~アラン・パーカーのキャリア10傑~
いま、どうしているのかな。
体調が優れないのかな、思うように映画が撮れないのかな、才能あるのにな・・・と心配している映画監督が、ふたり。
偽証罪で収監されて以降、出所後は映画を制作していないジョン・マクティアナン。
『プレデター』(87)に『ダイハード』(88)、『レッド・オクトーバーを追え!』(90)など、アクション映画で手腕を発揮したひと。
本人は「撮る気、満々」らしいが、出資者が現れないのだろうか。
そして、アラン・パーカー。
英国出身、光と影を操る才人。
マクティアナンのように、前科がついたわけでもないのに新作がやってこない―となると、心身に問題があるのではないかと想像してしまう。
撮っていないわけではないようだが、日本公開にまで辿り着かないのだった。
残念だな、寂しいな・・・。
(1)『ザ・コミットメンツ』(91)
アイルランドに住む、労働者階級の若者(白人)たちがソウル・ミュージックを歌う。
才能はまちがいなくあるのに、成り上がり「損ねた」青春を描き、何度観ても胸を打つぜ。
(2)『ミシシッピー・バーニング』(88)
公民権運動家と黒人の青年が失踪した事件を捜査するFBI、ふたりが直面する過激な捜査妨害を通し、根強く残る黒人差別の問題を浮かび上がらせる。
社会性と娯楽性が幸福な結婚を果たした、80年代を代表する傑作かと。
(3)『ミッドナイト・エクスプレス』(78)
トルコで麻薬所持の罪で有罪となった男が、30年の刑に服することになったことに耐えられず脱獄を決意する。
脱獄を深夜急行の列車になぞらえた映像表現が巧みで、これぞ映画だ! と感動した高校1年の夏。
(4)『エンゼル・ハート』(87)
当時最高にセクシーだったミッキー・ロークが私立探偵を好演、
ジメっとした存在感を放つデ・ニーロと好対照をなし、スリリングな物語に抜群の雰囲気を与えている。
(5)『フェーム』(80)
ダンサーやミュージシャンを目指す若者たちを描いたミュージカル。
ダンスを捉えるカメラワークがダイナミックで、やっぱりこのひとは器用なんだなと感心する。
(6)『エビータ』(96)
エバ・ペロンを、マドンナが熱演。
この映画に関しては、パーカーの演出がどうこうではなく、マドンナとアントニオ・バンデラスのパフォーマンスをただただ褒めるべきだろう。
(7)『ダウンタウン物語』(76)
子どもたちがギャング・娼婦を演じる、かわいらしい作品。
しかしジョディ・フォスターだけは、10代にしてこの色気で参ってしまった。
(8)『愛と哀しみの旅路』(90)
太平洋戦争を背景に、米国人男性と日系女性の悲恋を丁寧に重厚に描き、素直に感動出来る。
それにしても、この邦題。
観客を減少させたかもしれないという意味で、たいへん罪深いと思うのだが。
(9)『アンジェラの灰』(99)
大恐慌時代を描いたフランク・マーコートの同名小説を堂々の映画化、貧困に直面するひとびとを描いてもユーモラスなのは、それがパーカーの気質なのだろう。
素晴らしいと思う。
(10)『小さな恋のメロディ』(71)
脚本を担当、この映画からパーカーの名前が知れ渡るようになった。
じつはこの映画、日本以外では当たらなかったんだよね。
なんでだろう。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『電話の愚』
いま、どうしているのかな。
体調が優れないのかな、思うように映画が撮れないのかな、才能あるのにな・・・と心配している映画監督が、ふたり。
偽証罪で収監されて以降、出所後は映画を制作していないジョン・マクティアナン。
『プレデター』(87)に『ダイハード』(88)、『レッド・オクトーバーを追え!』(90)など、アクション映画で手腕を発揮したひと。
本人は「撮る気、満々」らしいが、出資者が現れないのだろうか。
そして、アラン・パーカー。
英国出身、光と影を操る才人。
マクティアナンのように、前科がついたわけでもないのに新作がやってこない―となると、心身に問題があるのではないかと想像してしまう。
撮っていないわけではないようだが、日本公開にまで辿り着かないのだった。
残念だな、寂しいな・・・。
(1)『ザ・コミットメンツ』(91)
アイルランドに住む、労働者階級の若者(白人)たちがソウル・ミュージックを歌う。
才能はまちがいなくあるのに、成り上がり「損ねた」青春を描き、何度観ても胸を打つぜ。
(2)『ミシシッピー・バーニング』(88)
公民権運動家と黒人の青年が失踪した事件を捜査するFBI、ふたりが直面する過激な捜査妨害を通し、根強く残る黒人差別の問題を浮かび上がらせる。
社会性と娯楽性が幸福な結婚を果たした、80年代を代表する傑作かと。
(3)『ミッドナイト・エクスプレス』(78)
トルコで麻薬所持の罪で有罪となった男が、30年の刑に服することになったことに耐えられず脱獄を決意する。
脱獄を深夜急行の列車になぞらえた映像表現が巧みで、これぞ映画だ! と感動した高校1年の夏。
(4)『エンゼル・ハート』(87)
当時最高にセクシーだったミッキー・ロークが私立探偵を好演、
ジメっとした存在感を放つデ・ニーロと好対照をなし、スリリングな物語に抜群の雰囲気を与えている。
(5)『フェーム』(80)
ダンサーやミュージシャンを目指す若者たちを描いたミュージカル。
ダンスを捉えるカメラワークがダイナミックで、やっぱりこのひとは器用なんだなと感心する。
(6)『エビータ』(96)
エバ・ペロンを、マドンナが熱演。
この映画に関しては、パーカーの演出がどうこうではなく、マドンナとアントニオ・バンデラスのパフォーマンスをただただ褒めるべきだろう。
(7)『ダウンタウン物語』(76)
子どもたちがギャング・娼婦を演じる、かわいらしい作品。
しかしジョディ・フォスターだけは、10代にしてこの色気で参ってしまった。
(8)『愛と哀しみの旅路』(90)
太平洋戦争を背景に、米国人男性と日系女性の悲恋を丁寧に重厚に描き、素直に感動出来る。
それにしても、この邦題。
観客を減少させたかもしれないという意味で、たいへん罪深いと思うのだが。
(9)『アンジェラの灰』(99)
大恐慌時代を描いたフランク・マーコートの同名小説を堂々の映画化、貧困に直面するひとびとを描いてもユーモラスなのは、それがパーカーの気質なのだろう。
素晴らしいと思う。
(10)『小さな恋のメロディ』(71)
脚本を担当、この映画からパーカーの名前が知れ渡るようになった。
じつはこの映画、日本以外では当たらなかったんだよね。
なんでだろう。
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明日のコラムは・・・
『電話の愚』