なものを削り、すっきりとしたBを創る」こと、つまり彫刻のようなもの。
翻ってmontageは「CとDを組み合わせ、新しいEを創造する」こと、つまりパズルのようなもの。
editingを極めれば娯楽作に、montageを極めれば観念的な映画になるともいえるかな。
「その、あいだ」が理想だよね、たぶん。
というわけで映画の10傑シリーズの最後は、編集でいってみよう。
脚本と地つづきにあるもので、脚本が優れている映画はたいてい編集も素晴らしく、その逆も同じ。
達人たちの映像マジック、とくとご覧あれ。
(1)『地獄の黙示録』(79)
カーツ殺害シーン。
部族による牛のとモンタージュさせ、さらにはドアーズの『The End』をかぶせてきやがる!
当時のコッポラは、映画監督として正しく狂っていたことがよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーく分かる。
(2)『モダン・タイムス』(36)
家畜の群れと労働者を交互につなぐことによって、ヒトがどんな扱われかたをしているのかを一瞬で表現している。
(3)『グッドフェローズ』(90…トップ画像)
映画文法の新しい方向性を見出した傑作。
どこのシーンが・・・というのではなく、全体がすんばらしい。
(4)『天国と地獄』(63)
権藤邸から「特急こだま」へ、場所移動の表現がえらくダイナミック。
(5)『2001年宇宙の旅』(68)
骨(過去)からディスカバリー号(未来)、そしてボールペン(現在)へ。
『美しき青きドナウ』に乗せて、驚異的な時間旅行を体験出来る。
(6)『ダイ・ハード』(88)
クライマックス。
ビルの屋上爆破を、遠景で捉えるショットが「数秒間」入る。
このショットだけで、ジョン・マクティアナンが優れた映画監督であろうことが分かる。
ほんのちょっとのシーンだけど、こういうリズム感、とっても重要。
(7)『逃亡者』(93)
とくに、この追いかけっこ。
(8)『赤ちゃん泥棒』(87)
ジェットコースターを模したカメラワークなので、それに沿った編集が展開されている。
じつに、気持ちいい。
(9)『レイジング・ブル』(80)
打撃の迫真性を追究するために、「文字どおり」暴力的な絵つなぎが展開されている。
(10)『イージー・ライダー』(69)
「時間なんか!」と宣言するオープニングの編集センスに、新しいものを生み出そうとする野心を感じた。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『映画監督別10傑(26)デヴィッド・フィンチャー』